タイトル:【馬】 ふらりと公園にあらわれた流れ者の愛護派の前に、野良実装は…
ファイル:流れ者.txt
作者:賞金首 総投稿数:41 総ダウンロード数:1701 レス数:1
初投稿日時:2013/03/01-22:31:55修正日時:2013/09/15-21:53:02
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昼下がりの公園…俺には癒しのひと時である
なぜなら、そこにはかわいいかわいい実装石ちゃんたちがいるから!

双葉市立緑地公園…この公園には初めてだけど、仲良くできるといいな♪
以前に通いつめていた公園は、かわいいかわいい野良実装ちゃんたちがいなくなってしまって…
聞いた話では、虐待派に一掃されてしまったとか…ぬぬぬ、許せん、虐待派め
この俺の目が黒いうちはそんな所業、絶対に許さないからね!

「チーチチ、チチチチチ」
手に持ったコンペイトウの袋を振り回しながら舌を鳴らすと、さっそく野良実装に囲まれる
よしよし、順番に可愛がってあげるからね、順番だよ
目尻が下がるのが自分でもわかる、だらしが無い顔してるかもな

さっそく手元の仔実装を一匹、目線の高さまで持ち上げる
「テェ!テッチィ!テププププ」
持ち上げた仔実装ちゃんはうれしそうにはしゃぐ
うふふえへ、カワイイなあ、こっちを見たり、足元の仲間達を見ながらしきりにニコニコ笑ってる
足元の仲間達も目を細めて…目をこらして?怖い顔で仔実装ちゃんを見上げている
俺が悪い人間じゃないか心配なのかな?心配しないで、大丈夫だよ、俺はいわゆる愛護派だから!

仲間の心配するなんて、こんなにカワイイ生き物ってなかなかないよな
ようし、せっかくだから仔実装ちゃんを撫で撫でしてあげよう

「テェチィ!?テッ!テチチ!テチィ!」
なで始めると、急に叫びだす、もっともっと撫でて欲しいのかな?自分からせがむなんて、かわいいなあ
(もし、この男がリンガルをつけていれば、仔実装の悲痛な叫びを理解できただろうが
生憎彼は”ばねやコイルなんかは信頼できない!そんなもので正しい情報は伝わらない”と考えている
ついでに言うとこの男、洋画は字幕派だ)

「テチィ!デデエッヂィ」ペキ☆コキン
あれえ?動かなくなっちゃったぁ…気持ちよすぎて寝ちゃったのかな?
よく見ると首をぶらぶらさせ、舌を出してお漏らししちゃってるなあ、寝ちゃったんなら起こしちゃかわいそうだ
俺の隣に寝かせてあげるよ
動かなくなった仔実装をベンチの横に座らせる
ベンチの上は死角になって見えないからか、異常に気づかない野良実装がさらに押し寄せる

男は足元から仔実装をもう一匹抱き上げると
仔実装は”おあいそ”をする、これは一般にも媚のポーズといわれるもので
口元に手をあてる独特のポーズだ、だが、男はそんなポーズをよく理解していない

「ん…口元に何かあるのかな…わかった!キスだね!」
男は口先をタコのようにとがらせると、仔実装の口に自分の唇をあてる
雑食性の野良実装はくさい、とにかくくさい、おまけに野良なので何を食っているかしれない
にもかかわらず、躊躇なくこんなことができるのは、男が本当に実装石を好きな、根っからの愛護派だからである

「チ?ヂィイ!?チッ、ヂィッ!!ヂィィッ!!」
「ん〜、ぶちゅるぶちゅるちゅるちゅるrちゅるるるっる…スポン!」
だが、残念ながら男はキスというものをよくわかってない、映画とかでは見た覚えがあるが…
遠巻きに見れば口から入れた男の舌が内臓を貫き、総排泄口から舌の先端が出ているのに気づくかもしれないが
あいにく周囲に誰もいないので、そのおぞましい光景は誰も見ていなかった
付け加えて言うとこの男、特技は鼻の頭を舐められること、それだけ舌が長いのだ

男が気がつくと、仔実装は既に舌をだらんと下げて両目を白く濁らせ、力なく身体を垂れ下げていた
「ん〜?大人のキスは強烈だったかなぁ〜?気絶しちゃったか」
男は”気絶した”仔実装をベンチの上に座らせる
さすがに子2匹の異常事態を察知した親実装が男の元にかけよる

おやおや?赤緑の涙を流しながら俺の脚を叩く成体実装がいるなあ…
うーん…そうか、これはお腹がすいているのかな?
よしよし、特製のお弁当があるからね、これでも食べてね

「デース!デスデスゥ!」
お弁当を手渡してあげると、上機嫌で食べている、うんうん、うまそうに食べるなあ

「デ…デズゥ!?デ、デ、デ…」パキン☆コロリ
あーあ、食べてすぐ寝ると牛になるっていうのに、お腹出して寝ちゃったね
やっぱりあれかな、お弁当に入れてあげた実装コロリってのが効いたんだね!
よく知らないけど、パッケージに笑顔の実装石と”これでどんな野良実装石もイチコロ!”って書いてあったし
たぶん、犬用チーズとか猫用ジャーキーみたいなのの実装版だよね?
実装石の好物のコンペイトウの形してたし!

あ、寝ちゃった親実装ちゃんを心配したのか、仲間達が担いでどこかに運んでいくね
やっぱり仲間意識がすごいね…感心するなあ

って、あれ?どうしたのみんな?なんで俺のほうを見て怯えているの?
トモダチ、トモダチ!ほら、逃げないで!
なんで怯えるんだろう、おかしいな、こんなに可愛がってあげているのに…

おかしいな?こんなに懐いていたのに急に怯えるなんて、尋常じゃないぞ…
キッ!!と周りを見渡して見るとバールのようなものを持ったやつが公園に入って来るのが見える
…虐待派だ!あいつのせいで俺の可愛い実装ちゃんが怯えているんだ!そうだ、そうに決まってる!
俺は目つきもするどく低く唸りながらそいつに近寄る

理由も無くかわいい実装ちゃんをいじめるやつらはけだものだ!けだものにはけだものにふさわしい扱いをしてやる
俺はじっと憎悪の目で睨み付けると、そいつもこっちを見返し、はっきりと目が合う
こういう手合いは目を逸らしたら負けだ、じっと睨み付けながらじわじわと距離をつめる

距離をつめていくと、その虐待派とおぼしき男は驚いた顔で立ちすくみ、バールのようなものを取り落とす
カランカラン、と乾いた音が響き、われにかえった男が腰を抜かして倒れこんだ後、ほうほうの体で走り出す
…こんなものを公園に残されては困る、俺は親切が信条なんだ!バールのようなものを拾うと、男を追いかける
男は振り返ってバールを持って駆けよる俺に気がつくと全力疾走といった勢いで逃げ出す
声をかけようと思ったが、走ってのどが痛くなったために声が出ない、こんなことに時間を消費しても仕方ない
仕方なくバールのようなものをその場に捨ててベンチに帰る

ふう、と一息ついてベンチに戻ると
虐待派を追い散らしたのに安心したのか、実装石達は半数ばかり戻ってきていたようだ

(もちろん、賢い実装石はとうに逃げ出した後である
ここに残ったのはたんぽぽの綿毛ほどの危機感も持ち合わせていない糞蟲ばかりだ)

「ようし、それじゃあ今度はキレイなお洋服をプレゼントしてあげよう」
男は手製のお洋服、本人的には多少稚拙かも知れないけれど、心をこめて縫ったドレスを取り出すと
野良実装たちを見渡して、そのサイズに合った仔を選んで持ち上げた

「今着ているばっちい服はバイバイしようねぇ、着ていたらビョーキになっちゃうかもしれないもんねぇ」
「テ、テチィイイ!?」
男は小さなハサミを取り出すと、今着ている実装服を容赦なく切り刻む

そして、持ってきた手製の服を着せる
「テヂイィ!!テヂヂヂィィィ!!」
「あ、あれ?少し小さかったかな…でも、レース一杯縫ってあげたから、カワイイよぉ!」
赤緑の涙を流して男を見つめる仔実装を地面にそっと下ろしてやる
そんな仔実装を見て周りの野良実装たちから「テププ」「チププ」の声が漏れる

野良実装達に笑われて、赤緑の涙を流しながら大声でわめきたてるドレス仔実装
その光景は男の目には泣くほど喜ぶ仔実装と、笑顔で祝福する野良実装達としてうつった
笑顔の漏れる光景にほっこりする男
「うんうん、泣くほど喜んで貰えるのも嬉しいけど
自分が服をもらったんじゃないのにみんなで笑顔で喜んでくれるのはもっと嬉しいよぉ…
そんなこともあろうかって、みんなにもごほうびがあるんだ…ジャジャーン!」

哀れな仔実装を笑っていた野良実装たちの顔から一斉に血の気が引く
男は一抱えもあるほど大量のゾウキn…じゃなかった、心のこもったドレスを左手に掴むと
右手にハサミを持って、満面の笑みで言った

「さあみんな、ばっちい服はバイバイして、ドレスにお着替えしようねぇ」


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男が去った後には男に”かわいがられた”実装石たちの残骸や、”ばっちぃ”実装服の切れ端が転がっていた
弁当を食って死んだもの、実装服を奪われてみすぼらしい格好になったもの、もらったゾウキn…じゃなくってドレスをその場に脱ぎ捨てる者もいる
コロリ弁当の残りを漁ったために死んだものや生きてても動けないものは同族やカラスに食われている

そんな公園に市指定のゴミ袋を持った一団が訪れる
そう、虐待派だ!

ただし、彼らが集まったのは虐待目的ではなかった…
一団はトングでその辺りのものを手当たり次第に拾うと、手早くゴミ袋に詰めていく

「あれか?最近この辺に来るようになったとんでもない虐待派ってのは?」
「いやあ、本人はあれで愛護派のつもりらしいぜ」
「聞いた話じゃ、どこの公園でもあいつの姿を見ると実装石が逃げるようになったって話だ」
「俺には理解できねえな」
「あいつシメて追い出すべ?」
「…俺はあいつと関わるのは御免だ、さっき目が合ったらいきなり睨みながらバール持って追いかけてきやがった」
「それだけじゃない、野良実装とキスしてたぞ、ディープなやつ」
「マジかよ…人間捨ててるな、関わり合いにならないほうがよさそうだ」

虐待派たちの間では、暗黙の了解として
”自分の汚した公園は自分で片付ける”というものがある
そうでないと、近隣住民とのトラブルから、警察の警備強化までさまざまなマイナス要因が振って沸くからだ
現に、彼らの元仲間のうちには節度のない行動から塀の内側に送り込まれた者もいる

だがもちろん、あの男は掃除なんかしない…なぜなら、彼は虐待派じゃないから
そのコミュニティに属していないので、暗黙の了解なんか知ったことじゃない
あくまで、彼の通った後に残る実装石は「うれしくて気絶」「気持ちよくなって寝ている」だけなのだ
当然、気絶や寝ているだけの実装石をゴミ袋に詰めこむなど、愛護派である彼は思いつきもしない

一人の虐待派の男がため息をつく
「やれやれ、これからはあいつの分まで俺たちが掃除することになるのか」
流れ者の糞蟲実装石のせいで公園が一斉駆除、なんてのは珍しい話でもない
この公園では、流れ者の愛護派のせいで虐待派たちの命運は風前の灯なのであった

完



虐待派が酷い目に遭うパターンってどういうのがあるかな、と考えました。
自分で思ったよりストレートな話になりました




過去作
汚部屋託児
賞金首

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1 Re: Name:匿名石 2017/03/11-23:32:41 No:00004504[申告]
愛誤派は存在するだけで迷惑だな
死ねばいいのに
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