タイトル:【微虐】 DEXT 第二部・1話 ~○×大学糞蟲虐待サークル~
ファイル:DEXT 6話.txt
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初投稿日時:2016/03/15-12:23:01修正日時:2017/04/21-18:29:17
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【第一章の三行あらすじ】

 なぜか人類がいなくなった
 いろいろあって実装石が栄えた 
 虐待派、時を超えて降臨


【登場人物/○×大学糞蟲虐待サークル】

 桐野……主人公。体格の良いスポーツマン風の男。ソフト虐待派
 木下……糞蟲虐待サークルのリーダー。常に鼻から下をネックウォーマーで隠し氷のように冷たい雰囲気を放つ
 麗華……頭の悪そうな女、桐野の彼女
 太田……室内虐待派のデブ
 茂比……虐殺派のモヒカン
 桐野妹……自称愛護派の桐野の妹。一章未登場


【この世界の実装石】

 人類でいう古代レベルに近い文明を持ち外壁に囲まれた都市国家に暮らす。
 ト=メィトゥの実という果実を育てて主食としている。
 過去の環境や祖先の突然変異、主食の栄養不足などの影響で成体でも仔実装サイズの大きさしかない。
 信仰と教育と調和によって栄えたため、基本的に善良で仲間思い。 



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   1

「うそだろ、信じられねえ……」

 体格の良いスポーツマン風の男、『桐野』は双眼鏡から見える景色に思わず絶句した。
 形の悪い煉瓦で作られた五〇平方メートルほどの壁。
 その中にはミニチュアのような町があり、たくさんの実装石がいる。
 それらが出入りする家もすべて煉瓦造り。
 すべて仔実装が暮らすのにちょうどいいサイズである。

 実装石が公園などで社会的コミュニティを作るのは知っていた。
 だが、こんな大規模な集団が一箇所で生活しているのを見るのは初めてである。

「すごいノ。誰が作ったんだか知らないけど、これはさすがにたまげたノ」
「くぅ〜、早く殺してぇァ!」

 それを見てテンションだだ上がり状態になっているのが、同じ『○×大学糞蟲虐待サークル』の仲間たち。
 語尾を奇妙に上げて喋る曇り眼鏡の太った男が二年の『太田』。
 某世紀末漫画に出てくるようなモヒカンヘアの男が同じく二年の『茂比』である。

「おいおい、お前ら逸るな。こんなの誰かの所有物に決まってるだろう」

 稚拙ではあるが、これだけのセットを煉瓦で組み立てるのはかなりの労力がいる。
 それにこんなに大勢の実装石を集めて住まわせているんだ。
 何かの観察実験か、よほどの物好きの道楽と見るべきだ。
 勝手に侵入して殺したりなんてしたら怒られるに決まっている。

「いや。おそらく、この実装石たちは野生だろう」

 ネックウォーマーで鼻まで隠した黒づくめの男。
 長い前髪の下の細い目をぎらつかせながら言うのは、このサークルのリーダーである三年生の『木下』である。

「マジっすか、木下さんァ!」
「向かって右側の奥の方を見てみろ。家を組み立てているやつがいる」

 双眼鏡を覗いてみる。
 確かに小さな手で接着剤のようなものを塗り、煉瓦を組み立てて何かを作ろうとしている個体がいた。
 段ボールハウスならまだわかるが、煉瓦の家を自分で組み立てているのか。実装石が……

「昨日、お前が殺した個体を思い出せ。荷車で果物らしき物を運んでいただろう」
「あ、あのプチトマトみたいなやつっすねァ」
「左側にその実がなっている木がある。たぶんここから別の町に運ぶ最中だったんだろう」

 彼らが泊まるロッジからあの町まで煉瓦敷きの道が続いているが、それは人が歩くにしては非常に道幅が細い。
 実装石自身が作ったと考えればしっくりするような道路だった。

「じゃあ何すかァ? マジでここには実装石しかいないって言うんすかァ?」
「少なくとも付近に人はいない。監視カメラの類いもないな。仔実装以下の個体しかいないのは気になるが……」
「ふーん、変なの。実装石のくせに生意気」

 太田や茂比とは違い、あまり興味なさそうに呟く茶髪の女。
 彼女は一年生の『麗華』。
 いちおう桐野の彼女である。

 この五人が所属するのが『○×大学糞蟲虐待サークル』である。
 それと、もう一人。

「きゃーっ! すごーい、かわいーっ! あ、矢を撃ってる! かしこーい!」

 双眼鏡をのぞき込みながら黄色い声を上げている黒髪ボブヘアーの少女は『桐野妹』。
 学外サークルメンバーで、まだ中学三年生の十五歳。
 今回の合宿には兄の桐野に無理を言って無理やり着いてきた形である。

 そう、合宿。
 桐野たちサークルのメンバーは春休みを利用して合宿に来ていたはずなのだ。
 木下が計画を立てた、二泊三日の実装石虐待旅行。



   2

 数日前。

「合宿……ですか?」

 桐野は自室で寝転がりながら、スマホから聞こえる木下の声に問い返した。

『そうだ。突然で悪いな、参加できるか?』
「日取りには問題ないですけど……」

 彼が所属する『糞蟲虐待サークル』は、去年に木下が設立したばかりの学内非公式サークルである。
 活動内容はそのサークル名から想像できる通り、実装石を虐待すること。
 いわゆる『虐待派』と呼ばれる人種があつまるサークルである。

 元々、桐野は実装石が好きでも嫌いでもなかった。
 なんとなく「気持ち悪い生き物だなー」くらいには思っていたが。
 実装関連用語で言うところの無関心派というやつである。

 一年の秋頃、桐野は本業である柔道に限界を感じていた。
 小学校の頃からやっていた柔道だが、大学のレベルの高さについて行けなくなったのである。
 スポーツ特待生として入学したため辞めるわけにもいかない。
 ストレスがたまる日々が続いていた。
 その時、つきあい始めたばかりの麗華から誘われたのが、この『糞蟲虐待サークル』だった。

 気分が荒んでいたこともあり、桐野は素晴らしい反応で嗜虐心をくすぐってくれる実装石イジメという遊びに夢中になった。

「ほら実装ちゃん、そろそろ死のうねぇ」
「テチィィィィッ!」

 その麗華はいま、桐野の横で帰りがけに託児された仔実装をハンマーでなぶって遊んでいた。
 テーブルの上を走り回る仔実装はすでに全身ボロボロであるが、殺されたくない一心で必死に逃げ回っている。
 彼氏である桐野が言うのもなんだが、麗華は頭が悪く、モノを考えるのが苦手なやつである。
 だが実装石を虐めている時だけはとても楽しそうに目を輝かせており、そんな姿が可愛らしいと桐野は思っている。
 ちなみに、後追いで来た親実装はすでに桐野の蹴りを食らって玄関先で死にかけている。

 おっと、思考が逸れた。
 今は木下さんと電話で話している最中だ。

「でも、俺たちの活動内容で合宿なんてできるんですか?
 虐待サークルなんてどこも受け入れてくれないでしょう」
『じつは、とある田舎町が増えすぎた山実装の被害に困っていてな』
「はあ」
『学生ボランティアを装って駆除を請け負った。
 液状コロリ散布剤を支給されるが、やり方は自由。
 とにかく三日間でできるだけ数を減らしてくれればいいらしい」
「! それじゃ……」
『村の人たちは害虫駆除で大助かり。俺たちは駆除を名目に思いきり活動できるわけだ 
 ちなみにボランティアと言っても多少の謝礼は出る。
 もちろん泊まる場所も用意してもらえるぞ』 
「そりゃすごい! 絶対参加しますよ!」

 金を稼ぎつつ、山実装たちを使って思いきりサークル活動を楽しむ。
 彼らにとって一石二鳥である。
 そういうわけで、桐野は合宿の参加を決定した。もちろん麗華も一緒にである。

 ところが出発直前になって、面倒なやつにバレた。

「お兄ちゃん、私も合宿連れて行って!」

 妹である。
 木下さんとの電話打ち合わせが終わるなり、いきなりやって来てそう言った。
 さっきまでペットのコミドリ35世を抱きながら仔実装用教育番組を見ていたと思ったのに、一体いつの間に聞き耳立てていやがった。

「いや、嫌だし……なんでお前が来るんだよ」
「だって木下さんも来るんだよね」
「そりゃ来るよ。リーダーだし」
「会いたいし。だから連れてって」
「嫌だ。っていうか、お前は仮にも愛護派だろ? うちのサークルが何かわかってんのか?」
「細かいことは気にしない!」

 結局、強引に押し切られてしまった。
 妹は麗華とも仲が良く、学外サークルメンバーという名目で参加することになった。

「コミドリ35世は連れて行けないぞ。殺されるからな」
「わかってるって」

 しかし、女子中学生がひとりで大学生に混じって楽しいんだろうか?
 まあ、嫌になったらそれでいいさ。責任は持たん。

 半日以上もバスに揺られ、地元の人に用意してもらったロッジに到着したのが一昨日の夜。
 とりあえず活動は明日からということになり、夕食を取ってベッドに入ってすぐのことだった。

「な、なんだ!?」

 どこかで「どーん」という音がした。
 慌てて飛び起きて外の景色を見たところ、昨日までの木々が生い茂った山中はなく。
 どこまでも続く雄大な草原が拡がっていた。
 しかもほとんど寝ていないのに、すでに太陽は中天近くまで上がっている。

 外を歩いていた実装石の集団を見かけた茂比が飛び出して虐殺した後、とりあえず全員で状況を確かめようということになった。
 音がしても眠ったままだった桐野妹を起こし、全員でロッジの中のものを確認。
 幸いにも太陽光発電で電気は通っており、食料なども十分にあった。
 水道は使えなかったが近くに川が流れていたので煮沸して使えば飲料水には困らない。
 さらに、ここのロッジの持ち主はかつて虐待派だったらしく、『それっぽい』道具が倉庫に大量にしまってあった。
 これを見て一同はテンションが上がり、しばらくは問題ないと判明したことで一安心して、とりあえずその日は時差ボケ解消のため眠りについた。



   3

 そして翌日。
 今度は全員で外の探索を行うことになった。
 そして見つけたのがあの実装石の町である。

 周りを囲む柵の高さは一メートルほどか。小高い丘の上からは中の様子がよく見える。

「町がひとつとは限らない。少しひとりで遠くまで調査に行ってみようと思う」

 未だに驚きが止まらないサークルメンバーたちに木下は言う。
 確かに今のままでは何もわからない。情報収集は必要だろうが。

「みんなで行かないんですか?」
「いや、悪いが一人の方が身軽で良い。お前たちは適当にロッジに戻っていてくれ」
「なあなァ木下さんァ、もっとてっとり早い方法があるんじゃないっすかァ。あそこの実装石たちに聞いてみるとかさァ」

 ギラギラと目を輝かせる茂比。その発言が建前なのは誰が見てもまるわかりだ。

「好きにしろ。サークル趣旨に沿った自主的な活動を止めるつもりはない」
「おっしゃァ!」

 リーダーの許可を得た茂比は嬉しそうにバールの様なモノを振り回す。

「ボキも賛成なノ。何匹か掴まえてロッジに持ってくるノ」
「あ、私も行きたいです! 連れてってください!」

 桐野妹がぴょんぴょんと跳ねながら手を上げる。
 それを無視して桐野は右隣の彼女に尋ねた。

「麗華はどうする?」
「えー、アタシパス。めんどうくさいしロッジで待ってるー。
 太田ちゃん、活きの良さそうなのいたら何匹か連れてきてよ」
「了解なノ」

 麗華は虐待派であるが、基本的に面倒くさがりである。
 気分次第で目の前の実装石をいたぶるが、わざわざ身体を動かして捕獲したりする作業は大嫌いなのだ。

「えー、麗華さんいっしょに行きましょうよー」
「嫌ぁよ。アタシは妹ちゃんと違って実装キチ○イってわけでもないしー」
「むう、なんですかそれ」
「というか、仮にも愛護派を自称するお前が虐殺派や虐待派と一緒に行動するのはどうなんだ……」

 桐野が呆れたように言うと、桐野妹は「わかってないなぁ、お兄ちゃんは」と肩をすくめて反論する。

「私は分別のある愛護派だよ?
 人の家のペットに口出ししなきゃ気が済まないような愛誤派とは違うんだから。
 愛護派と虐待派はお互い不干渉が基本。同じ場所にいても棲み分けるもんだって。
 あそこに実装ちゃんがいっぱいいるから行く。その事実だけが大事なの!」
「わかったよ、勝手にしろ。俺らは先に戻ってるからな」

 とりあえず、桐野としては妹も心配だが、麗華を一人で放っておきたくない。
 癇癪を起こすと何をしでかすかわからないからだ。
 どうせ黙っていても一緒に戻ろうと言われるし、最初から桐野はそうするつもりだった。

「それじゃ決まりだな。全員、日が暮れるまでにはロッジに戻るように」
『はーい』
「それから茂比」

 号令の後、木下は思い出したように付け加える。

「なんすかァ?」
「木の密集している所の近く。壁際の建物はおそらく武器庫だ。
 余計な抵抗を受けたくなければ早めに潰しておいた方が良い」
「あー、弓矢とか槍とか持ってましたもんねー。びっくりして攻撃されたら怖いなぁ」
「非力な実装石でも蜂に刺された程度には痛いかもしれないノ」
「わかりましたァ木下さんァ、忠告あざっすァ」

 ということで、サークルメンバーたちは三手に別れてそれぞれの活動を開始した。
 桐野と麗華はロッジに戻って待機。
 木下は一人で遠方の調査。
 そして茂比、太田、桐野妹の三人は実装石の町へと向かった。
                                                                       つづく

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1 Re: Name:匿名石 2016/03/26-15:59:34 No:00002076[申告]
これどう考えても愛護派のはずの妹ちゃんこそが結果的に最悪の虐殺神って展開になるなと予測しつつ
それが外れて全然違う展開になることも期待
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