初めまして、桐野妹(きりの・まい)です。 好きなものは実装ちゃん。好きなことは実装ちゃんを愛でること。 嫌いなのは実装ちゃん以外の動物全般(特に犬と竜)です。 この文章を読んでいるってことは、あなたも実装ちゃん大好き仲間さんですよね? 同好の士どうし、気軽に『マイ』って呼んでください。 あるいは『+聖妖天使MAI+』さんでも可! ……ええ、厨二病ですが何か? 冗談はさておき。 えっと、この『マイちゃんの愛護日誌シリーズ』ですが、 愛護派である私、桐野マイと一緒に実装ちゃんを愛でていきましょうというスクです。 ……え、「タグに【虐】ってあるけど」ですか? うん。 えっと、きっと作者が間違えてつけたんでしょうね。 あとで罰として知り合いのマッチョに命令してレイプさせますのでご容赦を。 作者の初スク『DEXT』シリーズから一部の登場人物が流用されますが、 外伝でもなんでもない現代短編モノなので、どのお話からでも気軽にお読みいただければ嬉しいです。 作者の趣味丸出しの長ったらしいばかりで実装スクらしくもない前作をお読み下さった方、 この場を借りて作者に代わってお礼を申し上げます。 ちなみに今作の主人公件一人称視点である私、および作者は観察寄りの愛護派です。 よって愛護系スクしか書けませんので、需要が少なかろうがひたすら実装ちゃんを愛護していきます。 人間キャラ比率や説明が多いのも仕様なので、お気に召さない方はごめんなさい。 趣旨をご理解していただける方、私と一緒にたっぷり実装ちゃんを愛していきましょう! それでは、本編をどうぞ〜 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 1 「ねえ、マイちゃん」 今日も退屈な授業が終わり、荷物をカバンにまとめてさあ帰ろうというところで、 クラスメートの『友人A(ともひと・えい)』ちゃんが話しかけてきました。 「わたし、そんな名前じゃないよ……」 「細かいことはいいから。何の用?」 はやく帰りたいので私は文句を言うエイちゃんに話の先を促しました。 家では愛実装のコミドリ37世ちゃんが私の帰りを待っているのです。 今日もたっぷり遊んであげなければいけないのです。 「マイちゃんって実装石に詳しいよね?」 「そりゃもう!」 なんだ、実装ちゃんの話ですか。 それならそうと言ってくれればつっけんどんな対応はしないのに。 前にエイちゃんは実装ちゃんに興味ないって言ってたけど、 もしかしてようやくあのかわいさを理解してくれたんでしょうか。 だとしたら今日から彼女は親友にランクアップです。 「えっ、わたしって親友と思われてなかったの? 小学校から一緒なのに?」 「大丈夫だよ。で、実装ちゃんが何?」 「実はね、私の妹がちょっと前に実装石を飼い始めたんだけど」 「うんうん」 いもうとちゃんですか。その子は将来性のある子ですね。 「まだ小さい仔なんだけど、それがね……えっと、うまく言えないんだけど、 あんまり躾が上手くいっていないっていうか、ちょっと言うこと聞いてくれない仔で」 ああ〜、そういうことですか。 実装ちゃんはとても頭が良く、感情豊かな生き物です。 でもそのせいでプライドも高くて、下手をすると飼い主である人間を自分より格下と見なしてしまうのです。 うまく飼い慣らさないと飼い主の言うことを聞いてくれない、とってもワガママな子になっちゃうんですね。 実装用語で『糞蟲』と呼ばれる状態です。 「いもうとちゃんは何歳?」 「小学二年生だよ」 「ご両親とか実装ちゃんに詳しい人はいる?」 「ううん、実装石は全く初めて。以前は犬とハムスターを飼ってたんだけど」 うん、それじゃあ仕方ないかもですね。 実装ちゃんの飼い方は犬畜生やハム公とはだいぶ異なります。 ましてや小学生。実装ちゃんの見た目のかわいさだけに目が行くあまり、 正しい躾ができずについつい甘やかしちゃいたくなる気持ちもわかります。 「それでね。マイちゃんを一流の実装石調教師と見込んでお願いしたいんだけど」 「言っておくけど私、別に調教師じゃないからね? エイちゃんと同じ高校生だからね?」 「お願いしたいんだけど!」 「はい」 「うちの実装石、なんとか大人しくて良い仔にしてあげられないかなあ」 2 まあ、友人の頼みだし実装ちゃん関連の頼みなら断る理由もありませんね。 私は一度家に帰ってからエイちゃんの家に行くことにしました。 「ご主人様、お帰りなさいテチ!」 「コミドリ〜♪」 私が家に帰ると、愛実装のコミドリ37世がテチテチと駆けてきながら出迎えてくれました。 ああ、今日もかわいい! 学校に行ってる間かまってあげられなくてごめんね! 「今日もおとなしくお留守番してたテチ! ワタシ、えらいテチ?」 「うんうん。コミドリは偉い仔だよ〜」 「テチャテチャ!」 頭を撫でてあげると頬をほんのり染めて喜ぶコミドリ37世。 嬉しさを表現しようと両手を一生懸命動かしているのがとってもかわいい♪ ……くふふ。もうちょっとかなあ。 「お、おかえり」 「テチャ!」 リビングのドアが開くと、コミドリ37世は姿を隠すように私の後ろに避難します。 「ちょっと、なんでコミドリ怯えてんの? またなんかした?」 「してねえよ。ってか、お前まだ怒ってんのかよ」 現れたのは私のお兄ちゃん、桐野としあきです。 「だって合宿行きたかったし」 「何度も言ってるけど仕方ねえだろ。うちの学校のキチガイ教授が逮捕されて大変だったんだから、そんな状態で合宿なんてできるわけねえ」 お兄ちゃんは○×大学の『糞蟲虐待サークル』とかいうとんでもないサークルに所属しいます。 小学校の頃から続けていた柔道が調子悪くなって、その腹いせから実装ちゃん虐待派に陥ったダメ人間です。人生の負け犬です。 春休みにサークルの合宿に連れてってくれるって行ってたから楽しみにしてたのに、 それが中止になったせいで私とは冷戦状態です。 私たちの仲を取り持とうと必死に仲良くなろうとしてたコミドリ37世を蹴飛ばした時はキューバ危機にまで陥りました。 危うく寝首を掻いてやろうかと思ったほどです。 コミドリ37世は汚れを知らない良い仔に育ってもらわなきゃいけないのに! 「ほら、コミドリ−。こわいことは何もないからねー」 「テェ……ご主人様、ゴメンナサイテチ……」 申し訳なさそうにうなだれるコミドリを抱き上げてあやしてあげます。 ちなみにこんないい仔のコミドリですが、もちろん生まれつき良い仔なわけではありません。 一般の家庭で実装ちゃんを飼うには二つの方法があります。 ひとつはプロの調教師がしっかり教育した躾済み実装ちゃんを買ってくること。 もちろんお金は高くつきますが、実装ちゃんの躾はとても難しいので素人さんはこちらがオススメです。 もう一つは、飼い主が責任を持ってキチンと教育することです。 実装ちゃんは多産なので、未調教やいわゆる糞蟲と呼ばれる『わるい仔』はショップでビックリするほど安く売られています。 コミドリ37世は投げ売りのワゴンセールで買ってきた生まれたての未調教体でしたが、 家に来てから私が愛情を込めてしっかりと躾をしてあげました。 その甲斐もあっていまではとっても良い仔です! 「でね、コミドリ。悪いんだけど私これから友だちの家に行かなきゃいけないんだ。 もうちょっとお留守番がんばれる?」 「ハイテチ! 寂しいけど、頑張るテチ! オニイチャンサマとも仲良くするよう頑張りますテチ!」 「いいこ〜♪ 帰って来たらいっぱい遊んであげるからね〜♪」 肩をすくめながら階段を上っていくお兄ちゃんをよそに、私はかわいらしく頬ずりしてくるコミドリ37世を愛情込めてなでなでしてあげました。 3 行き掛けに近所の実装ショップで仔実装ちゃんの串焼き(和風しょうゆ味)を買って小腹を満たしつつ、徒歩圏内にあるエイちゃんの家まで行きます。 三階建ての豪邸です。呼び鈴を押すとエイちゃん姉妹が出迎えてくれました。 「きたよー」 「いらっしゃい。ありがとうね」 「こんにちは……」 いもうとちゃん——B子ちゃん(仮)はとても沈んだ表情をしていました。 とりあえず上がらせてもらって話を聞きます。 B子ちゃんの飼っている実装ちゃんは『アリアちゃん』と言うらしいです。 わるい仔になってしまったアリアちゃんにはかなり手を焼いているようです。 特にお父さんはもう我慢の限界らしく、これ以上迷惑をかけるならB子ちゃんが何を言おうが処分を見当している段階のようです。 そのアリアちゃん、今は三階にあるB子ちゃんの自室で大人しくしているようですが、部屋は完全に占領され、本当にもう手がつけられない状況みたいです。 「せめてトイレを覚えて、最低限の言うことを聞いてくれるようになればいいんだけど……」 買ってきたときはあんなに良い仔だったのに、とB子ちゃんは俯きながら目尻に涙を湛えていました。 躾済み実装ちゃんでも、極端に甘やかせば簡単に満足中枢が破壊されてわるい仔になってしまいます。 とくに飼い主と自分の力関係が調教師に聞かされていたものと異なる場合、まだ幼い実装ちゃんは簡単に勘違いしてしまいます。 これは実装ちゃんという生き物の脳が非常に脆弱なため起こる現象で、別に特別なことではありません。 九割以上が潜在的糞蟲と言われ、それを抑えるためには正しい飼い方を理解して上手く付き合っていかなければならないのです。 実装ちゃんは人間の子どもや他の動物ともまた違った教育が必要なのです。 それでも一流のプロが躾けた実装ちゃんなら、愛誤派の需要にも応えるため 『何をしても決して糞蟲化しないよう魂にまで染みこませる』レベルの調教が施されているはずなのですが、B子ちゃんの買った仔はそうじゃなかったみたいです。 買ったショップに文句を言えば高確率で別の仔と取り替えてくれるはずですが、 どうやらB子ちゃんは今の仔をとても気に入っているらしく、できれば元の良い仔に戻って欲しいとのことです。 「えっと、それじゃ様子を見に行きましょうか」 三人で階段を上ってB子ちゃんの自室へ向かいます。 大量の芳香剤で誤魔化されていますが、三階に近づくにつれて隠しきれない実装臭が漂ってきます。 明らかに躾の行き届いてない実装ちゃん特有の臭いです。 体臭を抑える高価なフードはまったく食べてくれないみたいで、うんちもほとんど垂れ流し状態。 B子ちゃんの私物はとなりの空き部屋に避難させ、いまじゃ完全にアリアちゃんの部屋と化しているそうです。 ドアの前までくると、中からテチャテチャとアリアちゃんの声が聞こえてきます。 私たちはスピーカー付きリンガルを起動させて部屋の中に入りました。 「なにやってるテシャ、クソドレイ! さっさとステーキを持ってこいテチャァ!」 中に入るなりとても元気なアリアちゃんの声が聞こえてきました。 フローリングの部屋は窓の他は家具ひとつなく、アリアちゃん用のミニチュアなベッドとテーブル、それと実装ちゃん用の玩具が散乱している状態でした。 部屋から一メートルのところで透明なプラに覆われた柵が作られていて、そっから向こうは完全にアリアちゃんのためだけの空間と化しています。 端っこにトイレ用の砂場がありますが、全く使われずに至る所にうんちが散乱しています。 「あらあ。これはこれは……」 とっても素敵な状況に思わず頬が緩みます。 私とは違う意味でですが、虐待派の人が見たらとても喜びそうな仕上がりっぷりです。 B子ちゃんは無自覚な愛誤派ちゃんですね。どうみても実装ちゃんを飼うような環境ではありません。 「もうずっと前からこんな感じで……なんとかなりそう?」 「状況の改善は後で話すとして、とりあえずこの仔とお話ししてみないとなんとも」 「なにぶつくさ喋ってるテチャ! 高貴なワタシを飢え死にさせる気かテチャア!」 「ごめんねアリア! いまごはんあげるからね!」 B子ちゃんがランチョンミートの缶詰を開けようとしたので、私は急いでそれを制しました。 強烈に味の濃いこんなもの、明らかに飼い実装ちゃんのエサにすべきモノではありません。 「ごめん。ちょっとアリアちゃんとふたりでお話ししたいから、下に行っててもらえる?」 「でも……」 「わかった、悪いけどあとよろしく!」 エイちゃんがB子ちゃんを抱きかかえて階段を下っていきます。 愛誤派のB子ちゃん自身の改善はあとで行うとして、まずはアリアちゃんの躾から行わなくてはいけません。 人間をドレイ呼ばわりするような仔は遠からず処分されてしまうでしょう。 B子ちゃんがどうであれ、ご両親の我慢が限界という気持ちはよく理解できます。 この仔がかなしい結末を迎えないためにも、いまはとりあえず誠心誠意お話をします。 「初めまして、アリアちゃん♪」 プラ柵を乗り越えてアリアちゃんに近づきます。 「テシャァ! お前は誰テシャァ!」 「私はあなたのご主人様のお友達だよ」 アリアちゃんは身長一〇センチくらいの仔実装ちゃんです。 まだ産まれてから三、四ヶ月というところでしょうか。 すぐに着れなくなるヒラヒラピンクの実装服も決して安物ではないでしょう。 愛されてますねえ。 「勝手にワタシの宮殿に入るなクソニンゲン! それともワタシの新しいドレイになりたいテチャ!? だったらお望み通りこのワタシに仕える栄誉を与えてやるテチャ!」 アリアちゃんはぱんつの中に手を突っ込むと、固形のうんちを私に向かって投げつけてきました。 しかし、すでにその場に私はいません。 「残像だ」 「テチャッ!?」 背後に回った私に驚いたアリアちゃんが目を見開いて振り向きます。 実装ちゃんは敵意を持った相手に対してうんちを投げる習性があります。 とくに野良の仔は頻繁にこの攻撃を行ってきます。 いくら私が実装ちゃん好きだといっても、やっぱり投糞されるのはちょっと嫌です。 なので頑張って避ける練習をしました。 ゼロ距離からの攻撃、不意打ち、死角からの投擲。 あらゆる状況を想定して必死に訓練を積みました。 今ではお腹に突きつけられたボウガンを引き金を引かれた後で躱すことも可能です。 とりあえず私はアリアちゃんを背中から掴んで持ち上げました。 「テシャア! はなせテチ、クソニンゲン!」 「大丈夫だよ。こわい事は何もないからね」 そして素早く服を脱がせ、あらかじめ用意しておいた携帯用自作固定台の上に仰向けに寝かせます。 「テチャ!? なにするテチャ、服を返すテチャァ!」 「わかった。すぐに返してあげるね」 もちろん返してあげません。 代わりに両足と頭をきっちり固定して、腰の辺りにアーチ状に切り取ったプラバンを置いて仕切りを作ります。 プラバン仕切りと身体の間のわずかな隙間は紙粘土できっちりと塞いでおきます。 これで動かせるのは両手だけ。おまたに手は伸ばせないので投糞はできません。 え? 両手を固定した方が早いんじゃないかって? そんなことしたら必死に抵抗するかわいい姿が見られないじゃないですか! 「これを解けテシャァ! さっさとしないとぶっ殺すテシャァ!」 「うんうん、そうだね。アリアちゃんの言うとおりだね」 そして次に取り出しましたるは愛用の裁縫セット。 ハート型のケースを開けて針を手に取ると、アリアちゃんが一瞬びくっと身体を震わせました。 調教師の元にいた頃を思い出したのでしょうか。とってもかわいい反応です。 でも安心してね。私はあなたを虐めたいわけじゃないから。 「さあアリアちゃん、生きようねぇ」 4 「テッチャアアアアァァァァァッ! テッチィィィィィィィッ!」 とてもかわいらしいアリアちゃんの声が部屋の中に響きます。 拘束の許す限り背中を仰け反らせ、小さな両手を突っ張ってビクンビクンと震えています。 私はお腹に刺さった針を引き抜くと、今度は腕の真ん中辺りに差し込みました。 ぐりぐり。ぐりぐり。 「痛いテチャアァァァァッ! もうやめろテチャァァァァァァ!」 ああっ♪ なんてかわいい声♪ 思わず握り潰してあげたく成っちゃう衝動に襲われますが、必死に我慢します。 この仔はB子ちゃんの飼い実装なので、私が勝手に命を終わらせちゃうわけにはいかないのです。 これはあくまで『躾』なのです。 実装ちゃんの躾はとても大変で、実装ちゃんにとっても過酷です。 高い知性を持っていると言っても、やっぱり実装ちゃんは人間とは違います。 下手に甘やかすとあっという間に増長し、脳に異常をきたしてしまいます。 彼女たちがわるい仔にならないためには、それこそ虐待と紙一重の厳しい調教を施さなくてはなりません。 言い聞かせるだけで良い仔に育つ個体なんて、それこそ何万分の一かの奇跡でしかありえないでしょう。 厳しい環境において親の愛情を受けた野良の仔の方がむしろその確率は高いくらいで、人間の手で安全を保障された実装ちゃんの脳は容易く満足中枢を破壊されどこまでもつけあがります。 いわゆる糞蟲という個体になってしまうわけですね。 虐待派に出逢ったら一瞬で殺されるか、限界までアゲられた後でこの世の地獄を味わわされるかどちらかでしょう。 でも、私はこういう『わるい仔』もキライじゃありません。 「痛くない。痛くないよ−。私が守ってあげるからねー」 「テッチャアアアアアアアアアアアッ!」 私の固有能力『偽石の導き(シャイニングナーブ)』を使って実装ちゃんの神経の作りをサーチ。 そこに針を差し込み、ぐりぐり。ぐりぐり。 「テッヂィィィィィィィッ!」 そうするとアリアちゃんはとってもかわいい声で鳴いてくれます♪ 実装ちゃんの躾はどうしても『痛み』に訴える必要があります。 初歩的なモノとしては針や爪楊枝。 もうちょっと厳しくしたいときは蠅叩きやデコピン。 場合によっては腕を引きちぎったりすることもあります。 もちろん虐待のためではなく、実装ちゃんに『やってはいけないこと』を教え込むためにはどうしても必要なことなのです。 なので、下手な虐待派に虐められるより、調教師による躾けの方が実装ちゃんにとって辛い場合もあり得ます。 「さ、もう一回いくよー。痛くないからねー」 「もうやめろテチャアアアアアッ!」 ちなみに私が使うのは基本的に針だけです。 小さな傷なら簡単に回復してしまう実装ちゃん。 これではあまり痛みを与えられないのでは? と思われる方もいるかもしれません。 ですが、実装ちゃんの神経……つまり『痛みを感じる部分』を適確に突いてあげれば、こんな小さな針でも凄まじい激痛を与えることが可能です。 それは素人の虐待派がローラーで身体を少しずつ潰すよりも遙かに強い刺激となって実装ちゃんを痛めつけます。 腕先。肩。歯の付け根。目の周り。乳首。総排泄孔。 普通に刺しただけでは『痛い』だけで終わる針での刺突も、私がやればほらこの通り。 前に知り合いの調教師さんからも褒められたことあるんですよ。「マイちゃんは天性の調教師だ」って。 虐待じゃないですよ? その証拠に、私は躾の間もずーっと実装ちゃんに優しい言葉をかけ続けてあげますから! 世の中には実装ちゃんのプライドを満たして幸せにしてあげて、 そこから一気に態度を豹変させて虐める『アゲ落とし』とかいう外道な虐待方法があります。 あれってとっても酷いと思うんですよね。私にはとてもできません。 「テチ……テチ……」 針での遊び……もとい躾を一段落させ、とりあえず汚れたアリアちゃんの身体を拭いてあげます。 両目からは床に水たまりができるほどの血の涙を流し、全身の至る所から血が流れています。 本当はこういう躾は水場でやるべきなんですけどね。 お腹の中のうんちは全部出尽くしてしまったのでしょう。 十枚重ねのティッシュで丹念に拭き取って、部屋の隅の使われてないトイレに置いておきます。 「うんちするときはあそこで。わかった?」 「クソニンゲン……絶対にぶっ殺す、テチャ……」 いきなり理解してくれるとは思いませんが、ただ痛めつけただけにならないようキチンと言い聞かせてあげます。 とりあえず今日の目的はこの仔の身体に『痛み』を教え込むことにあるのですから。 普通は何日もかけてゆっくりと調教していくものです。 まあ、私なら三時間もあれば強制的にアリアちゃんの人格を矯正することも可能ですけど。 まだ一〇分しか経ってないからね。 「今に見ていろテチ……絶対にお前を同じ目に遭わせてやるテチ……」 あはっ♪ 見てください、アリアちゃんのこのとってもかわいい態度! この状況でもまだ自分が人間より偉いと信じて疑っていないのです! これは躾の甲斐がありますよ〜! 「さあ、もっと遊ぼう!」 「やめるテチャ! やめろテチャァ!」 ゆっくりと針を近づけると、アリアちゃんは必死に手を振ってやめろやめろと叫びます。 なんてかわいいんでしょう。非力で小さな実装ちゃんが頑張って自分の身を守ろうとしているのです。 私はその頑張りに報いるべく、動く手の位置に針を向けて自分から刺さるように仕向けます。 「テチャアッ!」 自分から痛みを感じに行ってしまったアリアちゃんはとっさに手を引っ込めると、 動けないにもかかわらず必死に身を縮こまらせようとします。 「クソドレイ、なにしてるテチャアーッ! さっさと来てこのクソニンゲンをぶっ殺せテチャーッ!」 「B子ちゃんはドレイじゃないでしょ。ご・しゅ・じ・ん・さ・ま。はい言ってごらん?」 「テジュアアアアアアアッ!」 ぐりぐりー、ぐりぐりー。 「ヂュイイイィィィィィィッ!」 あ、叫び声が完全本気モードになりましたね。 この声はふつうローラーミヂミヂレベルじゃないと出ないんですよ。 これを針だけで引き出せる私は実装ちゃん愛に溢れてますよ! 「よし、それじゃ今日はここまで。アリアちゃん、おつかれさまでした!」 「テェ……テェ……」 うつろな目で涙を流し続けるアリアちゃんは、もう悪態をつく気力もないみたい。 そして追撃! ぷしゅっ。 「テヂャアァァァァァッ!? なんでテチィ!? 終わりって言ったテチィィィィッ!」 「うん、終わりだよ! もう痛いことはないよ!」 グリグリー。グリグリー。 「イッヂャアァァァァァァァッ!」 痛いことはしない←痛いことはしないとは言ってない。 でもあんまり傷つけちゃうとトラウマになっちゃいますからね。 あくまでこれは躾ですから! 用意しておいた栄養ドリンクを身体にかけてあげます。 「テチャァァァァァッ!」 あ、傷口に染みちゃったかな? まあ実装ちゃんの回復力ならすぐに元通りになりますよ。 これだけ痛みを与えても外傷は小さな穴だけですからね。 「テェッ……テヒッ……」 さて、とりあえず放置です。 痛みが引いてきた頃にこの仔はなんと言ってくれるでしょうか。 一分ほど待って、アリアちゃんは私の方を見て言いました。 「わかったテチ……もうオマエには逆らわないテチ……だからさっさとワタシを許せテチ……」 そんなことを透明な涙を流しながら言います。 ああ、いいですねえ♪ B子ちゃんがどれだけ甘やかしてきたのかよくわかりますよ。 完全に脳の満足中枢が破壊されちゃってます。 これを治すのは容易じゃないですよー♪ 並の調教師さんだったらさじを投げちゃうレベルです♪ 「えいっ」 ぷすっ、ぐりぐりー。 「テチャアァァァァ!? 許すって言ってやってるのになんでまた刺すテチィィィッ!?」 「なんでだと思う?」 「わかんないテチィィィィィィィ!」 自分の立場を守ろうとか、あわよくば私をやっつけてやろうとか、そういうことを考えてるんじゃないと思います。 本当にわからないんですよ、この仔は。今の痛みからどうやれば逃れられるのかをね。 「悪いことしたら『ごめんなさい』って言うんだよ」 「悪いことなんてなにもしてないテチィ!」 「ぷすっ。ぐりぐり」 「テチャアアアッ! ゴメンナサイテチィ!」 「何が? なにがごめんなさい?」 明らかに反射的に言葉を発しただけのアリアちゃんに問いかけると、彼女は怒りに顔を歪めて猛烈にまくし立てます。 「いい加減にしろテチャこのクソニンゲン! ゴメンナサイって言ってやったんだからもう止めろテチャァ! オマエはそんな事もわからないバカなんテチ!? バカニンゲン! バカはさっさと死にやがれテチャ! 死ねテチ! 死ねテチ! ほら、早く死ねテチィ! 惨めに泣きわめいて死ねテチッ! ワタシが死ぬことを許可してやったんだから土下座してありがたく死ねェェェテチャァァァァァッ! そしてお詫びとしてステーキとコンペイトウを山ほど持ってくることを許すテチァァァッ!」 ……ふふっ♪ ああ、いいなあ。かわいいなあ。 ぷすっ、ぐりぐりぃ。 「ヂュアァァァァァァァァァァッ!?」 虐待派の人って、実装ちゃんのこういう態度を見ると反射的にころしたくなっちゃうって言いますよね。 でも、私にはそういうのさっぱりわかりません。 だってこんなにかわいいじゃないですか! 実装ちゃんのわがままなんて、人間で言えばせいぜい小学生のワルガキレベルですよ。 それも要求するだけで具体的に暴力を行使する力なんてありません。 今も、ほら。泳ぐように必死に両手を振り回して宙を叩いてるだけです。 実装ちゃんはとても弱くて、かわいそうで、かわいい存在です。 怒りで衝動的にころしたくなることなんて絶対にありませんよ! ころしたくなるとしたら、死の間際のかわいい姿を見たいと思ったときですね。 もちろん、他人の飼い実装ちゃんにはそんなことできませんけど。 よおし、それじゃそろそろ本気でいきますか! ……と思ったところで、部屋のドアが勢いよく開きました。 「もうやめてあげてっ!」 瞳にたっぷりと涙を湛えたB子ちゃんが私に後ろから抱きついてきます。 「ごめんなさい、わたしが悪かったからっ! だからもうアリアにひどいことしないで!」 「……あー」 開いたままのドアの向こうでは、エイちゃんが気まずそうな顔でこちらを見ていました。 あちゃあ。やっぱり下まで声が届いてたかあ。それか隣の部屋で待機してたのかな? たしかに実装ちゃんの悲痛な叫び声だけを聞けば、私のやっていたことが虐待に思えるかもしれません。 ですが、まだ躾は第一段階にも達してないのです。ここで止めればなんの意味もないです。 B子ちゃんを気絶させてでも続きをすべきかどうか迷いましたが、まあクライアントがこう言ってるなら仕方ないでしょう。 人間の子どもを泣かせる趣味はありません。アリアちゃんの躾は中止です。 「大丈夫? アリア、痛くない?」 「テホッ、テハッ……」 B子ちゃんはアリアちゃんの頭側に周り、不器用に拘束を解いていきます。 自由を取り戻したアリアちゃんは起き上がろうとしてふらつき、B子ちゃんの手に支えられました。 そしてB子ちゃんは私の方を見て言います。 「本当にごめんなさい。お姉さんがアリアをいじめてたわけじゃないってわかってます。 でも、やっぱり可哀想で放っておけませんでした」 「あ、うん」 「この仔ね、本当はすごく良い仔なんですよ。 だから今はこうでも、きっと我慢強く可愛がってあげればまた元に戻るって信じてます」 うん、信じるのは勝手だけど、それ現実的じゃないから。 言わないけど。 「アリア、ごめんね。わたしが悪かったよ。もう大丈夫だからね。 もう二度とこんなこと——」 ぺちゃっ。 あー…… B子ちゃんの頬が緑色に染まっています。 アリアちゃんがうんちを投げつけたからです。 「このクソドレイ! オマエはなにモタモタしてたテチャァ!」 リンガルはスピーカーモードで部屋の真ん中に置いてあります。 「オマエのせいで酷い目にあったテチャ! なんで肝心なときに使えないテチ!? ご主人様であるワタシがこんなにも苦しんでたテチ! それでもオマエはドレイかテシャァ!?」 「え? え? なんで、アリア……」 私が責められるならともかく、B子ちゃんは助けてあげた自分が責められる理由が理解できないみたいです。 「いいか、よく聞くテチ! オマエはワタシの忠実なドレイでなくちゃいけないんテチ! ワタシの安全を保障して、アマアマなコンペイトウとステーキをワタシに献上するために生きてるんテチ! そんな自分の分際もわきまえずどこをほっつき歩いてたテチャァ! オマエはドレイ失格テチャ! 役立たずはこの家から出て行けテチャ! いや、それじゃワタシの気が収まらないテチャ! クソドレイ、死んでわびろテチ! オマエは生きてる価値もないテチ! ゴミクズテチ! 糞蟲テチ! 死ねテチィ!」 言うまでもありませんが、アリアちゃんを助けてあげたのはB子ちゃんです。 愛誤とはいえ間違いなく彼女の純粋な良心からの行動だったでしょう。 そんな優しすぎるご主人様を、アリアちゃんは鬼の形相で睨み付けながら何度も投糞します。 「死ねテチ! 死ねテチ! 死ねテチ! 死ねテチ! 死ねテチ! 死ねテチ! 死ねテチ! 死ねテシャァッ!」 何度も何度もうんちを投げながらの『死ね』コール。 そのたびにB子ちゃんの顔は悲惨な有様になっていきます。 彼女の顔から表情が消えたことにアリアちゃんはまだ気付いていません。 ……あーあ。これはもう仕方ないですね。 「死ねテチ、死ねテチ、死ね——テ? ……ヂベッ」 考えての行動だったわけではないでしょう。 B子ちゃんはその幼い手を振り上げると、床や自分の手が汚れることも厭わずにアリアちゃんを一撃の下に叩き潰してしまいました。 5 かなしい結末(笑)でしたが、愛誤派にはよくあることです。 B子ちゃんはしばらく放心状態。エイちゃんはこっちが気の毒になるくらいなんども私に謝ってくれましたが、正直言って別に気にしていません。 残念なことがあるとすれば、もっとアリアちゃんと遊びたかったなーってことくらいです。 お詫びとしてエイちゃんには後日ランチを奢ってもらい、これでこの件は終わり……のはずでした。 数日後のある日、実装ショップへコミドリ37世のエサを買いに行った帰りのことです。 私は近所の大きめの公園でとある集団を見かけました。 「行くぞァ、テメエラァ! 今日も糞蟲を皆殺しだァ!」 『皆殺しだーっ!』 野良実装駆除の集団です。 私の住むYH市では近年『J30プラン』という、野良実装を30%減らすための政策を去年から始めました。 彼らはそのために集められた市民のボランティア団体でしょう。 ボランティアと言えば聞こえは良いですが、その内実は虐待派の集まりであることがほとんどです。 誰はばかりなく実装ちゃんを駆逐できるのだから彼らにとっては願ったり叶ったりでしょう。 まあ、私には関係のない話です。 私は他人の趣向にいちいち口出ししたがる愛誤派ではないので、虐待派のみなさんとは無関係を貫くまでです。 なので見て見ぬフリをして通り過ぎようとしたのですが…… 「おおァ? 見ねえ顔がいるなァ?」 リーダーを務める世紀末ルックのモヒカンヘアの人は見覚えがあります。 お兄ちゃんと同じ大学の茂比寛(しげくらべ・ひろし)さんです。 実装ちゃんをころすのが大好きな虐殺派の人です。 ですが問題はそちらではなく、茂比さんが話しかけていた子の方です。 「うっす! 今日からお世話になりますっす!」 「お世話ってなあ……なあ、がきんちょ。これがどんな集まりだかわかってんのか?」 「うす! 糞蟲共を一匹残らず殺し尽くすための集まりっす!」 なんだか雰囲気が変わっちゃってるけど、それは明らかにエイちゃんのいもうとのB子ちゃんでした。 右手にはバールのようなモノを持ち、頭には『鏖-MINAGOROSHI-』と書いたはちまきを巻いています。 「わたし、今日のこの日を楽しみにしてましたっす。 ぜひ私にも糞蟲共をぶっ殺す栄誉をお与えくださいっす」 「良い心がけだァ。ってか、オマエはそんなに糞蟲が憎いのかァ?」 「はいっす! もうこの世から消しちまいたいっす!」 「こういうことはあんまり聞かないのが礼儀なんだがァ……その歳で何があったァ?」 B子ちゃんは狂気に血走った目でこう言いました。 「フウウウウウウ〜〜〜 わたしは……少し前まで……とんでもない『糞蟲』を飼ってたんですがね…… その糞蟲に……あるとき……『キレ』っちまいましてね…… あの『糞蟲』をこの手で『叩き潰した』時……あれ……初めて殺した時…… なんていうか……その……下品なんですが……フフ…… 絶頂……しちゃいましてね………… 『染みになった床』のとこだけ切り抜いてしばらく……部屋にかざってました。 野良糞蟲共も……染みにしちまいたい……」 「お、おう……」 ある本で読んだことがあります。 一〇〇の実装ちゃんがいれば、一〇〇通りの人間との関係があると。 なので、これがB子ちゃんにとっての実装ちゃんとの『縁』だったのでしょう。 愛護仲間になれなかったのは残念ですが、私は彼女を優しく見守ろうと思います。 これからきっと彼女はたくさんの実装ちゃんから『かわいい』を引き出してくれるでしょうから。 「ぶっ、ころ、せー!」 『ぶっ、ころ、せーっ!』』 ボランティアの人たちの鬨の声を聞きながら、私は愛実装のコミドリ37世の待つ自宅へと帰るのでした。 ……コミドリももう十分に愛したし、そろそろ37回目のお別れも近いかな? おわり

| 1 Re: Name:匿名石 2016/04/05-00:56:57 No:00002129[申告] |
| 桐野妹の独白から始まる時点で噴くw
つーか嫌いなものが竜wwwどんだけ嫌われてんのよ竜 そして桐野妹が何か言うたびに嫌な予感しかしない&笑いしか起きないというこの凄さ ほんと桐野妹いいキャラだわー 読みながら終始笑いっぱなしで腹痛ぇwww |
| 2 Re: Name:匿名石 2016/04/05-16:27:22 No:00002130[申告] |
| 純粋だったB子ちゃんが
なんか爆弾使いそうなシリアル実装キラーに… |
| 3 Re: Name:匿名石 2016/04/06-06:45:55 No:00002134[申告] |
| 妹スペック高すぎやw
オーソドックスな増長飼い蟲ネタが妹の強烈なキャラで持ってかれたw 友人Bも異彩を放つキャラに成長しててナイスw |
| 4 Re: Name:匿名石 2016/04/29-06:02:53 No:00002359[申告] |
| 兄、モヒ、こっちでは元気でよかったな |