タイトル:小ネタ
ファイル:嘲笑う。.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:1825 レス数:0
初投稿日時:2013/02/11-07:41:47修正日時:2013/02/11-07:41:47
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「おら、さっさとしろよ。どっちかは助けてやるって言ってるだろ?」
公園の片隅、茂みに隠れるように男がかがんで何かに話しかけている。

「ちゃちゃっと偽石を割るだけの簡単なお仕事なんだからさー?」
男は片手に持った料理用肉叩きで肩をとんとんと叩きながら、めんどくさそうな物言いで、汚い顔を笑みの形に歪めている。

『…本当にワタシか仔、どちらかの命は助けてくれるんデスね?』
『ママ…』

男が話しかけていたのは、揃って裸の実装石の親仔である。
服は奪われて男の靴の下、胸には赤と緑の混じった接着剤がべったりと張りついている。

「おおー?助けてやるとも?命だけはな?」
男はそういうが、もちろん嘘である。

「だから、そのお前らんの目の前にある、そのコ汚ねぇ石っころ、ちゃちゃっと覚悟きめてどっちか砕いてくれませんかねぇ?」

実装石の親仔の前には偽石が二つ転がっている。
男は親に、実装石が持つには手ごろな石を手渡す。

男は最近この遊びにはまっている。
男がそれにはまった理由は偽石を砕かず勝者になったモノを弄り殺す時の快感がとても大きいからのようだ。
糞蟲ならば、生き延びた喜びから一転、じわじわ殺す恐怖を与え、おびえる様を
心が壊れるような善良な実装石ならば、その壊れた様だけで男はギャハハハハと、笑い泣きすらする。

端的にいえば男は増長した糞蟲である。自分が絶対者であることを信じて疑わないのだ。
そして糞蟲故、自分よりも弱いものにはどこまでも増長し、どこまでも残虐になれる。
にやにやと男の口は歪みっぱなしだ。

まったく…観察対象のコミュニティをいくつ壊されたことやら。



『わかったデス…』
『ママ…嫌テチ…』
どうやら実装石側も覚悟を決めたようだ。
まぁ…人間に絡まれたら、はいはいと頷いておかないとすぐ染みになってしまうからな。

『ひとつ、いいデスか?』
「あんだよ、さっさとしろよ?何聞きたいんだよ?」
『仔に、最期のお別れを言わせて欲しいデス…』
「そんだけかよ…勝手にしろよ?終わったらちゃちゃーっとやれよ?」
男はめんどくさそうな顔をしている。

「あんま、だらだらしてっと、お兄さんがお前たちを染みにしちゃうからねー?」
男はガンッと肉叩きを地面に落とす。

『すぐ終わるデス…一言だけデス…』
親実装の重苦しい雰囲気に仔実装はおびえている。
『ママ…やめてテチィ』
すぐそばに置いてある偽石の色が明らかに濁ってきている。


『スマンデス…お前には悪いことをするデス…』
『ママ…ママ…』
偽石にピシリ、とヒビが入る。

その様に、男の顔がさらにゆがむ、ゆがむ、ゆがむ、ゆが…。


ブチンッ


仔実装の首から上が無くなっている。
クチャックチャッ…ペッ。

「は…?」
男はぽかんと、一瞬間抜けな顔をした。

親実装は次に地面に転がっている偽石を二つとも口に放り込み
「ちょっ、おま、なにしてんのぉぉ!?」

一気に二つともガギリと噛み砕いた。

「え…なにこれ…、は…?」
男の目の前には実装石の残骸が二つ。

「まてやコラ。ゲームになんねぇじゃねぇか!ふざけんな!」
「実装石ごときが俺の楽しみ邪魔するってのかよ!」



畜生が!と何度も叫びながら男は実装石の残骸に向かって何度も肉叩きを振り下ろす。
何度も叩く内に手首でもひねったのか、気が付いたら肉叩きを放り出して手首を押さえていた。










ああ、愉しい。


勘違いした馬鹿が、勝手に期待して、その期待を裏切られる様を見るのは本当に楽しい。
ネタばらしをすれば、先ほどの実装石の親仔は私の仕込みだ。
彼のためだけにわざわざじっくりと用意したのだ。

あの男がこの界隈にやってきたのはここ2カ月ほどのことだ。
あの男は自分の地元の実装石のコミュニティを片端から潰してしまったらしく
飛蝗よろしく、次のコミュニティをもとめてこの近辺にやってきたようだ。

…おかげでお気に入りの観察スポットがいくつか消えたよ。

まぁ、そんな彼に意趣返しをしてやろうと、賢そうな実装石の親仔をわざわざペットショップで買ってきて、じっくりと演技を仕込んだ。
そして今日、一つ目の成果が実ったわけだ。

ああ、愉快、愉快。増長した馬鹿のへし折れる様はとても愉快だ。


男はしばらく手首を押えて悶絶した後、とぼとぼと公園を後にしていった。
ちなみに、この公園にもと居た実装石はあの男がすべて潰してしまってとっくに居なくなっている。

そんな公園なのに、ちょろっと見えやすい場所に実装石を配置しただけであの喰いつきようだ。
まったく、金平糖を前にした実装石か?あいつは。

まぁ、まだまだ許さないんだけどな。仕込みはまだまだあるのだから。


私は基本観察派、糞蟲野郎にゃ虐待派。


はは、糞蟲どもよ。勝手に期待して、勝手に絶望して、私を楽しませておくれ?
まったく、あいつのおかげで人間も実装石もほとんど変わらないな、と実装石観察8年目で悟ったよ。

さて…と、次の仕込みの準備するかな。 

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