※実装石の台詞は全てリンガルを通して翻訳済みとしてお読みください。 俺は実装石専門の闇医者である。 “闇”といっても別に非合法な治療行為をしているわけではなく、ましてや中二病的な意味でもない。 (そもそも虐待行為が法に触れない実装石への非合法な行為など存在しないのだが) 事故などで潰された飼い実装の偽石と脳だけを抜き取り、公園の元気な野良実装の体と入れ替えて復活させたり、虐待派の依頼でムカデ人間ならぬムカデ実装を作ってみたり、 表立って経営している病院のような一般的な治療行為は行わず、実装石への非実道的な医療行為というか、多少背徳的な医療行為を行っているのだ。 そして医者とはいえ、非実道的な行為を行っているあたり、愛護派では決してない。 むしろ虐待派であり、実装石の肉体を切り刻んだり縫い合わせたりするのが大好きで、その趣味が高じて闇医者じみたこともするようになっただけだ。 かつては実装産業のトップを走る会社を経営したこともあるのだが、商品の開発秘話を雑誌で語ったところ、愛護派から「残酷すぎる!」と不買運動が起きて倒産してしまった。 だが、そんなことは全く堪えちゃいない。 もちろん金はあるにこしたことはないが、先の成功によってすでに俺一人なら一生働かなくても暮らしていけるだけの個人資産を溜め込んだし、何より俺は自分の研究によって発見された新たな虐待法が広まることによって 同好の士(虐待派)が楽しんでくれれば、そして新たな虐待派が一人でも多く誕生してくれればそれでいいのだ。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 二十畳ほどの広い部屋。 窓はなく、入口もドアが一つあるだけで、今は鍵がかかっている。 その中に五十匹ほどの実装石が集められていた。 今日の“トレーニング”のために、公園でコンペイトウや飼い実装にすることをエサにして連れてきた野良実装たちだ。 俺が「連れて行けるのは成体実装だけだ。仔は置いていけ」と言ったので、ほとんどは自分が飼い実装になるためにあっさりと仔を捨ててきた糞蟲ばかりだが、中にはこっそり紛れ込ませたつもりなのだろうか、 仔実装を連れた個体も何匹かいたが別に構わない。 どうせ全て殺すことには変わりないし、わざわざ成体実装を募ったのはそのほうが殴り心地、蹴り心地がよく、仔実装では昆虫を踏み潰すほどの感触も感じられないというだけにすぎないからだ。 十代の頃、俺はかなり格闘技にハマっていたことがある。 学校の授業で習った柔道を別としても、空手をベースとしてボクシングやムエタイなど、あらゆる打撃系格闘技を学んだのだ。 さすがに三十路を過ぎると体力も衰え、若いガチ勢と一緒に稽古するのもキツくなってきたので道場には通わなくなってしまったが、今でも自分のペースでトレーニングは行なっている。 今回成体実装を集めてきたのは、技のキレを維持するトレーニングの動く的として、こいつらを肉のミット代わりにするためだ。 俺はこの実装虐殺トレーニングを月一回のペースで行なっていた。 集められた成体実装たちを前に、俺はダイバーのような全身ピチピチのラバースーツという姿でぴょんぴょんと飛び跳ね、全身の筋肉を適度にリラックスさせていた。 こんな格好をしているのは、汚い野良実装を素手で虐殺し、その返り血や糞を全身に浴びて、爪の先などからバイ菌が入らないようにするための感染症対策だ。 しかもこれなら脱いで丸ごと消毒液に浸せばすぐに綺麗になるし、中が蒸れることで汗が噴き出し、ダイエット効果もあるという良いことずくめである。 実装石たちは連れてこられたものの、飼い実装らしい待遇が何も与えられないことにデスデスと文句を言い始めている。 さすがに糞蟲が多いだけあって地団駄を踏んでいるもの、俺に向かって今にも糞を投げつけてきそうなものまでいるが、察しの良い一部の個体は目の前にいる人間の出で立ちに異様なものを感じ取ったのか、 壁際に下がって他の個体の陰に隠れるようにしているものもいた。 俺はそいつらに一瞥くれると、両の拳を顔の前に掲げてガードを固め(実装石相手に意味はないが)、構えた。 一見ボクシングのように見えるが、ボクシングのように前に重心をかけていない、キックボクシングでいうところの『アップライト』という構えだ。 そして俺は実装石たちに向かって、 「K-1(ケーワン)リベーーーンジ!!!!!」 叫んだ。 キョトンとした顔をする実装石たち。 そこへ————— 「佐○ラーッシュ!!!」(ズビシィ!) 実装石たちにとっては意味不明であろう叫びとともに、俺の右ローキックが一匹の顔面にめり込んだ。 「デパァッ!」 俺の足の甲が鼻っ面を直撃した成体実装は口周りが陥没し、両目を飛び出させて俺の左側に吹っ飛んだ。 さらに————— 「○竹ラーッシュ!!!」(ドパァン!) 別の一匹に今度は左のローキック。 「デブュッ!」 食らった個体は俺の右側に吹っ飛んでゴロゴロと転がり、他の実装石を二〜三匹巻き込みながら壁に激突する。 「「「「「デ、デギャァァーーーーーーーー!!!!!」」」」」 その光景を見た他の個体が一斉に悲鳴を上げる。 自分たちは楽園に招かれたのではなく、虐待派の巣という名の地獄に拉致されてきたのだと今更気づいたのだ。 「ダ、ダマされたデスゥゥーッ!」 「ニゲルデス! ニゲルデスゥー!!!」 たちまち部屋の中は阿鼻叫喚の渦となる。 だが、たった一つしかない出入り口には鍵がかかっているというのに何処へ逃げようというのか。 俺は嘲笑うかのようなため息をつくと、俺から最も遠い場所で背を向けて逃げようとする個体に向かって跳躍した。 「『百戦百勝脚』ーっ!!!」(ドゴォ!) 「デゲァ!?」 俺の疾風のような飛び蹴りを後頭部に受けて首が折れたその個体は、首の構造上、実装石が本来向くことのできない真上を向いた格好のまま顔から壁に突っ込んだ。 さらに俺は手近にいた実装石の襟首を掴み、自分の頭よりも上に向かって放り上げる。 そしてそいつが落下を始めるよりも前に自分も跳躍し、その背中を蹴り上げた。 「『烈火太陽脚』ーっ!!!」(メシャァッ!) 「デボォェ!」(パキン!) 不幸にも(?)折れた背骨が偽石を傷つけて即死した個体が大きく吹っ飛び、その死体が実装石たちの群れの中へと放り込まれる。 「「「デヒィィーーーッ!!!」」」 パニックを起こした連中が蜘蛛の子を散らすように逃げ出すが、俺にとっては動く標的のほうが狙い甲斐があって面白いだけだ。 「昇る太陽があるなら、沈む太陽があることも忘れるなーっ! 『落陽紅脚』!!!」(グシャリ!) 「デブッ……!」 再び一匹の成体実装が背後から頭部を踏み潰され、さらに血で滑って横スライドした俺と死体に三〜四匹が巻き込まれて手足をすり潰される。 「デェェーーーーーーーッ!!!」 たった二発のローキックと、傍目にはどこがどう違うのか分からない三発の飛び蹴りにより、あっという間に五匹の成体実装がただの肉塊と化し、十匹以上が重傷を負った。 いや、何匹か紛れ込んでいた仔実装たちもこの騒ぎの中で成体実装たちに踏み潰され、すでに床のシミと化していたので、実際にはもっと犠牲者は多いだろう。 「『頭骨錐揉み脚』! 『心突釘刺脚』!!! 『回転龍尾脚』ーっ!!!!!」 どこかで見たような技を次々と繰り出し、成体実装たちを蹴り殺していく。 「何やっていますか皆さん! キック、キック! パゥィィ〜ッ!!!」 怪しげなタイ人コーチ(実は往年のムエタイチャンプ)のような掛け声をかけながら、成体実装たちを蹴り殺していく。 蹴る、蹴る、蹴る、ける、ケル————— 実装石の体長は大きな成体でも五十〜六十センチほどしかないため、自分が掴んで持ち上げるか、何か丁度いい高さのものに縛りつけでもしない限り蹴り技が主体になってしまうのは仕方がない。 十分近くかけて、俺は部屋の中にいた全ての実装石たちを物言わぬ肉塊へと変えた。 「フゥゥ〜ッ、スッキリしたぜ」 上半身だけラバースーツを脱ぎ、汗だくになった体を実装石の死臭漂う外気に晒しながら一息つく。 だが口では満足したと言いつつも、俺はどこか物足りなさも感じていた。 何せ実装石の肉体は脆弱すぎる。 一般的な言い方をすれば“チリぃ”のだ。 五十匹もの成体実装を捕まえてきて、己が肉体のみで粉砕し、部屋を盛大に汚したにもかかわらず、手ごたえとしてはイマイチと言わざるを得ない。 対費用効果ではないが、労力とつり合いが取れていないのである。 もしも実装石がもう少し頑丈な体をしていたなら、もっと殴り心地や蹴り心地も良くなるだろうし、何よりこんなにたくさんの実装石を捕まえてくる必要もなく、部屋の後始末だってもっと簡単にできるはずだ。 そう考えた瞬間、俺は新たな研究テーマを思いついた。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 新たな研究テーマ、それはもちろん『実装石の肉体強化』である。 実装石のあまりにチリぃ肉体を、殴り心地が良く、少々のダメージでは潰れない耐久性を持ったものに強化するのである。 最初に思いついたのは、実装石を脅して人間と同じような筋力トレーニングをさせることだった。 餌にプロテインなどの良質なタンパク質を混ぜ、適度なトレーニングと休養によって鍛えれば、実装石の脆弱な筋組織も少しはマシになるのではないかと考えたのだ。 しかし、この計画はすぐに頓挫することとなった。 生まれ育った場所も環境も異なる実装石を五匹ほど用意し、実際に一ヶ月ほど試してみたのだが、全く成果が上がらなかったのだ。 今回の実験で分かったことは、そもそも実装石という生物は身体を鍛えるということに致命的に向いていない、ということだけだった。 ベースとなる元々の肉体が脆弱すぎて、腕立て伏せのような自重によるトレーニングすらまともにできないというのもあるが、成果の上がらなかった原因は別にある。 俺なりに考えてみたところ、それは実装石という生物が持つデタラメな回復力に関係してるのではないかという結論に至った。 怪我の回復とはすなわち、新陳代謝によって傷ついた箇所を新たな細胞と置換して生まれ変わらせる作業である。 手足が欠損しても栄養状態さえ万全なら翌日には生え変わる実装石は、つまるところ毎日新たな身体に生まれ変わっているに等しいのだ。 それは明らかに摂取した食事の量以上の、それどころか自分の体内にある消化器官=糞袋の容積や、ときには自分自身の体積を超えるほど大量の糞を毎日のようにひり出すことから伺える。 人間であっても排泄物にはある程度の老廃物が含まれるが、実装石の場合は十分な食事を摂っている場合、体組織のほとんどが毎日糞として排泄され、新たな細胞と置換されているのだ。 ゆえに手足などの大きな欠損を治癒するときはそのぶん糞の量も減っているはずなのだが、それを研究・実証した科学者がいないので、一般的には知られていないだけなのである。 無論頭や手足に古傷を残した実装石も存在するが、それは概ね栄養状態が十分でない野良実装や山実装である。 そのような個体にせよ、古傷の部分をナイフなどで切除した後で十分な栄養を与えれば、その部分は傷跡を残さずに再生する。 さらにその栄養状態の悪さ=新陳代謝の遅さが、逆に肉体の“鈍り(なまり)”を遅らせ、栄養状態のいい飼い実装よりも野良実装のほうが(わずかではあるが)強いという差を生み出しているのだろう。 また、実装石にとって火傷は唯一再生不可能なダメージであるが、それは人間が手足などを欠損した場合と似ている。 人間が身体の一部を欠損した場合に再生不可能なのは、人間の再生能力が低すぎる(遅すぎる)せいで、早く傷口を塞がないと失血死してしまうからである。 それを防ぐために人間の脳は傷口に向かって『再生せよ』ではなく、まず『傷口を塞げ』という信号を優先して送るのだが、その結果傷口は塞がるものの、その部位は欠損したままとなる。 実装石の火傷もそれと同じで、焼き潰されることによって傷口の細胞が死滅・溶着され、強制的に塞がった状態になってしまうことが再生を阻害するのだ。 ゆえに火傷を負った細胞が死滅した深さまで切除すれば、それ自体が致命傷になるものでない限り火傷であっても再生することは可能なのである。 閑話休題。 つまり、人間であっても長期にわたってトレーニングをサボると折角鍛えた筋肉が衰えてしまうように、新陳代謝の激しすぎる実装石という生物は、いくら鍛えても一日で元に戻ってしまうのである。 毎日欠かさず何時間ものトレーニングをさせれば少しは成果があるかもしれないが、そんな小さな効果を上げるために多くの時間や労力を裂くなど、まさに本末転倒だ。 考えた末、俺は被検体となる対象を成体実装から蛆実装へと変えることを思いついた。 蛆実装というものは、仔実装や成体実装のように強力な再生能力を持たない。 偽石を実装活性剤に浸すことで摘出の傷そのものぐらいは再生することができるが、仮に麻酔によって苦痛を遮断し、偽石が崩壊しない状態で体を半分に千切っても、それを活性剤の力で再生することはできず、 せいぜい即死しないようにすることぐらいしかできないのだ。 逆に言えば、それだけ成体実装に比べて新陳代謝能力が低いということである。 もちろん蛆実装にトレーニングなどできるわけもないのだが、そこは餌を工夫することで何とかできるかもしれない。 そう考え、俺は公園でいくつかのダンボールハウスを襲撃して、非常食として育てられていた栄養嚢を持たない蛆実装を拾ってきた。 蛆実装は生まれたときに母親から母乳を与えられていないと頭の内部に栄養嚢が形成されず、仔実装に変態することができない。 そして長くてもせいぜい三ヶ月ほどで寿命を迎えて死んでしまうのだが、その代わりに栄養状態さえ良ければ体長が三十センチという、大きい仔実装か中実装なみのサイズに成長することができるのだ。 そこまでのサイズになると少々気持ち悪いので俺はあまり好きではないのだが、それなら成体実装と比べても遜色ないサイズの的になる。 ここに用意した蛆は当然まだそこまで大きくないが、これから一ヶ月ほどかけて立派に成長させてやろうと思う。 だが、その前にまずは偽石の摘出とコーティングだ。 もしもこの実験が成功したとしても、苦痛そのものに弱い蛆実装はいくら肉体を強靭にしたところで、ちょっとした痛みや精神的なストレスで容易く偽石を崩壊させて死んでしまうからだ。 まず蛆実装を麻酔で眠らせ、その間に偽石を摘出し、実装活性剤の入ったタッパーに浸して傷口を再生させる。 そしてまだ麻酔が効いているうちに、熱で溶かしたアクリル樹脂をフィルムケースに満たしたものに、空気が入らないように偽石を沈めて蓋をし、それを氷水で一気に冷やして固める。 わざわざ麻酔が効いているうちに急いでコーティング処理をするのは、偽石はかなり敏感なものであり、傷や衝撃だけでなく熱や冷たさまでが持ち主である実装石に伝わってしまうので、熱くなった樹脂に偽石を包んだ瞬間に そのショックで蛆実装がパキン死してしまわないようにするためだ。 こうして硬化した分厚いアクリル樹脂にしっかりと包まれた偽石は、従来の方法である接着剤などで薄っすらとコーティングされた偽石よりも遥かに高い強度を有する。 後で偽石を活性剤などに浸して再生力にブーストをかけることができなくなるというデメリットもあるのだが、元々蛆実装には再生力がほとんどないうえ、この実験が成功すれば怪我をすること自体がなくなるので問題はない。 そもそも実装石が偽石を自壊させるのは文字通り『死んだほうがマシだ』と思うような、あまりに耐えがたい苦痛を強制的に終わらせるためであるが、内部からの圧力によって破裂するような形で崩壊するのは、 実は偽石にいくらヒビが入ってもそれだけでは死に至らないからである。 仮に偽石を完全に分割してしまうほどの亀裂が入っても、欠片と欠片がぴったりとくっ付いている限り実装石は死なない。 実装石が偽石を崩壊させて死に至るためには、欠片と欠片に隙間ができるまで分離して、偽石の内部にある“核”とでもいうべきエネルギー体(?)が霧散しなければならないのだ。 今回行なったアクリル樹脂によるコーティングはヒビの入った偽石の分離を防ぐだけでなく、核が持つエネルギーの霧散も封じ込めるので、人間が工具でアクリルごと砕きでもしない限り死ぬことができなくなるだろう。 これで最初の準備は完了である。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- それから一ヶ月の間、俺は蛆実装に“ある物”を練り込んだ特製の餌を与え続けた。 といっても、混ぜられているのはプロテインなどのタンパク質ではない。 俺が餌に練り込んだのはシリコンやゴム、さらにはABS(硬質ゴム)といった“樹脂”の類で、硬いものと柔らかいものを蛆実装の肉体において骨と肉が占める割合と同じ比率でブレンドしてある。 本来なら食べたところで体内に吸収・残留するはずもない物なのだが、元が樹木という植物由来のものであること、さらに蛆は成体に比べて消化力が弱いとはいえ、とにかくデタラメな生物である実装石なので、 そのデタラメぶりに期待してのことだ。 さらに消化器官だけでなく皮下組織からも吸収されるよう、実装ネムリとシビレの混合スプレーで蛆実装を眠らせている間に、医療用のシリコンを糞袋以外の全ての臓器や空っぽの頭部に日替わりローテーションで少しずつ注射した。 そして一ヵ月後、蛆実装は三十センチほどの見事な大蛆へと成長した。 ああキモい。 ただでさえ蛆実装は「○○レフ〜」という語尾や「プニフー♪」とかいう可愛いアピールが死ぬほどキモくてブチ殺したくなるのに、このサイズとなっては殺意も比例するように倍増する。 実験のためとはいえ、我ながらよくもまあ一ヶ月もの間この蛆を世話したものだと思う。 特に食後の“プニプニ”は単独で消化・排泄のできない蛆実装を死なせずに育てるために必須の作業なのだが、そのたびに「プニフー♪ プニフー♪」と無邪気に喜ぶこいつの顔を見ていると、目に親指を突っ込んで そのまま頭部を握り潰してやりたくなる衝動を抑えるのが大変だった。 もしもこの実験が上手くいって量産化にこぎつけたら、蛆の世話専用の雑用実装を用意したほうがいいかもしれないな。 とりあえず、実験が上手くいったかどうか試してみよう。 まずは眠っている蛆の体を軽く握ってみる。 柔らかい。 それは普通の蛆実装でも変わらないので、だんだんと力を込めていく。(糞抜きは前もって済ませてあるので、総排泄孔から水便が噴き出したりすることはない) 表面は子供用のゴムボールのような感じで、柔らかくも張りがあり、中心にいくほど握力トレーニング用のシリコンボール(握力三十キロ用ぐらい)のような芯がある感じだ。 通常の蛆実装であれば肉がミリミリと潰れて裂け始めるだろう、というところまで力を込めるが、肉はしっかりとした弾力で俺の指を押し返してくる。 脇腹のあたりから骨らしきコリコリとした感触も伝わってくる。 胴体部に背骨があるのは脊椎動物別であれば当然として、蛆実装はプニプニされるために体の胸側はオープンになっているものの、背中側には一応肋骨も存在しているのだ。 しかし爪楊枝のように脆いはずのその骨さえ折れない。 むしろ力を入れるのに合わせて変形しているような感触がある。 さらに骨を大きく変形させるほど力を込めたところで、 「レビィッ!?」 ようやく痛みを感じたらしいのか、蛆実装が目覚めた。 今の触診で大体分かった。 実験は成功だ。 蛆実装の肉体はゴムとシリコンが見事に融合し、脆弱な蛆実装とは思えないほどの弾力が具わっている。 握力六十キロの俺があれだけ握り込んで口から血も出ないあたり、内臓も相当の耐久力があるとみていい。 しかも驚くべきことに、骨までがある程度の弾力を有したものになっている。 おそらく餌に混ぜたABS樹脂(硬質ゴム)を、体を支えるために強度が必要な骨が上手く吸収・融合してくれたのだろう。 何が起こったのか分からず、あたりをキョロキョロと見回す蛆実装。 自分の体を掴んでいる俺と目が合うと、不思議そうな顔で一言「レフー……?」と鳴いた。 よし、ここからは本格的な耐久性テストをやってやる。 この一ヶ月の間、粉砕しそうなほど歯を食いしばって耐えたストレスを思う存分叩き込んでやるから覚悟しろ! 俺はテーピング用の頑丈なテープを取り出すと、蛆実装の体をサンドバッグにぺたりと貼り付け、さらに三週ほど巻いてしっかりと固定した。 「レ? レ? ニンゲンサン、なにするレフ? グルグルにしたらウジチャンくるしいレフ」 うるせえ、もうその「レフ」は聞きたくねえ。 ここからは悲鳴か呻き声しか出せないようにしてやる。 おっと、その前にこいつを商品化したときのために、耐久テストの様子を録画しておくか。 カメラをと三脚を用意し、蛆実装の巻きつけられたサンドバッグがしっかりと映る位置に固定する。 いつものラバースーツに身を包み、さらに顔バレしないよう目出し帽も被っておく。 ………まるで某名探偵漫画の犯人状態というか、一歩間違えたら完全にキチ○イ動画だな。 まあ相手が実装石という先天的糞蟲生物とはいえ、動物を虐待して喜んでいる時点で虐待派などというものは立派なキチ○イだというのは自覚しているが。 ともあれ、いよいよお楽しみの時間だ。 俺はキックボクシング式のアップライトスタイルに構えると、サンドバッグの右側へと回り込み、横薙ぎの蹴りが蛆実装の正面を捉えるようにして————— 「ハイヤァーッ!!!」 ————— ドパァン!!! ————— 「レビュェ!」 蛆実装の腹に渾身のミドルキックを叩き込んだ。 うん、いい蹴り心地だ。 鍛え上げた肉体を攻撃したときの感触は『分厚いタイヤを殴ったよう』とか『ゴムに包まれた岩』などと表現されるが、それよりは柔らかく、それでいて絶妙な感触の芯がある。 次は連続でいってみよう。 「ハイヤーッ! ハイヤーッ! ハイヤーッ! ハイヤーッ! ハイヤーッ! ハイヤーッ! ハイヤーッ! ハイヤーッ! ハイヤーッ! ハイヤァーッ!!!」 (ドパン! ドパァン! ズバン! ズバン! バシィ! ズパン! バシィン! スパァン! ズバン! ズバァン!!!) 「レビュッ! レベッ! レブォエ! ブビャ! デベッ! レ゛ブェ! ブビェ! ブブェッ! エ゛ォッ! ベビャァ! ……………ェ………ェボォ……………」 息をする間もないほどの連続蹴りを人間でいうところの水月(みぞおち)に叩き込まれ、蛆実装はたまらず失神した。 これは食らったことのある者にしか分からないだろうが、水月への攻撃というのは胃にダメージが来る。 体の芯に来る痛みというか、胃に穴が空いたかのような激痛なのだ。 若い頃、ミットではなく人間を蹴る感触を掴むため、防具をつけた状態でお互いのボディを蹴るという稽古をしたことがあるが、相手(七十キロ強)の蹴りを何度も食らうと目の前が暗くなって意識が飛びそうになったほどだ。 そんな痛みを与えられた経験などあるはずのない蛆実装なら、そりゃあ失神もするだろう。 よく見ると、口の端から毛筋ほどの血が流れている。 ここまでやって、ようやく内蔵にほんの少しだけ傷がついたらしい。 蛆実装の体を再びぐりぐりと揉んで触診してみる。 筋肉に裂傷はなく、骨も砕けた様子はない。 つまり蛆実装は、肉体的にはほとんどダメージを受けていないのだ。 それでもあの痛がりようなのは、おそらく肉体は変形することによってダメージを逃がすことができても、その中を通っている神経はそのまま痛みを伝えているのだろう。 自分の体がそうなったと仮定して考えてみてほしい。 もしも骨まで自在に変形するゴム人間になれたとして、自分の体を雑巾のように絞られたら————— 筋肉や骨、臓器そのものはいくらでも伸び縮みするのでノーダメージ、だから大丈夫………なわけがない。 骨も内臓もひしゃげ、捩られる痛みはそのまま襲ってくるのだ。 某人気海賊漫画のように、「効かねえ! ゴムだから!(ドン!)」というわけにはいかないのである。 念のためコーティングした偽石を確認してみるが、元はエメラルドのような透き通った緑色だったものが、早くも炭化したかのように真っ黒になっている。 アクリルが分厚くてよくは見えないが、すでにかなりのヒビも入っているようだ。 だが、このコーティングをされている以上、そうそう簡単に死ねるものではない。 「おい、起きろ」 蛆実装のまぶたを人差し指と親指で摘み、もの凄いピンチ力(摘む力)を込めてひねり上げる。 「レビャァァーッ!?」 たちまち意識を取り戻す蛆実装。 実装石という生物は偽石を崩壊させる以外にも、失神したり自我を崩壊させて脳内お花畑に逃避したり、ありとあらゆる方法で苦痛から意識を逃れさせようとする。 脳内お花畑に逃避した実装石は意味もなく「デー……」と呟いたり、急に「デププwww」と笑い出したり、そしてどんな痛みを与えても無反応になるというが、俺に言わせればそんなものはまだ与える痛みが温いだけである。 追い込まれる様を表す『尻に火がつく』という言葉があるように、文字通り体に火をつけるなど、生物である以上問答無用で反応せざるを得ない痛みというものが存在するのだ。 今までも何度かそんなことがあったが、神経の集中している手先や足先に焼き鏝を突き刺したり、眼球をナイフで切り開いて中に液体絆創膏を塗り込んだりすれば、大抵のやつはお花畑から戻ってきていい悲鳴を聞かせてくれたものだ。 この『まぶた抓り』という技もその類で、本気でやられるとプロレスラーでも悲鳴を上げるほど痛い。 普通なら千切れてしまうであろう蛆実装のまぶたもゴムのように伸びるのか、という実験も兼ねてやってみたが、これまた成功のようだ。 「レビェェェ………オナカイタイレフ………くるしいレフゥゥ………」 両目から滝のように血涙を流し、口からだらしなく舌を垂らす蛆実装。 そんな顔をしたところで手心を加えるつもりは一切ない。 ここからはあらゆる技を叩き込んで耐久性をテストしてやる。 俺は指をぴんと伸ばして手を鏃のような形にすると、空手でいうところの『貫手(ぬきて)』を蛆実装の顔のド真ん中、喉、腹に連続で突き刺した。 「『打穴三点くずし』!!!」(ズドッ! ドスッ! ドムゥ!) 「ブッッ! ブビェ!! ゲベェ!!!」 「………貫手………よし」 続いて指を軽く曲げ、無数の手刀を連続で全身に叩き込む。 「『千手孔雀拳』!!!」(バキドカバキビシベキィ!!!) 「レベベベベベブビャ!!!」 「………手刀………よし」 次は間合いを詰めてサンドバッグを両手で掴み、 「チャランボ!」(ゴッ!) 「レボォ!」 「チャランボ!!!」(ゴッ!) 「オ゛ベェッ……」 蛆実装の両脇腹に、天を突かんばかりのヒザ蹴りを突き刺す。 さらに間髪入れず、 「『チェンマイL特急』ーーーっ!!!」(グシャァ!) 「ブビェア!」 全体重を乗せた飛びヒザ蹴りを顔面に食らわせる。 「ヒザ蹴りも………よし」 俺はそこで軽く「ふぅ……」と息を吐き、アップライトの構えから腰を落として空手風の構えにシフトする。 そして前側にある左足を右足よりも外側に踏み込むと同時に、サンドバッグに背を向けるように体を回転させ、右足を抱え込んで、その足をサンドバッグに向けて一直線に放つ! 「鬼○流葬兵術……『重 鉄 騎・後 ろ 蹴 り』!!!」 ————— ドボォッ!!! ————— 「ゲボォェ!!!」 鈍い音とともに、サンドバッグが天井近くまで跳ね上げられる。 それがこちら側へと戻ってくるのに合わせ、カウンターで 「手首の一つや二つぐらいくれて……やるっ! ………ワケねえだろこの………急 所 オ タ ク が っ っ !!!!!」 ————— ぐちぃ!!! ————— 「ブビャ!」 某地上最強の生物の息子が自衛隊のオッサンに食らわせたように、蛆実装の顔面に俺のヒジがめり込んだ。 「後ろ蹴り………ヒジ打ちもよし………っと」 そこまでやってサンドバッグを見てみると、蛆実装の片目が眼窩から飛び出していた。 「あちゃ……さすがにやりすぎたか?」 ヒザ蹴りのときは飛び出さなかった眼球がヒジ打ちで飛び出してしまったのは、ヒジの打撃面がヒザに比べて小さく、鋭すぎたためだろう。 先ほど試したようにまぶたもゴム状になっているせいか、あまりにも強い力をいい角度で加えると、鼻の角栓を抜くような感じで眼球が変形した眼窩から零れ出してしまうらしいが、まあこの程度なら元に戻すのも簡単だろう。 「会えたらいいのう決勝で……っとな」 零れた蛆の眼球を手のひらに乗せ、某合気道の達人がやったように『ぱん!』と眼窩に叩きつけて押し込む。 蛆実装はもはや攻撃を加えられるときにしか反応しなくなっているので、はめ込んだ目が見えているのかどうかまでは定かでないが、見た目だけならこれで元通りだ。 さらに数分間にわたって様々な技を打ち込んだところで、痛みのあまり逆に覚醒した蛆実装が息も絶え絶えに嗚咽を漏らす。 「レ……レ゛ェェ………グルジイ……レフゥ………ウジヂャンイイコレフ……なのにどうしてごんなにイタイイタイレフ………ウジヂャンかなじいレフ………」 まだレフレフ言うかこの蛆は。 よろしい、ならば虐待だ。 最後は俺の息が続かなくなるまでパンチを打ち込んでやる。 まずはレバーブロー!(実装石に肝臓はないが) 「レブォ!」 続いてガゼルパンチ!(ガコッ!) 「ブブェ!」 そして体を左右に揺らし、『∞』を描くように振り子運動で左右のフックを叩き込む。 「○っくのうち! まっく○うち!」(ドカッ! ドゴッ! バコッ! ベシィ! ズバン! ドパァン!) 「レブッ! ブビッ! ベビャ! ドビェアァ!!!」 「オラどうした! レフレフ鳴かねえのか! なーにが『レフ』じゃ! なーにが『ウジチャン』じゃ! なーにが『プニフー♪』じゃこの糞蟲が! 死ね! 死ね!! 死ねっ!!! 死にくされオラァッ!!!」 蛆実装を毛嫌いする人間の気持ちを全て代弁するかのように、一発一発に殺意を込めて打ち込む。 「ブビェェェッ!!!」 もはや振り子運動ではなくなっているが、某国民的ボクシング漫画に出てきた韓国人東洋太平洋チャンプのように、蛆実装の顎が下がることさえ許さない連打、また連打。 「舞うんだ糞蟲………死ぬまで踊れ………踊れ! ………踊れぇぇぁ!!!」 若い頃ほど息が続かなくなってはいるが、左右合わせて五十発近いパンチを打ち込んだところでようやく一息つく。 昔は三分間全力で動けたもんだが、今は半分がせいぜいだな。 ぜぇぜぇと肩で息をしながら蛆実装を見てみると、眼球が上下に裂けるのではないかと思うほど両目を見開いたままで、呼吸音すら聞こえない。 どうやら息継ぎをする間もないほどボディを打たれすぎて酸欠に陥ったらしく、仮死状態になっているようだ。 こんな状態でも両目は白濁しておらず、強烈な痛みでも与えればすぐに目を覚ますであろうことを考えると、改めて実装石という生物の生命力に驚嘆せざるを得ない。 いや、俺が行なった偽石コーティングと肉体強化処置が凄いのか。 手前味噌ではあるが、この肉体をゴム&シリコン化するという処置は冗談抜きに凄いと思う。 これだけの攻撃を叩き込んだにもかかわらず、蛆実装の肉体そのものにはほとんどダメージがない。 さすがに内臓の一部が伸縮性の限界を超えてねじ切れたのか、口の端から少しだけ血を流してはいるが、あとは体の傷というよりは服と前髪が摩擦で千切れてボロボロになっているぐらいだ。 これってもしかして、打撃に対しては不死身なんじゃないだろうか? さすがに刃物で切り刻んだり、火をつけて燃やしたりすれば問答無用で死ぬだろうが、圧迫や衝撃に対してはバスか電車で轢くぐらいしないと完全には潰れないかもしれない。 とりあえず実験結果をカメラに向かって報告しておくか。 「え〜……ご覧の通り、ここまでやってもまだこの蛆実装は生きてます。いや〜、作った本人も驚くほどの耐久力です。処分するときは刃物で切り刻むか火で燃やすか、もしくは偽石のほうを工具で砕くしかないと思います。 まあ栄養嚢を持たない蛆実装ですので、何もしなくても一ヶ月から二ヶ月で寿命を迎えるのですが……」 そこまで言って、我ながらこの実験が成功したのが寿命の短い蛆実装で良かったと思った。 もしもこの処置が、そこそこ寿命の長い成体実装でも可能だったなら————— 虐待派としては喜ばしいのかもしれないが、もしもこんなのが一般家庭から逃げ出して野生化したら、人間の脅威になることはないにせよ、生態系を狂わせるのは確実だ。 駆除派、というより役所の駆除係だって、実装石が踏みつけたぐらいじゃ死ななくなったら困るに決まっている。 コロリに引っかからない知能を持った実装石も多くなってきているというし、野良実装の駆除にわざわざ火炎放射器や刃物の類を持ち出すのはあまりに仰々しいうえ、鋏を持つ実蒼石を使うにしてもコストがかかって大変だ。 しかも虐待派なら多少の手間をかけてもきっちり始末してくれるだろうが、自分の都合次第であっさりと実装石を捨てるくせに、処分するのは可哀想だなどとぬかす愛“誤”派ともなれば、飼い実装を自分のエゴで 半不死身化した挙句、飼えなくなったら公園に放したりするに決まっている。 そう考えると身震いしなくもないが、成体実装にこの処置を行うのは新陳代謝の早さゆえに不可能だし、仮に栄養嚢を持つ蛆実装にこの処置を行なったところで、すぐに仔実装に変態して成体と変わらなくなるので大丈夫だろう。 俺はテープを剥がして蛆実装の体をサンドバッグから外し、愛用している半田ごての先端にへばりついた半田を溶かすための塩酸が入ったビーカーに放り込んだ。 「あ、最後に新日式のニードロップを食らわせてやろうと思ってたのに忘れてた」 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- その後、肉体を強化した蛆実装の量産化に成功した俺は、実験時の映像を『強化蛆販売中』という広告とともに動画サイトに投稿したのだが、これが予想以上の大反響を呼んだ。 初期ロットの三十匹はあっという間に売り切れ、追加注文が全国の虐待派からひっきりなしに入ってきたのだ。 ごく一部の愛護派から「蛆ちゃんを枕にして寝てみたかったんです!」という注文もあったのが癪に障るが、愛護派にだけ売らないというわけにもいかない。 一応大丈夫だとは思うが、生態系に影響を与えないよう「捨てる場合にはきちんと刃物その他で息の根を止めること、もしくは寿命までは屋内で保管すること」という注意書きを入れておこう。 それよりも意外だったのは、練習用のパンチングミットに溝を作り、固定用のベルトを付けて、そこに強化蛆をはめ込むことができるようにした『パンコングミット』(実際にはパンツのない蛆実装はパンコンしないのだが)が、 ボクシングをはじめとする全国の格闘技ジムから注文が殺到したことだ。 練習でのミット打ちというものは確かに『本気』でやるものではあるのだが、やはりペース配分というものを考えるので一発一発が『全力』というわけではないし、そこに『気合』は入っていても『殺意』までは篭もっていない。 それが「このミットを使うようになってから、選手の気合の入り方が違う」「拳に殺意が篭もるようになった」と、プロの選手だけでなくコーチからも大絶賛されたのだ。 蛆実装のほうが一ヶ月〜二ヶ月で寿命を迎えてしまうのだけが難点だが、そこは雑用実装を使った大量生産により、一匹あたりの単価をなんと千二百円に抑えることでリピーターを確保した。 俺は発送作業で疲れた体をソファに横たえ、凝った肩をグルグルと回す。 「廻天(リッパーサイクロン)!!!」(メシャァ!) 「ゲビャァ!」 唐突に、壁に貼り付けた強化蛆の顔面をブン殴り、忙しすぎる最近の生活で溜まったストレスを発散する。 「デェ……ゴシュジンサマ、商品を手荒に扱っちゃダメデスゥ」 商品となる蛆実装の世話をさせている成体実装たちの一匹が、呆れ顔で俺を諌める。 「これは自分用のやつだからいいんだ。お前こそ口を動かしてないで手を動かせ。この商品の需要がなくなって強化蛆を作るのが面倒になったら、今度はお前らでストレスを発散するぞ」 「デヒィィー!」 慌てて蛆の世話に戻る成体実装。 さすがに法人でもない一家庭の生産能力では、増大する需要に応えられなくなってきたな。 また昔のように自分で会社を立ち上げてもいいが、俺の目的は金よりもむしろ実装石虐待の普及だ。 やはり実装用品などを扱う大手の企業にパテントを売ってしまったほうが早いか。 ローゼン社に売るか、それともジュン・サクラダ社にするか…… そんなことを考えながら、俺はいつの間にやら深い眠りへと落ちていった————— -END- ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- あとがき 今回は前回と違って一気に書き上げることができました。 前回の作品を書いている最中に構想がほぼ完全に出来上がっていたというのもあるのですが、何より『自分のやりたいことを思いっきり叩きつけただけ』の内容ですので、書くのが楽だったというのもあります。 ちなみに、主人公の台詞や技が『元ネタを知らない人には意味不明』な箇所が多くなってしまっているのが心苦しいところではあるのですが、これも自分が格闘漫画などを読みながら 「ああ、こんな感じで実装石に攻撃を食らわせられたらなあ」と常々思っていることを作品にそのまま書いてしまっているといいますか、完全に主人公とシンクロしながら ある種のキチ○イスイッチが入った状態で書いている結果ですので……なにとぞご容赦下さい。(台詞をまんまググれば画像など出てきますので) 次回作はどんな感じにするか、構想はいくつかできているので、仕上がりの早そうなやつから順番に書いていこうと思います。

| 1 Re: Name:匿名石 2016/06/19-21:58:27 No:00002408[申告] |
| > 「プニフー♪ プニフー♪」と無邪気に喜ぶこいつの顔を見ていると、目に親指を突っ込んで そのまま頭部を握り潰してやりたくなる
超分かる 何いい気になっとんじゃこの肉塊が思い知らせてやろうかと 蛆ちゃんへの打撃描写シーン、場面わかりやすくてスピード感あって良かったです |
| 2 Re: Name:匿名石 2016/06/20-00:25:06 No:00002409[申告] |
| こんな商品があったら俺はムキムキマッチョになってしまうw |
| 3 Re: Name:匿名石 2016/06/27-22:44:27 No:00002415[申告] |
| 達人クラスになったら、実装さん100石組手とかしそうだ。 |
| 4 Re: Name:匿名石 2016/07/04-02:44:16 No:00002431[申告] |
| これなら三日坊主の自分でも楽しんで筋トレが出来そう |
| 5 Re: Name:匿名石 2016/11/14-00:09:50 No:00002803[申告] |
| 蛆死すべし
死んだ |
| 6 Re: Name:匿名石 2016/11/14-19:16:17 No:00002804[申告] |
| 再生云々のくだりで某うどん科のお兄様を思い出した
元通りに再生するだけの特性がない蛆を使うとか主人公もとい作者さんは頭柔らかいなあ もしかして主人公じゃなくて作者さんが元社長とかなんじゃないか |