「鬼柄刑事!!これは一体どう言う事ですか!!『今すぐ帰って来い』って!!」 八重からの電話の後に緊急無線で応援を要請し、後僅かで到着する時に『全員引き上げろ』の連絡が入りその事に遼子はスグ抗議したのだが 『これは本庁の命令だ、聞けないと言うならばお前を逮捕しなければならなくなる』との脅し文句に遼子はやむ得ず警察署に引き上げ スグに上司の鬼柄に食って掛かったのだった 「俺だってムカついてるんだよ!!けどなぁ・・本庁直々の命令じゃあしょうがねぇだろ!!クソッ!!」 「またですか?またどこからかの圧力なんですか刑事!!」 バン!! 鬼柄の机を両手で叩きながら遼子が詰め寄ると 「民制党の刻磯城議員からの圧力だ・・・・『娘の事務所の近くでなんの理由もなく警察が騒げばそれが原因で娘の選挙に明らかな支障が出る』とか抜かしやがったんだ 確実な証拠が無い限りあの辺りに近付くなってのが本庁からの命令だ」 「だったらあのビルを調べましょう警部!!政治家が圧力を掛けるって事は恐らくそこに確実な証拠があるって事です!!今スグにでも八重を助けに・・」 「それが出来れば俺だってここで煙草なんて吹かしてねぇよ!!・・・・・・・だがな・・・・それが出来ないのが組織なんだよ・・・・」 手に持っている煙草の箱を握り潰しながら鬼柄は悔しそうに呟いた 仕置き実装第二夜 灰色少女 後編 やり切れない気持ちと上司が自分と同じ気持ちな事にモヤモヤしながら自販機でホットコーヒーでも買おうとしたその時、遼子のスマホが鳴り出した 誰かと思いながら相手を確認した遼子は相手の名前を見るなり大慌てで電話に出た なぜなら電話の相手は先程から何度掛けてもつながらなかった八重だったからだ 「もしもし!!もしもし八重なの!!ねえ今ドコにいるの!!無事なの!!ねえ!!何か言いなさいよ!!」 『りょ・・・遼子さん待ってると・・・私ると・・・・』 「え?・・・ああ瑠璃ちゃんだったの・・・・えっと・・・・八重はどうしたの?」 興奮してまくし立てた事を反省しつつ落ち着いて遼子は瑠璃に問いかけた 『あの・・・・今すぐ禍來木(まがらぎ)医院って所に来てくださいると・・・・そこでお話がありますると』 数十分後、病院に着いた遼子はそこで瑠璃やいちごから今までの経緯を聞かされた 「やっぱり刻磯城が黒幕だったんじゃない!!あの糞政治家め・・・・だから捜査妨害なんて小癪な真似を・・・」 『それとこれなんだけど・・・・』 そう言いながらいちごはスマホに写っている写真を見せた 『連中が八重さんに気を取られてる隙にスプリンクラーの配管伝いに蔦を伸ばして奥の部屋を撮影したんだけど・・・・・結構捕まえられている人化実装がいるみたいなの』 「なっ!!・・・・・・・・・・こんなに捕まえられてるの!!」 顔こそはっきりと分からないが多数の人化実装が奥まで続く牢屋に監禁されている写真に驚きを隠せなかったが それとは別に密猟グループの写真を見て遼子は改めて驚いた 「こいつ・・・・・・鵜崎(うざき)じゃない!!・・・・そうか・・・こいつ等が・・・」 『知ってる人ると?』 「知ってるもなにもこいつ等前に未成年の拉致監禁と強姦未遂で一度しょっ引いた奴等よ!!その時はあいつ等も未成年って事で厳重注意だけで終わったけど」 『そんなに大きい事件じゃ無いなの、よく知っていたなの』 「あたしが関わった最初の捜査だったからよ、こいつ等・・・・全然反省してないどころかこんな事してたなんて・・・」 『あの・・・・それと遼子さん・・・私、気になる事がありますると・・・店長さん・・・あの時変な事を言ってたると・・・・『今度こそ』って』 その言葉に遼子は険しい顔をして考え込んでいた 「やっぱ思い過ごしじゃなかったのね・・・・あの娘、記憶が戻ってるのかもしれないわね」 『記憶・・・・ると?』 「ええ・・・・・・・・八重にはね、妹がいたの・・・・それも10年近く前に殺されたね」 『な!!』 『殺されたると!!』 「お〜お〜あん時の娘だったか〜・・ど〜りで見覚えがあると思ったよ」 「え?琴里せんしぇ!!」 聞き覚えのある声に思わず遼子が振り向くとそこにはバスタオルを首に掛けただけの全裸の琴里が何の臆面も無く歩いており、その姿に遼子は思わず言葉を噛んでしまった 「何全裸でウロついてんですか先生!!」 「だって風呂から上がったばっかで熱いんだも〜ん、その娘達が私の事臭い臭いって言うから十日振りのお風呂だし〜」 平然とした顔で言い放っているがいる場所は玄関に近い待合室である、何も知らない患者が来てしまえばそれこそ露出狂の痴女と勘違いされても文句は言えない 「あんたは子供かー!!いいからさっさと服着てこーい!!」 「え〜もうちょっと冷めてからがいい〜、今着ると汗ついちゃうも〜ん」 『とっとと自室に篭って服着て来いなの!!あと無駄にシリアス展開な話の腰を折るなー!!』 そう叫びながらいちごは腕から苺の蔦を飛ばして琴里に巻きつけるとそのまま自室である診察室に押し込んだ 『まったく・・・羞恥心ってのがないのあの人は?』 「昔っからふっつ〜にスカート履き忘れてパンツ丸出しで診察するような人よ・・・基本的に無いんじゃない?」 「『はあ〜・・・』」 二人がため息をついて向き直ると瑠璃が自分のぺたんこな胸を触りながら診察室に押し込まれた琴里のでかい胸と自分の胸を比べていた 『いいなぁ(ぺたぺた)・・・・・おっきいお胸(ぺたぺた)・・・・いいなぁ(ぺたぺた)・・・』 「瑠璃ちゃん?」 『え?にゃわわわわ!!にゃ!!にゃんでもないりゅと!!』 「『ブプー!!』」 自分のナイ乳に悲観している醜態を見られた瑠璃は一瞬でトマトのように顔が真っ赤になりパニック状態になりつつも必死になって平静を装おうとした さすがに瑠璃の可愛らしい姿に二人共笑いを堪えきれなく結局吹いてしまった 『酷いると!!二人共お胸が大きいからってあんまりると!!』 その後、改めて遼子の口から八重の身に起こった過去の悲劇が二人に語られた 八重の両親はどちらかと言うと体裁ばかりを気にする愛情の薄い人間で 子供に求めるモノと言えば学校での成績や部活での功績ばかりでそれが子供を可愛がる基準値であった その頃の八重は小さい頃からそうであった故に両親の考えに疑いを持たず両親の期待に答える為に幼少の頃から一心不乱に勉強に打ち込んでいた その甲斐もあって八重は常に学年トップの成績を維持し続けていたがそれ以外はからっきし駄目で人付き合いも極端に悪く、小学生の頃は全く友達がいなかった そんな八重とは対照的に三つ違いの妹のちはやは学校の成績もそこそこではある代わりに陸上部で常に優秀な成績を収め それでいて明るく要領のいい性格な事もあって姉と違って人付き合いが良く、学校内外問わずかなりの友達がいた 勉学・部活、形は違えど両親の期待に答える為に結果を出してきた二人・・・・その歯車が狂い始めたのはとある事故からだった それはちはやが学校から帰る途中、ボールを追いかけて道路に飛び出した子供を庇って車に轢かれ それが原因でちはやは右足に障害が残ってしまい彼女は陸上を諦めならなければならなくなった事から悲劇が始まった 陸上で結果の出せなくなったちはや・・・・・・両親はそんな彼女に慰めの言葉を掛けるどころか『何の価値も無くなった』と早々に見切りを付け それからは何に対しても八重の事を両親は優先させるようになってしまった その辺りからであった・・・・八重の父親の弟に当たる叔父がやたらと八重の家を尋ねるようになったのは・・・・ 叔父は二人が小さい頃からなにかと気に掛けてくれる人だったので八重も優しい叔父にはそれなりに好意を持っていた だが最近尋ねてくる叔父は自分ではなくちはやばかりに構ってばかりで自分には構ってくれない・・・・そんな事が続いて八重は嫉妬心からちはやを避けるようになってしまった それから・・・・・ちはやは叔父に連れられて出掛ける機会が増え始め、場合によっては泊まって来るのも増え始めていた ちはやを見限っていた両親はその事を何も咎めず、八重も勉強が忙しかった事とえこひいきされていると感じての嫉妬心もあってちはやを無視していた・・・・・・・・ そんなある日の事だった・・・・珍しくちはやが八重の部屋に大事な相談があるからと尋ねてきたのだが八重は忙しいからとロクに話もせずにちはやを追い出した だが、八重は後でこの事を一生後悔する事になるとはこの時点ではまだ気付いてはいなかった その次の日だった・・・・ちはやが通過中の電車に飛び込んで自殺したのは・・・・ 持ち主の死んだ妹の部屋・・・・両親に頼まれ、八重は仕方なくちはやの部屋を片付けていた時に見つけたちはやの日記を興味本位で見てその信じられない内容に驚愕した なにかと構ってくれる優しい叔父・・・その正体はド腐れ外道の変態男で前々から自分達姉妹を自分専用の性奴隷に調教しようと考えていたのだ そしてその事を知ったちはやは 「お姉ちゃんには手を出さないで下さい、私がお姉ちゃんの分まで頑張りますから」 と叔父に懇願して自分の身体を差し出し、叔父の行う変態行為にただひたすら耐え続けた・・・・だが幾度と無く行われたその行為でちはやはとうとう妊娠してしまった 妊娠の事を知ったちはやはどうしていいか分からず、昨日八重に相談しようとした・・・・・・そこで日記は終わっていた 日記を読み終えた八重はその場にへたり込み、大声で泣き出した 「私は馬鹿だ!!大馬鹿だ!!どうしようもない糞人間だ!!どうして!!どうしてあの時ちはやを追い出すなんて馬鹿な事しちゃったんだ!! どうして気付いてやれなかったんだ!!気付いてあげられれば助けられたのに!!お姉ちゃんなのに妹を助けられないなんて私は・・・私は姉失格だ!!」 自分の不甲斐なさ、くだらないプライド、つまらない嫉妬のせいで妹の苦しみに気付いてやれなかった事実は八重の心に深い傷となってずっと八重を苦しめる事となり 更に、八重はその次の日家に来た叔父に押し倒され、強姦されながら信じられない事実を知らされる事となった 陸上以外何の取り柄の無いちはやを見限っていた両親は叔父の行為を黙認していた事 そして・・・ちはやは自殺したのではなく今自分を犯している叔父に妊娠の事実を隠蔽する為に人ごみに紛れてホームから突き飛ばされて殺された事を・・・ 八重の中で今まで信じていたものが・・・・・・・正しいと思っていた事全てがガラガラと崩れた瞬間だった それからしばらくして、叔父の変死の前後から八重は変わった 優等生であった彼女はもうなにも信じられなくなり、自暴自棄になった八重は両親に暴力を振るって力で二人を支配し、それからは喧嘩三昧暴走三昧に明け暮れ 僅か数週間で『学校随一の優等生』は『学校随一の問題児』に変わり果てた しかし、皮肉な事にそれが八重にたくさんの友達が出来るきっかけにもなったのだ・・・・・・・ 『店長さんにそんな過去が・・・・・』 「八重はそうやって暴れ続ける事でちはやの事を忘れようとしたのよ・・・・でも、結局出来なくって友達のツテで紹介してもらった催眠術師にこの病院で記憶を封印して貰ったの」 『そうだったなの・・』 「でもね、両親との溝だけはどうにもならなくって結局八重は高校を卒業と同時に実家を飛び出して誰の力も借りないであの焼き鳥屋をたった一人で立ち上げたのよ」 『だから店長さん・・・自分の過去を話したがらなかったのると』 「あなたの事もね瑠璃ちゃん・・・あなたの過去の記憶が無いなんて初めて知ったわ、全く・・・なんでそんな大事な事を私にも相談してくれなかったのよ八重の奴」 『きっと瑠璃ちゃんを手放したくなかったんじゃないのかな?・・・警察に相談すればスグに家族が見つかるのはきっと分かってたはずなの・・・・・・ そうしなかったのって多分瑠璃ちゃんにちはやって人の面影が重なったからあなたにも言い出せなかったのかもしれないなの・・・』 「そうね・・・・・確かに、瑠璃ちゃんはどことなくちはやちゃんに似てるし・・・・きっとあなたとの出会いが八重の記憶が戻るきっかけになったのかもしれないわね」 「あのさ〜、ちょっといい〜」 突然の声に三人が振り返ると今度は多少ズボラながらも卸し立ての白衣とヨレヨレの私服、ビン底メガネを掛けた琴里がそこにいた 40代であるにも関わらず本気で自分を磨けばパリコレモデルだろうがアイドルだろうがなんだってなれそうな位の童顔とナイスバディなのに それを性格が全て台無しにしている・・・・天は二物を与えないとはよく言ったものだ (((本当に世の中って分かったモンじゃないわね)ると)なの) 琴理の姿に呆れ顔の三人を無視して琴里は喋り続けた 「麻酔ケチった分切れるのが早かったから八重ちゃん起きたわよ〜」 『え・・・店長さん起きたのると!!』 『ってかケチったってこのヤブ医者は何考えてるなの!!』 「ああもう!!それでどこの病室なのよ!!」 「りょ・・・遼子・・・それに・・・・・瑠璃・・・・・良かった・・・・・無事で・・・」 『店長さん・・・・良かった・・・・目を覚ましてくれて良かったると・・・グスッ・・・ヒック・・・・』 ベットに寝ている八重の手に縋りつき瑠璃は大粒の涙をポロポロ流して八重の無事を喜んだ 「馬鹿ね・・・・あたしがあの程度で・・・・くたばる訳ないでしょ・・・・あたしを・・・誰だと思ってるのよ・・・」 泣いている瑠璃に無理して微笑えみながら頭を撫でた八重は改めて遼子の方に向き直った 「遼子・・・・ゴメン・・・・あんたと二人っきりで・・・・・話したい事があるの・・・・」 その言葉に遼子はいちごに瑠璃を頼んで部屋から出てもらい二人だけになったのを確認してから八重は口を開いた 「あんた達の騒ぎは聞こえてたわ・・・・・瑠璃の本名の事も・・・・・待っている家族がいる事も・・・」 「八重・・・・・・・・・あんた何考えてるの・・・・・・・まさか・・」 なにかを察した遼子の言葉に八重は頷いた 「あの娘を・・・・琴音を元の家族のトコに返してあげられないかな?・・・・なんとか昔の記憶を取り戻してさ」 「な!!何言ってんの八重!!あんたにとって瑠璃は・・」 「分かってるわよ・・・でもさ・・・あの娘は・・・・私と違って・・・帰りを待っている人がいるんでしょ?」 そう言われて遼子は思わず黙ってしまった 「本当はね・・・怖かったのよ・・・・あの娘が過去の記憶を取り戻して私の目の前から居なくなるのが・・・・でもそれって私の我侭じゃない・・・・ そんな我侭で琴音をこれ以上縛る訳には行かないの・・・・だから・・・」 「・・・・分かった、でも瑠璃を返すにしても記憶と家族の行方をなんとかしなきゃなんないでしょ、一応どうにかできないか専門家連れてくるから」 『ん〜・・確かに精神的防衛本能が働いて過去の記憶を自分で封印しちゃったみたいだけどなんとかなるよ〜』 あの後、琴里に瑠璃を任せた遼子は知り合いのツテを使ってこの手に関しての専門家である雪華実装の『スノウ』を病院まで連れて来て それからスグに瑠璃に眠らせて診察をしてもらっていたのだった 「そう・・・それじゃあ・・」 『でも問題があるみたい〜・・・今この娘の記憶を戻すと多分今の記憶が消えちゃうかもしれないの〜』 「うそ!!」 『そんな!!』 安心したのも束の間、スノウの言葉に遼子といちごはショックを受けた 『PCのデータ上書きと同じなの〜、予想だけど全部は消えないけどそれでも9割近くは無くなるかも〜』 「・・・・どうにも・・・ならないんですか?たとえばバックアップみたいなのとか・・」 『そんな都合のいい事は出来ないわ〜・・・非科学的な事だけど瑠璃ちゃんの心次第としか私からは言えないの〜』 スノウの言葉に遼子といちごは黙り込んでしまったがしばらくして隣のベットに寝ている八重は覚悟を決めたかのように口を開いた 「やって下さい・・」 「ちょっ!!あなた自分が何言ってるのか分かってるの八重!!もし瑠璃ちゃんの過去の記憶を戻したら最悪あんたとの思い出だって・・」 「それでも・・・・あの娘が味わったつらい記憶を消せるなら・・・・それでいいじゃない」 「でもそれじゃあ・・・」 「もういいの遼子・・・・早く・・・あの娘を悪い夢から覚まさせてあげて・・・お願い・・・」 それを聞いていたスノウは無言で瑠璃の両耳に半透明の触手を差し込むと 『なるべく善処してみるわ〜、でも・・高望みしないでね〜』 そう言いながら瑠璃の記憶の処理を始めた そして、それから数時間後の夜 遼子はいちごから聞いた両親と連絡を取る為に警察署に戻り、いちごは街外れの古い神社に来ていた 『元締めさん・・・・居るんでしょ・・・話があるなの』 いちごがそう声を掛けると境内の奥から雪華実装の元締めが現れた 元締めはあまりいちごにいい印象を持っていないのかなんとも言えないジト目でいちごを睨んでいる 『珍しいわね・・・・あなたがこんな所に来るなんて・・・・・毒蛇苺』 『そう邪険しなくってもいいでしょ・・・今日は食事のお誘いの用事なの』 そう言いながらいちごはスマホのデータから作った写真を取り出した 『ココ最近暴れ回ってる腐れ外道の人化実装の密猟密売グループとその黒幕なの、連中の拠点も分かってるなの』 受取った写真に目を通した元締めは益々怪訝な目でいちごを睨んだ 『あなた・・・ドコで私達がこいつ等を探してるのを聞いたのよ?』 『探してたなの?私は同級生の人化燈を助けに行ってこいつ等に追われてたなの・・・まあ探してたってのなら話は早いなの』 いちごは自分の知っている限りの情報を全部元締めに提供し、事の経緯を全て聞いた元締めはやっと納得してくれた 『なるほどね・・・・・・星野八重・星野ちはや・住田遼子・・・・・本当に因果な話ね・・・』 『因果?・・どう言う事なの?』 元締めの意味ありげな独り言にいちごは首をかしげた 『10年近く前に『部活の後輩を殺したその娘の叔父を仕置きして下さい』って依頼を遼子って娘から依頼されてカシオペア(オリオンの祖母)が引き受けた一件があったのよ まさかまたあの娘達と関わる事になるなんて・・・・世間って結構狭いモノね・・・』 『叔父の変死・・・・・そう言う事だったなの・・・・どおりで違和感を感じた訳なの』 『まあね・・・・でもあんた・・・この情報はタダって訳じゃ無いでしょ?何が目的なのよ』 『一枚咬ませて欲しいなの・・・・・あいつ等だけは・・・・私の手で殺っとかないとどうしても気が済まないなの』 『へえ、珍しくやる気だしてるわね・・・・・まあいいわ・・・それで、みんなとしてはどうなの?』 元締めがそう言いながら後ろに振り向くと 『的の数が多い分こちらも数がいた方が有利デス、元締めが止めないって事はそれなりの実力があると判断出来るデス』 最初に返答したのは実装石のみど吉だった 『今回はオリオンもムラマサも虎鉄も飼い主家族の帰省とか温泉旅行とかで来れないから助かるボク、ボクとしては仕事量が減る事は大歓迎ボク』 次に答えたのは実蒼石の時雨だった 『でも彼女って実装苺でしょ・・・・ちゃんとした仕置きやれるの?』 『その辺は心配無いわ鶺鴒、彼女・・・私の知る限りじゃあ最凶の部類に入る娘だから・・・・実力も殺り方もね』 元締めの太鼓判に納得したのか薔薇実装の鶺鴒はそれ以上何も言わなかった 『それじゃあ始めましょう・・・・・仕置きは今夜、的は全部で6つ、人化実装の闇オークション運営者の鵜崎敏伸、そいつの配下3人・・』 『あれ?確かブン屋の連絡だと配下ってのは4人だったはずボク?』 『一人は今日殺されたなの、黒幕にね』 『それと実験派の贄木と黒幕の刻磯城美耶子議員・・・・』 『贄木?誰なのソイツ?』 『人化実装に使う麻薬や媚薬を作ってるのがこの男よ・・・こいつの遊び半分の実験のせいでどれだけの人化実装が精神を壊されたり殺されたか・・・・』 贄木の悪行を知ったいちごはブン屋の用意した贄木の隠し撮り写真を手に取るとその目つきが鋭くなった 『元締め、コイツは私が貰うなの・・・』 『多分そう言うと思ったわ、ソイツは今夜零時頃に作った薬を○○公園で鵜崎に手渡すって情報が入ってるわ』 『公園・・・・そう・・・』 いちごはそれだけ確認して恨み銭を取るとそのまま神社を出て行った 『それと配下の3人なんだけどどっかの外資系企業の重役のリクエストの為に新しい人化実装の捕獲の為に今夜出るみたいよ』 『新しい人化実装?』 『私がブン屋に頼んで鬼夜叉(仕置き実装外伝参照)の家をリークして貰ったの、連中大喜びで今夜捕獲に出掛けるみたいよ』 『ちょっと元締めさん・・・その事を鬼夜叉は知ってるの?』 鶺鴒の問い掛けに対して元締めは『さあ?』と言わんばかりに肩をすくめてみせた (バレたら鬼夜叉キレるわね・・・・・・でも、あの娘今期末テストの赤点追試がどうこうって言ってたっけ・・・) 『連中が車で移動してるのなら私がやるデス、車の壊し方や事故の起こし方なら私の得意分野デス』 みど吉はそう言って元締めから連中の車の情報と鬼夜叉の家を聞くと恨み銭を受け取って闇夜に姿を消した 『それじゃあ残りの的二つ、よろしく頼んだわよ・・・・これ以上グレーゾーンの中で苦しむ人化実装を増やさない為にもね・・・』 元締めはそう言ってから時雨と鶺鴒に白水晶を纏わせて二人を人間の姿に擬態させると二人は恨み銭を受け取って闇夜に姿を消した ・・・・・どんなに時代が変わっても、減りやしないのが実装石と悪人・・・・・ 勧善懲悪なんざぁ所詮は夢物語、現実は悪がのさばり弱きが虐げられる・・・・・・ 『悪』が悪いのか『弱い』が悪いのか・・・・・・そんな堂々巡りの答えなんて誰も欲しがっちゃいねぇ・・・ 机上の空論だけで誰が納得するんだい・・・・・・そうだと言い聞かせて恨みが晴れるもんかい・・・・・・・ だからいるんだよ・・・・・・・涙で濡れた恨み銭を受け取って晴らせぬ恨みを晴らす悪党が・・・・・・・・ たとえ人の道を踏み外す事になろうとも許せねぇ奴は・・・・・・・生かしちゃおけねぇ・・・・・・・・・・ 「ぶひ・・・鵜崎の奴いつになったら来るんだよ・・・・全く、この僕をこんなクソ寒い所に待たせるなんて無礼にも程があるぶひ!!」 全く人の気配の無いどこにでもある森林公園、鵜崎に頼まれて作った薬品をスポーツバックに詰めて持参していた豚男の贄木は未だに現れない鵜崎に文句を垂れていた 「ああ寒い・・・どうせだったら金だけじゃなくって新しい人化実装も2〜3人頼めば良かったな、今のモルモットにももう飽きちゃったし・・・ぶるるっ」 鵜崎を待って寒空の下で震えている贄木・・・・・その背後の木に隠れているいちごは静かに自分の左手の付け根から苺が一個だけ付いた一本の苺の蔦を伸ばしていた そして贄木との間合いを確認したいちごは木の影から飛び出すと左手を大きく贄木に振って苺の蔦を飛ばした 贄木に向かって飛んでいく苺の蔦、その先に付いていた苺に裂け目が出来るとまるで蛇の頭のように開いて牙が伸び、贄木に襲い掛かった シャアアアアアアアア!! 「あん?」 ガブッ!! 「いでっ!!」 なにかの動く音に贄木が振り返ると突然首筋に刺すような痛みが走り、思わず痛みの元を掴もうとすると首筋にいたなにかはするりと手をすり抜け 贄木が視線を向けると見知らぬ金髪の少女の手首に植物の蔦が戻っていく姿が写った 「な・・なんだお前は!!一体ボクに何をひひゃ・・・へ・・け・・」 痛みを感じる首筋を押さえながら贄木がいちごに近寄ろうと2〜3歩歩き出した瞬間その醜く太った身体がバランスを崩して地面に倒れた 「ぶ・・・ぶひ・・・な・・んだこれ・・・か・・身体が・・・動かな・・・い・・・」 『心配しなくていいなの、今あなたに打ち込んだのは殺傷能力ゼロの神経毒、簡単に言えばシビレ毒なの』 身体が痺れて動けない贄木に近付いてスポーツバックを漁りながらいちごはそう言った 「な・・なんだ・・・おま・・えは・・・ボク・・・の・・薬を・・・どうする・・つもりだ・・・」 いちごは薬のビンの色や匂いを嗅いでお目当ての薬品を見つけるとそれを満足に身体の動かせない贄木の身体にぶちまけた 『匂いでわかるでしょ、あなたの自信作の実装麻薬なの・・・こんなモンを原液で被ったらどうなるか・・・・万年発情期の豚のあんたでも分かるでしょ』 いちごの言葉に贄木の顔からみるみる血の気が引いていった 「な!!ま・・待て・・・やめろ!!い・・今こんな所で使ったら!!・・・」 『『『『『『『『『『デズ〜・・・』』』』』』』』』』 あっちこっちの茂みから聞こえ出してきた何かの呻くような声・・・贄木は真っ青な顔で辺りを見回した 『お肉の匂いデズ〜』 『堪らないデズ〜・・・お腹の虫も我慢の限界突破デズ〜』 『にぐ〜・・にぐ〜・・にぐデズ〜』 「あ・・あああ・・・・ああ・・・ぎゃああああああ!!た・・助けて!!助けてくれえええ!!」 もしこれが極普通の状態ならば自分の両足で走って逃げれば何の問題は無かっただろう だが今の贄木はいちごに打ち込まれた神経毒のせいで逃げるどころか立つ事も身体を動かす事すら出来ない・・・・それはつまり死を意味していた 「おい!!おい!!あ・・あのガキどこ行ったんだ!!ちきしょう!!ちきしょう!!ちきしょう!!こんな死に方なんてあるか!!こんなのはイヤだ!!誰か助けて・・」 神経毒の効果が薄れてきたのか少しだけ動かせるようになった手足をイゴイゴ動かして必死になって逃げようとする贄木・・・・・が、しかし・・・ ガリッ!!ガブッ!!ブチブチッ!! 「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」 贄木の体温で蒸発拡散した高濃度の実装麻薬によって肉体のリミッターと理性の吹き飛んだ野良実装石達は匂いの元である贄木の身体に我先にと齧り付いた 「いだい!!いだい!!いだい!!いぎゃああああああ!!誰があああああ!!誰がだずげでぐげええええええ!!」 生きながらに野良実装石に喰われる痛みと恐怖と絶望に贄木はあらん限りの大声で助けを求めた だがココは街から離れた森林公園、こんな寒い夜中に出歩く奇特な人間などまずいない 唯一この残虐な人喰いショーを見ているのは木の上に移動して冷酷な眼差しで贄木を見ているいちごだけだった ブチブチ!!ガリッ!!ゴチュッ!!ブシュ!!グッチャグッチャ・・・・ 「あぎゃああああ!!・・・ぎああ・・・・が・・・ ・・げ・・・ ぎ・・ ・・ ・ 」 バシュッ!! やがて悶え苦しむ贄木の動きが段々鈍くなり、やがて断末魔が治まると同時に一際勢い良くあちこちから血が飛び散り、贄木は二三度痙攣してから動かなくなり その身体は焦点の合わない目でゾンビのように血肉を貪り喰らう野良実装石の大群に埋もれて見えなくなった いちごは贄木の死を確認すると興味が無くなったかのように木から飛び降りてそのままどこかに行ってしまった 「絶対に証拠を掴んでやる!!あいつ等の事だから必ずまた人化実装の誘拐を企てるに決まってる!!」 瑠璃の家族に本人の安否と居場所を連絡した遼子はその後、例の踏み切りの近くに覆面パトカーで鬼柄刑事と一緒になって張り込んでいた 「なるほどねぇ・・・・あのビルには近付かない代わりにあのビルから唯一出入りの出来るこの踏み切りで待ち伏せか・・・」 「本庁の人が聞けば絶対屁理屈だって言うでしょうね」 「構うもんか、要は証拠さえ押さえれば刻磯城だろうが民制だろうが文句は言えなくなる・・・・こうなったら俺達で必ず首根っこ押さえてやる・・・」 そう会話していると二人の目の前を例の黒ワゴンが悠々と通り過ぎていった 「おい住田・・」 「確認出来ました!!あのワゴン車で間違いありません!!」 それを聞くや否や鬼柄はスグさまパトランプを展開させて黒ワゴンを追いかけると 「そこの黒いワゴン車、今スグに路肩に車を寄せなさい・・・あ〜、そこの○○ー○○ナンバーのワゴン車、今スグ止まりなさい」 スグ真後ろに付けて止めるように促したその直後、ワゴン車は目の前の赤信号を無視して物凄い勢いで逃走を始めた 「野郎!!やっぱりクロか!!絶対に逃がしゃしねえぞ!!」 鬼柄はそう叫ぶとサイレンを鳴らしてスグさまワゴン車を追いかけた 「クソッ!!なんでクソポリが張ってんだよ!!」 「ヤバいって!!車の中見られたらマジで捕まるって!!」 仲間の男は車内の捕獲道具や薬品と追いかけてくるパトカーを見比べて顔色が悪くなっていたが 「誰が捕まるかよ!!この辺は地元の人間にしか分からない抜け道がどっさりあるんだよ!!」 運転をしている男は鬼柄の追跡を振り切る為に裏路地の縫うようにワゴン車を走らせていた そして、その逃げるワゴン車を電信柱の上から見ていたみど吉はワゴン車の逃走経路にあたりを付けるとその場所に先回りに向かった 一方のワゴン車はパトカーのサイレンが遠くなった事で有頂天になっていた 「へっへ〜ざまぁみろ!!ここの地元の俺を追跡しようなんざ100年早いってんだよ!!」 「いや〜一時はヒヤヒヤしたぜ、それよりもよぉ・・例の人化実装の家から結構離れちまったんじゃねえか?」 「心配いらねぇよ、この先の山道抜ければショートカット出来るって、それにあそこは地元の人間しか知らねぇ隠しルートだからな」 運転手はそう言いながらかなり寂れた道路に曲がるとアクセルを吹かして速度をあげた その山道は一昔前に大規模な建設工事が行われた際に整備された建設車両用の道路なのだがその工事が終わった後は一般道として開放されている だが、普段その道の存在を覚えている人間は地元の者ですら少なく、その上20年以上も整備されてない故にあちこち脆くなっている所もあったのだ そんな山道の前の草むら、ワゴン車が来るのを確認したみど吉は伸縮式のガントレットナイフを右腕の方だけ伸ばすと 走り抜けるワゴン車とすれ違う瞬間に伸ばしたナイフを一振りし、ワゴン車は何事も無かったかのように山道を登って行ってしまった 警察の追跡を振り切り、上機嫌のワゴン車は広い山道を遠慮無くアクセル全開で走っていた 「そ〜言えばさぁ、今から回収する人化実装ってどんな奴だっけ?」 「如月若菜って名前の人化緑のJKだ、元実装石なのにけっこうお嬢様っぽい外見でその辺じゃあけっこう人気があるんだとさ、しかも巨乳だってよ」 「へ〜そりゃいいな・・・・お嬢様系の巨乳JKか〜・・・持って帰る前にちょっと味見してかねぇか?」 「いいね〜、どうせあの馬鹿女も帰ってるだろうし敏伸だけなら話分かるからな」 「じゃ決定!!どうせならホテルとかで思いっきり姦っちまおうぜ〜」 車内がそんな話で盛り上がっていると前方の道が右寄りの崖道に変わり始めた 「おっと」 運転手がハンドルを右に切った次の瞬間 バンッ!!バンッ!! 突然何かの破裂音が聞こえたと思ったらワゴン車は急に制御不能となってそのまま古くなったガードレールを突き破ると深い谷底に転落し、 ワゴン車はそのまま谷底の大岩に激突すると爆発炎上してしまった 実は山道に入る前にみど吉がワゴン車とすれ違い様にガントレットナイフで右側の両方のタイヤに深い切れ込みを入れていたのだ 切れ込みはワゴン車が走れば走る程広がっていき、みど吉の予定ではタイヤがパンクして横転した所を狙って始末するはずだったのだが 『まさかこうも上手く崖から落ちるなんて思わなかったデス・・・・まあ手間が省けたって事で万事OKデス』 山の中を野猿のように駆け抜けて谷底に落ちたワゴン車に追いついたみど吉は、誰も脱出していないのを確認するとそのまま帰っていった その頃、例の雑居ビル スプリンクラー騒ぎの一件を到着した消防隊員を上手く誤魔化して追い返した敏伸は修理したボイラー室の鍵を閉めるとビルの3階に上がった そこには美耶子の事務所があり、美耶子はそこで両親とずっと電話で喋っていたのだ 「ですから本当に私は関係無いんですってお父さん・・・・・もちろんです・・・・・ええ・・・その事にはお父さんに本当に感謝していますわ・・・・ もちろん今度の選挙も必ず勝ちます・・・・・はい・・・・分かりました・・・・ではおやすみなさいお父さん・・・」 電話の受話器を置いてため息をつきながらドッカリと椅子に座り込むと 「大変だなぁ・・・親の前でいい子を演じるってのは」 「何の用よ」 明らかに不機嫌そうな目で睨む美耶子の机の前まで来た敏伸は一本の鍵を置いた 「あの糞女が壊したドアの修理した新しい鍵だ・・・それじゃ、俺は贄木との取り引きがあるから先に帰るぜ」 そう言って敏伸はさっさと美耶子の事務所から出て行った 一方、その3階の隅でショートカットの少女に擬態した時雨が物影に隠れた状態で白い薔薇の彫刻が施された金色の鋏を腰のポーチから取り出し その鋏の握り手部分を外して刃の部分を120度程開いて固定すると鋏はたちまち金色のブーメランに変わった 「ったくあの女、もうちょっと可愛げでもありゃマシになる・・・・あん?」 ブチブチ呟きながら3階の廊下に出た敏伸がなにかの気配を感じて振り向いたその時には既に時雨は金色のブーメランを敏伸に向かって投げていた キュルルルルルルルルルル!! 金色のブーメランは敏伸の喉元を掠めて後ろに飛んでいくと今度は反対の喉元を掠めるように飛んで時雨の手元に戻っていき その直後、敏伸の脳に直結する大動脈と大静脈がパックリと裂け、敏伸は首の両側から真っ赤な血を噴水のように噴き出した 「あ!!あがああ!!ごがが・・ぎ・・ 」 敏伸は噴き出る血をなんとかして止めようとしたが血管を根元から斬られている以上どうやっても止まらず、やがて敏伸は自分で撒き散らした血の海にそのまま崩れ落ちた ドン ガシャ バサササ!! 「ちょっと!!何ゴトゴトうるさい音立ててんのよ!!帰るんだったらさっさと・・・」 敏伸が倒れる際に周囲の荷物も倒した事によって事務所の壁越しにうるさい音が聞こえてきた事に腹を立てた美耶子が事務所前の廊下に飛び出すと 「え?血?何これ?・・・・・・・・・あ・・・・あ・・・きゃああああああああああああああ!!」 事務所のドアを閉めてから何気に地面に目をやり、あちこちに崩れている荷物と血まみれになって死んでいる敏伸を見て美耶子はその場に腰を抜かしてへたり込んだ 「あ・・・ああ・・・・あああ・・・・・・」 へたり込んだ美耶子が人の気配を感じて廊下の奥に目を向けると金色の鋏を構えてこちらに歩いてくる少女が目に入った 「ひ!!ひいいい!!」 恐怖でパニック状態に陥った美耶子は事務所に置いている拳銃の事も忘れて転がるようにその少女から逃げ、外付けの非常階段から飛び出すと必死になって逃げた 時刻は既に午前零時過ぎ、夜の冷たさと冬の寒さも相まって雪が降り始めていた その雪の降る誰もいない雑居ビル前を非常階段から飛び出した美耶子が死に物狂いで逃げていた (殺される!!・・・殺される!!・・・このままじゃ殺される!!・・・イヤ!!死にたくない!!死にたくない!!誰か・・・誰か助けて!!助けて!!) 必死になって逃げる美耶子、そんな美耶子が曲がり角を曲がった時に紫のブレザー服姿の少女を見つけ、美耶子は天の助けと言わんばかりに少女に駆け寄って助けを求めた 普通に考えればいい年の女が自分より遥かに年下の女子高生に助けを求めるなんてどう考えたっておかしいだろう だが小さい頃から誰かを利用する事に慣れ切っているのと人殺しに追われている恐怖心のせいで美耶子はその事自体がおかしいなどと考える余裕は全く無かった 「た!!助けて!!助けて!!人殺しだよ・・人殺しだよ!!人殺しに追われてるの!!お願い、私を助けて!!あなたTV見てるなら私の事知ってるでしょ!! 民制党の刻磯城美耶子よ!!お・・お金が欲しいならあげるわ!!どこの誰かは知らないけど私に恩を売っておけばあなた・・」 美耶子は少女の後ろに回ってポケットに入れていた財布から札束を取り出した次の瞬間 少女の手にしていた紫色の学生鞄が一瞬で紫水晶の太刀に変わり、少女は振り向き様に右袈裟から左肩に向けて美耶子を斬り上げ その際美耶子が手にしていた札束が夜空に舞い散った ザシュッ!! 「うぎゃああ!!」 間髪入れずに少女は太刀を瞬時に構え直して今度は右肩から左袈裟に向かって斬りつけた、 ズバシュッ!! 「うぎいいい!!」 そして少女は美耶子の身体を×の字に斬ると今度は美耶子の襟首を掴んだ 『人殺しはあんただろ・・・』 怒りを込めた目線で美耶子を睨んだ鶺鴒は片手に持った紫水晶の太刀を逆手に持ち直した 『実装愛護の政治家先生が聞いて呆れらぁ・・・・』 「や・・やめ・・助・・」 『地獄に落ちろ!!』 ドシュッ!! 「げええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」 トドメに紫水晶の太刀で心臓を貫かれた美耶子は豚の鳴き声のような断末魔を残し、心臓を貫いている太刀を抜かれるとその場に崩れ落ちた 鶺鴒は美耶子の血で汚れた太刀を一振りして血を払ってから太刀を学生鞄に作り変えると美耶子が落としていった金に目もくれずにそのままどこかに行ってしまった 後に残った美耶子の死体と血塗られた紙幣・・・・そこにただ静かにしんしんと雪が降り積もっていった・・・・・ 『衝撃のスクープ!!人気愛護派議員の正体は残虐非道の殺人鬼!?』 『今年最後の大事件!?巨大人化実装密売グループ、謎の壊滅!?』 『虐待派議員、年明けにも人化実装の人権に関する法案に賛成か?』 美耶子達が仕置きされた次の朝、死体発見の通報からスグに例の雑居ビルの捜査が行われて行方不明になっていた多数の人化実装が保護されたニュースは たちまち世間に知れ渡り、新聞やワイドショーでは年末年始を挟んで連日のようにこの事件に関する見出しが掲載されていた なによりこの事件に一番衝撃を受けたのは刻磯城美耶子の両親で二人は美耶子の悪行を知らなかったとは言え、娘の仕出かした犯罪に酷い衝撃を受け スグに二人揃って全ての職から辞任し、自身の財産のほとんどを今回の事件の被害者やその遺族の為になげうった 無論他の政治家達にもこの事件の衝撃は大きく愛護派議員達は美耶子が人化実装を憎んでいた事と自ら進んで殺人行為を繰り返していた事実に謝罪と弁解に追われ 虐待派議員に至っては自分達の言っていた事を逆手に取って美耶子が世間を揺るがす大犯罪を犯していた事に愛護派議員の攻撃すら出来なかった この事件をきっかけに虐待派議員が人化実装の人権問題に歩み寄る事になり、早ければ2年以内に人化実装にも人権が認められる可能性が出てきた 雑居ビルから救出された人化実装達の証言から少なくとも60人以上の人化実装と20人以上の飼い主である人間がこの地下設備内で殺害された事 更に実装麻薬を悪用した殺人事件の首謀者が美耶子達である事も判明したのだが 既に関係者全員が殺されており結果として『被疑者死亡』で書類送検と言う有耶無耶な形で一応の解決となった 人化実装達はその後、警察での事情聴取の後、無事に家族の下に送り届けられ家族も二度と逢えぬと覚悟していた矢先の再開に皆が喜んでいた 無論・・・・その中には無言の帰宅と言う最悪の結果の者もいた・・・・・・・・ それとこれは余談ではあるが精神崩壊まで陥っていた人化実装達はその後、とある雪華実装の治療とリハビリを受ける事によって 時間こそ費やしたモノのなんとか本来あるべきであった頃にまで回復する事が出来た・・・・無論あの人化蒼と人化金の姉妹も・・・・・・ そんな騒ぎからしばらく過ぎた八重の焼き鳥屋・・・・・ やっとの事で退院できた八重は冷蔵庫や部屋の大掃除と材料の仕入れを済ませて今夜の仕込みに取り掛かろうとしていた 「さてと、やるか・・・・んじゃ瑠璃、悪いんだけど・・・・・・・・って・・瑠璃は・・・・もういないんだったっけ・・・・・」 スノウによって過去の記憶を取り戻した瑠璃こと琴音はその日のうちに遼子の連絡で向かえに来た本来の両親に連れられて帰っていった 「そうだよね・・・・・これで・・・・これで良かったんだ・・・・・あの娘が幸せになれるんなら・・・・それで・・・いいじゃない・・・」 誰かに言い聞かせるように独り言を呟く八重、でも・・・そうしなければ瑠璃の居なくなった悲しみで心が押し潰されそうになるから・・・ たった4ヶ月・・・・その一緒にいた4ヶ月は八重にとって今までの人生の中で一番幸せな時間だった だからこそその事を思い出すと目に涙が浮かんできてしまう・・・・・・・もう泣かないって決めてたのに・・・・でも涙は止まってはくれなかった 『て〜んちょ』 不意に聞こえてきた瑠璃の声に八重は思わず辺りを見回した 「え?え?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな訳・・・・・無いか・・・・」 幻聴だと思い再び仕込みに戻ろうとすると 『店長さん』 今度は幻聴なんかじゃなかった、八重はスグに厨房から飛び出して急いで店の玄関を開けると そこにはすっかり元通りに治った綺麗な黒い翼を小さくパタパタと動かしてニコニコ笑っている瑠璃こと琴音の姿があった 「る・・・瑠璃!!・・じゃなかった琴音だったっけ・・・あなたどうしてココに!!家に戻ったんじゃ・・・・それに・・・店長ってあんたまさか・・・」 『はい、店長さんの事ぜ〜んぶ覚えてますルト、だからここに来ましたルト』 「記憶・・・・・残ってたんだ・・・・良かった・・・・・・・それで、今日はなにしに来たの?」 八重が琴音にその質問をすると琴音はモジモジしながら一枚の履歴書を取り出した 『実は・・・あの後お父さん達に頼み込んでバイトをしようって思ったのルト、そしたらお母さんがココで了承が貰えたらバイトしていいって言ってくれたルト それで・・・・もし店長さんが迷惑じゃなかったらまたここで・・・』 そこまで言うより早く八重は琴音を強く抱きしめていた 「この馬鹿・・・・お馬鹿ぁ・・・・あたしが・・・・あたしがイヤなんて言う訳ないだろ・・・・この店は・・・・・あんたが居ないと困るんだよ・・・・ あたしには・・・・・う・・グスッ・・・・あだじにはあんだが必要なんだよ・・・・うぐ・・・えぐ・・・・グスン・・・」 これまで我慢していたものが一気にこみ上げてきた八重は大粒の涙をポロポロ零して琴音との再開を喜んだ 『ただいまルト、お姉ちゃん』 それから・・・・・・・・ 『店長さ〜ん!!2番テーブル肝4本とねぎま6本、それとビール追加ルト〜!!』 「あいよ〜!!それとモモ10本焼けたから5番に持ってって〜」 『は〜いルト〜』 小さな居酒屋通りの焼き鳥屋、再び経営を再開した焼き鳥屋は以前にも増してにぎやかになっていた あれから琴音は八重に学校の勉強を教えて貰いながら再び焼き鳥屋の看板娘としてアルバイトに励んでいた 当初こそ琴音の両親は勉強とバイトの両立が出来るのかと心配していたが 元々勉強に関して優等生だった八重の指導で琴音の成績がメキメキ上がるとすっかり安心して焼き鳥屋のバイトを改めて了承してくれた 「いや〜さっすがは星野先輩ッス!!銃で撃たれて死なないなんてすっげー生命力ッスよ!!」 「八重先輩マジ最強!!もう先輩と戦うなら戦車とか空母持ってこないと無理としか言えないですって!!」 「はいはい褒め称えてくれるんならもうちょっとウチの売り上げに貢献してくれな〜い、あんた達次第で琴音のバイト代に+α出来るんだから」 変な逸話が付いたにも関わらず以前にも増して元気一杯に働く八重を見ながらいちごと遼子は同じテーブルで焼き鳥を食べていた 『にしても、琴音の記憶がこうも都合良のいい部分だけ残るなんて正直驚いたなの』 「あのスノウって雪華実装さんのおかげよ・・・琴里先生に聞いたら迎えの来るギリギリまで頑張ってくれたんだって」 『さっすがスノウさんなの、まあ私も琴音の両親もこれで一安心なの』 そう言いながらビールを飲もうとしたいちごの手を遼子が掴んで止めた 「ちょい待ち、あなた今中学生なんでしょ?だったら未成年の飲酒ってのはよくないわねぇ」 『あら?中学生でも私の年齢は7×歳よ、あなたの倍以上は生きているなの』 「ロリババアって奴かい、だとしても酒臭い中学生ってのは問題外よ・・・と、言う訳でこれはあたしが・・」 と言っていちごから取り上げたビールを飲もうとしたら今度はいちごが遼子の腕を掴んだ 『ちょっと!!それあたしが注文したなの!!飲みたかったら自分で頼みなさいなの!!』 「なによ!!実装苺なんだからこんな大人のモノじゃなくってうにゅーでも食べてなさいって!!」 『給料日前だからって中学生にビールたかる奴に言われたくないなの!!いいから返しなさいなの!!』 『こらー!!みんなが迷惑してるから二人共やめなさいルトー!!』 突然始まったビールの取り合いと言うお間抜けなコントに小さな焼き鳥屋はたちまち爆笑の渦に包まれた 一方、ここは仕置き実装達が集まる街外れの神社・・・・・ 『にしても・・・・・車ごと3人纏めてだなんて本当にスゴいボク』 『さすがは元軍兵実装石さんね・・・・私のなんちゃって剣術とは大違い・・・』 『今回はたまたま上手くいっただけデス、本当だったら横転した車から出てきた所を狙うはずだったデス』 『それでも鮮やかなやり方だと思うわ・・・・・本当、あなたをスカウト出来て良かったと思ってる』 珍しくみど吉のおままごとハウスでは無い場所で会っている仕置き実装の面々・・・・そんな時、時雨が奇妙な質問をみど吉に投げかけた 『そう言えばみど吉は元締めさんから力を借りてないのボク?』 『今の所はまだ借りてはいないデス』 『マジボク?・・・ボクなんか人化と武器強化で借りてるって言うのにスゴイボク』 『私は人化のみかな・・・・・・って事は・・・みど吉はまだ人化した事が無いの?』 『そう言われてみればそうデスね・・・・でも、人化する必要が無い以上は・・・』 『でも見てみたいボク、みど吉が人化するとどんな姿になるのか今スッゴく興味が沸いたボク』 時雨のこの何気ない言葉に元締めが反応した 『今仕事があるのならまだしもそんな事を遊び感覚で・・・』 『やってみよう・・・・私もなんか興味が沸いて来た』 時雨の言葉に乗った元締めは早速白水晶の用意を始めた 『デスから元締めさん、こんな事に無駄に能力を使うってのは・・・』 『駄目よみど吉、ああなったら元締めは止まらないわよ、カワイソだけど観念して人化しなさい』 鶺鴒に促される間もなく元締めの作り上げた大量の微細な白水晶が繭のようにみど吉の身体に纏わり付くとスグにその白水晶がみど吉を素体に人間の姿にまとまり始めた 『みど吉ってけっこう筋肉質で歳いってるからどうなるのか楽しみね』 『あれって本石のイメージ具現化じゃないのボク?』 『違うわよ、あれは付着した白水晶が素体の身体の表面情報を反映して人の姿に変えてるの・・・まあ白夜クラスなら瞬間的に擬態してる姿を変えられるけど』 そうこうしている内に白水晶が定着したのか繭のようになっていた外側の白水晶が割れるとそこには人化したみど吉がいたのだが その姿を見た元締め達の一言目の感想は『うわ〜お』であった なぜならそこにいたのは少女と言うより20代後半位の年齢の女性、そして着ている緑のワンピースが破れんばかりのメロンと誤認してしまう程の巨大な胸 更に服の隙間や背中を見れば一目で分かる程のガッチリとしてバランスのとれた筋肉と引き締まったボディラインが見えており ちょっとでも筋肉フェチな性癖がある人が見たなら速攻でプロポーズしてしまう程の美少女・・・と言うより美女がそこにいた 『あたしも結構な数の実装を擬似人化してきたけどここまでパーフェクトな娘は初めて見たわ』 『俗に言うあれ?『筋肉ムキムキ、マッチョガールの変態です』って奴?』 『レスリングも出来る、ワープロも出来る、ビキビキビキニ・・・』 『何かは分からないけどそれ以上言うとどっかから怒られるデス』 なにがしらの危険を感じたみど吉は慌てて時雨の口を押さえた 『ほんとに凄いわね・・・・このまま街でも歩いてみる?絶対男釣り放題だろうし上手く行けばアイドルデビュー出来るかもしれないわよ』 『そんなモノに興味はないデス・・・それはそうと・・・』 みど吉は一通り自分の人化した身体を確認してから元締めに質問した 『これはどうやったら元の姿に戻れるのデス?なにか特別な方法でもあるのデス?』 その言葉にお互いを見合わせた時雨と元締めは一瞬意地悪な笑みを浮かべると 『『さあ?』』 と、二人揃って肩を竦めてみせた 『いや『さあ』なんて言われても困るデス、とにかく元に戻る方法を・・』 『あーそう言えばあたし用事思い出したー、じゃーねー』 明らかな棒読み発言を残すと元締めはあっという間に姿を消した 『あ!!元締めどこに行くデス!!私はこの姿じゃ家にも公園にも行けないデス!!ちょっと!!』 『あ〜・・じゃあボクも帰るボ』 『待つデス時雨』 消えた元締めに気を取られている隙に逃げようとした時雨はあっさりとみど吉に捕まった 『元に戻る方法を教えるデス・・・』 『え〜なんの事かな〜ボク知らないな〜(すっとぼけ)』 時雨はその場を誤魔化そうと下手くそな口笛を吹いたがそれで誤魔化せる訳もなく 『喋らないと言うなら軍隊式の拷問術で吐かせるまでデス、今のウチに喋るというなら・・・』 『わー!!ダイエットもそうだったけどみど吉の軍隊式ってマジで洒落にならないボクー!!喋るからやめてボクー!!』 みど吉にチョークスリーパーで固められ必死になってもがいている時雨を見ながら鶺鴒はあ〜あと言った感じで肩を竦めた 仕置き実装第二夜 灰色少女 完 おまけのコーナー 人物・実装補足 鵜崎敏伸(密猟密売グループ) 人の物は俺の物、俺の物は俺の物を地で行く屑人間 金儲け目当てに人化実装の誘拐と闇オークションでの密売によって相当な荒稼ぎを繰り返す内にその内容も加速度的に凶悪化を始め 金儲けに目が眩み人化実装や実装を人化させる『人化の種』を手に入れる為に躊躇い無く殺人を犯すようになる 自分の幸せの為に他人の幸せを簡単に踏み躙れる生きる価値の無い金の亡者共 美耶子に消音機付き拳銃を横流ししたのもこいつ等 後台 鵜崎達のグループと取り引きをしていたフリーの自称人化実装専門の調教師、調教師を名乗ってはいるが実質腕の方はたいした事が無く 人化実装の調教の際にうっかり殺したり精神崩壊させたりなんかザラでかなりの人化実装を死に追いやった 又、軽はずみな行動と相当な軽口が災いして黒幕の美耶子を怒らせて射殺される 贄木 実験派の元ニート、引き篭もりを直させる為に両親からマンションを買い与えられて更に毎月かなりの額の仕送りを受けて悠々自適な実験生活を楽しんでいたのだが ある日偶然にも実装麻薬の調合に成功したのをネットで公開した所それが鵜崎の目に止まり、それ以降薬を作って鵜崎達と作った薬を金や人化実装とで取り引きしていた 命の重さなど一度も考えた事など無いこの豚男は新薬を作る度に誘拐した人化実装に実験を行い、それによって数多くの人化実装が命を落としたり重度の精神障害を負わされた 因みに、彼の変死に関して捜査を行った警察は 『薬品の実験中に誤って実装麻薬を自身に付着させてしまい、それが原因で実装石に襲われて死亡した』 と発表している 刻磯城美耶子 人間には絶対に有り得ない実装石特有の『幸せ回路』を標準装備したゲス女であり民制党の現職国会議員 常に他人を見下し奴隷程度にしか考えておらず、それが原因で結婚した男を人化実装に奪われた(と本人は自分に都合良く解釈している) 自分より劣る存在には寛大で優しい政治家を演じるが 自分より美しさや若さで優れている人化実装には嫉妬心から来る激しい憎悪を持っている 鵜崎と手を組むのは甚振り殺す人化実装の調達や密売によって得られる潤滑な資金が目的で その代わりに自身の所有ビルの地下施設の増築改造しての提供と万が一の警察への圧力を行っている 琴里 禍來木医院の院長兼主治医(他に医者2名・看護師12名)、一般の病院では治療を受けられない裏社会の人間を主に相手にして商売している 本人にその気は無いのだがシリアス展開クラッシャーでちょいちょい真面目な話の腰を折る 性格はズボラで面倒臭がりだがその反面医療に関しては超一流の腕を持ち、人によっては『リアルブラッ●ジャッ●』と敬意を込めて呼んでいる 過去にとある大病院で有能な医者として働いていたが後継者争いの際に罠にハメられて医療ミスの濡れ布を被せられて医師免許を剥奪されている (なので現在も無免許) 道明寺いちご 実装苺の亜種である蛇苺の更なる亜種、体内でありとあらゆる毒物を合成してそれを腕から伸ばした蛇苺(苺と苺の蔦で作った蛇)を対象に噛み付かせて毒を注入する 某美食家みたいに体内で合成した毒物を鎧や武器には出来ないがその代わり作り上げる毒の種類は多種多様で よく知られている神経毒や出血毒は言うに及ばず、たんぱく質を破壊して一瞬で溶かしてしまう酵素毒ですら容易に作り出せる 実装苺とは思えない程に大人びている感じなのは誕生日が昭和1?年なのが一番の理由 仕置きの的に対してはとてつもなく残忍で残虐になり過ぎ、度を超えた手法が多いが故に元締めからは敬遠されている 普段は旧華族の道明寺家の娘として中学校に通っている Kfです 題名の灰色少女、勘のいい御仁は気付いていらっしゃるかもしれませんが 灰色の意味は『犯罪のグレーゾーン』です どこまでが合法でどこからが犯罪なのかそれが曖昧、白とも黒ともつかない境界線の周辺・・・それがグレーゾーン 人化実装は『人間』なのか『実装』なのか・・・その線引きが曖昧過ぎるが故に起こったこの悲劇 あなたはどう思います? 人化実装は人間なのか? それとも実装か? そしてその境は? 追記 参考BGM いちご『血闘からくり人』 みど吉『仕置きのテーマ・問答無用』 時雨『必殺』 鶺鴒『恨み晴らして候』
