タイトル:【虐】 独り暮らしの食糧事情が対蹠地で新緑を芽吹いたら
ファイル:独り暮らしの食糧事情が対蹠地で新緑を芽吹いたら.txt
作者:スイ 総投稿数:4 総ダウンロード数:1354 レス数:4
初投稿日時:2017/01/22-03:27:50修正日時:2017/01/22-03:27:50
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タイトル:独り暮らしの食糧事情が対蹠地で新緑を芽吹いたら

ご注意
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・このテキストの内容は全て創作です。登場する名称などは全て架空のものであり実在しません。
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1
「たっけーなあ」

俺はスーパーマーケットの食料品フロアで、ひとりぼやいていた。
それは商品の値上がりが最近とみに目につくからだ。
先ごろ税率が上がったが、それ以上に値上げしている商品があるじゃねえか。ふざけんな。

この頃の俺は私生活で色々あったのと実家も飛び出していて、懐具合がとても厳しかったのだ。
なので生活費はなるべく切り詰めたい。
この日は少しでも安い食料品を求めて、俺は店内を歩き回っていた。

加工食品コーナーの前に来た時に食用実装石のパックを見つけた。
世の中にはよくこんなゲテモノを食うやつが居るなと思う。しかも値段も思うほど安くないし。

大体にして実装石なんて公園に吐いて捨てるほど居るじゃないか。
やつらを捕まえて加工すればもっと安くできそうなものだが、それは素人考えと言うものか。

店員「2800円になります」

この日は在庫処分品を中心に食料品を買った。これで半月は食いつなげるだろう。
食用実装石のパックに9割引のものがあったので、試しに買ってみた。
賞味期限が今週までだから、これ以上は安くならないだろうとふんだのだ。

俺は商品をマイバッグに詰めて店を出た。
俺の住むアパートはこの店から自転車で10分くらい走ったところにある。

俺は自転車にまたがりペダルを漕ぎ出した。
自宅までの道中にめぼしいものは何もない。


2
10分後、アパートに到着する。

俺の部屋は103号室。アパートは築40年の物件なので破格の家賃だ。
もっとも玄関やトイレが共用なのに加えて風呂はないし、部屋の扉の鍵は南京錠だが。

俺は部屋にマイバッグを運び入れると、テーブルの上に商品を広げた。

さて今回の目玉であるパック詰めの実装石であるが、パックには煮物と焼き物の調理方法の例が
載っていた。
メーカーのウェブサイトには他の調理方法も載っているようで、続きはウェブでと書いてある。

もやしやキャベツなどの安い食材を使った調理方法があるといいのだが、まずは実装石そのものを
食べてみることにした。

パックを切って開くと、俺は直立した禿げ裸の実装石を一体取り出した。
ここで気付いたのだが、袋に小さく「まれに蘇生することがあります」と書いてある。ホントかよ?

俺はおっかなびっくりと実装石をまな板の上に置いて、しばらく放置してみた。
数分待っても生き返る気配はない。なんだよ、おどかすなって・・・。

俺は実装石の腕に包丁を入れてみた。
包丁はスッと抵抗なく肘の辺りに入り、そしていとも簡単に腕は身体から切り離された。
切った感じとしてはカマボコに近いだろうか。

切断面を見ると、骨と血管に神経?と思しき数本の繊維が見える。
リアルにこう言うのを見ると、多少なりともグロさを覚えてしまう。

俺は早速腕を口に入れて咀嚼してみた。
味は、下味がついているのかやや塩味を感じる。
食感は具のないさつま揚げと言ったところか。
匂いは実装石特有の臭いがするように感じるが、慣れればどうと言うことはなさそうだった。

俺はくちゃくちゃと咀嚼し続け、やがて飲み込んだ。

感想としては、うまいとまでは言えないが、豚コマ肉やつみれの代わりには使えそうだ。

これで安価ならいいが、正価で買うとちょっとした肉より高くついてしまうので、魅力はない。
安くなった時に買うくらいしかないなと思った時に、ふと自分の脳裏をかすめた言葉があった。

「捕まえて加工すればもっと安くできそう」

そうだ、実装石など公園に幾らでも居るではないか。
それを捕まえてきて食べたらどうだろうか。
我ながら馬鹿げた考えだとも思ったが、野生の動物を捕食することはおかしいことではない。

貧すれば鈍するというが、今から思えばこの時の俺は少々おかしかったのかも知れない。


3
数日後。俺は家にあった溶けかけの飴玉を持つと、近所の双葉公園へと向かった。

目的はもちろん実装石。

双葉公園は茂みが多く、それだけ多くの実装石が住み着いていると言うことを以前から
聞いていたのだ。

やがて双葉公園が見えてきた。
お目当ての実装石はと見回すと、早くも公園の柵のところにたむろしている個体を見付けた。
背の高さは20センチと言ったところ。仔実装と言うやつだろうか。
俺はスマホのリンガルアプリを起動してからその個体に声を掛けてみた。

俺「よう」

仔実装(以下、仔)「テチ? ニンゲンテチ。何か寄越せテチ」

俺「なら飴玉やろうか?」

仔「アメダマってなんテチ?」

俺「金平糖よりもうまい食べものだ」

仔「テチ、本当テチ? 寄越すテチ! 今すぐアメダマをワタチにケンジョウするテチ!」

俺は実装石のことをネットで調べていた。
実装石は甘いものが好きと言う話とあったが本当らしい。
金平糖は家になかったが、飴玉があったのでそれを持ってきていた。

俺「まあ慌てるなって。ほらよ」

仔「テチューン♪」

俺は飴玉の包み紙を引きちぎると、仔実装の口の中に飴玉を押し込んだ。

仔実装「テ、テ、テ! アマアマ! アマアマテチィ!」

俺「気に入ったか?」

仔「アマアマでおいしいテチィ! 探し求めていたワタチのシアワセはここにあったテチィ!」

見れば仔実装は感激しているのか涙を流していた。
よだれもだらだら流して鼻息も荒い。

俺「飴玉はまだあるから味わって舐めてろ」

仔「ワタチは三国一の幸せものテチィ」

飴玉一つで大げさだが、実装石なんてそんなものなのか。
俺は仔実装が飴玉を舐め終わるまでスマホをいじって暇をつぶしていた。

かなり時間がかかって仔実装は飴玉を舐め終えた。

仔「おいしかったテチィ♪」

俺「そうか。飴玉なら俺の家にまだあるから遊びに来いよ」

仔「テチ、ワタチは飼い実装になっちゃうテチ? テェェーン、テイセイするテチィ、ワタチは
  東洋一のシアワセものだったテチィ!」

飼い実装? ああ、用語集に書いてあったあれか。

俺「飴玉やるから俺の後に着いてきな」

仔「分かったテチィ♪」

俺はスマホをいじりながら、仔実装の歩幅に合わせてのろのろと自宅へ向かう。
それでも仔実装はついて来るのがやっとのようだった。


4
たっぷり十数分後。俺たちはアパートに到着した。

仔実装はだいぶ息があがっているようだ。テェテェと喘いでいる。

俺は気にせずアパートの共同玄関を開けた。

俺「入れ」

仔「テェテェ。ニンゲンのおウチは、テェ、大きいテチ。テェ、高貴なワタチに、テェ、
  ふさわしいテチェ」

ん? アパート全体が俺の家だと勘違いしているのか。

俺は自分の部屋に仔実装を招き入れる。

仔実装はとてとてと部屋に上がってきた。
人間の生活が珍しいと見えて辺りを見回している。

俺「飴玉もあるけど、もっとうまい甘露水を飲ましてやるよ」

仔「カンロスイテチ?」

俺「今作ってやるから待ってろ」

俺は戸棚の深皿に甘味料を入れ、そこに水を注いでスプーンでかき回した。
砂糖を使っていない甘い水だ。
甘味料を使ったのは砂糖より安上がりなのと、他にも理由がある。

俺は皿を仔実装の前に置いた。

俺「好きなだけ飲んでいいぞ」

仔「これはお水テチ?」

俺「世界一うまい甘露水だ」

仔「テチャァ! セカイイチとはワタチにふさわしいテチ!」

仔実装は皿の前に立ち、顔を水面に突っ込んだ。

仔「テチィ! これもアマアマテチィ!」

俺「全部飲んでいいぞ」

仔「ゴクゴクいけるテチィ♪」

仔実装は息をするのも面倒くさいと言うように、水面に顔を突っ込んでいた。
仔実装は甘露水に執心のようなので、俺はしばらく放置しておくことにした。

仔「テェプ。ニンゲン、オナカいっぱいになったテチ」

皿を見ると甘露水があらかた飲み干してある。
仔実装は、身体のバランスがおかしくなるくらいに腹を膨らまして、床の上に仰向けになっていた。

俺「どうだうまかったか?」

仔「アマアマを十分に堪能したテチ。オナカ苦しいテチ」

俺「そうか。じゃあ休んでいろ」


5
俺は再び仔実装を放置してゲームをしていた。

それから30分も経っただろうか。

仔「テ〜テ〜、オナカがおかしいテチ! ワタチのポンポンぎゅるぎゅるテチィ! カンロスイの
  怒りに触れたテチャァ!」

来たか。甘味料を摂ると腹がゆるくなることがあるが、どうやら実装石も同じらしい。
ここで糞をされてはたまらないので、俺は仔実装を共同便所に連れて行く。
ここの便所は和式なので、普段便器は蓋で覆ってある。
俺は蓋をずらし、便器との隙間から仔実装に排便させた。

仔「出るテチ、出るテチィ! 出過ぎて内臓まで出ちゃうテチ!」

なんか凄いことになっているようだ。実装石の糞は凄いらしいからな。
仔実装は便所でしばらく格闘していた。

仔「テ〜、スッキリしたテチ」

どうやら終わったようだ。
仔実装を見ると、膨れた腹も元通りぺったんこになっていた。単純な作りの身体なんだなあ。

仔「ニンゲン、オナカすいたテチ」

俺「また甘露水飲めよ」

仔「テチューン♪」

俺は仔実装を部屋に連れて行き、甘露水を飲ませる、腹ゆるくなる、便所で排便と言うサイクルを
数度繰り返した。

仔「テ〜、ニンゲン、またポンポンおかしいテチィ」

俺は仔実装をトイレに連れて行き、今日何度目かの排便をさせた。
見ると当初緑色だった糞の色は、透明の水のような色になっていた。

腹の中がきれいになったようだ。そろそろ頃合いか。


6
俺は仔実装を部屋に連れて戻ると、鍋に水を入れてガスコンロで火に掛けた。

俺「そろそろ風呂に入るか」

仔「オフロも用意したテチ? オマエはよくできたニンゲンテチ。これからはワタチのドレイとして
  エイエンに使役する栄誉を与えるテチ」

俺は台所の流し台に仔実装を立たせた。
そして服を脱がせるとスポンジで身体を洗い、水をかけて流した。

仔「テチャァ、いい気持ちテチィ。ニンゲン、世俗の汚れを落とすようにココロを込めて洗う
  テチィ」

仔実装はご機嫌だ。
さてそろそろ鍋の湯も沸いたようだ。

俺「お・待・た・せ。お風呂にする? 食事にする? そ・れ・と・も、地獄?」

仔「テチャ?」

俺は仔実装の返答を待たずして、グラグラと煮え立つ湯の中に仔実装を放り込んだ。

じゃぽん

仔「テチャァァァァァァーーーーーー!!!! 熱いテチ!! 熱いテチィィィィィィ!!!!」

仔実装は短い手足をバタつかせて、おぼれながらも湯の表面近くでのた打ち回っている。
流石に即死はしないようだ。

仔「ガボゲボ、クソ、クソニンゲン!! なに見てるテチィ!! ゲビャァ、す、すぐに助けろ
  テチィ!! 」

見る見る内に仔実装の身体は赤く茹であがっていく。
でもこの期に及んでまだ悪態をつけるとは、お前はまだ余裕がありそうだな。

仔「死んじゃうテチィ!! チンじゃうテチィ!! チンジョワアアァァァァァァ!!!!」

パキン

ん? 今ガラスが割れるような音がしたような。

仔「・・・・・・」

仔実装は断末魔の叫びと共に動かなくなった。
もはやお湯の中でぷかぷかと上下しているだけの肉塊となっている。
俺は試しに箸の先で仔実装を突いてみたが反応がない。逝ったか。

その後俺は中までじっくりと火を通して仔実装を茹であげた。


7
もういいだろう。

俺は茹で実装?を湯の中からすくい出して水で洗った。
髪の毛は引っ張ったらズルっと面白いように根こそぎ抜けた。

仔実装の水気をタオルでふき取ると、まな板の上に置いて食べれそうな場所を見定める。

腕と足は食えるよな。後は胴体が食えそうな感じがする。頭はどうだろう?

俺は調味料を用意する。
部屋には塩、砂糖、醤油、味噌、ソース、ケチャップ、こしょう、カラシがあった。

これらを使って仔実装のパーツの食べ比べをしてみることにする。

俺は全ての調味料を皿の上に少しずつ盛った。

まず食い易い腕からいくか。
俺は腕をもぎ取ると、順番に調味料を付けて食べ進めていく。

塩だと淡泊だな。
ソース、ケチャップだとちょっとしつこいのか。
醤油、味噌は合っている気がする。カラシ醤油、カラシ味噌でもいい。
ここで酢味噌を試してみたくなり酢がないか探したが、残念ながら切らしていた。

続いて足。
足は豚足を思わせるので塩と胡椒で食べてみた。
お、これはいける。
砂糖と醤油で甘辛に煮てもいいかもしれない。

胴体は部位によって違うかなあ。
ソース、ケチャップみたいなこってりした調味料が合いそうな気がする。
ドレッシングはないがそれもありだろう。

などとちびちびと食べていたら、あっと言う間に食べ尽くしてしまった。
仔実装は身体のボリュームがないので仕方がない。

感想としては、茹で実装は酒のつまみとして食べるとよさそうだ。
コスパとしては、少量の甘味料で食えるからいい方なのかな。
ただ手間がだいぶかかるので、これは何とかならないものか。

それにしても実装石一匹でも意外に楽しめるものだ。
実装石なんて害悪にしかならないと思っていたが、この件で俺は実装石を見直した。


8
数日後。

実装石の味が忘れられないと言うわけではないが、あの成体実装とか言うデカい実装石も
賞味してみたくなった。

俺は再び双葉公園に向かう。今回も飴玉は忘れずに持って行く。

柵の辺りに居ると連れ帰り易いのだが、今は居ないようだ。
俺は公園の中に入りぶらぶらと噴水のところに行ってみる。

すると居た。一匹の成体実装が噴水で服を洗っている。
きれい好きな個体なのだろうか。それならなおさら都合がいい。

俺「よう」

実装石(以下、実)「デス? ニンゲンサンデスゥ?」

俺「飴玉やるよ」

実「アメダマってなんデスゥ?」

俺「金平糖の100倍うまい食い物だ」

実「デ! 欲しいデス! 食べたいデス!」

俺「ほれ」

俺は閉じていない実装石の口に飴玉を放り込んだ。

実「デデデデ! これはアマアマデス! スゴいアマアマなんデスゥ!」

俺「うまいか?」

実「コンペイトウの100倍うまいだけはあるデス! おいしいデスッ!」

こいつは金平糖食べたことがあるのか怪しいな。
とりあえず俺はそうかと軽く返しておいた。

実「夢みたいデス〜、今年一番のシアワセなイベントデス〜」

実装石だけあってどいつも反応は似たようなものなんだな。
でも「今年」って、お前意味分かって使ってるのか・・・。

実装石は口の辺りをごにょごにょ動かして、飴玉を口内で転がしているようだ。
やがて実装石は飴玉をなめ終えた。仔実装の時と違って早いな。

俺「うまかったか?」

実「おいしかったデス〜、アリガトウデス〜」

俺「ところで飴玉の100倍うまい甘露水と言うものもあるから飲ませてやるよ」

実「そのカンロスイはコンペイトウの200倍おいしいデス? 食べたいデス!」

俺「じゃあ俺の家に来いよ」

実「デ? カンロスイはここにないデス?」

俺「ん? すぐそばにあるぞ」

実「デー、ムスメたちも連れて行っていいデス?」

この成体には仔供がいるのか、それは誤算だった。今回はお試しだから成体だけでいいんだが。
俺はここで機転を効かせることにした。

俺「仔供は公園の外に出たら危ないだろう」

実「そうなんデス・・・オソトはキケンなんデスゥ」

俺「仔供にも飴玉をやるから公園で待たせておけ。カンロスイはお前が持ち帰って仔供に飲ませて
  やれ」

実「それならいいデッスゥ〜ン」

俺は適当に数個の飴玉を実装石に持たせた。
実装石は服を着ると飴玉を携えて公園の茂みに消えて行った。
数分後、実装石は戻ってきた。

俺「よし行くか」

実「ムスメたちはお昼寝中だったデス。アメダマは置いてきたデス」

俺「そうか。後で甘露水と一緒に食わせてやれよ、喜ぶぞ」

実「デスゥ。アイゴハのニンゲンサンでよかったデスゥ〜」

愛護派ねえ。まあ食べちゃうくらい好きと言う例えもあるから間違いではないかな。

俺は実装石と共に俺の家に向かった。


9
数分後、俺たちはアパートに着いた。

この実装石は割と歩くのが早いようだ。

実「大きいおウチデス」

実装石はアパートを見上げてそう言った。
実装石に集合住宅なんて考えはないから仕方ないか。
俺は玄関を開けて実装石を中に入れる。

俺「あがれよ」

実装石はアパートの中に入り、そして俺の後について部屋の中に入ってきた。

俺「甘露水を用意するから待っていな」

実「分かったデス。ところでニンゲンサンは実装石を飼っているデス?」

俺「いや実装石を飼ったことはないぞ」

実「そうデスか。仲間の匂いがしたような気がしたデス」

この間の仔実装の匂いが分かるのか。
そう言えば実装石には託児って習性があると言うな。あれは仔の匂いを追ってくるんだっけ。

俺は一応前回の仔実装の時とは器を変えて、今回はどんぶりに甘露水を作って実装石に出した。

俺「飲んでいいぞ」

実「いただくデス」

実装石は皿に顔を埋めてぴちゃぴちゃと甘露水をなめ始めた。

実「デスッ! これもアマアマデッス!」

俺「おかわりもいいぞ」

実「オロローン、このカンロスイのおいしさは罪デスゥ、万死に値するデスゥ」

感涙している。この実装石も甘味料に魅了されているようだ。
今度はどんぶりの甘露水をぐびぐび飲んでいる。

俺はスマホをいじって時間をつぶしていた。

実「デェ、ニンゲンサン、オナカが、オナカが苦しいデス・・・」

見ると相撲取りみたいな腹の実装石がそこに居た。
こいつらにはリミッターがないのか限界まで飲むんだな。

俺「休んでていいぞ」

実「デー、ヒトヤスミさせて貰うデス」

実装石は横になった。

さてこれから排便、甘露水のサイクルに入るわけだが、仔供のことが気になって帰るとか言い
出すんじゃなかろうか。
ここはひとつ細工をするか。


10
それから30分後。

実「デェ!デェ! ニンゲンサン! オナカがおかしいデス! ぎゅるぎゅる鳴っているデス!」

来たか。
俺は実装石をトイレに連れて行き、前回と同様に便器と蓋の隙間から排便させる。

実「デスー、公園の噴水のように出るデスー」

実装石は大量の水便を垂れ流していた。糞の色は当然まだ緑色だ。
だが出すものも尽きたのか、やがて排便行為も終わった。

実「スッキリサッパリデス。助かったデス」

俺は実装石を部屋に連れ戻し2サイクル目に入ろうとする。

実「ニンゲンサン、そろそろオイトマして公園に戻りたいデス。ムスメたちが起きたらワタシが
  居ないので心配するデス」

俺「大丈夫だ。お前が甘露水を飲んだことにより時間が巻き戻った」

そう言って俺は目覚まし時計を見せる。眼をしばたかせる実装石。

実「時間が巻き戻るデス??」

俺「お前は時計を知っているか?」

実「トケイは公園にあるデス。短い棒がワタシの赤い目の方に動くと暗くなるんデス」

実装石は自分の赤の右目を手で指している。
実装石が公園の時計に向かって緑の左目が9時、赤の右目が3時になる。
実装石は日中に行動するだろうから、左目の方に短針があれば朝、右目の方に短針が移動すれば
夕方と言う認識なのだろう。

俺「ではこの時計を見てみよう。お分かりいただけるだろうか」

実「短い棒が上にあるデス・・・」

俺「そう。お前が公園に居た時は、短い棒はお前の赤い目の方にあった」

実「そうデスゥ・・・」

俺「だがお前が甘露水を飲んだことによって短い棒は上に戻った!」

実「デェ!? そんなことがあるデス?」

俺「甘露水を飲むと時間が巻き戻るのだ。事実この時計はそうなっている!」

実「デ、デ? 今ムスメたちはどうなっているデス?」

俺「さっき昼寝をしていたと言ったな。だから寝入ったばかりになった」

実「デ・・・まだ起きていないと言うことデス?」

俺「そう言うことになる」

実「デスゥ! カンロスイには凄いチカラがあるデス!」

俺「うむ。だから仔供たちは当分起きない。お前が甘露水を堪能する時間が更に伸びた」

実「嬉しいデス♪ 今日は飲みまくっちゃうデス〜♪」

これで俺も実装石も安心だ。2サイクル目いくよ〜。


11
俺は実装石が排便する度に時計を巻き戻した。

幾らでも甘露水を堪能できると信じこんだ実装石は、俺の部屋と便所を往復した。

そして何度目かの排便を見ると透明の水のような色になっていた。頃合いだな。

俺は深鍋に水を入れてガスコンロで火に掛けた。

俺「風呂もあるから入れよ」

実「デー、ワタシはきれい好きなので嬉しいデスゥ♪ 何から何までアリガトウデス」

実装石はいそいそと自分で服を脱ぎ始めた。手回しのいいことだ。
俺は台所の流し台に実装石を立たせてスポンジで身体を洗って水で流した。

デヒャデヒャと喜ぶ実装石。

鍋の湯も沸いたようだ。主役は揃った。

俺「さて巻き戻した時間の清算タイムです」

実装石「デス?」

俺は実装石を抱え上げると、沸騰する湯の中に頭から押し込んだ。

どぼん

実「!?!?!?!?!!!!!!!!!!!!!!!!」

実装石は大暴れしたが、頭が完全に湯の中に浸かっているせいで、叫んでも声にならないようだ。
ぶくぶく言ってるが聞き取れない。

実「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

俺は虐待目的じゃないから、今後は声の聞こえないこっちのやり方がいいかも。
そう考えている間にも実装石はどんどん茹であがっていく。

パキン

実「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

これ偽石が割れる音だっけ。逝ったな。

実装石は仔実装に比べて図体がデカいからよく茹でておかないと。
俺は実装石をひっくり返すと足の方も十分に茹であげた。

そろそろいいだろう。

俺は実装石を鍋からひっぱりあげて水で洗った。


12
肉塊となった実装石をまな板の上に寝かせる。

仔実装と違って成体はやはりデカい。食いでがありそうだ。

その前に調味料を用意しておく。
前回の塩、砂糖、醤油、味噌、ソース、ケチャップ、こしょう、カラシに加えて、
今回は酢とドレッシングを追加した。

まず腕だが、太めのフランクフルト以上のボリュームはある。
これを食べたら腹いっぱいになりそうだ。

前回と同様に調味料を変えてかじっていく。

肉の味は仔実装と変わらないが、仔実装に比べて肉にやや歯ごたえがあるようだ。

そう考えると仔実装の足を食べた時のように、塩コショウがよさそうだ。
もにゅもにゅ。このぶんだと足にはもっとこってりしたステーキソースが欲しくなるな。

そんなこんなで両腕を食べ切ったところで俺は腹が膨れた。
残りは冷蔵庫に入れておいて後で食べることにしよう。

俺は実装石の胴体を冷蔵庫の中に入れた。

さて食ったからひと眠りするか。
おっと、その前に目覚まし時計を戻しておかないとな。


13
俺が実装石を捕食し始めてから、かれこれ1年が経った。

当初は食材の用意に手間取っていたが今は慣れたものだ。

最盛期は実装一家、つまり親実装とその仔供たちを丸ごとアパートに招待するようにしていた。
甘露水を用意しておいて、後は親実装に仔供の糞の始末をさせるのだ。

そして親子の糞抜きが終わったところで、まとめて熱湯風呂にザブーン。
後は食べるだけ。

ちなみに双葉公園の実装石の数は、俺が食ったくらいでは減ることもなく、むしろ市内のあちら
こちらで増え過ぎてしまい、自治体レベルで問題になっているほどだ。

日本の裏側では食糧危機だのなんだのと相も変わらず騒いでいるが、実装石を食べるようにしたら、
そんな問題は解決しちゃうんじゃないかと思うことがある。

実装石を大量に輸出して、後は俺が食材捕獲のノウハウとレシピを公開したら、日本からは実装石が
減って環境問題が改善されるし、海外では食糧危機が解決する。
調味料メーカーは市場開拓も出来て一石三鳥だな。

数億人規模の食糧危機の解決の可能性もあるわけなので、その功績でノーベル賞が取れちゃったり
してな。

そんな一見荒唐無稽だが、全く根拠がないわけでもない構想を俺は頭に思い描いていた。


14
数ヶ月後。

「今日も疲れたな・・・」

最近仕事が忙しいわけでもないのに、身体にやたら疲労感を覚える時がある。
風邪を引いたのだろうか。微熱も続いている。

まだ若いつもりなのだが、もう年なのだろうか。

じんましんも出てしまって痛かゆいので、今は皮膚科に通っている。
昔はこんなことなかったのに。

貰った薬を塗っているが全く効いている気がしない。あのヤブ医者め。
多少面倒でも双葉病院に行ってちゃんと見て貰うことにするか。

実装石輸出計画はだいぶ煮詰まってきた。
まだどこにも公表していないが、ここに生き証人が居るから誰も否定は出来まい。

それにしても研究結果をまとめるのには時間がかかるな。
大学で手抜きレポートを書いていた時とは段違いだ。
甘露水を飲んで10年くらい時間が巻き戻ればいいのにと思う。

そう言えばそろそろノーベル賞の発表時期か。

今年の受賞は譲るが、数年後には双葉市から受賞者が輩出されるかも知れんね。

そんなことを思いながら、俺はじんましんの出たところをボリボリと掻いていた。
掻きすぎたのか血が出てしまっていた。

ヤバい。こりゃ本気で双葉病院に行かないとな。

そんなことを思いつつも、かゆみも俺の手も止まらなかった。


15
世間がノーベル賞の受賞のニュースに沸いていた頃のある日のテレビ。

「こんばんは、ふたば☆ちゃんねるニュースの時間です」

キャスターは、淡々と日本人のノーベル賞の受賞のニュースを読み上げていく。
そしてこの日の最後のニュースは以下のようなものだった。

「東京の双葉病院で、寄生虫症の急性疾患により運び込まれていたアルバイトの40代の男性が、
 昨日死亡していたことが分かりました」

「病院によりますと、この男性は芽殖孤虫(がしょくこちゅう)と言う珍しい寄生虫に感染
 していたことが判明しました」

「この寄生虫が人の体内に入ると、植物が芽を出すように増殖していき体内が虫だらけになります」

「現在この寄生虫に対する治療法は確立しておらず、人が感染した例では全て死亡しています」

「解剖を行った医師によると、この男性の感染経路はまだ特定されていないとのことです」

「日本での芽殖孤虫の感染例は非常に少なく過去100年で8例と、日本人のノーベル賞の
 受賞者数よりも少なくなっています」

「ふたば☆ちゃんねるニュースをお送りしました」


終

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1 Re: Name:匿名石 2017/01/22-04:13:17 No:00003970[申告]
感染経路不明、致死率100%の孤虫御大ではないかwww
そりゃ実装石が宿主だったなら、そら見つかるわけねえわwww
終宿主は…まさか実蒼石か…
2 Re: Name:匿名石 2017/01/22-12:30:45 No:00003971[申告]
子供の頃トラウマになったアレだ!コワイコワイコワイ!
飼っている猫のケツから瓜実条虫がプリプリ出てきた来た時には
コレなんじゃないかと思ってパニックになったものですよ
3 Re: Name:匿名石 2017/01/22-17:45:59 No:00003974[申告]
生や野良を食っちゃいかん生物には理由があるもんだ

途中の時計を巻き戻すくだりには笑った
ゆで理論か
4 Re: Name:匿名石 2017/01/25-19:56:28 No:00004011[申告]
シュールな会話を楽しむスクかと思ったら………、オチが怖ェェェェェ!
いや、野良実装なんて食って大丈夫かよwなんて笑いながら最初読んでたのに!
大丈夫じゃありませんでしたァァァァァァッ!
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