タイトル:【虐】妖怪実超デブ「ゴミ屋敷の鋏(後編)」
ファイル:【虐】妖怪実超デブ「ゴミ屋敷の鋏(後編)」.txt
作者:赤いサクブス 総投稿数:10 総ダウンロード数:779 レス数:5
初投稿日時:2014/09/13-09:30:03修正日時:2014/09/13-09:30:03
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今、実蒼石は冷蔵庫の中身を物色している。
まるで実装石のやることである。
お目当てはチョコレートや漬物など。
そのままでも食べれて保存の利く食料だ。
殺したミドリの下半身はお土産としてビニール袋にしまってある。
「そろそろ行くボク」
実蒼石はあらかじめ用意しておいた糞を垂らしながら帰路につく。
逃走経路には近所の公園も含まれていた。
そして撒いた糞はこの公園の実装石から集めたもの。
飼い実装殺しの罪はここの野良たちが被ってくれるという寸法だ。
しかも、先ほどミドリの家から拝借してきたお菓子の一部や日用品、
大事な証拠を公園に置き捨てる徹底ぶり。
「デププ、あいつお菓子落としてるデス」
「馬鹿テチィ、頭隠してるしきっと禿テチィ」
緑の実装服を着ているので見られてもばれない。


公園を経由して自宅に着く実蒼石。
そこはキチガイの老人が住んでいるゴミ屋敷。
あまりにも広く、しかしゴミで溢れ狭く入り組んでいるので、
この野良実蒼石が住み着いていることを家主は知らない。
実蒼石は庭の隅にある倉庫、その二階に隠れ住んでいる。
「「「ポキュ! ポキュー!」」」
母親の帰宅に気づき、七匹の親指実蒼が狭い隙間から走り駆けてくる。
「ただいまボクよ、ママが帰ってきたボク」
親指実蒼は母実蒼の周りに集まってポキュポキュ、ポキュポキュ。
既に実装臭が消えた緑の服にすりすりと鼻をこすりつけて、
数日ぶりの母の匂いを感じている。
「甘えん坊さん達、良い子に留守番してたボク?
 今日はお土産があるボクよ」
寄り掛かってくる仔を並ばせると、
母実蒼はビニール袋からミドリの死肉を取り出した。
「「ポキュ♪ お肉ポキュー! ママありがとうポキュ!」」
床に置かれたミドリ肉に群がる親指実蒼、6cm。
自分達の三倍ほどの大きさの肉に抱きつきながら齧りついた。
「ほんとに元気な仔達ボク。早く大きくなるボクよ」
この母実蒼は何年もこの小屋で一人暮らしをしていたのだが、
一年前から寂しさに耐えかねて仔を産むようになった。
だが、生殖機能に問題があるのか生まれてくるのは弱い親指実蒼ばかり。
しかも野良実装肉といった野生のエサではすぐに腹を壊して死んでしまった。
実蒼石は実装石よりも不潔耐性が無いからだ。
そして、そんな過去の経験を踏まえて、
この一家の食事は飼い実装肉中心になっていた。
「クチャクチャ、やっぱりお肉はおいしいポキュ
 ニガニガのお野菜とは全然違うポキュ」
「ほんとうボク。だけど最近はお肉は捕りにくいんボク。
 だから、早くお前達も普通のエサを食べれるようになってねボク」
「イヤポキュー、まんまお肉かお菓子じゃなきゃダメポキュー」
いつまで経っても垢抜けない娘達。
全ては飼い実装肉常食の弊害。
成長阻害剤や避妊剤の成分が母子共に蓄積しているのだ。
この一家は死ぬまで同じ生活をするしかない。




数日後、ガリは例の公園のそばに張り込んでいた。
「チビの仇を取ってやるデス!!」
昨日ガリはゴミ捨て場でチビを見つけていた。
無残に首を切られた死体が生ゴミと一緒にゴミ袋の中にあった。
「これは例の化け物の仕業デス!」
かすかに残っている実蒼臭。
チビの割れた偽石から伝わってくるダイイングメッセージ。
長く連れ添った奴隷兼妹のチビを失ったガリは怒りに燃えたのだった。
そして今、ガリが待ちに待ったチャンスが訪れようとしていた。


(干し肉の備蓄が無くなっちゃったボク。
 だけど獲物が見つからないボク……)
鋏を持って堂々と道路の隅を歩く母実蒼。
この母実蒼の行動パターンは二つである。
	①普通の実蒼服で町を探索する。
	②緑の服で実装石に化けて飼い実装狩りをする。
今日は①の日。
綺麗に洗った青い服で、さも自分も飼い実蒼のように振舞っていた。
(飼い実装なんてもう見つからないボク。
 ニンゲンの家も探したけど、目ぼしい所は全部狩り済みボク。
 マンションは人が多いからダメボク。
 ……ダメ元で野良実装をエサにするボク?)
「ポクー」
母実蒼の向かいの方から歩いてきた中実蒼がお辞儀をした。
この町では実装石が飼い難くなった分、他シリーズを飼う家が増えていた。
(飼い実蒼ボク……飼い実蒼?
 そうボク、飼い実装以外ならよく見かけるボク!
 なんで今まで気づかなかったボク!
 世間はエサで溢れてたボク!
 私は天才ボクー!)
「ポク!? オバサンなにするポク!」
手ぶらの中実蒼は鋏を向けられていた。
母実蒼は空腹と知恵熱で、この場で手荒な真似をしてしまった。
(ボク!? しまったボク……)
慌てる母実蒼。
「ごめんなさいボク。妊娠中なので気が立ってたんボク」
「そんなの知らないポクー!」
母実蒼が嘘で取り繕うが、中実蒼は構わず逃げた。
とはいえ小競り合いに発展しなかったので母実蒼はほっと一息。
「見たデスよ!」
はっと振り返る母実蒼。
痩せてはいるが体格のいい実超石ガリが電柱の後ろから躍り出た。



「同属食いをしようなんて、とんでもない糞蟲の蒼い子デス!」
ガリは指の無い手で母実蒼を指しながら詰め寄る。
「何ボク! お前何わけわからないこと言ってるボク!!」
母実蒼は鋏を向けて威嚇する。
「私にはわかるんデス。お前の心の声がちゃーんとこの耳に聞こえてたんデス!
 私はお前みたいな糞蟲を見ると禿裸にして殺してやりたくなるんデス!!!」
自転車をロックする際に使うチェーンを振り回しながらガリが突撃する。
チェーンの先端の角ばった金属部分が母実蒼を襲う。
母実蒼は鋏でそれを挟んで受け止めた。
切れはしないものの、綱引きの形には持ち込めたのだ。
「あ! お前話すデスー!」
チェーンを両手で引っ張るガリに対し、
母実蒼は足を踏ん張ってこらえる。
「デスゥ!!」
突然綱引きを止められてガリはよろける。
「こいつ! メタメタの八つ裂きにしてやるデ……ス」
ガリもまたチビと同じく首を切られていた。
コロリと転がって頭部が地面に落ちると、
ゆるんだ体はへなりと沈んで、ちょうど女の子座りになった。
「ボクゥ……ボクゥ……
 なんボクこの野良は! 今日は酷い一日ボクゥ!!」
ガリの頭部を滅多刺しにして母実蒼は怒りを静めた。
そうして冷静になってから自宅に戻った。
今日の母実蒼はいつも以上に、
かわいい親指達に癒されたい気持ちだった。



「ただいまボク〜。かわいい娘達〜。
 ママが帰ってきたボクよ〜」
猫撫で声で娘を呼ぶ母実蒼。
しかし返事は無い。
「まったく、エサ取り以外の日は呼んでも来ないんボクから」
母実蒼は呆れたような笑顔で部屋中の隙間を探す。
狭いスペースには親指実蒼達しか入れないので、
とにかく呼んで出てくるのを待つしかない。
「遊ぶのもいいけど、ママにみんなの顔を見せてボクー」
そして、そうこうしていると部屋のどこからか親指達のポキューという声。
トコトコと歩いて近づいてきているのがわかった。
「ポキュ……」
「一番先にママのとこに来たのは次女ちゃんボクね」
物陰から次女が来ているのを感じて迎えに行く母実蒼。
そこには右こめかみが陥没して、鼻水と舌を垂らした池沼のような次女がいた。
「!!」
唖然として頭が真っ白になる母実蒼。
「ミャミャ……」
ヨタヨタと千鳥歩きをする次女を呆然としたまま見つめるしかなかった。
「次女ちゃん?」
現実を受け入れられないでいる母実蒼の傍にボトボトと何かが落ちてきた。
残りの親指姉妹達だった。
「ボクゥ!? ボクーーッ!!」
母実蒼は血涙を流しながら娘のグズグズに崩れた死体をかき集める。
「誰ボクー! 誰がこんな酷いことするボク!
 そうボク! きっとこの家のクソニンゲンボク!!
 ボギャアアアア!!」
「騒ぐでないデス!」
「ボメギャ!」
落ちてくる埃まみれのトースターが直撃し、頭の左半分が砕ける母実蒼。
「お前の娘を殺したのは私デス。
 せっかく脳みそ潰して白痴にしてやったのに、
 あいつらは弱すぎてすぐ死んでしまったデスゥ」
物置の上から実超石デブが見下ろしていた。
「ボギャ……なんで……」
「飼い実装の味を覚えた糞蟲は飼い実装ばかり襲うようになるデス。
 人間に迷惑をかける糞蟲は死ぬべきデス。
 そしてお前の仔は元々産まれてはいけない仔だったんデス。
 糞蟲は連鎖するデス……」
ふよふよと浮いて母実蒼の周りをデブが回る。
「ボギュゥ……いい仔達だったのに、小さいけど元気な仔だったボクゥ!」母実蒼は痙攣する手で鋏を握り大きく開いた。
ジャキン……ジャキン!
実蒼石が威嚇する際の最大の表現だ。
しかしデブはピクリともしない。
「お前は糞蟲な上に私の仇デス。
 私にはチビとガリのことがわかるんデス」
テレパシーで二匹の奴隷兼妹の断末魔の声をデブは聞いていた。
「お前には禿裸のめくらが相応しいデス」
デブの両手が母実蒼の髪を鷲掴みにした。



「デスゥ……デスゥ」
デブは鼻提灯を作って眠っていた。
仇を拷問した疲れと喪失感、悲しみで、
泣いている内に寝てしまっていたのだ。
(許さんボク……)
穴だけの目、歯と舌の無い口。
剥かれた皮膚と禿頭が痛々しい母実蒼はまだ生きていた。
拷問の都合上、白痴にされなかったのが幸いした。
(もう私はダメボク。でもコイツも道連れボク)
死ぬ覚悟を決めたからか、体の痛みはあまり問題でなくなっていた。
自分のことがニンゲンにばれた時のために用意していた対策。
証拠隠滅の方法。
隠していた油とライター。
母実蒼は眠っているデブに油をぶちまけた。
「デス? 特大雨漏りデス!?」
デブは冷や油を浴びせられてバッと飛び起きた。
目の前には薄汚い実蒼石。
「貴様ー! てめぇ! 何しやがったデス!」
デブは鼻周りから眉間をしわくちゃにして血管を浮き上がらせる。
浮遊からの高速タックルで母実蒼からマウントポジションをとった。
「こいつ! ひねり潰してやろうかデス!」
デブが実装石らしからぬ凄まじい形相で睨むが、
母実蒼はそっぽを向き通す。
(娘の仇ボク!!)
ライターが火花を上げて着火。
二石の全身に火がまわった。
「デス!!? ヒギィ! 火デス!
 ひぎぃデスゥ!!」
飛び回って火を消そうとするが、むしろそよぐ風で炎が強まる。
むしろ火の粉を散らしたせいで、
ゴミで溢れた部屋全体に火種が飛び火してしまった。
「ンヒィィィィッ!! 焼けるデス焼けるデス!
 私の体が焦げちゃうデスゥ!!」
焦げるどころか、既にちらほら爛れかけている。
「ァァァアア! 畜生!!
 なるデス人間! 私は人間になるんデス!
 まだフカフカベッドで寝たことないんデスゥ……!!」
母実蒼が住処としていた倉庫は燃えた。
そして当然、ゴミ屋敷自体も全焼した。



こうして、妖怪実超デブ・ガリ・チビの三匹の姿は消えた。
彼らは死んでしまったのだろうか……
そうに違いない。
たとえ実超石といえど、物欲だけで人化できるわけがない。
きっともう骨も残っていないはずである、
とはいえ、化け物実蒼石による脅威は去った。
だから一応、妖怪実超デブ・ガリ・チビに感謝をしようではないか……

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by 赤いサクブス

やはり元ネタ要素は薄めた方が実装スクとしては様になりますね。
今回のデブはベム要素が濃すぎました(;¬_¬)


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1 Re: Name:匿名石 2014/09/18-01:17:44 No:00001355[申告]
みもふたもなくて吹いた
2 Re: Name:匿名石 2014/09/18-12:25:43 No:00001356[申告]
一応感謝しようではないか
ってのがアニメのナレーションの
声で再生されて吹いた
ゴミ屋敷の爺とか濡れ衣着せられた
公園の実装の結末がちょいきになる
3 Re: Name:匿名石 2014/09/18-12:57:55 No:00001357[申告]
もしものための自爆装置を用意するってのが
実装石ではあまりでてこない他実装らしい
発想だと思った
4 Re: Name:匿名石 2014/09/18-18:13:35 No:00001358[申告]
続き物かと思ったらまさかの打ち切り展開w
5 Re: Name:匿名石 2014/09/19-15:28:31 No:00001359[申告]
>早く人間になりたいデス
何万年かまつがいい
もっともその時代でも人の
家畜かもしれないけど
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