前回までのあらすじ 幼稚園に体験入園したミドリ、ドドリ、ドドリア、ドリアン、リアン、リアンカ、アンカーの7匹の実装家族 新人保育士の黒裏アキコの必死の抗議むなしく、アキコのクラスに入ることになる そんな中、次女で中実装かつ糞蟲のドドリアは焼却炉で炎上してしまい 仔実装のドリアンも行方不明になってしまう 混乱する幼稚園、キレるアキコ 園長はアキコの機嫌を取るべく、ミドリだけを残したほかの三匹 ドドリ、リアン、リアンカをほかの先生に任せて散歩に出すも 行き違いからリアンとリアンカは公園に置き去りになってしまうのであった ミドリ(親) 成体実装 60センチ ドドリ 中実装 40センチ強 ドドリア 中実装 40センチ弱 焼却炉に入った ドリアン 仔実装 20センチ リアン 仔実装 15センチ 砂場で置き去り リアンカ 仔実装 10センチ 砂場で置き去り アンカー 親指実装 5センチ 椅子とりゲーム中に尻で圧殺 -------------------------------------------------- 無人だった教室に戻ってきた園児たちの声が響く 「うっわ、なにこれ!」 「おえぇっ!!」 「きったない!さいってー!!」 現在、幼稚園内は行方不明になったドドリア、ドリアン、アンカーの三匹の実装石の捜索のため (ただし、ドリアンを除く二匹は既にこの世にはいなかったが) 多くの人手を割いており、幼稚園の運営には最低限のリソースしか割かれていなかった 万一、園児が仔実装を踏み潰してしまいやしないか、という方向へ懸念がなされたため 園側としては聞き分けのよい、園児のほうの行動を制限する方針を打ち出した そのため園児の移動は厳しく制限され、各教室が無人となっていた隙を突いて 仔実装・ドリアンが侵入し盗難、略奪、糞害といった およそ考えられるありとあらゆる狼藉を繰り返していたのだ その有様は例えるなら、実装被害の見本市とでも呼べばよいような有様だった そして、当のドリアンはというと… 「テスー…スピー…テスー…ッチュ…」プリ…プリリ… 暴れ疲れて高いびき、まるっきりのん気なものである 食べられそうな物を手当たり次第食い散らかしたこともあり 締まりの悪い尻はすっかりパンコン限界を超え 膨らみきったパンツはドリアンが寝返りする度にその隙間から糞を撒き散らしていた ドリアンは思い上がった糞蟲だが、けして愚かではなかった 教室内が無人とはいえ、警戒することは怠らず 人目につきにくい下駄箱の中に入り、中から蓋を閉めて寝ていたのだ しかし、ドリアンにとっての不幸は下駄箱の用途にまでは頭が回らなかったこと そして、必要以上の人間の恨みを買っていた2点に尽きる ドリアンの潜む教室の警戒が解かれ 園児たちが帰ってきた場合に、まず一番最初に開ける場所はどこか?と問われれば それは……………… ---------------------------------------------------------- 「…あ、こいつって」 先生に引率された園児たちの一団が教室に戻って来た時 誰もがまず向かう先は下駄箱だった そこで、仔実装のドリアンは寝ている所を一人の幼稚園児に見つかってしまったのである 見つけた園児が一度開けた下駄箱をそっと閉めて、他の園児たちの元へ向かう 「ねえ、先生が探しているジッソーセキ、俺の下駄箱にいたよ」 「ホントに!」「マジで!!」 「それじゃあ、すぐ先生に言おうよ」 真面目そうな眼鏡をかけた園児の提案に、一瞬、全員固まる そして、一人がいいにくそうに口を開いた 「ねえ、それ本当に先生が探しているジッソーセキ?」 「えっ」 眼鏡をかけた園児がうろたえる、しかし、別の園児が冷静に答えた 「今日のおやつがないのも教室が汚れたのもこいつのせいなんでしょ? でも、先生が探しているのは飼いジッソーだって、聞いた?」 最初の園児がまた口を開く 「飼いジッソーって頭良くて、人間のお手伝いとかもできるんでしょ?その辺の犬よりも賢いんでしょ? 特に賢い飼いジッソーって、漢字も書けて、九九だってできるんでしょ? その飼いジッソーが、教室をこんな風にすると思う?こんなにばっちいと思う?」 「あ…」 眼鏡をかけた園児が言葉に詰まる ”飼いジッソーは賢い”これは愛護に偏ったこの幼稚園では常識だ それは目の前の悪夢のような光景とは明らかに矛盾する おまけに目の前の仔実装のドリアンときた日には 涎に糞に顔に体を濡らし、食べかすや狭い所に入り込んだ際に付着した埃をまとったその姿 これはもはやはっきり言って”汚物”そのもの 手入れの行き届いた公園の賢い野良のほうがまだましといった風体である 理想と現実のせめぎあい、まだ幼い園児たちにはこの議題は明らかに酷だった 愛護教育の弊害によって、園児たちの判断基準は世間一般のそれとは明らかに乖離していた そして仔実装のドリアンのほうもまた、世間一般を基準に考えるとそれを著しく下回るものだった 一同、悩みに悩んだが、そこで出た結論は… -------------------------------------------------- 寒さに目を覚ましたドリアンが見たものは 見慣れない真っ暗な光景だった 冷たく無機質な広い空間の中でドリアンは起きた 地面をそっと腕で触ると、刺すように冷たい金属の床だ ドリアンは肩をすぼませてぶるりと震える 辺りの様子を見渡すと、真っ暗な中でもわずかに上から差す光が まるで出し惜しみをするかのように中の様子を少しだけ照らし出す 先ほど触れた冷たい金属の床はやや広く床一面に広がり 金属の床は金属の壁へと続き、金属の壁は金属の天井へと続く そこは、先ほど寝入った幼稚園の下駄箱の中とは明らかに違った 周囲には人間の動く音がない、温度がない、天井が高い 孤独 自分の置かれた状況が理解できず たちまちのうちにドリアンは不安になり、叫ぶ 「テェェェーン!テェェェーン!!」ェェーン ェェーン 叫び声はその部屋の中で響く ェェー ェェー 壁に反射して低く、冗談のようなふざけたような音が返ってくる ェ゛ー ェ゛ー ドリアンは叫ぶ 「テェェェーン!テェェェーン!!」ェェーン ェェーン ニンゲンドレイを、ママを、オネチャを、イモウトチャを 誰かわたしを助けに来いと叫び続ける そして金属の床に地団太を踏んで壁を叩く 激しくパンコンをする そして下着に手を突っ込むと手当たり次第に撒き散らす 糞を投げる、糞投する しぶきが跳ねるのも気にせずに糞投する 自らの糞が頭巾を濃緑に染める びちゃびちゃと、飛び散った糞を実装靴が踏み鳴らし 不快な臭気を上げながらぐちゃぐちゃと汚い音を鳴らす だが、その騒音も全てその部屋の中で響くだけ ェェー ェェー そしてその騒音は壁に反射して低くなって返るだけだった ェ゛ー ェ゛ー 何をしても変わらない、それが理解できることもなく ドリアンはそのうちに疲れて再び寝てしまった ニンゲンドレイが助けに来る、と思いながら… ------------------------------------------------- それからしばらくして、この金属の箱の前に一台のトラックが止まった トラックから二人の男が降りると、手早く金属の箱の底部から引き出しを抜き取り 代わりに空の引き出しを金属の箱に差し込む ねずみ色の作業服を着た男が金属箱の底部に寝る糞まみれの汚い仔実装を確かめる 「今日は一匹か、少ないな」 「ここは場所が悪いんですよ、一応、幼稚園の敷地内です」 「まあな、わざわざここに実装石を捨てに来る人もそういないんだろ」 汚い仔実装が目を覚まし、二人の作業員に向かってチィー!!チィー!!と甲高い声を上げる だが、男たちはそんなもの気にも留めずに黙々と引き出しをトラックの荷台に積み込む 例えば、の話だが もし、この場にリンガルがあればきっと二人の作業員の耳には 「ワタチはコウキな飼い実装のドリアンテチ!ワタチを助ける栄誉を授けるテチ!」 「ニンゲンドレイに申し付けてホウビはいくらでも取らせるテチ!だから助けろテチ!」 と言った、仔実装にとっては大事なメッセージが届いたに違いない しかし、もし仮にこの二人がリンガルを備えていたとすれば 「ニンゲンサン、ワタシとジックスするデップゥ〜ン」 「コウキなアタチをカイジッソウにしてスシステーキコンペイトウデッシャアアー!!」 「ニンゲン、ワレをプニプニするメイヨを与えるレフ」 といったようなメッセージが絶えることなく次から次へと流れるように表示され ドリアンの助命嘆願は見る前に却下されたであろうことは明白だった そう、このトラックには実装石を満載しているのだ それからアクセルが吹かされると同時にサスペンションが甲高い悲鳴を上げる これは荷台に満載された実装石の数がいかに多量なのかを意味する そして、走り去るトラックの側面には ふたば市保健所の文字が印刷されてあった そして、トラックが停車していた金属製の箱、そちらには ”ジッソーちゃんに愛の手を!不要実装リサイクルボックス”の文字が印刷してあった ここは愛護派幼稚園 当然、野良実装や馬鹿糞蟲の扱いも丁寧に教育されている その辺りのワルガキがやるように、糞蟲とはいえ潰して便所に流すようなことはしないのだ わるいノラジッソーはリサイクルバコへ入れる そうすることでノラジッソーはリサイクルされ、みんなをしあわせにすることができる みんなをしあわせにすることで、わるいノラジッソーもしあわせになれる (編注:ふたばしあきと著 実装の友社刊 「しあわせになったノラジッソー」より引用) これだけの目に遭ってもこの幼稚園の園児たちが原因たる被告石に手を上げることなく 実装リサイクルボックスに入れることが出来るのは真に愛護教育の賜物であろう その点については、この幼稚園の実装愛護教育を評価したい もっとも、幼稚園児たちはリサイクル箱に入れられた実装石の迎える過酷な末路などは知る由もないのだが -------------------------------------------------- だいぶ待たせちゃった なかなかどうして満足の行く続きができなくて、ドリアン死亡までは決着ついたのでアップします そういえば、なんでも、にアップされている血統書付き仔実装って、XIが最新かしら? 続き楽しみなんですねーどっかにないかな そうそう、私から2つお知らせが 1つは、ふたば文化祭に出ます 1/12スケール仔実装フィギュア頒布しますー http://jissou.sytes.net/bbs_up/potiboard.php?res=14540#14540 ↑この写真つきスクに登場した ↓この二匹とかです http://jissou.sytes.net/bbs_up/src/1368354914132.jpg 2つは、文化祭の後に、またスクを再開しようかと思ってます それで、よろしければ、もっとスクの感想を感想掲示板に書いて頂けると嬉しいです それは、私の作品に限った話しではなく、ほかにも沢山の作者さんがいいスクを書いてらっしゃいます どの作品も、それぞれの味があってとても楽しいです! ぜひぜひ、よろしくお願いいたします!
