タイトル:【愛・観察・虐】 三代目デスゥ
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初投稿日時:2006/08/19-04:04:40修正日時:2006/08/19-04:04:40
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三代記 〜三代目達…悲劇と喜劇の実装生 前編〜

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家族会議の末、マルは再び出産に挑む事になった。

まぁ、妻と娘は、マルの仔だからきっとマルに似るわね…なんてオキラクな考えだ。
そんなに簡単なら世の中すでに糞虫は駆逐できてるだろうに。


しかし、俺とマルには判っている。
これが最後のチャンスであり分の悪い賭けであることが。

俺は「実と装」に募集をかけ、優秀なオス実装を探した。
かつて、虐待派だった俺が「実と装」の紙面に名前を載せるとは…すっかり愛護派の仲間入りだな。


オス実装とは、マラ付きであり、かつ玉…陰嚢付き、しかも排泄口が本当に排泄機能しか持って居らず、
妊娠することが無いと言う奇跡の突然変異マラ実装だ。

こいつは、マラの中でも比較的温和で知能ある種であることが多い。
マラ付きでさえ、全体から見れば絶対数の少ない突然変異種であり、
玉付きマラとなると、さらに希少種、そこからさらに希少な妊娠機能の無いのがオス実装。

妊娠機能が無い為とも言われるが欲望が抑えられている。
仔を設けられないので、その分、余計な知恵や勘違いをしないらしい。
しかも、その精子は花粉で妊娠するデタラメな…
遺伝云々が殆ど意味の無い実装石でも、その知能を底上げし丈夫な仔ができると言う話だ。

とにかく、賢さを高いレベルで遺伝維持させる為に、
俺は紙面に「オス実装の交配相手求む」と出したのだ。
この種付け料の一般的価格が恐ろしく高い。
実装石故、一発やれば確実に妊娠成功するとはいえ数十万ってのは…。


さらに只でさえオス実装が希少な上、なんと実装石の癖に気に入った相手と番いを作る習性があるとかで、
種付けの為にだけ馬鍬うのを嫌うという。
様は、多少知恵が高いので面食いになってると言え、
それが1発のお値段の高さの理由だそうだ。
賢いは賢いで、逆にプライドが高い面は改善されてないんだな。


何とか編集部の仲介もあって、手頃な値段で種付けしてくれる人物を紹介される。


そして、当日、初めてオス実装を見た。
たしかに立派なマラに比較すると小さな玉がぶら下がっている竿を見せ付けられる。
流石にマルも、そのマラには驚愕だ。

マルはマラに襲われた実体験が無いが親は人間のナニで殺されている。
ソイツのマラは確かに人間サイズだ。
むしろ…俺と比較すると…いややめておこう。
とにかく、ナニがマルのトラウマの1つだけに震えが止まらないようだが、
それでもマルは気丈に受け入れる決意をしている。

俺が長年溜め込んだ小遣いを渡して交渉成立。
ああ、せっかくの頭金が…また、次の通勤用の足は軽自動車だな…。

するとオス実装の飼い主が、ソイツのマラをゴム手でしごきだす。
「テテ!テステッ♪テスゥゥゥゥゥ〜ン♪」
ビュッ!
強烈な精子の放射を小さなフィルムケースに受ける。

『オスは気に入った相手か、絶対的な飼い主以外には許しませんから…
 これを勝手に使ってください。
 このお値段では、ウチのゴンザレスちゃんに、
 △ネット会長の才女、ミランダちゃんをメロメロにした愛とテクある馬鍬い…
 もとい、直接、腰を振らせる訳には行きません。
 今日は○×貿易社長のペットのクリスティーナちゃんと予約がありますので失礼』

なんか呆気ない…というか、かなり飼い主の天狗な態度が…
それに賢いと噂のオスでも、あのマヌケな叫びと顔はどうにかならないのだろうか?
まぁ、直接ヤられなかったのはマルにとっても救いだろう。
でも、やっぱり抱かれないと不都合でもあるのだろうか?

とにかく、その精子を新鮮なうちに注射器でマルの排泄口に流し込む。
機械的な作業でこちらも呆気ない。

たったコレだけのために俺様の新車の積立金が…。


しかし、当日、マルは無事に妊娠した。
マルは成体となって、既に身体の大きさに対して十分な空間とはいえない水槽に篭る。
今は夜に寝るときに使うだけだったが、これだけがマルに与えられた本当に自由な部屋なのだ。
これが、あくまで頑固なマルのスタンスなのだ。

流石に十分な運動は出来ないので外に出るが、
それ以外は水槽で胎教、食事、自分の洗濯、風呂、掃除に余念が無い。
成体となってさらに音痴でうるさい歌はカンベンだが、
これもかなり知能に影響すると言う話なので、今回も我慢してやる。


そうして10日が過ぎた。
どうやら、今回はしっかり平均的な妊娠期間を過ごせたみたいだ。

「デデ!きたデスゥ!ニンゲンパパさん、ニンゲンママさん、きましたデスゥゥゥ!」

娘は楽しみにしていたようだが塾で居なくて残念だ。
昔と違いマルはトイレも使えるので、慌てて駆け出し、トイレの実装石用ノブを回して入っていく。
俺達はタオルを持ってそれを追いかける。

洋式便器の横の踏み台に上がり、普段と同じく便器をよじ登る。

今回は前ほど痛みも無いのか実に落ち着いたものだ。

「デェェェェェデェェェェェデズゥゥゥゥ…デェッ!」

プリッ…ペロッ…ポチャッ…「レヒー…」

程なく最初の仔が落ちる。
仔実装の頃には排泄口を裂いて生まれた仔も、
今は排泄口が圧力で軽く広がるだけで自然に零れ落ちる。
苦しそうな顔ではあるが、それだけ負担が少ないのだろう。

当人も、仔実装の頃のアレを想定して備えていたのか、
その痛みの比率的な少なさに驚いているようだ。

そして、浮かんでいる仔を救い上げて舐め取ると、
俺達が横に置いた台の上のタオルに優しくおいて次の仔を救い上げる。

物を用意するが、俺達はマルに一切手は貸さない。

タオルの上では、おたま実装が徐々に手足を大きくしていく。
5cmのおたま実装が蛆へ、そして親指実装の形へ、さらに膨らむように大きくなる姿は、
神秘的でもあり、漫画の様でもある。

6匹の仔は、4匹が10cmの元気な仔になった。
1匹はマラ付き、1匹は蛆実装になった。

賢い実装石は、普通の実装石より出産数が少ないと聞く。
どうも胎教の間に育成の遅い種細胞が、ある程度効率よく成長を止めて卵のまま排出されるらしい。
その法則を当てはめれば、マルは平均的な出産数か…。

もっとも、実装石最大のセオリーたる”絶対は無い”があるだけに、
どれだけ賢い親でも、本来未熟な先天的蛆や親指、
異分子たるマラ付きが完璧に淘汰できずに産んでいる話はしょっちゅうだし、
ダメな種細胞やおたま実装の死産、産んだ仔がすぐに突然死する等が今回のマルには無かった。
そう考えれば、胎内自然淘汰は出来ているようだ。

マルとオス実装、どちらの作用でそうなっているか判らない。
仔が賢くなるか馬鹿になるか…未知数だ。

全員無駄なく元気なのは、まぁ眉唾に近い、あのオス実装の精子の効果もあるのかもしれない。

産み終えて10分後、一通り仔が安定したのかマルはトイレから出ると言った。
さすがに、台から全部の仔を降ろすのはマルでは大変な作業なので俺が手伝う。

しかし、6匹ともなると流石に騒がしい。
既にパンコンしているヤツも何匹か居る。
妻に用意させていたタライを置いてやると、マルはその場で床を洗い仔を洗う。
しっかり下着を脱がせ、言い聞かせながらキレイにしてやる。

まだ、生まれたてなだけに、どいつもこいつもバカばっかりだ。
流石にこの段階でも判る程の知能ある仔は、元野良のマルからはムリだろう。
かといって全員が糞虫級低脳かどうかも、正確にはこの段階で判断するのも無理だろう。
知能自体は、親や環境の教育次第で多角的に変化・成長するのが実装石だ。

全ては、生まれて1日目の期間を過ぎないと最初の糞虫判断はできない。


そうして、1週間が過ぎた。
1日過ぎての印象は、様子を見るに全て平均的なレベルの仔だ。
見て判る程の糞虫種も居なければ、逆のペットクラスの才能を持つ仔も居ない。
まぁ、マラ付きや蛆は確かに普通の仔実装より頭が悪いが、
それぞれ、マラや蛆の平均から見ればむしろマシな方だ。

狭い平均的な熱帯魚用60cm水槽では流石にマルの他に6匹の仔を入れると無理があるので、
水槽の周りに柵を置いて、ビニールシートを敷き、マル達の空間を作ってやっていた。
あくまで、仔はマルが面倒を見る…その約束は最初から徹底されていた。

最初は我儘、漏らし放題の仔達も、徐々にトイレや風呂・洗濯の仕方を学んでいく。
俺達の姿を見かけたときの挨拶も一応は出来る。
バカなマラ付きも蛆実装も挨拶が出来る。

ただし、どいつもこいつも、挨拶の意味までは理解していないので、
デタラメだったり不承不承で親の指示に答えている段階だ。

マルの躾けは、親という立場と特性を生かしつつ、
反抗を上手く抑える飴と鞭の具合が程よい教え方だ。
賢い親でも育児を任せると、所詮は実装石故、
人間の真似をするつもりが、つい、甘い方か厳しい方に偏る傾向がある。

親自体が、完全に人間の真似を出来るわけでもないし、
結局、早期の成果…それも、目に見えて判るほどの変化を期待してしまう為だろう。

その点において、マルは自身が愚鈍で仔も人間基準では愚鈍である事を理解して、
急速な変質を求めない、根気良く繰り返す事を見失わないでいる。

それだけに、時間をかけてもそれほど高い才能を発揮する仔は見受けられない。


娘は仔実装の小ささに『可愛い』を連発して触りたがるが、
なるべく触るのも、人の手から食べ物を渡すのも、長時間覗き込むのも止める様に言った。
それは、知識の乏しい仔実装の頃には確実に勘違いの元になる。
躾けは全てマル次第だ。

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ワタシの仔…みんなカワイイ…ワタシの仔なんだ。
でも、この仔達の中からワタシと一緒に生きられるのは1匹だけ。

せめて、ご主人様達に迷惑をかけないレベルまで教育しないといけない。
そうすれば少なくとも…どこかで生きていられる。
誰かのニンゲンさんのお家で飼って貰えるし生きていられる。

でも、どの仔もそんなに頭が良くない。
昔のワタシとまったく同じだ。
でも、ワタシがしっかりしないとダメだ。

「いいデス!?ニンゲンさんに飼われるのはワタシ達の幸せデス!」

「飼われるテチ飼われるテチ♪ワタチなら確実に飼われるテチィン♪」
「ステーキテチィ♪スシテチィ♪あのニンゲン達に貰うテチィ!」

「それはダメデス!ニンゲンさんは本当に賢い仔しかペットにしないデス!
 それに、寿司やステーキはワタシ達がダメになる食べ物デス!
 そんなものを欲しがる時点で、ワタシ達の知能は計られてしまうデス!」

「ママー!あの醜いニンゲンからゴハン貰うテチィ♪ママの魅力でおいしいの貰うテチ♪」
「そうテフゥ、このゴハンおいしくないテフン!」
「あのニンゲンはゼンゼンダメテチン!ママ!あんなの捨てて、もっと良いニンゲンに飼われたいテチィー」

パチンパチンパチン!

「なんてことを言うデスゥ!!
 このゴハンはワタシ達の栄養を考えて作られているデス!
 ニンゲンさんが、ちゃんと考えて作ったものデス!
 それに、あのご主人様やニンゲンパパさん、ニンゲンママさんをバカにすることは許さないデス!
 お前達は、まだ、お勉強が足りないから許されているデス…
 いずれ、ご主人様が許しても、ワタシが許さない時が来るデス」

ああ、昔のワタシが居る…。
みんな野良実装の頭のままだ。
でも、あまりにも一方的に怒るのもダメだ。
ワタシはワタシの小さい頃を思い出して考えた。
そして、怒った後はみんなを集めて、そっとワタシのお腹に抱き寄せて頭や髪を撫でてやる。
ワタシも落ち着く、みんなも落ち着く…。

ワタシは胎教の歌を聞かせる。
ニンゲンさんの事、お手伝いの事、トイレの仕方、ゴハンの食べ方…色々、色々…。
みんなお腹で聞いてきた。
ワタシもママのお歌は覚えてる。
きっとみんなもワタシの歌は覚えてる。
ちゃんと思い出せば、みんなみんな、きっとワタシの言葉をいつか理解する。
お腹の中のときから覚えていたお歌で…。

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1ヶ月が過ぎた。
マルの指導の下、仔実装達は何とか、
トイレの理解、自力での風呂・洗濯、餌を食い散らかさない等の基本的な事は出来るようになった。
最初のマルの教えが良かったのか、非常に綺麗好きで、
その相乗効果か糞も便意を感じてから割と長く我慢できる。
キレイでいたいが為に、糞を漏らしていいトイレの場所もマナーも覚える。
その点は、同じ頃のマルより遥かに優れているかもしれない。

ただ、気になるのが俺達人間に対する行動だ。
マルの言う事は良く聞き、その指示が能力内であれば守るようだが、
人間に対する行動は進歩が見られない。

甘え、侮蔑、要求、批判は、それこそ鶏頭のように繰り返すわけではないが日常茶飯事…。
マルが言い聞かせれば、その場は収まるし、謝るし、しばらくは同じ行動はしない。
そこは躾が機能している。
しかし、おそらく別のことがあるとすぐに忘れるのだろう。
日に2・3度は同じ事をする。
それでも、野良や甘やかしたペット実装から比べれば、ずっとマシではある。
しかし、人間からすれば十分に不快な気分だが。

それでも、日常の躾けは出来ているようなので、
二週間を過ぎた頃から、人間に馴れさせる為に挨拶を交わし遊ぶぐらいの手は出してやる。
娘はさかんに遊んでやっているが、その中でもすぐに増長行動が見られマルに怒られている物が居る。

最初は、割と大人しくなるが、徐々に個体ごとに大人しくならなかったり、
逆切れでマルに食って掛かるもの、八つ当たりで娘に手を上げるものも居る。

所詮は、仔実装の力なので殴ったのか甘える為に触っているのかの差など人間には無いに等しい。
実害は無いので俺は手を出さない。
3ヶ月間の仔の管理はマルの仕事なのだ。

マルは青い顔で、そいつらを厳しくおしおきして娘に謝らせている。

さすがのマルも、もう甘い顔は見せられないだろうが、
そういうヤツは、興奮している間は、もう何を言っても理解できないだろう。
まだ、癇癪で短絡的に糞を手にとって投げないあたりは、野良の仔実装より出来ている。

しかし、この様子では普通の人が飼えるレベルとは言いがたい。

そうして、この1ヶ月を境に急速に6匹は出来の違いが現れてきた。
マルが教育できる事には6匹は同様の習得を見せたが、
”本格的な人間との交流”という要素が加わった事で、本能と知識の天秤が揺れだして、
覚えたと思えた日常作業も壊れてきたのだ。
楽と甘えの本能と厳しい教えの親への不信が、積み上げたものを崩すのは実装石には仕方の無い事だ。
マルがコレを克服したのは、複雑な幸不幸の奇跡の繰り返しが引き起こした事。
それを、何の苦労も無く獲得できるなどありえない。


現状で、マルが選びそうな見所のあるのは1匹…。
こいつは中々、周りへの面倒見も良いし基本も出来ている。
この1ヶ月で最も変動が少ない。

残りは3匹が大体、似たり寄ったりだ。
我儘だったり、急に知能が低下しだしたり、対人面は良いが親姉妹への態度が悪くなったりだ。
良くも悪くも、この実装齢では、多少、躾けられた野良の仔程度だ。

この中にマラ仔が含まれているのは驚きだ。
まだ、姉妹を襲う事もないし、感情が高まらないとマラが勃起しない。
この実装齢で、まだ、本能的性欲にすら目覚めていない証であり、それはマルの教育の賜物だろう。
行動も他の姉妹と同様にするところから、
むしろ性欲に目覚めて馬鹿化するマラの中では割と賢いとも言える。
ひなびた包茎マラで歩きにくそうにテフテフ歩くのはむしろ愛嬌はあるが、
あまり娘への倫理的な養育にはよろしくない。

そして1匹は、人間と接した事で完全に糞虫化に傾いた。
ひたすら媚び甘え、とめる親を貶し、日に日に知能は低下してやりたい放題。
ほぼ鶏頭のような状態だ。
一番、マルを困らせる存在だ。

残りの蛆は、元来、只でさえ弱い脳みそが耳掻き1杯分しか付いていないだけに、
これは糞虫度評価の計算外だ。
日々幸せそうにレフレフ動いて、餌を舐め、昼寝をし、姉達の玩具にされている。
まぁ参考程度だが、一応、実装石と人間を区別して敬語挨拶をしてくれるぐらいはする。


しかし、糞虫1匹は非常に邪魔な存在だと思う。
マルも流石にそう感じているだろう。
こいつ1匹の為に、馬鹿に引き摺られ易い実装石は簡単にこのレベルまで落ちる。
マルが他の仔を教育しても、こいつが台無しにする危険分子だ。

流石に俺がマルに提案する。
『なぁ、この時点で駄目だと感じたら辛いだろうが俺が始末するぞ…
 その方が他の仔の教育効果のためだしな』

「ニンゲンパパさん、ありがとうデス…
 この仔達は他のニンゲンさんの所では生きて許されないほどの非道をしているのに、
 そんな優しい事を言ってもらえてワタシはうれしいデス…
 でも、今はまだデス…まだ、この仔達は処分の本当の怖さをすぐに忘れるデス」

それ以上は何も言わない。
あくまでマルの為の仔なのだ。
マルへの褒美なのだ。
だから、何をするかは3ヶ月間マルが決めるのだ。
最後の言葉から推察すれば何か考えがあるようだ。

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辛い…
幸せだけど辛い…それは判っていた事。

賢い仔は居ない…ワタシの力ではこれが限界かもしれない。
ニンゲンパパさんに習ったり見せてもらった本の事では解決できない…。

この仔達は、3ヶ月の事など何度言っても理解できるはずも無い。
ワタシは決断した。
一番賢い仔だけは絶対にニンゲンさんに迷惑をかけない仔に育てる。

それは他の仔を全て犠牲にする事。

それでも、そうすれば1匹はワタシが仔を育てられる幸せがワタシには許された。

それは何物にも変え難いワタシの幸せ…。
ワタシが選んだ仔も、きっとそれは幸せになるだろう。
だから選んだ…本当に育てるべき仔を…。
それを選ぶ…選んだワタシは…とても酷い実装石だ。


私の中でママが笑う。
「お前は所詮、ワタシを踏み台にした糞虫デスゥ!
 ワタシと何も変わらないデス〜♪
 自分が生きる為に妹達を”救えない”という言葉で正当化して逃げたデスゥ!
 盾にしたのと一緒デスゥ〜
 今も自分の為に仔を産みながら自分の為に犠牲にするデス…デププププ」

でも、ワタシの頭ではそれしか方法は無い。
その仔が賢く迷惑をかけなければ、もう1匹迷惑をかけない仔を救えるかも知れない。
そうすれば、頭は悪くても無害な蛆ちゃんは助けられるかもしれない。

もし、3ヶ月…その時にニンゲンさんに飼われても大丈夫な仔が居ないときには、
蛆ちゃんだけ選ぼう…
それが、やさしいご主人様に迷惑をかけない最善の方法だと思う。

「オネイチャン…また、そうやって逃げるテチィワタチ達を置いて逃げるテチィー」
「ヒドイレチィィィ!!ショブンされるクソムシはお前レチ!!」
「オネイチャンタスケテレヒィィィィィィ…」

そうワタシは逃げる事しか出来ない…
でも今度はせめて”前向きに”逃げたい。

それにまだ時間はある。
1匹をマシに育てるのには、まだワタシにも考えられる事がある。

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2ヶ月目、6匹は肉体だけは日々立派に大きくなっている。
知能や性格の方はバラバラで格差ばかりが広がっている。

マルは賢い仔に、盛んに姉妹の世話をさせたり道具などの使い方を練習させている。
どうやら、賢い仔に率先して様々な事をやらせて体験させるようだ。
マルの本命はこの仔か。

同時に他の仔には、その賢い仔の真似をするのが遊びだと教えている。
遊びにする事で物覚えの悪い実装脳の仔に道具の使い方を教える作戦だ。

中々どうして、実装石の割りに様々な駆け引きをマルも考えている。

しかし、差は広がる一方だ。
理解させながらの教育と、ただの真似遊びでは、行動は同じように身につくが、
理解が不十分で応用が利かないのが実装石の知能の足りなさだ。

同じだけ実装スプーンを使いこなせるようになったとして、
スプーンを何の為に使えばよいかは身に付かない。

そもそも、覚える気もないヤツは使う事すら翌日には忘れている。


今日も、訓練の一環たる家の中の散歩だ。
マルは愛用の雑巾片手に、実装サイズのバケツを反対に持ち家を歩く。
その後ろには賢い仔を従わせ、その賢い仔に率いさせて家の中を説明しながら行進する。
隊列は、賢い仔に面倒を見させる。
姉妹の統率力と判断力の知能を刺激する効果を狙っているだろう。

他の姉妹、特に一番ダメな仔は、もはや本能のままにしたいときに漏らす。
蛆ですら我慢できている事が出来ない。

賢い仔は蛆を抱えて、時折、後ろを確認し、列に乱れがあれば位置や間隔を修正させる。
同時に姉妹の誰かが漏らしていればマルに報告するのだ。
それは将来、この仔達が生きて仔を設けたときに大切な知識でもある。

しかし、最初は散々たる状態だ。
身の危険があるからこそ実装石は、ほのぼのに見えて無い頭を総動員して考えたのが、
あの行進の隊列だ。
しかし、マルの仔は危険というものを知らずに育っている。
柵の外は人間の領域と教え聞かせても、おのおのが勝手に目に付くものに向かっていく。

ちゃんと親の後を付いて歩くのは一番賢い仔だけだ。

そして、マルの制裁が始まる。
殴り、叱り、漏らせば掃除させ、そして、床を汚さないように掃除した雑巾で身体や服を拭くだけで、
マルの領域に戻るまで、そのままの姿で居させられる。
清潔に育てられた仔実装には、それだけでも大変な苦痛といわれの無い迫害になる。
戻るまで大人しく出来なければ、汚さないように服も取り上げられ、
オムツを付けさせられる。

「寒いテチィィィ…どうしてカワイイワタチがこんな目に遭うテチィ!ママはムチャクチャデチィィィ!」

実装石の贅沢の上限にきりが無いというのはこんなところにも現れる。

それだけに、マルがどれだけ飴と鞭のバランスを根気良く続けても、
バカな仔実装には、鞭しか受けていない状態。
知能やマナーは停滞か下降するだけだ。
そして、いつしか本当に鞭しか与えられなくなる。

それでも、大したことは無い罰則でも、罰則を受けると判って来ると、
徐々に統制が取れるのも実装石の習性だ。

次第に散歩の統率は取れてくる。

しかし、何日かして統制が取れてくると、すぐに揺り返しで単調な散歩に飽きる仔実装は乱れだす。


その時に事件は起こった。


「おい!ニンゲン!飼わせてやっているから、そのおいしそうな匂いの食べ物よこすテチィ!」

よりによって一番の糞虫が妻の足元に駆け寄っての開口一番だ。
こいつは頭が悪いだけに余計に、何故かは知らないが俺達が手を出せないと思っている。
手を出さない=ワタシがカワイイから当然だ理論が展開中だ。
事実、マルの管理なので俺達はことにつけコイツの媚びや文句を黙殺してきた。

すぐさまマルの鉄拳制裁。
俺たちが判るほど、マルの愛情はコイツに対しては無いのが判る殴り方だ。
そしてパンコン、床掃除、身体拭き、すぐに服の取り上げコースだ。
バカなこいつでも、普段はそれで人間に対して媚びや文句をやめるが、
その日は余程根に持った不満が爆発したのかキレた。
しかも力で勝てない親でも、互角な姉妹に対してでもなく、反撃しない人間に対してだ。

怒り狂い、妻の足を蹴り殴る。
「オマエのせいデヂィ!ニンゲンのブンザイで、ワタチがママに怒られるのを守らなかったデチィ!!
 オマエなんかこうだ!こうだ!チんでしまえデヂィィィィィィ!
 クズにはワタチを飼う資格はないデチィ!ヤクタタズは追い出してやるテチィー」

『いたっ…』
妻が小さく声を上げる。
仔実装の力、そしてウレタンボディでは、どれだけ殴ろうが痛いなんてことは無い。
妻も馴れているだけに多少の事では何も言わないが、
その妻が思わず漏らすぐらいの痛みがあったということだ。
それは、もはや自分の腕が壊れるのも構わないほどの力で殴っている本気の攻撃意思の現れだ。

「デ!オマエなんてことをするデス!」
ボカッ!
「デチィ!」
「オマエはニンゲンさんに手を出すだけじゃなく痛いと言わせたデス!
 万死に値するデス!」

「デチィ!ワタチにはこんなクズニンゲンイラナイテチィィィィ」

「ご主人様のパパさんやママさんが優しくなければ、
 オマエの行動でワタシ達全員が殺されるか捨てられておかしくない罪デスゥ!」

「テギベァ!ママ!ワタチは当然の…デベチァ」

ガスガス、ボコ、グチャ…

結局、マルはソイツの四肢を蹴り潰し片目が落ちるほど殴った。
周りは遠巻きに見て、笑っているものも居るが全員、衝撃の光景にパンコンしている。

「ニンゲンさんを怒らせると、この程度では許されないデス!
 捨てられたら、ナカマにコレよりひどい目にも遭うデス…
 外にはギャクタイハのニンゲンも居るデス…こんなのは蚊に刺されたのと一緒だと覚えておくデス
 ワタシはそんな目に遭ったからオマエ達に言い聞かせているデス!
 お前達もわかったら、コイツを持って床を汚さないように家に戻るデス!!」

半死に追い込んだ我が仔の目を嵌め戻してから他の仔に運ばせる。
そして、自らは懸命に飛び散った体液や周囲の糞を掃除する。
「ニンゲンママさん…ごめんなさいデス…」

一番悪い仔の使い道は、徹底して悪い例を他の仔に疑似体験させる為か…。

しかし程度の悪い実装石が、この程度の事で懲りる事は無く、
再生が終わると何事も無く実装ボールで遊んでいる。
他の仔は、数時間前に見た光景にショックから立ち直れて居ない。
まさか親が殺す気で姉妹を攻撃するとは思いも付かないからだ。

実装石は、仔のうちは親から攻撃されるという事は頭の隅にすら存在していない幸せな生き物だ。
親が仔を食って食い繋ぐ事も多い野良ですら仔はそう思っているのだ。

自分は他者を攻撃する事など心の中では一向に気にしないというのに、
親が自分達”家族”に手を上げるというだけでも凹む精神の持ち主達だ。

特に飼われている事で、外的危機が極端になくなっていると成体ですら危機意識がなくなり、
軽いデコピンですら死に至る様な悲鳴を上げて苦しむ。
マルはわりと躾けにビンタを使うのだが、
それでも、今回のように仮死寸前まで肉体を攻撃する光景は、
飼われ慣れしたこの仔達には食事も喉を通らない衝撃だ。
それだけ効果的でもあるのだが…。

この糞虫一匹にだけは…擬似どころか実体験者であるのにこの有様だ。

さかんに独り言でボソリと親や俺達の悪口を言いながら実装ボールで遊んでいる。
と言うより攻撃していた。

そこに先ほどの事件を知らない娘が俺と入れ替わりに、夜の挨拶にマルの柵に近づいたのだ。

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『マルちゃん、仔実装ちゃん達、遊びに来たよ』

ご主人様の声だ。
ワタシはみんなのゴハンの用意をしているので、ご挨拶だけをする。
「ご主人様、みんなと遊んでくれてアリガトウゴザイマスデスゥ♪」

みんな、ご主人様が大好きになっている。
ご主人様は、みんなが悪口や我儘を言っても優しく撫でて優しく諭して抱っこしたりしてくれる。
ワタシ達の髪を櫛でサラサラにしてくれる。
とっても優しいご主人様…。

それなのにあの仔…あの仔だけはどうしようもない。

『あら、あなたは今日も裸で機嫌が悪いのね…抱っこしてあげる』

「ウルサイテチィ!このクズニンゲン!オマエのせいでワタチがひどい目に遭ったテチィィィ」

『また、マルちゃんに叩かれたの?それともパパに怒られたの?
 でもね、マルちゃんもパパもみんな、あなたに立派に育って欲しいって思ってるのよ』

「ウルサイテチィ!ワタチ達の奴隷のカトウセイブツの癖にママより偉そうテチィー!」
ブリブリブリ…

『あらあら、漏らしちゃったの…キャ!』

あの仔は…あの仔は事もあろうに最もしてはならない事を…。
ウンチを手にとって、抱っこするご主人様の顔に投げつけたのだ。

「デチァァァァ!何するテチィ!高貴なワタチを優しく降ろす事も出来ないのかクズニンゲンテチァ!」

ご主人様が手を離して、あの仔は床に落ちた。
しかし、それすら文句を付けている。
ご主人様泣いている!とっても泣いている。
周りの仔…笑っているのも居る…ダメだ!
これではダメだ、もう、この仔にはみんなの見せしめとしての役割すら与えられない。

ニンゲンパパさんが飛び込んでくる。
ご主人様が連れて行かれる。
それを見て何匹かがニンゲンさんがいなくなったと知ってバカ笑いしている。
あの仔も、指差して高笑いに自慢を口にしている。

「あのザマを見たテチィ!?本当にニンゲンは奴隷テチィ♪ワタチの足元にも及ばないと知って逃げたテチン♪」

普段は、ビンタだけでも号泣するのに、
今は足が変な方向に曲がって動けもしないくせに自慢げに笑う。

「ブザマテチィ!変な泣き声テチィ♪”パパーパパー”テチィ♪テププププ」
周りの仔も笑う。

ガシャン!!!
ワタシは怒りをみんなのご飯を入れたお皿に叩きつけた。

「お前達は本当にニンゲンさんの怖さを何度言っても覚えられないデス…
 どれだけ言っても野良だったワタシの仔はバカ揃いデス!
 もう時間は無いデス!
 やさしいご主人様を奴隷扱いとはいい度胸デス!
 今日という今日は、ワタシも許さないデス…まず全員、今日から明日の夜までゴハン抜きデス!
 そして、オマエにはニンゲンさんとワタシ達の格の違いを身を持って知ってもらうデス!
 許してもらえる事は無いデス!!!ワタシも許さないデスゥゥゥゥ」

「「テチィィィィ」」
みんなにはゴハン抜きの怖さしか伝わっていない…

ワタシは一番悪い仔に詰め寄る。
この仔にはワタシの怖さしか伝わっていない。
さっきと同じ事をされるという恐怖しか目に現れていない。

でもワタシは何もしない。
この仔が逃げないように睨んで見張る。

すぐにニンゲンパパさんが戻ってくる。

「ニンゲンパパさん、ゴメンナサイデスゥ…
 この仔はもうダメデス…最後の役割すら果たせないデス…
 せめて、ワタシが与えた役目を全うさせて欲しいデス」

ワタシはニンゲンさんの手で厳しく処分されるのを、他の仔に見せることを選んだ。

『わかった…』

ニンゲンさんはワタシ達より遥かに賢い…ワタシの言う事をすっかりお見通しだ。
それだけ言って、その仔の髪を少しだけ束にして掴みあげる。
ニンゲンさんがそんな持ち方をするのは初めてだろう。

後ろ髪の束で吊り上げて、ブンブンと上下に乱暴に振る。

「ニンゲンのクセに!テ!テ!デヒッ!!や・やめるテ!やめ…デピッ!」

ピッキッ、チキッ…ブチッ!ヒュー…クチャ!
「デチァァァァ!足!ワタチの足!頭!ワタチの髪がぁぁぁぁ!」

ワタシの仔の足は変な方向に曲がっていたのが、さらに変になっていた。
ニンゲンさんは何もしていない、ただ、ちょっと持ち上げただけ…それがワタシ達には致命傷になる。
あの仔には遅すぎたけど、他の仔にはいい教訓だ。

「「テテテテ…テピィィィィ」」
「テス…テス…テテテェェェェ」
「レ・レフゥーレヒィィィィ!!」

「よく見ておくデス!目を逸らすなデスゥ!ニンゲンさんが怒った姿を…焼き付けるデス!」
ワタシは顔を逸らそうとする仔の首を順々に真っ直ぐ向けさせる。

ニンゲンパパさんは、抜けた髪を探して頭を手で探る仔の髪を再び摘んで持ち上げる。
ワザと少ない数を摘んで僅かに振るだけで、あの仔の体重で根元から抜けるように持っているんだ。
ワタシも何度も上から落とされただけに、あの高さから落ちる怖さは判る。
さらに抜けやすく身体も心も痛みをともなう髪を…

髪だけを持たれて上げられる恐怖もわかるつもりだ。

ブチッ!グベチ!「テヒペビゲァァァァ!」

ブチ!ベシャ!「テギビィィィィィィ!!」

ブチ!パシャ!「テリャ!…テェェェェェン」

何度も何度も、ニンゲンパパさんは何も言わずに持ち上げては振って落とす。
何も言わず無表情で、時間を数えるように正確に繰り返している姿の怖さ…。
死に逃れる事も、気を失う事も恐怖になる正確に刻まれるオシオキ…。
悪口を言おうが、我儘を言おうが、文句を言おうが、媚びようが、
それらを最後まで口にする間も与えられずに正確に…。

「お前達…わかるデス!?ニンゲンさんは本当に怒ると何も言わないデス
 ワタシ達の抵抗や降伏など受け入れる気も無いデス…
 ニンゲンさんには、ワタシ達などゴミクズデス…だから何とも思わないデス…
 いつも話しかけてくれるニンゲンさんも、怒ると、ワタシ達など話す価値も無いゴミになるデス。
 ゴミクズはケンカの相手にもならないから、イッパイいたぶるデス、苦しめるデス。
 それだけ力の差があることを知るデス…」

ワタシの仔らは、それぞれ、恐怖にパニックになっている。
身動き1つ取れず…顔を背ける事すら出来ずに放心して漏らし続ける仔、
我慢できずに狂ったように一箇所を喚きながらグルグル回るマラ仔、
床に伏して、何度も何度もゴメンナサイと抱えた頭を上げ下げする土下座で降伏意思を示す仔、
現実逃避に、股を開いて排泄口を弄るのを見せ、降伏意思を見せながらストレスを解消する仔…。
蛆ちゃんすら、身体をくの字にまげて自分の尻尾を噛んで現実逃避をする。

ダメな仔は、すでに足は形がなくなって皮だけが僅かに残って、
体液と肉片の海に腰だけで直立している。
大切な髪は僅かな髪が1本1本所々に残っているだけだ。
前髪さえ…。
もはや2度と生えてこない…。

「ゴメンナサイテチッゴメンナサイテチッ許してくださいテチィー…大人しく飼われてやるテチ…」

ニンゲンパパさんは、いよいよ立場の違いに、この仔にしては最大限の許しを請う姿を、
じっくりと眺める。とても冷たい目で…。
ダメな仔は、もう繰り返されない行為に関を切ったように最大限に口を動かし、
今までワタシにも話したことの無い言葉を並べて許しを請う。

するとニンゲンパパさんは、両手をバタつかせて力説する仔が謝りしゃべり疲れると、
優しく両手を伸ばして仔の頬を指で撫でる。

ダメな仔は、両手でその指に捕まり必死に泣いた。
自ら頬を指に摺り寄せて様々な涙を止めることなく泣いた。
”ようやく許された…”そう思って泣いている。

ワタシは胸が辛くなった。
そんなことで許されるならニンゲンパパさんは生えない髪を狙う事はしない。
我が仔の浅墓さ…
これから起こる事の辛さ…
ワタシの責任の重さ…
ワタシの仔を失うという現実が…とても辛い。

ニンゲンパパさんは、仔の胴体をやさしく掴んで持ち上げる。
痛さへの呻き、そして、抱き上げられた歓喜が続く。

「テチィ〜ン♪ニンゲンに許されたテチィ♪また飼われるテチィー
 もう、痛い事されないテチィ〜、ワタチの魅力にメロメロテチィ♪
 ワタチはカワイイから当然テチィン♪さっさとおいしいゴハンと山盛りコンペイトウ出すテチィー!
 ヒドイ事をしたから、謝罪は当然の事テチィ〜♪
 これからはあんなママなんかより、ワタチを崇める事を許すテチ…テテテテテテテテ!!」

ワタシ達は堕落するとトコトンダメになる。
頭ではわかっていても、我が仔がこれほどに落ちるのを見て悲しい。

その我が仔は、潰れた下半身を火の出る道具で傷口から炙られているのだ。
ニンゲンさんがタバコを吸うときに使う道具だ。
ちっちゃい火が、傷口の体液や肉を泡立たせ、固くして、黒くしていく。
どんどんと火が近づいていく。

チリチリ…「テキァァァァァデヂァァァァァァ」…チリチリ…チリチリ…ジリジリ…ジュジュジュ…

音がはっきり聞こえる。
肉の焼ける匂いが漂う。

我が仔はゆっくり、たっぷりと無くなった下半身を焼かれた。
失神させない為に、わざとジワジワ時間をかけているんだ。
失神しても痛みで目が覚めるんだ。
ニンゲンパパさんが、特にワタシ達のことを知っている。
ウンチをして少しでもキモチ良くなることすら許さないつもりだ。
この仔への責めはまだまだ、殺さずに続けるつもりだ。

裸で、頭巾しか身につけていないワタシのダメな仔は、そのままワタシ達の前に投げ出され、
ニンゲンパパさんは部屋を出る。

ワタシは、その仔に歩み寄っていく。
「テー…テー…テー…ワタチナニモシテナイレチィィィィィ、ヒドイレチィィィ、ママータスケテレッチィィィ…」
もう、手で身体を起す力も這う力も無く、ただ中を漂う手…。

ワタシはその手を取って、最後の別れをする。
「ワタシを恨むデス…バカに産んだワタシを許すデスゥ…ママを恨んでいいデス…」

ニンゲンパパさんはすぐに戻ってくる。
ニンゲンパパさんのすることは全てが計算されている。
こうして時間を与えれば恐怖が増す。
痛みがジワジワと、そして、しっかりと感じられていく。
後悔を感じるかもしれない。
助かったと安心するかもしれない。
自分が勝って、ニンゲンさんが逃げたと感じるかもしれない。
ワタシ達の考える事では、どれも、次にニンゲンパパさんが現れたときの苦しみが増すだけだ。


「ヒドイテチィ…ニンゲンヒドイテチィ!ワタチ達が何をしたテチィ!」
「イッポウテキギャクタイテチィ!奴隷のクセに…こんなヒドイ事をするなんてテチィ!!」

2匹の仔が、ワタシ達を覗き込んでいる。
ニンゲンパパさんが居なくなったと思ったんだ…。
この仔達もダメかもしれない…。
いや、今はパニックと興奮で混線しているだけなんだ。
そう信じたい。

バタン!

再びニンゲンパパさんが顔を出す。
散々、罵倒していた2匹の仔は途端に叫びながら逃げていく。
水槽の壁にぶつかり、床に敷かれた新聞紙に潜り込んで震えている。

『もう、挨拶は終わったか?』

やっぱりお見通しだ。

「はいデスゥ…」
ワタシは離れる。
仔はどうする事も出来ない恐怖に手を離さないけど、
もう力が入らない手では、ワタシを引き止める事は出来ない。

「テ…イヤ…イヤ…コノクソニンゲンコワイレチ…ワタチイジメルレチィ」

放したワタシの手に、あの妹ちゃんの千切れた手が見えた気がした。

仔が人間の手に持ち上げられる。
「デァァァアアア!このクソニンゲン!カトウセイブツのクセにワタチにさわるなテチィ!
 今なら許してやるテチィ!さっさと降ろしてすてーき差し出すテチィ!
 でないとギタギタのボコボコにして奴隷以下の扱いにするテチィ!
 こんなブタ小屋以下の家では許さないテェェェェチィィィィ!!
 さっさとこの家の倍のお家に住まわせてくれないと、靴も舐めさせてやらないテチィィィ!
 オマエの醜い顔をボコボコにして、髪も引き抜いて服もウンチまみれにして、
 ワタチの奴隷たちのところに捨ててやるテチィィィ
 きっとそうしてやるテチィィィ今ならコンペイトウ1個で許すデチィ
 デァ!デチァァァァァ!!
 ママ!あのママの方が醜くてノータリンテチィ♪
 ニンゲンさん、あっちの方をイジメルテチィ♪ワタチが許すテチィ!
 そっちの方がきっとたのちいテチィ〜ン♪
 きっと醜く泣き叫んで、許しを求めて奴隷になるテッチ♪ウンチも食べるキタナイ奴隷に出来るテチィ〜
 ワタチもいっちょにイジメルテチィ!だから許すテチィ…今なら何も言わないテチィ…
 ママ!ママ!!タスケテレチィィィィィィィィ!!
 このマヌケをはやくボコボコにしてワタチを助けるテチィィィィ!!
 ママ!ママ!この役立たず!後でオマエもボコボコにしてウンチを塗ってやるテチィィィィ!!
 どうしてワタチがこんな目に遭うテチィィィ…当たり前の事すら許されないで苛められるテチィ
 ワタチは不幸テチィィィ…きっと全てに優れているからみんな嫉妬してるテッチィ!
 オマエも!オマエも!ワタチが可愛すぎるのが許せないテチ!賢すぎるのがうらやましいテチ!」

ダメな仔はニンゲンパパさんの手で胴体に紐を巻かれ、
高い天井の、ワタシ達ではとても届かない高さに吊り下げられるまで、
そして、吊り下げられてもなお、どこにそれだけ体力があるかわからないほど身勝手に叫び続けた。

そうして、ニンゲンパパさんは無言のまま部屋を出て行った。

ワタシ達には見上げる事しか出来ない…。
震え、恐れ、見上げる事しか出来ない。
いつまでも、飾られ続ける”恐怖の象徴”として、あの仔はワタシ達に見られるだけなのだ。

騒ぎ続けた仔は何もされず痛みが引いて、高さになれるとまたも強気になる。
しかし、それも長くは続かず、何もする事が出来ずに揺れている。
ワタシは、この後にワタシの頭では計れないニンゲンさんの新の恐ろしさを知ることになる。
ワタシですらコレで見せしめは終わった…
あとは、あの仔が普通に餓死するのを見せ付けるだけだと思った。


その日以来、ニンゲンさんはご主人様もニンゲンパパさんもニンゲンママさんも姿を見せなくなった。
最初は1日食事抜きを仔達に科したためなんとも思わなかった。
しかし3日が過ぎてもニンゲンさんは部屋のドアを空けない。
いつもはワタシ達に何もしなくても、何回かはこのお部屋に入ってきていたのに…。
ゴハンはある程度は部屋にある容器に何日か分が入れられワタシが一食の量を管理している。
しかし、容器にニンゲンさんが入れてくれないとワタシにはどうする事も出来ない。
あの箱は魔法の箱ではないのだ。
容器に入っているゴハンはそんなに多くなく3日目に殆ど無くなった。
それどころか、お水のタンクも殆ど空になる。
1日ゴハン抜きのとき、空腹を紛らわせる為に仔達がイッパイ飲んでいたから、
ゴハンより長持ちするハズなのに早く無くなっている。

みんなは上の仔のヒドイ姿も馴れて食欲も戻っている。
それなのにゴハンはおろか飲むお水も無い。
とうぜん、身体を洗う水なんて用意は出来ない。

「ママ、お腹すいたテチィ…いつものマズイゴハンでもイッパイ食べたいテチィ…」
「ママー、いつもみたいにあそこからイッパイ出すテチィ…」

「ママはゴハンをイッパイ出せないデス…あれの中身はニンゲンさんが買って来る物デス…。
 ニンゲンさんが、あの容器に入れてくれないとワタシでもゴハンは出せないデス。
 忘れたデス?何度もそう教えたデスゥ!
 お水もワタシだけでは用意できないデス…
 お前達は調子に乗って、そのニンゲンさんを怒らせたデス…罵倒したデス…その罰デス」

「ワタチ達は何もしていないテスゥ!何でこんな目に遭うテスゥゥゥゥ…」
「お風呂テチィ…クサイテチ…痒いテチィ…お洋服キタナイテチッ」
「こんな所イヤテチィ!出ていくテチィ!ママの言う事はウソテチィ!お外のほうがきっと幸せテチィ」

「お前達は心の奥で、まだニンゲンさんを下等に扱っているデス。
 ニンゲンさんは全てわかっているデスゥ…
 ニンゲンさんをバカにすれば生きていけない事を教えられているデス。
 ちょっとイヤな事があると、他のところの方が良く見えるワタシ達を試しているデス。
 思い出すデス…ワタシ達はイッパイニンゲンさんと居て、イッパイ幸せにされてる事を思い出すデス。
 ここにいて、お前達が生まれてからイヤな事なんて、イイ事の半分も無いデス」

たぶん、あのドアは鍵なんて掛かっていない。
ワタシなら開けられるし、ワタシが貰いに行けばニンゲンさんに必要なだけゴハンもお水も貰える。

でも試されてる。

「ニンゲンさんに認められる仔になるデス…そうすれば、幸せだった時と同じく居られるデス…。
 そして、幸せで居続ける為にはワタシ達は全力で奉仕するデス。
 何もせずにイイ事なんて無いデス…それはお外も同じデス。
 それが出来ない仔は、あんな目に遭うデス…」

ワタシは事あるごとに、吊られて今は言葉を発することも出来ずに揺れている仔を指差す。
そうして、ひたすら空腹を我慢した。


もう、ワタシすら動くのがやっとになった頃、ニンゲンパパさんが姿を見せた。

しかしゴハンとお水はない。
『お前達、少しは連帯責任を理解できたか?』

「ハイテチィ…ニンゲンさん、許してクダサイテチィ…」
賢い仔は素直に謝っている。
ヨロヨロの身体で、蛆ちゃんを抱えて歩み出て弱々しく土下座する。
「みんなもニンゲンさんに謝るテチィ…」

この仔はみんなをまとめる力に目覚めたようだ。
この仔はゴハンを姉妹に分け与えてワタシと一緒に耐えた。
常に蛆ちゃんを抱えて、ギラ付き出した仔達から守った。
ウンチを食べようとした仔を諭した。
この仔はダイジョウブ…。
他の仔は、この仔の出す気迫に逆らえない。

『ずいぶん粛正になったものだ…』

ニンゲンパパさんは、吊られた仔を指で弾き揺らしながら言う。
吊られた仔は、まだ生きているのか弾かれるたびに「テッ…テ…テー…」と呻く。

『まぁ、管理はマルの仕事だ。
 今回はこれで許してやる…
 ただし、もう次は無いぞ…覚えておけ。
 もし、お前達が実装脳で都合よく忘れるなら、それはそれで別に構わないがな。
 お前達は自分で自分達の待遇を悪化させたという事だけは理解しろ。
 この光景と共にな』

そう言うと、ニンゲンさんはゴハンとお水を容器に詰めてくれた。
そしてゴハンを吊られた仔に食わせる。
ワタシはそれを横目に、さっそくお風呂とゴハンの用意をする。

吊られた仔は、弱々しくニンゲンさんの手から水を飲みゴハンを食む。
「テ…テ…」
枯れていた涙が出ている。
「テチッ…テッ…テチィ…テチュ♪」
ドンドンゴハンを食べさせる。
やせ細っていた仔の身体は見る見る元気になっていく。

「おなかいっぱいテチィン♪もうたべられ…ムグゥ!
 やめ、やめるテチィ!入らないって言ってるテ…グエッ!ゲヘッ!
 入らない…グボッ!」

『もういいか…じゃあなマル…じゃあな糞虫ども』

「「テ!テテェ…」」

見上げた我が仔は、お腹も口も膨らんでいた。
グェェェェェェェ…ボタボタ
租借されたゴハンが雨のように降り注ぐ。
次第にゲロになる。
それが収まると元気になった仔は、居なくなったニンゲンパパさんに罵声を吐いた。

しかし、まもなく仔が暴れて空中で激しく揺れる。

気が付いた。
何を苦しがっているかが…それがニンゲンパパさんの恐ろしい拷問の仕上げだった。

お腹が大きく膨らんでいるのに、ダメな仔の下半身は無くなって焼かれている。
ワタシ達は焼けたところは治らない。
あの仔は、お腹がイッパイなのにウンチが出来ないままなのだ。
ニンゲンさんは、ウンチで痛みを和らげる事を許さないだけじゃなく、
ウンチそのものを出せなくしたんだ。

ゴハンが食べられない間は耐えられた。

お腹がイッパイになったら…ウンチ出来なかったら…。

ウンチ穴からでないウンチがドンドン溜まる…
お腹でウンチが作られる。
たべものがウンチになる。
それはワタシにも判る。

ウンチがクサイのはハッコウするからってお勉強で知ってる。
ハッコウするとオナラにもなる。
あの仔は、それが出せる場所がお口しかない。


「テキィィィィデビィィィデヂァァァァァ」
激しく身体を揺らす仔…。
マンプクで張ったお腹がイッパイからさらに膨らんでいく。
「テギィ!デジッ!ピァァァァ…ゲフッ…ゲフッ…ゲーゲー」
悲鳴がゲップに変わる。

そして、嘔吐…。
ゲロ…そして、ゲロの雨はドンドン違うニオイになっていく。
ウンチだ…。

あの仔が口から吐くウンチの雨が降り注ぐ。
それでも、膨らんだお腹は収まらない。
お腹が裂けていく。
裂けてウンチが漏れている。
お口から出るだけじゃ足りないウンチやクサイオナラが本来の出口を探しているのだ。

あまりの光景に、ワタシも仔達も身動きできない。

「テベェェェェェエエエエエエ!パァ!」

パン!

お腹が大きな音とともに割れる。
激しくウンチが内臓と一緒に弾け飛ぶ。

「テェェェェ…テチュ〜♪」

仔は、最後にクルシイお腹のものが無くなって恍惚の顔を浮かべた。
それ以降「テー…テー…」と鳴き続け、声がしなくなると両目がポロリと落ちてきた。
真っ白に濁ったお目目が…。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

中編に続く…

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1 Re: Name:匿名石 2024/02/15-17:37:36 No:00008729[申告]
バカ実装は人間が直接躾ないと全く意味ないのを忘れたな
人間の恐ろしさは人間が直接教えないといけない
よくある飼いの失敗だわ何が飼い主よ
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