焦げパンの反応は期待と異なり、冷淡だった。 水槽に戻されたシリアル達に目線を向けるとフーンといった感じで掃除を始める。 共に寄り添って生きていたシリアルが子供を連れて帰ってきた。しかし焦げパンにはどうでもいいらしい。 日課の掃除の方が重要だった。 自然と焦げパンとシリアルは水槽内で一定の距離を取り、干渉しなかった。 時折、シリアルは寂しそうな素振りは見せていたが焦げパンにそういうものは微塵もなかった。 ずっとこのままなのかな?あまりにも平穏すぎた。 そう思い何かいいネタがないかとなんて考えていたところ、意外とあっさりと一悶着起きた。 シリアルの子供にはすごく元気がよく懐っこい奴がいる。暇があれば這い回り、誰彼ともなくプニプニしてほしいレフと腹部を晒す。 お腹を撫でられるのが蛆は好みらしい。 普段はシリアルが撫で回していたが他の子供の相手をして手が回らずこいつを持て余してしまった。 元気な蛆は相手してもらおうと焦げパンの方へ這っていく。 蛆は焦げパンの至近距離まで寄ると例の如く腹を晒し、プニプニしてほしいレフ〜とおねだりする。 ミニチュアの箒を使って掃き掃除の最中だった焦げパンは蛆に視線を落とすこともなく作業を続けた。 蛆は不思議そうに焦げパンを見つめ周囲を這う。 焦げパンは若干煩わしそうにしたものの蛆を避けて掃除を続ける。 「なぜかわいいアタチをかまってくれないんレフ?我慢しないでいいんレフ〜!」 おそらく蛆はこんなことを考えてるんだろう。だが焦げパンは蛆に興味を示さなかった。 「ほら!!こんなに可愛い!!さあプニプニするレフ!」 蛆は頭も悪く、察しも悪く、諦めも悪い。 蛆は焦げパンに腹を晒し、ちぎれんばかりに尻尾を振る。可愛さアピールのつもりだろうか。 かまってもらおうと必死に振り続ける。焦げパンは一向に見ない。 ブリュッ・・・・・・ 蛆は汚い音とともに緑色の飛沫を撒き散らした。 ——飛沫は蛆の軟便。 軟便は焦げパンのドレスと周囲をドロドロに汚してしまった。 焦げパンは激怒した。 「レフ?」 蛆はアイスホッケーのバックのように弾け飛び、シリアルの元にゴールした。
