タイトル:【観察】 実装石テンプレのオンパレード ちょっと人の手が入ってます
ファイル:真夏の埠頭.txt
作者:蒼氷  総投稿数:1 総ダウンロード数:3372 レス数:3
初投稿日時:2012/11/26-23:29:42修正日時:2012/11/28-07:43:32
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ここはとある地方都市ふたば市、大都市から適度に遠くのんびりとした雰囲気だ

海岸線の一部は港湾地帯ゆえ埠頭が散在して設けられており、周辺人口は少ない

内陸側に造られた臨海公園は、周りを防風林に囲まれて広くて閑静な環境である

いつの頃からか、多数の実装石達が住み着いており、実装石の楽園となっている



隣接する埠頭は予備的な埠頭である為、いつも積荷で埋まっているわけではない

時として一ヶ月以上何もないだだっ広いだけのコンクリート平原となる事もある


そんな埠頭は夏ともなれば、生き物にとって生きるのに極めて過酷な場所と化す

酷暑の日などコンクリートの表面温度は軽く55度を超えてしまう事も珍しくない



当然ながら、そんな暑い時期に真昼間から埠頭でのんびりと魚釣りをするような

酔狂な者などおらず、波止場は真昼間は完全に無人の灼熱の荒野となってしまう


連日のカンカン照りの熱と、水分がすっかり抜けきったコンクリートの吸水力で

今しがた海から引き上げられたばかりの、ピチピチ跳ねる活きのいい小魚でさえ

このコンクリートの上に置かれただけで、一気に魚の干物が出来てしまうほどだ


しかし一歩内陸に入った臨海公園は、過酷な埠頭と対比しまさに別天地と言える

植え込みや芝生のおかげで気温はあまり上がらず、構造物の陰なども効果がある

噴水や水のカーテンによる装飾の気化熱のお陰で、かなり涼しい区域も存在する

そのため実装石達は、連日のカンカン照りの猛暑の最中でも、公園の植え込みや

木立の奥など身を潜めていれば、直射日光の影響もなく快適に過ごす事が可能だ



この臨海公園はイベント広場的な利用目的メインで設けられたようなものであり

冬季はほとんど無人で閑散としているが、春から秋にかけては広い駐車場もあり

夏は涼を求めて噴水などの水場が目当ての、子連れ家族達で賑わう場所でもある

そのため、家族連れの弁当の食べ残しや、子供がこぼしたお菓子などのおかげで

実装石達にとっては、食料が比較的容易に入手出来る季節ともなっているようだ



環境的に実装石が繁殖しやすく他公園より個体数がかなり多い状態となっている

そのせいか、実装石の汚物による公園の環境悪化も目立つようになって来ている


お盆前後2週間は水の節約と、この暑さで公園に来る人が少なくなる期間のため

噴水等の水が止められてしまい、水は干上がり気化熱による気温低減も無くなる

この環境悪化を生かし、かねてから計画してきた実装石大量駆除を実行してみた




今年はお盆期間は連日晴天続きで、計画実施にはおあつらえ向きの天気でもある

連日気温は30度を軽く超え、コンクリートの乾燥度も最大限に達しているようだ

さらに夜になっても熱帯夜のため、コンクリートは熱を保ったまま翌朝を迎える

そのため正午過ぎには、表面温度が簡単に60度を超える灼熱の世界となっている


そろそろお盆休みが近づいて来たので、お盆期間の天気予報を確認する事にした

お盆期間中は天気は連日快晴で、全ての条件がベストだ、計画実行の時は来た!


計画実施はお盆の最終日、連日朝から夏の強い日差しが照りつける毎日だった為

コンクリートの照り返しもあり11時には既に埠頭の気温は45度を楽に超えている



朝早くから公園駐車所に来て準備を開始した、何しろ準備状態で公道は走れない

屋根・ボンネット・トランクの上に銀色のアルミ片面発砲材断熱シートを載せる

固定は単純にシートの上から磁石で固定しているだけなので、すぐに撤去可能だ


ついでに念には念を入れて、運転席外のドアにもアルミ断熱シートを載せておく

当然ながら、念には念を入れ後部座席左右の窓もアルミ断熱シートで覆っておく

こんな状態で公道なんて走れないので、こればかりは暑くても現地準備しかない



フロントガラスや助手席の窓には、アルミ蒸着フィルムを貼って減光させておく

別に公道を走らないし、それなりに前はしっかりと見えるので安全上問題はない


運転席の窓には丸めて畳める黒い遮光ネットを吸盤で貼りつけて直射日光を防ぐ

運転席だけは乗車や窓の開閉があるので、こればかりは我慢するしかないようだ



車のエアコンもかなり苦しいが、断熱作業をしていなければもっと熱い事だろう

もっともここまでの断熱加工のおかげで、エアコンを最強で回せば車内は快適だ


クーラーボックスは保冷剤をたっぷりと入れ、飲み物もしっかりと冷やしてある

終わるまで完全に車内籠城戦なのでトイレは、まあ空いたペットボトルでだなw



車内でまったりと昼食を取り終わり、正午を回ったのでそろそろ作戦開始とした


駐車場に車を停め、車を降りて駐車場側から公園に少し入って、コンペイトウを

少しずつ撒いて時間を稼いで出来るだけ多くの実装石の注目を集めるようにする

実装石達が集まって来たら、車に乗り込み車から少しずつコンペイトウを落とす



この3日間今まで潤沢だった食料が一気に絶たれ、飢えていたというのもあろう

多くの実装石が我先にポテポテと走って来て、車の方にワラワラと集まってくる

少しずつ散布するコンペイトウ目指して実装石がゾロゾロと埠頭に移動してくる



沖へ突き出た埠頭の先端から、公園の端までの距離はゆうに300m以上もあるため

実装石にとってこの炎天下で埠頭先端へ300m移動する事は間違いなく地獄だろう




以下、一時的に時間を遡り公園で暮らしている実装石親仔達の視点に切り替わる


「食べ物がないタイミングで献上するなんて、感心なドレイニンゲンデスー♪」

「せっかくだから献上品をもらってやらんこともないんデスー♪」

当然ながらお花畑回路全開で、自分に都合の良い解釈しか出来ないのはデフォだ


「さあミンナであのドレイニンゲンに私達を飼わせてやるデス」

「当然テチ♪ ワタチの性奴隷にしてメロメロにしてやるテチ」

「レッフゥーーーン ママー プニプニして欲しいレフ♪ ウンチ出たレフ♪」

「デププw これでスシ・ステーキが毎日食べれるセレブになれるんデスゥ♪」

おやおや、相変わらずのテンプレ反応かよw というかこんな連中が大半である




一方公園に残ったまま様子を見ている実装石達も、一部ではあるが存在するのだ

糞虫ではないが、頭は少し弱いけど愛情だけは深い親実装とその仔実装達の一家


「ママー あそこでコンペイトウをくれるテチ! 早くもらいに行くテチッ!」

「お前は馬鹿デス!こんな暑い中あそこまで行ったら足をヤケドしちゃうデス」

「テチュゥゥゥ・・ ママ・・・・ それでもコンペイトウ欲しいテチ・・・」

「大丈夫デス!お前達はここで待つデス ママがもらってきてやるんデスゥ♪」

「テッチュゥゥゥン!! ママ大好きなんテチーー!!」

「ママが帰って来るまでは、箱から出られないデスから しっかり待つデスよ」


上向きに開口している箱のため、仔実装らは親が出し入れをする以外は仔実装が

ダンボール箱から、自力で箱から出たり入ったりすることは不可能となっている



この家族は「プラダン箱」いわゆる樹脂製のダンボールハウスに住んでいるのだ

雨が降れば親がダンボール箱を倒して開口部を横にすれば、屋根が簡単に出来る

雨風をしのげる上に防水性も極めて高いため耐久度や、快適度に優れている家だ


母親の愛情と頑丈な家に守られ、仔らはすくすくと育ってダンボール箱の中には

3度の出産を迎えて生まれた時期違いで15匹の仔実装がひしめいている状態だ


特に糞虫性質の仔実装も居ないため間引かれず、前述の通り安全な住処のお陰で

このように極めて奇跡的に、これ程多数の仔実装達が生き残っている状態である



もっとも最低限の躾はなされており、親実装が居ない時は無駄に騒がない事など

そういった事がきちんと出来ているのも、ここまでの生存率を高めているようだ



だが親実装も全くのバカではなかった事と、仔らの愛情が深い個体であったため

今日までこのように多くの仔実装達を生きながらえさせて来ることができたのだ


そして彼女は今日も仔実装への愛情のため、コンペイトウを取りに行くのだった

「ママ! アマアマコンペイトウ! タクサンタクサン! 持って帰っテチ!」

「あまり欲張ったらダメなんデス でもママが頑張って集めて来てやるデスゥ」

「チワーイ♪ ママ大好きテチィ!」

かくして親実装は愛する仔実装達のために炎天下の埠頭へ単身赴いたのであった





また賢いので現状が把握出来ているため、むやみに行列に参加しない個体もいる


「ママ!見るテチ! コンペイトウをくれるテチ! 早くもらいに行くテチ!」

「お前は馬鹿デス!こんな暑い中あそこまで取りに行ったらヤケドするデス!」

「テチュゥゥゥ・・・コンペイトウ欲しいテチ・・・」

「間違いなく死ぬデス それでいいなら自分で取りに行って来るがいいデス!」

「テチィー でも欲しいテチ!!!」

「仕方ないデスゥ、多分あれはきっと、ギャクタイハのニンゲンサンなんデス」

「そんな事ないテチ! ギャクタイハがコンペイトウをくれるわけないテチ!」

「ギャクタイハでなければ公園でくれるはずデス、どうも様子がおかしいデス」


慎重な親実装はこうして、数々の危機的な場面を切り抜けて生き延びて来たのだ


「きっと、隠れる場所もない向こうの方でまとめてなぎ倒して殺すつもりデス」

「じゃあ、あのコンペイトウはワタチ達をコロスす為に毒が入ってるんテチ?」

「あれは毒じゃない普通のデス、私達を集めるために撒いているだけなんデス」

「テェ、、コンペイトウ欲しいけどギャクタイハにコロされるのは嫌なんテチ」

「お前達は私に似て賢いデス デモ今回ばかりは諦めた方がいいデスゥ・・・」


事前に危機を回避出来るものもいるが、それはあくまでもごくごく一握りの数だ





今回灼熱地獄の危機を回避したのは、もちろん賢い個体ばかりという訳でもない


公園の隅にあるボロボロのダンボールハウスの中でも、仔実装達が騒いでいた

午前中は涼しいので日が高く登るまで、爆睡していた親仔がやっと目覚めたのだ


「ママー!コンペイトウをくれるみたいテチ!早くもらいに行って来るテチ!」

「お前は馬鹿デス!こんな暑い中を一体誰が取りに行くと思ってるんデスッ!」

「テチュゥゥゥ!美しいワタチのためにコンペイトウ取って来て欲しいテチ!」

「アマアマコンペイトウ欲しいレッチューーン♪」 「レフレフレッフーン♪」

躾もなにもなっていない糞虫仔実装や、元から何も考えていない蛆達が唱和する


「うるさいデズァァ!! それならお前達が行って来るんデシャアアアア!!」

言うが早いか、仔実装達をダンボールハウスの外にすごい勢いで投げて放り出す

「テチャァァァ!! ママーー!! ママーー!!!」必死に泣き叫ぶ仔実装達

「コンペイトウを持って帰るまで入れてやらんデス!しっかり取ってくるデス」


仔実装のうち、一匹が母親の元へ駆け寄ると、すぐさまヒョイと持ち上げられた

仔実装が「テッチューン♪」と喜んで母親に向かって媚びた次の瞬間の事だった

抱き上げられた仔実装が「ヂッ!」と短い悲鳴を上げてそれきり動かなくなった

親が仔実装をガブリと頭から齧り、美味そうにクッチャクッチャと咀嚼し始めた



「聞き分けの無い仔はどいつデズァァ!行かないなら今すぐ食ってやるデス!」

その恐怖に仔実装達は一気にパンコンしてしまい、渋々と炎天下の埠頭に向かう


同時に放げ出された蛆も抱いて行く以外ない、もちろん今の仔実装達には重荷だ

こうして、糞虫仔実装達にとって最初で最後の長い長い夏の暑い一日が始まった





コンペイトウを目指しゾロゾロとまとまりのない集団で向かう実装石達の群れが

埠頭入口へ差し掛かった時、そこで彼女らに最初の難関が襲いかかったのである

埠頭と公園駐車場を隔てる深い溝と荒い目のグレーチングが待ち受けていたのだ

溝の深さも1メートル近くはあり、時に野生動物の幼体にとっても死の溝となる


抱かれていない親指や蛆にとってグレーチング超えは、ただ絶望の文字しかない

当然親指は小さいので、あっさりとグレーチングの目を通り抜けて落下は必至だ

そのため、本能的に危険を感じた親指はグレーチング手前で立ち止まったが・・

集団で後から途切れる事なく歩いて来るため、親指や蛆が立ち止まる事は不可能




親指にとっては途方もなく深い穴を目の当たりにして、立ちすくんだままとなる

だが非情にも、後から後から続く集団に押され悲鳴を上げて落下する羽目となる

「レチャアアアアアアアア・・・・・・・」 親指にとって果てなく気の遠くなるような落下時間だ

「レヂッ」 そして次の瞬間小さな悲鳴だけを残して、溝の底で緑色の染みとなる



同じくグレーチング手前で逡巡躊躇して立ち止まって、こわごわと底を覗き込む

「怖いレチィィィ・・・行けないレチ・・」 だが次の瞬間後から来た成体に踏まれ圧死する

「ヂッ!」 せっかく回避目前だったが、実にあっけなく短い実生を閉じてしまう



中には時たま運の良いものもいる 落下してしまうものの落下はすぐに止まった

「レチャアアアアアアア!!」 「??助かったレチ?」

グレーチング固定のナット部は下まで貫通しておらず浅く、運良くそこに落ちた

「レェレェ・・・助かったレチ・・・ 上がるレチ‥」 九死に一生を得て這い上がろうとする

「レヂッ!」 非情にも上を通過しようとした実装石にそのまま踏まれてしまった




当然の事だが、グレーチングの網目の上を渡って行く親指も居ないわけではない

「ワタチは賢いレチ この上をバランス良く渡って行けば向こうに辿り着けるんレチ!!」

綱渡りや平均台を渡る幼児の如く、慎重にグレーチングの網目の上を渡っていく
  
「レヂッ!」だがグレーチングの上をゆっくりと渡っている所をあっさり踏まれる



蛆に至っては何も考えていないため、あっさり落下し溝の底の染みと化して行く

ときおり、先に落ちた親指の上に落ちて、クッションで奇跡的に助かったものの

何も考えずその場でレフレフと這いずりまわっているため、次々と落下して来る

蛆や親指に上から直撃され、実にあえなく無数の緑色の小さな染みと化していく




それでも落下地点から移動し、上方からの致命的な直撃から助かった蛆や親指が

ごくわずかながら レフレフ レチレチと逃げ場を探し溝の中をさまよい始める

こうして二度と出ることがあたわない溝の底が彼女らの新たな世界となったのだ




蛆や親指はその体のサイズゆえあっさり落下したが、仔実装達はどうだろうか?


サイズ的になんとかグレーチングの網目の上を歩けるため、ヨロヨロバランスを

取りながら渡っていくが、不運の女神は等しく彼女らを見逃すということは無い


バランスを崩してグレーチングの網目に足を落としてしまうものの、サイズ的に

網目より大きいため落下することなく、股間を強打したり網目にハマってしまう


「オマタ痛いテッチュゥゥゥン・・・」このようにあっさりと落下するのだが、

引っかかるため底まで落下しないので、這い上がってまた渡り続ける事が可能だ



だが、移動速度が遅いため後ろから来た成体に踏みつけられて、グレーチングの

網目にかかっていた状態で踏まれて、あっさりと体はまっぷたつにされてしまう

「ヂッ!」 「ヂイ!」 「ヂィッ!」とあちこちで断末魔の声が上がっていく




また網目の間に落ちてそのままハマっていた状態で上から踏みつけられてしまい

網目でみっちりと身動き出来なくなって、二度と出られなくなる仔実装達もいる


これは、踏みつけられて真っ暗になったと思った次の瞬間、身動き出来なくなる

顔だけは上向きに動かせるため、左右の目から血涙を流しているのはシュールだ



大多数がバンザイ状態で落ちているため顔・両手が微妙に動かせるだけの絶妙な

隙間に、それが一匹・二匹ではなく、無数にグレーチングの網目にハマっている


網目の中で無数の顔・手がイゴイゴ動いている様はグロいとしか言いようがない

というか、、、普通ありえないだろ・・・という光景が広がるのが実装石なのだ




その結果公園側から埠頭側までの網目が落ちてハマった仔実装で埋まってしまい

後から遅れて来た仔実装初め、親指や蛆も落下せずに安全に渡れるようになった



後続集団は先にみっしり埋まった仔実装達のおかげで、容易に通過が可能である

もっとも足元で「テェーン テヒィィーン」と泣く仔実装達の鳴き声が賑やかだ

糞虫が通ると、しっかり仔実装の顔の上に糞をひりだして行くのもいる程だった

「チプププw」「デプププw」とあざ笑う声と、糞まみれのグレーチングが残る



嵌めこまれた仔実装達はこのあと長い時間をかけ、じっくりと干上がるのを待つ

グレーチングの目で一気に裁断されて、痛みはあるが早く死ねた方が幸せなのか

身動きが取れず、長い時間をかけて喉の渇きと暑さで緩慢に死ぬ方が幸せなのか

果たしてどちらが、彼女らにとって幸せなのかそれは誰にもわからないであろう







やっとの事でグレーチングを渡り終えた実装石達が埠頭に足を一歩踏み入れた時

更なる灼熱地獄という試練が彼女らを待ち受けていたのは言うまでもないだろう


埠頭の乾いたコンクリートを吹き渡る熱風が一段と強まり、地表温度も数度高い

なんとか今までの暑さにここまで耐えてきた蛆・親指が、力なく崩れ落ちて行く


「レ・・・・・」 「レチ・・・・・」 力なく最後の声を出すだけで精一杯だ

この熱で親指・蛆は早くも脱落し、埠頭の上には転々と小さな緑色の塊が転がる



埠頭に足を踏み入れた一団を誘導するため、車からコンペイトウを撒いて寄せる

一気にバラ撒いては意味が無いので少しづつ撒いて、埠頭の先端へ移動していく



愛情深い親や仔実装は、蛆や親指を落とさないようにしっかり抱いているのだが

次第に熱さと疲れで、埠頭の上につい無意識に蛆・親指をそのまま置いてしまう


体の小さな親指や蛆は小さな悲鳴をあげた次の瞬間は、あっという間にピクリと

一度痙攣したかと思うと動かなくなり、あたりには親・仔実装の悲鳴が響き渡る



だが親・仔実装もこの過酷な暑さのため、それ以上構っている余裕すらない程だ

真夏の太陽に熱されて熱々になっているコンクリートが足の裏をジリジリと焼く


そして立ちのぼるる熱気と、激しい日光の照り返しといった暑さが体全体を襲う

それに加えて、良く熱されたコンクリートからの輻射熱も強烈に実装石達を襲う



それでも彼女らは、ただコンペイトウを目指して幽鬼の行進のごとくふらふらと

ただ一点を目指して進むため周りで起きている惨状に気が向いていないのである



ここまで必至に耐えて蛆を抱いてきた仔実装達も、この暑さについに倒れていく

もちろん、早々と蛆を抱く事を諦めた仔実装達にも平等に暑さはふりかかるため

躰の小さな仔実装から次々と順次倒れて行くため、埠頭の手前から先端に向かい

小さな個体から段々大きくなって行く様子が、まるで分布図のように観察出来る


蛆を抱いたまま力尽きた仔実装も混じっており、特に愛情深い個体もいるようだ




そうして埠頭半ばに到着までに体力的に弱い、蛆・親指は完全に姿を消している

だが親が降ろさずにずっと抱きしめている親指とてこの暑さに対し例外ではない


親が親指の様子を見た時は時既に遅し、ぐったりと動かなくなってしまっている

もういくら話しかけても、揺すって起こしても二度と目を覚ます事はあたわない



こうして普通はありえない過酷な暑さが埠頭の実装石達の命を着実に奪って行く

時折発狂したり、悲観してそのまま公園に駆け戻る成体も、少なからず存在する

だが大半の実装石はそれでも、コンペイトウを撒いている車を目指して突き進む




だが、先ほどのように無意識に公園に駆け戻れた個体は、まだ幸せだと言えよう

だが埠頭のあまりの暑さに、ついには発狂してしまう個体も少なからず出てくる


あたりを闇雲に走り回り、転んでは起きてを繰り返しついにボロボロになるもの

ただひたすら「デッスーン♪」と存在しない目の前の何か向かい媚び続けるもの

パンツを下ろし総排泄孔をいじりながら「デッスウゥゥン♪」と自慰に耽るもの

「デプププ」と笑い、そのあたりに散らばる、仔実装達の死骸を食べ始めるもの

盛大にパンコンしながら糞をそのあたりに、手当たりしだい投げつけまくるもの

「デー・・・・」とパンコンしたまま身じろぎもせず虚ろな表情で崩壊するもの

「デピャピャ♪」とはしゃぎ回りながら、パンコンしている同族の糞を食うもの

どこに居たのか不明だが、これらの実装石をマラ実装が次々と襲っていたりする

もちろんマラ実装ですら、この暑さではじきに干上がってしまうのは自明の理だ

狂気の饗宴の会場と化した一角は取り残され、後はじきに干上がるのを待つのみ



しかしながら、ある程度賢い実装石がいないわけでもない、これ幸いとばかりに

パンコンしている同族の糞を奪い、自分の体にペタペタと塗りたくり始めたのだ

これで直射日光はある程度防げるため、渇く速度がほんのわずかであるが延びる



ただパンコンしているものはそんなに多いわけでもないので、糞は足りなくなる

そこで、しゃがむと同時にいきんで、ムリムリと緑色の山を築くものも出てきた


すると周りの実装石達が、早速これ幸いと糞を強奪しに集まって来はじめたのだ

これではまるっきり取られ損だ、糞をひりだした実装石はたまったものではない


「まことに見苦しい」糞で糞を洗う糞まみれの極めて醜い糞闘が繰り広げられる

無駄に体力が消耗されていく事に何ら変りないのだが、当事者達は夢中な様子だ



実装石は糞袋と呼ばれる程、消化器官が哺乳類動物のそれと違い、明確ではない

極端な話、実装石は糞袋と呼ばれる胃袋や腸の機能を内包する器官があるのみだ


細かい説明は割愛するが、この器官の中に粘膜に守られた仔を宿すことにより、

中で仔らを妊娠して、粘膜がついたまま出産する事は一般的によく知られている


だがこの一般的に糞袋と呼ばれる器官で糞は、完全に消化された食物だけでなく

水分保持・栄養素保持といった、生命活動維持の役割も少なからず果たしている


そのため、このような高温で乾燥した所で糞を体外に出してしまうという事は、

体内の水分を著しく排出している事でもあり、発汗のための水分も失われていく


つまり、糞を奪われた実装石は水分も少なく、直射日光を遮るものは何一つ無く

ただただ喉の渇きと、体力の消耗を加速させてしまっただけに過ぎないのである


結果として、糞を奪われた個体はそのまま埠頭の上から動けなくなってしまった

こうして糞をひり出した挙句、奪い取られたため無駄に水分を喪失したがために

彼女らに、静かに死へのカウントダウンが開始された事は不幸であると言えよう





一方明暗を分けられて、糞を奪った集団や、無駄に体力を消耗しなかった集団は

ようやくの事で埠頭先端へ到着した、やっとのことで全ての準備が終わったのだ


ここに至るまで数以上の実装石と仔実装以下はほとんどが全滅してしまっている

まさに過酷な灼熱地獄を耐え切ってここまで生き残った実装石の精鋭とも言える



残りのコンペイトウを全てを、先端近くにある鉄板の上に盛大にぶちまけてやる

ここまで耐えてやって来た実装石達にとって、今までの苦労が実った瞬間である


あたり一面コンペイトウを手にしようとして歓声や奪い合いの悲鳴で満たされる

「デッスーーーーン♪」 「デププププッ♪」 「デシャアアアアアァァ!!」



だが次の瞬間、埠頭の上は実装石達の激しい阿鼻叫喚の声で満たされ始めたのだ

「デギャアアア!!」 「デデデデデエエエエエエ!」 「デッジャアアア!」

直射日光で熱くなった鉄板は、簡単に目玉焼きが作れてしまうほどの熱量である

サービスとしてサラダオイルを事前に撒いているので転けたら起き上がりにくい

足元が滑る鉄板の上で狂ったように、のたうちまわりながら踊りまくる実装石達



だが、一度でも鉄板の上に倒れようものなら、更に激しい熱が彼女らを襲うのだ

真っ先に鉄板に突撃した実装石は、無情にも後から後から殺到する同族に押され

いともたやすく次々とバランスを崩し、充分に加熱された鉄板の上に倒れていく


コンペイトウを撒いた直後に、予め急いで少し離れた所に車は避難していたため

熱で焼ける実装石の匂いはしてこないが、遠目に熱気がゆらめくのが良く見える

もし近くだったらあまり嗅ぎたくない匂いを嗅がされるハメになっていただろう


先に倒れた実装石達が累々と鉄板の上に横たわっているため、後続の実装石達は

倒れた実装石の上を歩けば、灼熱の鉄板の洗礼を受けること無くコンペイトウを

無事に入手出来るため、鉄板の上は倒れた実装石の上に次々と積み重なって行く

そのため、先に倒れて下敷きになった実装石達は、多少の事では冷めない鉄板で

ゆっくりと時間をかけ生きながらにして、じっくりと蒸しあげられる事になった




しばらくした後、コンペイトウは全て後から来た実装石達に回収されてしまった

鉄板の上には、太陽熱とは言えどそれなりにじっくり焼きあげられた実装石達が

香ばしい香りを立てて、かなり広い鉄板の上に並べられている様は壮観であった



コンペイトウを入手し目的を果たした実装石達が、それを見て喉がゴクリと鳴る

後は生き残った実装石達により、実に凄惨な食事風景が繰り広げらるのであった


焼けているとは言え、絶命しているわけではなく生きながらにして食われ始める

悲鳴をあげる気力もなく、絶望を味わいながら徐々に同族達の腹に収まっていく




こうして生き残った実装石達は、それなりに食事を得て活力は戻ってきたようだ

彼女らはまだ知らない事なのだが、最大の試練はこれからが本番とあいなるのだ

時刻はまだ13時を回ったばかりで、夏の一日で本当の暑さはこれから迎える事だ




意気揚々と炎天下の今来た道を引き返して、公園へ歩き出す生き残りの実装石達

だが今しがた食事をしたとはいえ、埠頭の先端に来るまでに体力を消耗している

熱でしっかりと濃縮され水分の減っている肉を食べているため、喉は渇いている

更に、生き残ったおかげで大量に入手出来たコンペイトウを食べてしまっている

そのため、多目の糖分により更に喉の渇きを加速させるには充分な要因であろう





午後最高気温を迎えた炎天下の埠頭をふらふらと公園に向かって彷徨う実装石達

灼熱地獄の多くの苦難が彼女らを待ち受けていいたのは、想像に難くないだろう



実装石は成体でも身長は60cm止まりのため、視点は人間のそれよりも遥かに低い

その結果アスファルト上で見られる逃げ水現象が、人間よりも顕著に見えるのだ


芝生のある公園で暮らして来た実装石達にとって逃げ水は初めての体験であった

「デッス!デッス!デッス!デッス!」息を弾ませて水の方へ走り始める実装石


水を見ていくばくか元気を取り戻したが、走れど走れど一向に水へは近づけない

それどころか、あろうことか水は向かって行った分、同じく遠くへ逃げて行った



「デデッ?! デエエエエッ!?」不思議な現象を目の当たりにして驚く実装石

ついには、行けども行けども逃げて行く水に憤慨してついにパンコンしてしまう


疲れきってしゃがんでしまうと、湿ったパンツが熱されたコンクリートに当たり

シュゥゥ・・・と音を立ててパンツが接しているあたりから軽く湯気が立ち上る


驚きのあまり更に盛大にパンコンしてしまい、股間から生暖かいものが流れるも

みるみるうちに、コンクリートに吸い取られ何もなかったように乾いてしまった


経験した事のない見えない恐怖が彼女を襲い、そしてついに悲鳴を上げてしまう

「デギャアアアアアアアア!!」だがその悲痛な悲鳴もそう長くは続く事はない

ついには精神崩壊し「デー・・・・」と口から音が漏れるままで、動かなくなる

更に少し時間が経過すると、力尽きてその場で静かに横倒れとなってしまうのだ




精神崩壊=行動停止→「デー」と言ったまま動かなくなってしまうとは限らない

中には周りにたっぷりある水、すなわち海へダイビングを敢行する実装石もいる


海に飛び込んだ瞬間今までの灼熱地獄から開放され、冷たい水が一気に体を潤す

しかしそれも束の間の事だ、元来実装石がカナヅチである事はつとに有名である

御多分にもれず、この実装石も全く泳げないであろうことは誰の想像に難くない


すぐに海面でアップアップと溺れ、あっという間に呼吸が出来なくなってしまう

そして激しく息を吸えば吸うほど彼女の口や鼻から大量に海水が流れ込んで来る


苦しさにもがいているうちに、彼女のパンツがこんもり盛り上がりパンコンする

最後にはパンツを上にし、頭を下にしたまま海面に顔を上げる事が出来なくなる

それでも苦しみは止まらず、いつしか動きも止まってしまい海面に浮かぶだけだ

もっとも周りを見れば一匹や二匹のみならず、多数の実装石が波間に漂っている


一方、まだまだ元気が残っており、公園に向けて歩き続けている実装石達もいる

だが灼熱のコンクリートの温度は最高度に達して、実装石の足の裏を焼いている

もうすでに熱で焼けただれており、彼女らの足の裏の感覚は失われてから久しい


平らなコンクリートの埠頭とはいえ、全てが完全にまっ平らというわけでもない

人間から見た場合、埠頭はまだまだまっ平らというには間違いはないであろうが


細かい段差や凸凹は多数存在している、人間より身長が低い実装石達から見れば

まっ平らな場所ではなく、普通に凸凹なだだっ広いコンクリート平原なのである


そのため感覚の無い足で歩いていると、細かい段差や凹みに足を取られてしまう

そして何度も、熱いコンクリートの上に転んでは起き上がる事を延々と繰り返す

そのため徐々に体力は失われる、ついには力尽きてコンクリートの上に横たわる




運良く転ばない実装石もそう多くないが、それでも延々と歩き続ける事は出来る

だがもはや喉の渇きも最大限に達し、一匹また一匹埠頭の上に静かに斃れていく



ゾロゾロ歩いている集団が、いつしか無意識のうちに身を寄せあって歩き始める

外気に触れるより同族に触れている方が、まだ暑くない事を体が感じとったのだ


普通こんなに寄り添い合う事もない実装石が、集団を作っているのは実に珍しい

無駄に騒ぐ気力もなく、ただ体力温存を図るために粛々と歩んでいく緑色の集団


それが数グループの群れを成し埠頭の上を、一つの生き物のように移動していく

遠くから見ると、アメーバまではいかないが、不規則な形状を取る集団に見える



一旦集団の内部に入りこめば、そう簡単に集団の外周まで押し出される事は無い

しかし集団であるものの外周部は、集団の側面は直射日光と熱風の影響を受ける

そのため外周部付近では、集団内部へ入ろうとして静かな戦いが繰り広げられる


最も外周部は内部へ入りたいがために、必至で目の前をかき分けて入ろうとする

当然だがすぐ内側の個体も今の場所をキープするのに必死な事は言うまでもない


このせめぎあいのため、集団外周部は時々アメーバのような不規則な形状になる

そういった理由もあって、結果的に外周部は体力消耗が激しい場所と化していた

こうしているうち、無駄に体力を消耗してしまった個体が集団から脱落していく




そして夕方までには殆ど全ての実装石が倒れてしまい、埠頭の上に点在している

日が暮れる頃、目ざといカラス達が集まって来て彼女らの体ををついばんで行く


倒れているとは言えど、ただ動けなくなっただけで彼女らはまだ生きているのだ

それを生きたまま啄まれて食われるのは、実装石と言えどたまったものではない

多数の実装石が出るかどうかギリギリの量の血涙を流しながら体を食われて行く



もちろん倒れている数が多いため全ての実装石が食べられてしまうわけではない

だがカラスは行儀良く食べる事はせず少し啄んでは他の無傷な個体を啄んで行く

当然ながら生きたままなので、痛みはしっかりと感じるが逃げることは不可能だ


ようやくのことで、手当たり次第食い荒らしながらカラス達の食欲は満たされた

残念ながら、これで満足したカラスが飛び立ってハイ終わりという程甘くはない


カラスは光るものが好きという習性もあり、飛び立つ前に目玉をほじくり始めた

動けずに倒れている上に、構造上目をつむる事が出来ない実装石はなすがままに

次々と、ビー玉のような目玉をカラスの太いクチバシで無理にほじくられて行く

片目だけになったもの、両目ともほじくられたもの、まさに凄惨な様相であった


このように、かなりの数の実装石達がカラスによって傷だらけにされてしまった

カラスが飛び去った後、夏の遅い夕暮れの後に宵闇がやっと辺りを支配し始める




残念ながら、高感度カメラや暗視カメラといった便利なアイテムは持っていない

そのため今日の観察はこれで終了し、明日の朝もう一度様子を見に来る事にした


この後どうなるか興味一杯だが、一日車の中に居たのでこれ以上の観察は厳しい

後ろ髪を引かれる思いで、とっぷりと宵いの帳が下りた埠頭を後に自宅へ戻った




昼間に熱せられたコンクリートは、まだまだ熱を保ったまま熱気を放射している

だがいくらそれが熱いといえども、炎天下ほど強烈なものではないため穏やかだ

気温低下に伴い、最後の力を残していた実装石達がヨロヨロと立ち上がっていく


だが足取りは驚くほど重く、わずか一歩進むにもかなりの時間がかかってしまう

それでも希望を捨てずに公園を目指す実装石達の影が波止場の上に見受けられる




とっぷり日が暮れ、さらに時間が過ぎ去って波止場が深夜を迎え日付が変わる頃

実装石達はそれなりには移動出来たものの、公園はまだまだ遥か彼方にあるのだ


そして埠頭に異変が起こったのである、突如として爆音と光が埠頭に溢れだした

思いっきり車高が低く、どこから見てもいかにもといった、DQN丸出しな車が

広い埠頭の上を何が楽しいんだかわからないが、集団でぐるぐると走りはじめた



もはや動く事も出来ない実装石達は、次々と跳ねられたり踏みつけられるままだ

だがDQN車の集団は車に傷がついたり汚れるのを厭うためすぐに居なくなった

それでも被害は甚大だったらしく、かなりの数の実装石が跳ね飛ばされたようだ




その後夜は更け、東の空にうっすらと明るさが見え初め、明け方直前を迎えた頃

ようやく、夏の長くて暑い一日のうちでも、気温が一番低くなる時間帯を迎える


ここまで体力を徹底的に温存していた比較的賢い個体が、ようやく立ち上がった


カラスの猛攻時は、他の倒れている同族の下に隠れたり、目を啄まれないように

うつ伏せになって防いだり、DQN車が走る間は埠頭の端に移動して避難する等

適切な対応により、ここまで危機を回避して生き残って来た賢い実装石達である


もちろん夕暮れになっても無駄に動かず、夜明けまでじっと耐えて来たのである

全体数に比例してごく少なく広い埠頭全体を見渡しても数える程しか居ないのだ

まだまだ熱が完全に冷めていないコンクリートの上を公園に向かって歩き始める


体力も限界に近く、その歩みは一歩、また一歩、立ち止まってはまた一歩程度だ

それでもほんのごくわずかの移動であるが、着実に一歩一歩公園に近づいて行く

そしてついに数匹がこの過酷な戦いをくぐり抜け公園にたどり着くのに成功した


ここまで生き残って来た、あと少しで公園にたどり着こうとしている実装石達を

実に非情なタイムリミットが待ち受けていたのである、それは「日の出」だった


夏の朝日の眩い閃光がキラリと埠頭を照らす、もちろん直射日光であるゆえ暑い

その熱に、やっとの事でここまで最後の体力を振り絞って来た者達も倒れてゆく

朝日を浴びた瞬間、吸血鬼の断末魔のような悲鳴を上げて倒れ、鬼気迫る様相だ


あれだけの数の実装石が居たのに関わらず、戻ってきたのは僅か数匹だけという

夏の過酷な埠頭での物語は、ここで一旦終わりを告げるという事などは全くない




覚えているであろうか?途中で精神崩壊して公園に舞い戻った実装石も居る事を

当然の事ながら、公園に戻っても偽石の崩壊により悲惨な末路しか待っていない


そしてたった今やっとの事で公園にたどり着いた実装石にも同じ事が言えるのだ

仔実装達への愛情がために炎天下の埠頭へ赴いた親実装も幸運にも戻って来れた

しかし朝日が昇った今、公園の同族達もすでに目覚めているのは言うまでもない



仔実装らの待つ我が家が目前に迫った時、彼女はいきなり強く引き倒されたのだ

公園に残っていた同族による襲撃であったのは、もはや説明を要しないであろう


埠頭に行かず公園に残ったのは、よほど賢い個体か極度の糞虫に二分されている

彼女を引き倒したのは、我が仔を埠頭へ出し公園で惰眠を貪っていた糞虫だった



「デププププ♪ そのコンペイトウをワタシに献上するデス そうすれば褒美に

オマエをドレイにしてやるデス♪」まさにテンプレ的な糞虫丸出しの思考回路だ


もちろん、今まで必死に耐えてきた親実装もここで引き下がるわけにはいかない

「ワタシを待っている仔供達が居るでシャァァ!!持って帰るんデシャァァ!」



一方ダンボールハウスの中では、仔実装達が母親の声を聞きつけて色めき立った

「ママテチ! ママが帰って来たテチ! アマアマ持って帰って来たんテチ!」

「テッチュゥゥゥゥゥン♪ ママ〜! 早くコンペイトウ食べたいんテチィ!」

「チワーイ♪ ママ大好きなんテチィ♪ アマアマテッチュゥッゥゥゥゥン!」


嬉しさのあまりつい我を忘れてしまい、親によって躾けられていたハウスの中で

騒がないという事もとうに頭から消え去りテチテチと喜びの声をあげて騒ぎ出す



それを聞いた糞虫が鼻息をピスーと出して、舌なめずりをしながらひとりごちた

「デププ♪ アマアマコンペイトウと、柔らかお肉たっぷりセットデッスン♪」

糞虫の目はニヤリと歪に細められて行き、オッドアイが凶悪な光をたたえて行く



親実装は最後の力を振り絞って立ち上がろうとするも、いかんせん限界であった

当然ながら、体力的に立っているのがやっとの実装石と、今まで寝ていた糞虫だ


至極当然の事ながら、この2匹の体力の差はあまりにも歴然とし過ぎているのだ

更に引き倒されたままマウントポジションを取られているので、反撃も出来ない


糞虫は「デププ♪」と耳障りな声と、見るからに汚い涎をだらしなく垂らしつつ

押し倒したままの、体力が限界に達している親実装の肩に猛然と齧りついた刹那

親実装は我が家を目の前にしながらも、悲鳴を上げて齧り殺され・・・なかった


ほんの数秒だが、永遠と思える沈黙の後に、突如糞虫の目がわなわなと震え出す

親実装がパンツの中に隠し持っていた釘を、糞虫の胸にしっかと突き立てている


刺し傷はそんなに深くは無いのだが、偽石を直撃し糞虫に致命的な一撃を加えた

程なく糞虫のオッドアイ双眸から光が消え失せ、親実装の上に力なく崩れ落ちた


親実装も、肩から血をドクドクと流しながらも最後の力を振り絞って立ち上がる

我が仔らが待つ箱に、数多くの苦難を経てようやくたどりつくのに成功したのだ



だが、全ての力を使い果たした親実装はたった一言「デスゥ・・・」と漏らして

箱の外に崩れおちてしまい、二度とわが仔を抱き上げる事も、動く事もなかった


箱の中の仔実装達は、外が見えぬゆえ何が起こっているのか、事情はわからない

母親の匂いがすぐ近くでする事、そして今しがた箱の外から聞こえた母親の声で

母親が戻っている事は理解したが、いつまでも姿を現さないのかが理解出来ない


それでもなお、母親を求めて必死にテチテチ チーチー と鳴き続ける仔実装達

だがしかし一向に待てど暮らせど母の姿は現れず、いつしか日が暮れてしまった


いつまでも帰らぬ母を待ち続けて声をあげて鳴き続ける事は、もし通常であれば

仔実装を喰うような、他の同族を呼び寄せてしまう死亡フラグでしか有り得ない


幸か不幸かそのような実装石は、多くが絶命してしまっているため来る事はない

こうして腹を空かせ母の愛情を渇望する仔実装達は、そのまま取り残されたのだ


同様に公園に戻ったわずかな実装石達も、公園に残っていた糞虫の襲撃を受けた

最終的にコンペイトウにありつけたのは、公園に残った糞虫だけであったようだ




10時頃に公園に来たが、埠頭は車に踏まれて潰れたりバラバラになった死骸やら

カラスに啄まれてボロボロになった死骸、単純に干からびてしまった死骸を始め

グレーチングの網目一面にびっしりときれいにハマった仔実装の顔顔顔顔顔顔顔


普通なら決して見ることの出来ない、シュールとしか言えない光景が観察出来た

鉄板の上の死骸も食い荒らされた挙句、真夏の暑い直射日光で干物となっている



とにかく埠頭の上は、あちこちに横たわる実装石の干からびた死骸で溢れている

しっかり目論見があった上で昨日を選んだので、あと1日もすれば綺麗になるさ

大量に駆除した後の仕上げまで考えた上での計画なので、後片付けも大切なのだ



次に公園へ移動してみた、プラスチック樹脂製ダンボール箱の近くで倒れている

2匹の成体の死骸をはじめ、数匹が惨めな骸を散発的に晒しているのみであった

公園に辿りつく事が出来なかった実装石が、埠頭に転がっている方が遥かに多い



プラスチック樹脂製ダンボール箱中を見ると、驚いた事にこぎれいな仔実装達が

こちらを見るやいなや、何かを訴えるように必死にテチテチと合唱し始めたのだ


恐らくこの仔実装らの親は、あの埠頭に行った集団の中で一緒に死んだのだろう

そうなると、庇護者を失ったこの仔実装達も、もうこれ以上長い事はないだろう

仔実装達には可哀想だが、今回は駆除の一環なのでその日は放置して立ち去った



え? 埠頭に転がっている、大量の実装石の死骸の後片付けはしないのかって?

それについては、大自然の摂理に任せる事にしているので、気にしていなで良い




埠頭を見た翌日は、かねてから天気予報で予想されていた通り台風がやって来た

予報では戦後最大級の台風と言われ、風速も55m/秒というとんでもない強烈さだ

沖縄で瞬間風速61m/秒という報道があった程の激しい台風が埠頭を直撃するのだ


61mがどれくらいかピンと来ないが、単純計算で秒速61mX60秒X60分=219,600m

それを時速換算で約 220Km/時じゃないか! 風速35m/秒なんて比べ物にならない

残念だがあまりにも危険なので、今回は埠頭での観察は辞めておくほうが賢明だ


強烈な暴風雨を伴う台風で、埠頭一帯の地域は予報どおりの直撃コースとなった

台風最接近時は大潮の満潮時と重なるため、海岸線は厳重な警戒が必要であった


その日は朝から風が強く、夜遅くに直撃となる予報となっており、埠頭はおろか

公園は朝から誰も近寄らないため、埠頭・公園一帯は全くの無人の地域であった



埠頭で強まる風に転がっている実装石が小さいものから海に吹き飛ばされて行く

海に転げ落ちてそのまま海で水を吸って蘇生するものも少なからずは居るものの

海水で蘇生時に塩分も吸っており、蘇生と同時に溺れてしまう事もさる事ながら

喉の渇きも激しいという地獄も待ち受けており、更に事実は想像よりも恐ろしい


「デデッ! 蘇生出来たデスッ! デギャアアアア! 周りが水だらけデス!」

蘇生しても海の上なので、溺れる事しか出来ないのは、言うまでもないであろう

「喉渇いたデス! 周りの水を飲むデス! デギャアア! ショッパイデス!」

当然の事だが海水ゆえ、喉が渇いたまま口に含むと殊更強烈に塩辛く感じる訳だ


だが、それでもかなり意識を取り戻してきており、溺れながら喉の渇きを感じる

残念な事に彼女は仮死中に、カラスに啄まれ、DQN車に足を潰されているのだ

「デシャアアアアアァ〜! 痛いデス!! 体中あちこちが痛いデスッ!!!」


体の損傷もさることながら、傷口に海水は痛い、ましてや蘇生時にも吸っている

彼女は強烈な痛み・喉の渇き・呼吸困難のコンボアタックの末に苦しんで果てた


周りを見ると波間に漂うおびただしい実装石が、段階こそ違えど蘇生中だったり

溺れていたり、パンコン状態で頭を下にして動かなくなったものなど地獄絵図だ

もちろんこの後は海でいろいろな生き物によって、分解されて行くことであろう




もちろん海に吹き飛ばされてしまって、海水で蘇生するものだけが全てではない

埠頭の上で激しく降り注ぐ大量の雨によって蘇生するものも数多く見受けられる

だがそれとて、彼女らが無事に蘇生出来たと言えないのは想像に難くないだろう



「デプププ♪ 高貴な私だから復活出来たデスゥ♪ 暑くないので帰れるデス」

復活したからそのまま簡単に帰れるという、実にお花畑思考なのが実装石らしい


現実は甘くはないのは言うまでもない、相手が台風でしかも周りに遮蔽物はない

そのため彼女がヨロヨロと立ち上がろうとした瞬間、一気に風を受けてしまった


そのため台風の強烈な風の中では、立ち上がる事すら彼女にとっては実に困難で

あることに気がつくには、さほど時間を要しなかったのは言うまでもないだろう


立ち上がろうとすると、強烈な風と横殴りの雨になぎ倒され一気に転がり始める

転がり始めたが最後だ、平坦な波止場の上ではストッパーになる物など何も無い


彼女の意思とはうらはらに、丸い体型の実装石ゆえ実にコロコロ転がされて行く

手を広げて止めればいいようなものを、逃げ出した時のデフォルトの姿勢である

手をバンザイ状態にしているものだから、ストップをかけるような事は出来ない


あっという間に埠頭の端まで追いやられてしまい、車止めがあるような場所なら

まだマシだが、普段から人があまり寄らない埠頭なので車止めすらほとんどない


そのため転がって来ては、蘇生を謳歌する事なくあっさりと海中に転落していく

当然ながら一匹や二匹のみでなくかなりの数が、埠頭のあちこちで繰り返される

こうして埠頭に転がっていた、多数の実装石は台風が去るまでに姿を消していた




埠頭に転がっていた実装石が、海に投げ出されてしまったのだけが全てではない

グレーチングにハマっていた仔実装・溝に落ちていた親指・蛆の存在もあるのだ


グレーチングの目にハマっていた仔実装は、あのあと強い直射日光を受けたため

程よく乾燥して干上がったため、目より小さくなったものは下に落下していった


また目に詰まっていたものも、血涙と同族の糞が雨で潤滑材となり下に落下した

先に落下した、同族の糞や潰された肉を食べて生き残っていた親指や蛆も居たが

それらもろとも、雨で徐々に復活して行くにはそう時間がかかることはなかった


だが、潰されて肉塊になった仔実装や、底に溜まった糞がところどころに滞留し

ダムを築いていたため、激しく流れこむ雨水でどんどん水かさが増してしまった


ダムで沈んだ所にいた蛆・親指・仔実装は、早くから水の洗礼を受けて溺死した

その死骸も浮遊して、水の流れでダム形成促進に更に一役買っていたと言えよう




だが非情にも水かさは限界に達し、実装石と糞で出来たダムが決壊したと同時に

辛うじて生き残っていた蛆・親指や蘇生したばかりの仔実装達も一気に流された

激流に翻弄されるがまま、緑色の濁流となり海へと一気に押し流されてしまった




一方公園の実装石達は無事かと言えばそうでもないが、埠頭よりはマシな程度だ

プラスチック樹脂製ダンボールに居た仔実装達はその後どうなったであろうか?

「雨が降り始めたテチ! 早くママがお家を横にしないと水が溜まるテチ!!」

「でもママはまだ帰ってこないテチ」

「昨日近くで声がしたテチ、でもなぜ帰らないテチ?」

「まだママの匂いが近くでするテチ! きっとまだ近くに居るんテチ!」

「チプププ、きっとたくさんコンペイトウが取れたので分けているテチ」

「ママー! ママーー! 早く帰って来て欲しいテチィ!」



だが、凄惨な骸となった母親が、仔実装達の前に姿を表わすことは能わなかった

そうしているうち仔実装達の心配などよそにして風雨はどんどん強くなって来た

「お腹すいたテチ・・・・ もう動けないテチ・・・」

「もうずぶ濡れテチ・・・ 寒くてたまらないテチ・・・」

仔実装達は生まれてこのかた味わったことがない、憂鬱な日暮れの到来を迎えた



母親は賢い実装石だったため、母親不在時でもプラスチック樹脂製ダンボールが

多少の強い風でも飛んで行かない様、拾ってきたレンガを箱の四隅に置いていた


雨の日はレンガを一旦取り出してから箱を横に倒して、屋根付きとしていたのだ

だがもはやダンボール箱を倒したりする母親は既に居らず、宵の帳が降りて来た



そして夜半を過ぎた頃台風が直撃した頃、埠頭ではまたまた異変が起こっていた

ちょうど大潮の満潮を迎えた埠頭では、折節高波が風上から埠頭の上に降り注ぐ

そして大量の海水が風上側から風に運ばれて、風下側の方に押し寄せて来るのだ



だが端の車止めやピット付近で、今まで辛うじて海に投げ出されずに耐えていた

実装石達が押し寄せる水と雨と風で、次々と力尽きて暗い海に投げ出されて行く


今まで堪えて来た実装石もたまったものではない、せっかく運良く蘇生したのに

せっかく今まで風雨に耐えてしがみついたのに、せっかく・・・せっかく・・・

暗い海に投げ出される実装石の悲鳴が闇を切り裂いて響くが、風に掻き消される



無情にも埠頭の上を大量の水が押し流し、明け方には全ての実装石が海に消えた

もちろんグレーチング部分の溝も押し寄せる水で、全てが洗い流されてしまった


埠頭は元のように綺麗になり、実装石達が死の行進をした痕跡を留めてはいない

ただ所々に、海から打ち上げられたゴミや魚が、一部散乱している程度であった




同じく公園も夜半を迎えた頃強まる風雨の中、プラスチック樹脂製ダンボールの

仔実装達は果たしてどんな夜を迎えたのであろうか? だがそこにあったものは

満々と水を湛えたプラスチック樹脂製ダンボールと浮いている仔実装達であった



日没と同時に箱の底に水が溜まり始めて、ゆっくりと水かさが増えて行ったのだ

もちろん箱の中の仔実装達の騒ぎは、ここで詳細に記述するまでもないであろう



必死に水から逃れるため大きい仔実装が、小さい仔実装を上に載せてしのいだが

じきに下にいた仔実装が水没して一気に溺れると同時に、上にいた仔実装もまた

水中に放り出されて姉妹仲良く溺れた上に、もがいた挙句に溺死してしまった



母親はこういう時の為にレンガを入れていたのだが、使い方を教えていなかった

4隅のレンガを仔実装が力を合わせて移動し、積み重ねて階段を作れば良かった

そうすれば、落下する時の衝撃はあるもののなんとか脱出することが出来るのだ


母親は賢く愛情深い個体ではあったが、それでも所詮実装石レベルの知力である

非常脱出準備はしていたが、実際の使用方法について教える事は全く忘れていた

こうして一番良いポジションであったはずの一家ですら、たやすく全滅したのだ





一方普通のダンボールハウスならどうであろうか? 水が溜まる事は無いはずだ

当然ながら普通に置いたままのダンボール箱が大半を占めるのは言うまでも無い



台風接近に伴い、おりからの強風に煽られたダンボール箱が吹き飛んでしまった

ものによっては、公園からそのまま強い風に押し出されて、転倒することもなく

埠頭の方にズルズルと、遠くまでおしやられてしまったダンボール箱もあるのだ


もちろん中の仔実装達は背が届かないためダンボール箱から脱出する事も不可能

吹き流されるがまま海へ投げ出されて、そのまま帰れぬ航海に旅立ったのもいる



また強風に煽られて箱がひっくり返り、仔実装達が派手にぶちまけられてしまう


箱が横転しながら移動するため、投げ出された仔実装が落下した所へ箱が落下し

勢いのついた箱の底面や側面に激しく叩きつけられて、苦痛を与えられるものや

確率は低いものの、運悪く箱の開口部の縁等で首と胴体が切断されてしまったり

更に確率の低い箱の角を叩きつけられ、えぐり取られたり圧壊されてしまったり

どうしてここまでとことん運が悪いのか?としか言えない程の惨状を呈してくる


そのまま仔実装達を残し、ダンボール箱はあれよあれよと遠くに飛ばされて行く

後に残された仔実装達が「テチテチ」と騒ぎながら、その場で走り回り始めるが

無情にも風に吹き飛ばされてしまい、仔実装達もあっさりとコロコロ転がり出す


テチテチと騒ぎながら転がっていく仔実装達が公園のそこかしこで見受けられる

転がっているうちに石や突起にひっかかかり、仔実装達は徐々にボロボロとなる


そのうち風に転がりながらテチテチ鳴いている仔実装達も次第に数が減って行き

挙句の果てにボロ雑巾のように成り果てた哀れな骸を、公園のあちこちに晒すが

容赦なく風雨がその骸を転がして行き、更に細かく引きちぎられて原型すらない





ダンボール箱に石の重しを入れているのは、先ほどの家族だけにはとどまらない

そのため強風が吹こうとダンボール箱は強い風に耐えて、その場に留まっている

だがしかし、横殴りの雨が降り始めると同時に、ダンボール箱の様相は一転する


徐々に水が滲みはじめ、ダンボールの強度はそれに比例して弱体化してくるのだ

そしてある一点を超えた瞬間に、段ボール箱は強風で一気に丸め込まれてしまう

たっぷりと水を吸って柔らかくなり、そして重くなったダンボールは突如として

強風で舞い上がると同時に、石が重みでそのままそこに残ったまま破れてしまう


そして破れたダンボールが、くるくる丸まりながら仔実装達を包み込んでしまう

こうなるともうお手上げだ、どのようにもがけどたっぷり水を吸って重くなった

体にまとわりついたダンボールから、仔実装の力では抜け出すことはあたわない


そのまま風でくるくると丸まったまま転がる、転がれば転がるほどダンボールは

ますます仔実装の体に密着し、身動きするスペースすらぴったりと埋めてしまう

そうしているうちに最終的に、ダンボール箱の成れの果てとなった紙玉と化した


そのおかげで同族から捕食される心配は無くなったが、当然出ることも出来ない

このダンボール紙玉は後日台風が去った後に乾燥して、カチカチに固くなるのだ

その後どうなるかは、本編で後ほど詳細に語られるので、しばしお待ち頂きたい






一方ダンボール箱から脱出に成功して、公園の茂みに逃げ延びた仔実装達も居る

公園の茂みはツツジなどの潅木で仔実装達が、外敵から身を守るのに適している


もちろん強風時も転がらず枝で制限されるため、広い所に出るより比較的安全だ

そのため、仔実装達は今までの経験もあり、本能的に植え込みに逃げ込んでいる

もちろん複雑な装飾などの影響などで、風も若干弱められている場所もあるのだ

そういった意味で植え込みに逃げ込めた仔実装は、生存率が上がったとも言える



ここまでしても、全てが上手く行かない不運な仔実装も残念ながら一定数は居る

強風下のダンボールハウスから避難し、妹達を連れて逃げて来た長女と以下数匹


「テェェ・・ココまで来ればとりあえず安全なんテチ・・雨だけ我慢するテチ」

「オネチャ、ママがまだ帰って来ないテチュ」

「ママが帰って来るまでなんとか生き延びてママが帰って来たら出迎えるテチ」

「オネチャ、ココは外に比べたら安全なんテチ?」

「雨だけ我慢テチ! 強い風が吹いても木に引っかかって飛ばされないテチ!」


姉妹の会話をよそに、一際強い風があたり一帯をなぎ払うように吹き抜けて行く

風が収まったと同時に、長女が妹達の安否確認のため点呼を取り始めた時の事だ

「皆大丈夫テチ?! 次女チャ 三女チャ!」

「オネチャ 大丈夫テチ!」

「ワタチも大丈夫テチ!」


茂みのおかげで吹き飛ばされずに済むため、仔実装は安堵しはじめたのであった

またまた、強い風が吹いて仔実装達は茂みの中であっさりと吹き飛ばされて行く

妹たちがまたもや長女の前に集まって、無事を報告しようとした時の事であった


妹たちが飛ばされないよう身を低くしながら、長女を見上げて無事を告げ始めた

その瞬間またもや風が吹き、妹たちの目の前で長女がよろめいて後ろにのけぞる

妹達が見守る中、長女の口からドロリと緑色に染まった木の枝が生えて来たのだ


公園の植え込みは定期的に剪定されるため、このように鋭利に尖った枝が出来る

長女は運悪く、その鋭利な枝に風圧で押し付けられた形で背中から刺しぬかれた

長女の有様を見て、すぐには意味がわからずテチテチ騒ぐだけの妹たちであった


しかし、長女が血涙とかすれた苦痛の声を上げた所でようやく事態が飲み込めた

そこで今更ながら、「テチャアアア!」と叫びつつ盛大にパンコンし始める妹達


だが風で飛ばされて来た先が、このように剪定後の鋭利な枝が多い場所であった

その後続く強風で、最後には姉妹全て仲良く枝に貫かれてぶら下がっていたのだ


その後全く動く事も出来ず、台風が去った後でも、数日間はぶらさがっていたが

次第に傷口から腐り始め、生き地獄を散々味わった果てに力尽きて絶命していく


このように運悪く枝で全滅してしまった姉妹達も珍しいが、この姉妹達以外にも

剪定時の尖った枝に貫き抜かれてしまった仔実装達も決して少なくは無いだろう

このように、台風は確実に人の手よりも遥かに効率的に実装石達を減らして行く





植え込みにも逃げ込まず、転がりつつも無事に移動できた仔実装達もいるのだが

これらは公園の水まわりに落ち、あっさりと溺死したものが大量に浮かんでいる

こうして庇護者を失った仔実装達は、自然の猛威の前にはあっけなく死んでいく




猛威を振るって各地で甚大な被害を残した台風は去ったので、公園に行ってみた

台風が過ぎた後の公園は、まさにそのまま言葉通りの状況としか言いようがない


公園内あちこちに散乱している木の葉や小枝、ゴミやダンボールの残骸、そして

仔実装達の変わり果てた姿が、今回通り過ぎた台風の激しい威力を物語っている


約一日に渡って吹き荒れた台風で、生き残った実装石達は極度に飢えてしまった

当然食事は出来ない上に、体力消耗が激しいため当然といえば当然の事であろう



まず飢えが襲ったのは台風の影響を免れて残ったダンボールハウスの仔実装達だ

台風が来る以前から箱から出ることが出来ないため、もう3日も飲まず食わずだ


当然の事だが、姉妹同士で食い合う惨劇が起こるのは、想像に難くない事である

蛆から食べられて行く、初めのうちは「蛆チャ・・」とためらっていた仔実装が

母親の胎教の歌を思い出して、ためらいながらもおくるみを剥がしてかぶりつく

「デッデロゲー♪デッデロゲー♪蛆ちゃんはカワイイ大切な家族なんデスゥ〜♪

食べものが無い時は、美味しいゴハンなんデス〜♪だから大切にするデスゥ♪」


そしてあちこちの箱から、蛆の「レピャァァァァ!!」という断末魔の声が聞こえて来る

「蛆チャとっても美味しいんテチィ♪ 柔らかいお肉でウマウマテッチュン♪」

こうして早い段階で蛆達は、次々と仔実装達の腹に収まってしまったのは当然だ


だが仔実装達の浅はかさというか、あまりの旨さもあるが腹一杯になるまで蛆を

次から次へと当面の事も考えて残す事もせず、全て食べ尽くしてしまったことだ


こうした仔実装程度の知力ゆえ計画性は全くあろうはずがない、それはひとえに

飢えるまでの期間が多少伸びただけだと気がついている仔実装はほとんどいない


そうして台風の翌々日は、生き残った姉妹の間で弱いものから食べられるという

バトルロワイヤルがあちこちで展開されていた、今までは仲良し姉妹だったのが

一転して自分が生き残る事のみ考え、相手を食べるのも厭わなくなって来たのだ



最後は糞ばかりの箱の中で、一匹だけ残った仔実装が佇んだまま刻だけが過ぎる

仔実装がまだ生きている以上時間が経てば腹が空いて来るのは当然の摂理である

だが仔実装一匹だけの箱の中には、唯一姉妹や自分が出した糞しか残っていない


以前母に連れられて公園散歩をした時に、ハゲ裸糞虫が糞を食べているのを見た

当時は見下して冷笑したものだが、いざ自分が糞を食べるしか無い場合になると

その糞虫親仔の食糞場面が蘇って来て、自分が食べるのがためらわれて来るのだ



それでも時間は冷酷に過ぎ、仔実装の空腹はもはや我慢の極限に達してしまった

ついに口に糞を運んだものの、何度も何度も激しく嘔吐しながらも嚥下していく


だがそれもいつしか静かになり、箱の中からは幸せそうな仔実装の声がし始めた

「ウンチたっぷりあるんテチュ♪食べきれないテチュ♪ウマウマテッチュン♪」

仔実装はこうしてたった一匹だけの狭い世界で我が世の春を謳歌するのであった

だがその後は、台風後に行われた公園清掃時に箱に除菌剤と殺実装剤を散布され

短くて哀れでありながらも、幸せであった我が世の春はあっけなく終了を告げる




一方箱から脱出に成功して、茂みに逃げ込んだ仔実装達もかなり生き残っている

ところが台風一過後、親も居ない状態で食べ物を求めて、公園を徘徊しはじめる


そうなると公園に残っていた成体から見れば、この食料のない時に格好の食事だ

逃げようにも足が遅く、あっさりと捕まってしまい頭から齧られて行く仔実装達


公園のあちこちでは、植え込みから出てくる仔実装を待ち受ける成体が見られた

その結果、公園に残った仔実装はこうして捕食される事によりその数が激減した




やがて、お盆の帰省ラッシュシーズンを襲った台風の爪あとも残るものの公園は

市役所の清掃などや、水がまた流されることにより通常の状態に戻りつつあった


そして、人々がまた公園を訪れ初めたのは、ようやく公園がきれいに戻った頃だ





お盆を過ぎると、子供達は夏休みラストスパートとなる、両親の帰省先の田舎で

覚えた爆竹やロケット花火などの「武器」を使って遊ぶことも普通となってくる


そのため公園のあちこちで見つかった昆虫や、蟻の巣も爆竹等で破壊されてゆく




草を食べながらも公園で生き残った仔実装達の飢餓は、もはや極限に達している


普通ならば仔実装が興味本位で人間に近寄ろうとしても、親実装が人間の怖さを

知っているため仔実装らを制止するのだが、いまや彼女らを引き止める親実装も

すでにおらず、飢えが極限に達した仔実装達は、無防備にも人間に近づいて行く



そして子供たちの前で、テチテチと鳴き己が飢えをアピールし始めたのであった

子供達が実装リンガルを持っているなどという事は、当然の事ながら皆無である




仔実装達は親から教えられた「いい子にしていれば飼ってもらえる」それを信じ

「自分は飼ってもらえる」と人間に飼われる事を期待して子供達に近づいていく

「カワイイワタチを飼っテチィ♪ きれいなお歌も上手に歌えるテッチュン♪」

「チププ そこのクソ人間 コウキでカワイイワタチを飼わせてやるテチュ♪」

「ニンゲンサン 言う事聞く良い子にしますからワタチを飼って欲しいテチュ」

賢い仔から糞虫や普通の仔実装達全てが入り乱れ必死に子供たちにアピールする



だが、いかんせん前述のとおり子供達は実装リンガルなど持っていないどころか

実装石そのものを、今までにあまり見たことがなかったというのが実情であった


人形のようなものがテチテチ鳴きながら近寄って来るため興味が先に立ったのだ




こうして実装石については全く知らないか、少しだけ知っているものの断片的な

知識しかない子供たちにとって、格好のおもちゃが自分からやって来たのである


仔実装達の子供達に対する期待と、子供達の仔実装に対する期待は、その内容が

お互いに著しくかけ離れてはいるが、お互いに引き寄せられる点では同一だった



「チププププ♪カワイイワタチの魅力にこの人間はもうメロメロなんテチィ♪」

「チワーイ!♪早く早く飼っテチ!飼っテチ!飼っテチ!もう嬉しいテチィ♪」

「ニンゲンさんありがとうテチュ・・この恩はずっとずっと忘れないテチュ!」




だが子供達の仔実装達に反応は、実にシンプルな事は言うまでもない事であろう

「なあ、これってあのジッソーセキってやつ?俺初めて見たよ!生き物なの?」

訳の分からない仔実装達は、子供達の前で嬉しそうにテチテチと声をあげている



「電池で動いてんのかな?ちょっと服脱がせてみよーぜ、スイッチあるかもな」

おもむろに手にした仔実装の緑色の服を引き破りながら、裸に剥いて行く子供達

仔実装が必死に叫ぶ抗議の声も、何を言ってるかわからず一切耳を貸す事もない



「わっ!こいついっちょまえにパンツはいてやんの!パンツ取れるのかな?w」

服を取られてパンツだけになってしまい、必死に抵抗と抗議の声を上げる仔実装

いかんせん、力の差はあまりにもはっきりしすぎているため無駄な抵抗であった


「おっ?ちゃんと穴があるぞ?ってことは生き物かな?でも[わぁい]無いぞ?」

「やっぱり人形かな?メスかも知れないよねぇ、オスはどこにいるんだろう?」

穴を良く観察しようと子供達が次に取った行動は、更にむりやり足を広げる事だ

仔実装は、股をこじ開けられる痛みから必死に逃れようとチィチィと鳴いている


「うーん、穴に棒いれてみるか?入れば生き物だと思うけど、お!入った!!」

「デヂャッ!デヂャァァァァ!!ヂャァァァアァァァアァァァ!!」

木の枝そのもののゴツゴツした棒を挿し込まれた痛みで、更に泣きわめく仔実装


「うわ、左右の目から色違いの涙が出てるぜ、てか人形ちゅーか作り物かよ?」

それも当然である、普通の生物であれば左右から目の色の涙を流す事などは無い

そのため実装石を知らないと、良く出来た人形と思っても不思議ではないだろう


子供達がやはりこれは人形なのか?と思い始めても実に違和感のない現象である

「髪って飾り?それとも生えてるの? あっ!引っ張ったらブチっと抜けたw」

そう言いながら、仔実装の見ている前で髪をはらはらと少年が振り落とし始める


それを見た仔実装が状況を理解し、必死に泣きわめきながら同時に脱糞し始めた

「わっ臭せぇ!こいつ緑色のウンチをブリブリ出しまくってるよ!汚ねぇ〜!」

手にしていた少年の驚きで、強く地面に叩きつけられ緑色のシミとなってしまう

その様子を見た少年達は、水風船を落下させて割る事を連想し、投下大会となる

かくして、あちこちに投げつけて緑色のシミが公園のそこかしこに出来上がった



一方、他の少年達に捕まった仔実装は、興味津津の少年たちにいじりまわされる

「この首ってくっついてんのかぁ?引っ張れば抜けるんじゃね?せーのっと!」

少年はなおも首を強く引っ張り、くっついているか、はめ込んでいるのか調べる


「ヂィィィィィィィ!! ヂヒュ・・・」

悶えていた仔実装の鳴き声が、短く空気が軽く漏れる音になり首がもぎ取られる


「あ・・・汚ったねぇ・・・ 緑色のウンチが首からも出てきやがんの・・・」

それもそのはず、糞袋と言われる実装石の体内の消化器官は首から始まっている

首が抜けた時に体を掴まれていることにより、あっさりと糞が押し出されるのだ




中にはひっそり人目に付かない深い木立の奥で、一人仔実装と戯れる少年もいる

チィチィと人懐っこく寄ってくる仔実装を抱き上げたり、撫でたりして可愛がる

そのうち、興味が昂じて仔実装の服をすべて剥ぎ取って体のあちこちを観察する


足を開いて左右の足の間にある物をしげしげと見た時、少年はある事を思い出す

「ジックス」 それは、まさに精通間近な少年にとっては禁断の果実と言えよう


ネットで見たジックスとは、実装石の股間に自分の(わぁぃ)を挿入する事だと

おぼろげながらに理解しているだけで、それ以上の詳細なことは理解していない

だが本能的な「穴に入れてみたい」という衝動は、むくむくと頭をもたげて来た



少年は周りを見回して誰も居ないことを確認した上で、ズボンとパンツを降ろす

もうすでに少年の(わぁぃ)は今までに無いほど立ち上がって怒張しきっている

よくわからないまま少年は仔実装を下半身にあてがい、ゆっくりと挿入していく



「ヂャアアアアアアア!! ヂャギャアアアア!!!」

仔実装が悲鳴を上げて必死に痛みにもがき始める、それも至極当然の事であろう

まだ未熟な少年とはいえ、15センチそこらの仔実装から見て体の1/3はある

明らかに仔実装から見て大きな物が、彼女の躰を無理やり貫こうとしているのだ



ますます大きくなる仔実装の悲鳴、一般的に仔実装と言えどもその上げる悲鳴は

一体小さな体のどこから出しているのかと思う程、大きな事はよく知られている



少年はその声のあまりの大きさにビクッとして、一旦彼が行おうとしている事を

中断して仔実装の口に、先程剥ぎ取った仔実装のパンツを堅く丸めて押し込んだ

その上から今少年が噛んでいたガムを適当なサイズにちぎってみっちりと塞いだ

それから、少年は念のため辺りを見回して、近くに人影が無いことを再確認する


安心出来たのか、彼はまたもや彼女をがっしり掴んだまま、下半身にあてがった

ずるり、にゅるっ、一旦先が入りさえすれば後はすんなりと根本まで挿し込める


というのも無理はない、少年のモノがまだそれほどの大きさでないにも関わらず

仔実装の躰のサイズに対しては、極めて巨大なモノであることには変わりはない

少年のモノが入ったという事は、仔実装の下半身が裂けていることに他ならない


ミリッ!ビキビキビキ!!激しい激痛を伴いながら少年のモノを呑み込んで行く

「! !!」口をしっかりと塞がれた仔実装の無言の悲鳴だけが虚しく響き渡る


根本まで入った次の瞬間、少年が彼女の躰を持ったまま激しく動かし初めたのだ

「ヴォグゥゥゥ・・・ ヴィィィィ・・・」当然の事ながら、彼女の口はしっかり塞がれている

激しい痛みに抗うすべもなく、彼女はただただ泣き叫ぶ事しか出来ないのである


そして激しい手の動きは急に止まり、彼女はぐっと根本まで強く押し付けられる

そして少年の未熟なものは、初めての快感と共に強く脈打った後に静かに果てた

うなだれることを知らぬ彼自身は、上下に跳ねながら彼女の躰から引き抜かれる




後に残されたものは激しく裂けた仔実装の下半身と、緑色になった両目であった

もっとも仔実装ゆえ生まれてくるものは、良くても親指実装か、殆どは蛆である

ましてや弱った体に裂けてしまった下半身でこれ以上生きることは難しいだろう


仔実装も出産に至る事もなく、少年はその後実装石が妊娠する事などは知らない

実装石相手に快楽を知ってしまい、一人のジックス派が生まれた瞬間でもあった


その後はこの公園で、成体・中実装・仔実装が次々と両目を緑色にされて行った

後日公園で黒髪の仔実装が増えた事も、全く無関係であると断定出来ないだろう


少年はこの行為を繰り返した結果、後日下半身が痒みを伴ってただれてしまった




仔実装の総排泄孔から棒を挿し、棒を次々と地面に突き立てて行く少年達もいる

高さ的に成体から襲われる事はないが、身動きも取れずジリジリと日に焼かれて

棒の先で干物と化していく様子が突き立てた時期により段階を追って観察出来る

これはあっさりと公園清掃時に廃棄されてしまうため、その後は実にあっけない




少年達はまだ他にも居るため、少年達の遊び方のバリエーションに際限など皆無

集まってくる仔実装を這い上がれない穴を掘り、そこに大量に落とし込んで行く

そしてまとめて仔実装を生き埋めにし、水をかけて固めてしまった少年達もいる

徒労感ばかり強いだけで、実に面白くもなんともないため、一度やれば終わりだ




もちろん、先程述べた少年達が持って来た爆竹やロケット花火などの餌食となる

仔実装達も少なくないのは自明の理というべきであって、とりたてて珍しくない


初めは服の中に入れて天下するといった程度であるが、段々とエスカレートして

総排泄孔や口や耳穴にロケット花火や爆竹を挿した状態で、次々と点火していく


耳は口が激しく吹き飛ばされてもすぐに死ぬ訳ではないためそのまま放置されて

公園には多くの体の一部を損傷した仔実装が痛みにうめきながら放置されている


中にはロケット花火を体の周りに巻きつけられて打ち上げられる仔実装もいるが

ロケット花火の噴出は安定しておらず、少し浮いたかと思いきや、じきに墜落し

地面に激しくすりつけられて、傷だらけでボロボロになっていく仔実装が殆どだ


中には運良く噴出のバランスが取れてある程度の高度まで到達するものもいるが

じきにロケット花火が立て続けに爆発し、そのまま落下して緑の染みとなるのだ




こうして少年達から遊びとして一方的な虐殺を受ける仔実装だけが全てではない

中には公園に遊びに来た親子連れの元に、飼われる事を願い近づく仔実装もいる


子供は人形のような姿でテチテチ鳴く仔実装を、気に入って飼おうとするものの

残念ながら親の都合が優先されてしまい「生き物は飼わない」「実装石が嫌い」

などの理由で、仔実装が人間に飼ってもらえる可能性は限りなく低いと言えよう



それでも必死に飼ってもらおうとアピールする仔実装は、親から棒で叩かれたり

子供が見ていない間に、親によって遠くに投げ捨てられ緑の染みになったりする


やはり公園で暮らす野良仔実装が人に飼われるにはハードルが高すぎるのである




それとは逆に、仔実装達を飼ってやると言って集めている人物もまれに存在する

だが目的は仔実装達の思惑とは全く違う目的で、虐待用に集めているだけである


仔実装達が目的に気がついても時すでに遅く、生きている事を呪う日々が始まる

こうして虐待派に捕獲され、公園に戻って来る事が出来た仔実装は一匹もいない





人々が戻って来たと同時に今回の台風ですっかり荒れ果てた公園の清掃も行わる

悪臭を発している実装石の死骸、糞で溢れたダンボールハウスも処分されていく

こうして公園からかなりの数の実装石が減ってしまったのは言うまでもなかろう



また、台風の最中濡れたダンボールが強い風で丸められた事は前にも述べた通り

その後快晴・気温・直射日光でカチカチのダンボール紙玉となって転がっている

ゴミ回収されたものは、まだ幸せな方であろう、この期ゴミ収集車で回収されて

一気に高熱で焼き上げている焼却炉に放り込まれるため苦しむ時間は短いだろう



だが公園にゴミを拾いに来る浮浪者も居るため、絶好の焚き火材として拾われる

この後一斗缶で、紙くずや木切れと一緒にじっくりと焼かれる運命が待っている

いかんせん、カチカチに固められたダンボールのため身動きも取れず、悲鳴すら

上げる事も出来ない状態で、じわじわ時間をかけて蒸し焼きにされてしまうのだ

そして、最後には炭となってじっくりと灰になりその姿すら存在が分らなくなる




そして夏休み終盤、公園はまたもや人々で賑やかになるものの、一方実装石達は

コンペイトウ行進に参加せず、残った実装石達だけが静かな夏の終わりを迎えた



そのため今年の秋の駆除は驚くほど少なかったので地元の新聞社のトップ記事で

「異変?実装石が消えた!?」という見出しで特集されてしまったのには驚いた



消えた理由については各種分野の専門家によって、いろんな説がもっともらしく

語られていたが、単純に埠頭に集めて


もっとも、去年はこんなことをしなくても秋の深まりと共に食料が無くなって

同族食いの地獄と化していたので、結局は何も変わらないような気がしてきた

所詮実装石だからなあ・・・来年はもうめんどくさいからやめておこう・・・


— 終 —







あとがき

多くの職人さんのサポートを得て仕上げました。なんと総勢7名!

レジェンドクラスの方が大半で恐縮しております。

ここに、皆様のご協力について感謝申し上げます。



面白さの追求ではなく、自分の中の実装石のイメージを追って書いたものです。

実装石のもつテンプレ的な行動に伴う結果の様式美をつらつらと書くことにより

実装石ワールドの楽しみを共有していただければと思います。

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1 Re: Name:匿名石 2017/09/24-07:57:43 No:00004899[申告]
内容自体はオーソドックスながら見所多いのに、日本語と文章の使い方が下手過ぎて色々と残念な作品。
2 Re: Name:匿名石 2017/09/26-19:44:18 No:00004900[申告]
言うほど下手か
確かに最初の方は説明文が延々と続いてパッとしないがその後は普通じゃないか
改行も適宜入れられているから行が長すぎてスクロールすることもない
逆に内容はテンプレとことわってるとはいえどこかで見たような灼熱モノとどこかで見たような台風モノとどこかで見たような子供の遊びモノの合体で普通だと思った
3 Re: Name:匿名石 2023/07/04-06:26:50 No:00007429[申告]
最初に公園に何千匹レベルで実装がいないとちょっと無理じゃないかという気も
というか台風当たりで99%ぐらい死にそうな気も
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