とある普通の町に一人の虐待派の青年(名はあきとし)が一匹の裸の実装石(名はミドリ)と暮らしていた もちろん可愛がるつもりなど毛頭ない、ストレス発散用のオモチャとしてだ イライラした時には蹴り飛ばしたりバールで殴りまくり、ナイフで切り刻んだり、無理矢理子供を産ませて目の前でジワジワ嬲り殺してその反応を楽しいんだりと 虐待派らしく暮らしていた そんなあきとしの下で生活しているミドリ、「テッテレー」と先代ミドリから産まれた直後から成体実装になるまでの毎日が地獄のような生活で その虐待漬けの生活の悪影響で服も頭巾も家族も失い(あきとしの気まぐれで髪だけは残った)、更に子供を産めない体となり、そんな毎日に絶望しか感じなくなっていた もちろん虐待されないようにする為に努力はした。並のお手伝い実装以上にあきとしの家を掃除したり庭の手入れをしたりとできる限り頑張ってはいたが 『実装石=ゴミ・オモチャ』の図式しか頭にないあきとしに対しては全くの無駄な行為でしかなかった そんなあきとしの家から1km程離れた所にある公園を挟んでさらに1km行った所に一人の愛誤派の青年(名はのぶあき)が一匹の実装石(名は緑)と暮らしていた もちろん虐待するつもりなど毛頭ない、自身の生活の潤いの為だ 実装リンガルすら持たず自分に出来る限りのおいしい食事、オモチャ、洋服、あらゆる物を買い与えてその時の緑の反応をとても喜び 文字通りの愛「誤」派らしく暮らしていた そんなのぶあきの下で生活している緑、ペットショップで買われた直後から成体実装になるまでの毎日は天国のような毎日だった にもかかわらず緑は毎日に絶望しか感じなくなっていた その理由は「ここの家の贅沢の限界」を理解してしまったからだ、野良実装が見れば誰でも羨ましがる飼い実装生活なのに当の本石は 「あのドレイの稼ぎが悪いせいで世界の至宝であるワタシはこんなミジメな生活デス」 「あのドレイは高貴なワタシにふさわしい生活をさせないなんて酷い虐待デス、ドレイは身を粉にして主人に尽くすって常識を知らないなんてとんだ能無しデス」 「もっといいドレイが見つかればこんなボロ家もドレイも捨ててやるのに・・・・全く世の中は不公平デス」 こんな事しか考えていない、のぶあきが甘やかした生活をさせたとは言え、躾済み飼い子実装だった緑は幸せ回路全開の世間をなめた糞蟲に成り下がっていた そんなあきとしとのぶあき、お互いの面識は全くないが実蒼石を飼っている共通の友人(名はとしあき)がいた としあきはペット実蒼石のブルーを連れてちょくちょく二人の家を訪れる事があるが、その度にブルーはいやな思いをしていた まずあきとしの家、飼い主と遊びに行く度にブルーはミドリが実装石とは言えいつも可哀想でしかたなかった としあき達の前で視界に入ったが悪いと殴られ、気が向いたからとアイスピックでメッタ刺しにされ、 虐待中に悲鳴を上げなかったのがムカつくからと腹を捌かれた事があった (あきとしとしては虐待の楽しさをとしあき達に教えているつもり) それでも文句一つ言わないミドリにブルーはニ石きりになった時話した事があった 「君はどうしてこんな酷い目に遭っても逃げないボク?」 その問いかけにミドリは暗い口調で答えた 「命の石・・・・・捕られてるデス・・・逃げればご主人様は間違いなくワタシの石を壊すデス・・・・ どちらにせよ・・ワタシには逃げる事も出来なければ逃げる場所もないデス・・・・」 押し殺すように嗚咽しながらそこまで喋り、ドス黒い涙を一筋だけ流してミドリは俯いた その姿を見てブルーは思った (ミドリは産まれる場所さえ違えばきっといい飼い実装になれたはずボク、でも可哀想だけどボクにはどうにも出来ないボク) そしてのぶあきの家、飼い主と遊びに行く度にブルーはイライラして仕方なかった とにかく全てを舐め腐った緑を見ているとイライラする、今すぐに鋏を取り出して目の前の糞蟲を八つ裂きにしてやりたい衝動に何十回以上も襲われたことか だが緑はのぶあきが溺愛している飼い実装、実際に手を出してはいけないのはちゃんと理解はして我慢しているのだが・・・ 「デ〜ップップップップ、実装石が目の前にいるのに狩らないなんてとんだ不能実蒼石デス」 「所詮クソドレイに媚へつらうしか能のない蒼蟲デップ〜ン、お前なんてちっとも怖くないデッス〜ン」 顔を合わせれば始まる緑の挑発はいつもブルーのコメカミに怒りの青筋を立てさせた (この糞蟲がぁ!!飼い実装じゃなきゃ産まれた事を後悔する地獄を味合わせてやるのに!!) そしてとしあきと共にそれぞれの友人の家を出る時、ブルーはいつも同じ事を考えていた (ミドリと緑、あの二匹飼い主が入れ替わればいいのに・・・・・) そんなある日のあきとしの家で事件が起こった いつものようにあきとしが外出している間に日課のリビング掃除をしていたミドリは部屋の隅に昨日は無かった小さなビンに気付いた 「デ?これは何デス?」 何気に拾い上げ中身を確認したミドリは息を飲んだ 「こ・・・・これはワタシのお石デス!!どうしてこんな所に!!」 見間違う訳がない、何かの液体に浸けてある緑色の石はミドリの偽石だった、ミドリは一瞬何か違和感を感じたがそれも脳内からすぐに吹き飛んだ なぜなら自分に今千載一遇のチャンスが訪れている、偽石を取り戻した今なら逃げられる!!逃げるなら今しかない!! ミドリの頭の中は今「あの男から逃げる」事でいっぱいになっていた 「と・・・とにかくアイツがいない今しかチャンスはないデス!!何か着れそうなモノを探すデス!!」 ミドリは頭をフル回転させて服の代用品になりそうなモノを探し始めた、そしてミドリは台所の流しの引き戸で偶然にもソレを発見した 「こ・・・これはドレスデス!!ポシェットも首輪もあるデス!!」 ミドリでも簡単に開けられる流しの引き戸と言うあまりにも不自然な場所に新品の高価そうな実装石用ドレスと首輪、 そしてこれまた不自然な新しいピンクのポシェット、しかも中にはコンペイトウがぎっしりと詰まった新品の袋が入っていた もし普通の状態のミドリがこのドレスを見つけたら絶対に怪しいと思うだろう、しかし今のミドリはこの不自然さに気付いていなかった まあ無理もない、今のミドリの目の前には一生に一度の大チャンスがある、そのせいで違和感にも不自然さにも全く気が回らなくなくなっていた 「と・・とにかくこれを着れば外に出れるデス!!」 ミドリは産まれて初めて着るドレスと首輪に手こずりながらもなんとか着込み、ポシェットに偽石入り小ビンを入れてから肩に掛けて玄関に向かった するとこれまた不自然に玄関のドアが半開きになっているではないか 「ドアが開いているデス!!これなら逃げられるデス!!」 ミドリは半開きのドアを押し開けるとまず入口から顔を出して周囲を見回した 「まだ帰ってこないみたいデス・・・とにかく逃げるデス」 ミドリは周囲の安全を確認してからあきとしの家を飛び出した、しかしそんなのは所詮あきとしによって作られたチャンス わざとミドリが見つけられるような所に偽石を転がし、ミドリが探しやすそうな場所に目立つ配色のドレスと万が一の発信機が仕込んであるポシェットを置き 後は玄関のドアをわざと半開きにして隠れていたのだ、その理由はずばり「逃亡上げ落とし」 虐待漬けにした糞蟲に逃亡のチャンスを与えて有頂天になった所を捕獲する、最近ネットで流行っている遊びの一つだ 「いつもはご主人様って言ってんのが逃げられると分かればアイツかよ・・・・全くとんだ糞蟲だな」 予想通りの行動を取って逃亡したミドリを隠れて見送ったあきとしはあきれたように呟いた 「まあいい,これで『上げ』は完了したな・・・んじゃそろそろ『落とし』に・・・」 そう呟いてミドリに追いかけようとしたその時、あきとしの携帯電話が鳴り出した 「??・・誰だ?ってとしあきか」 電話の主を確認したあきとしは早速電話に出た 「おうあきとし、今暇か?」 「ちょっち忙しいんだが・・何か用か?」 「いやさ、裏ビデオの通販頼んだらさ、お前好みの巨乳系JKがオマケで6枚位送られてきたんだよ、だからお前いるかな〜と思って電話したんだけど」 「それを早く言えよ親友!!マッハでお前の家に駆けつけるぜ!!」 「いいのか?確か今お前忙しいって・・・」 「とにかく巨乳を用意して待っててくれ!!5分で駆けつける!!だから絶対誰にも貸すなよ!!」 としあきからの電話を切った時には電話に出る前に自分が何をしていたかすっかり忘れ、あきとしは急いでとしあきの家に向かった それは仕組まれていたはずの奇跡に本当の奇跡が起こり、それがミドリに味方をした瞬間だった ミドリがあきとしの家を脱出する少し前、のぶあきの家の緑が癇癪を起こしながら殆ど入っていない自分専用のクローゼットを漁っていた 「ない!!ない!!ないデス!!ワタシのお気に入りのドレス達がないデス!!」 いつもならそれなりの数の服やドレスの入っているクローゼット、しかし今日に限ってその衣装が全て消えていた 「あれ?緑、何やってんだい?」 外から帰って来たのぶあきは緑のデスデスの大声を聞きつけて緑専用の実装ハウスを覗き込んだ 「デシャア!!デスデスデギャア!!デッシャアアアアアアアアアア!!」 (クソドレイ!!高貴で美しいワタシのドレスを盗んだのはお前かぁ!!) のぶあきの存在に気付いた緑はクローゼットを指しながらのぶあきに吠えた 「ん?服の事?それならさっきクリーニングに出したばっかりだよ。だから緑、悪いけど今日一日だけ我慢してくれないかな?」 「デッギャアアアアアアアア!!」 のぶあきの言葉は緑は理解できる、しかし緑の言葉はのぶあきにはデスデスにしか聞こえない つまりのぶあきの言い分は通っても緑の本音は全く通らない訳だ 「リンガルなんか無くっても心が通じ合えば分かり合えるはずだ」 こんな愛誤派特有のアホな事を真剣に力説するのぶあき、だが緑にはたまったモノではない、 いくら事細かに要求しても身振り手振りのジェスチャーを加えなければのぶあきはちっとも理解してくれない。だから今回も 「デギャアア!!デエッスデスデス!!デシャ!!デギャアア!!」 (ふざけるなクソドレイ!!返せ!!ワタシのお気に入りのドレスを返すデシャアア!!) 緑が両手をバタつかせて暴れだしたのを見てのぶあきは 「ああ、お腹が減ってるのかい緑?ゴメンゴメン、すぐに朝食の用意をするからちょっと待っててね」 自分に都合良く解釈したのぶあきは緑の癇癪を空腹だと決め付け、さっさと台所に行ってしまった 「デッギャアアアア!!あのクソドレイィィィ!!なんで高貴で美しいこのワタシがこんな屈辱を受けなければならないのデス!! もう堪忍袋の緒が切れたデス!!こんなボロ家もう出て行ってやるデス!!」 完全に頭に血が昇った緑は唯一残っていた普段着にしている少しくたびれた実装服を着込み、これまた少しくたびれたポシェットを肩に掛け おやつのコンペイトウと護身用のデスゥタンガンをポシェットに入れて実装石専用の玄関からのぶあきの家を飛び出した その頃、台所で緑の朝食を用意していたのぶあきの携帯が突然鳴り出した 「あれ?・・・・としあき君だ」 どうやら電話の相手は友人のとしあきのようだ 「はいもしもし、のぶあきですけど」 「グッモーニー」 「・・・朝からずいぶんとハイテンションだね」 「いやいや、あのさ、昨日あげたクリーニング店の割引チケットってあれ使えそう?俺期限見ないでのぶに渡したからちょっと気になってさ」 「あのチケット?全然大丈夫だったよ、今朝早速緑の服を出しに行った所だったから」 「そうか、それでさのぶ、実は・・・・」 結局この後、20分近くも電話に夢中になっていたのぶあきは緑が出て行った事に全く気付かなかった 「デエ・・デエ・・デエ・・・こ・・・公園デス、ママが昔教えてくれた通りデス・・・」 一方、あきとしの家からずっと走り続け、母親が生きていた頃のうろ覚えの話を頼りにミドリはやっと公園に辿り着いた 「やっと着いたデス、早速野良共をいたぶってストレス発散デス」 そして、ミドリが入った入口とは反対側からデスゥタンガンをバチバチさせながら緑が入ってきた 「デエエ・・・それにしても静かデス、誰もいないのデス?」 暑い日差しの中ミドリはキョロキョロしながら公園を歩き始めた、 もしこれが過ごし易い春や秋だったら同族に会えただろう、ただし命の保障は一切ないけど 幸運な事に今は極暑の夏、こんなクソ暑い昼前にうろつく馬鹿は飼い実装しかいない、野良はみんな日陰に隠れてジッと日が暮れるのを待っていた そんな事を知らない緑は癇癪を起こしながら公園を歩いていた 「イライラするデス!!どこにもクソムシがいないデス!!これじゃストレス発散できないデス!!・・・・デ?」 「とにかく一休みするデス、走り過ぎて疲れたデス・・・・デエ?」 ここで緑とミドリ、偶然にも公園のとある茂みの近くで出会った 緑を見たミドリは思った (デデ、ママ以外の大きい実装石デス・・・そう言えば昔ママは『機嫌の悪そうな同族には近付くな』って言ってたデス・・・ なんだか機嫌が悪そうデス、関わらないほうが良さそうデス) ミドリを見た緑は思った (なんデスかあのクソムシは、アイツ・・・生意気に綺麗なドレスとポシェットを持ってるデス・・・ムカつくデス・・・ムカつくデス) 傍目から見ればかなり大切に扱われているように見えるミドリ、その姿を見た緑はある事を思いついた 「デシャアアアアアアア!!」『バリバリバリバリ!!』 緑は持っていたデスゥタンガンをスパークさせながらミドリを威嚇した 「デエエ!!デヒィ!!」 突然の同族の威嚇と光る電撃に驚いたミドリは間抜けな声を上げ、その場で腰を抜かした 「い・・いきなり何デス、そんな危ないモノをコッチに向けないでデス」 「うるさいデス!!クソムシの分際で高貴で美しいワタシより高価なドレスを着るなんて生意気デス!! おいクソムシ!!そのドレスは高貴で美しいワタシが着てこそ真価を発揮するモノデス!!分かったらとっとと寄越せデシャアアアア!!」 緑の考え付いた事、それは『ミドリの服の強奪』である 「そ・・そんな!!これを取られたらワタシは・・・」 「黙れデシャアアア!!お前に選択の権利なんてないデシャアア!!イヤならお前を殺して奪うまでデス!!」 緑の血走った目にミドリは命の危険をはっきりと感じた 「デエエ!!待ってデス!!あげるデス!!ドレスを渡すデス!!だから命だけは助けてデス!!」 ミドリはそう言って大慌てでドレスを脱いで緑に渡した 「チッ、最初からそうすればいいのデス。全くクソムシは物分りが悪い奴ばっかりデス」 緑はブツブツ文句を言いながら自分の服を脱ぎ捨ててドレスに袖を通した 「デププププ、美しいデッス〜ン、さすがは高貴で美しいアタシデス、美しいアタシは何を着ても似合うデッス〜ン」 「デエエエ・・・・」 着ていたドレスを取られたミドリは情けない声を上げてトボトボと歩き出そうとしたその時 「おいクソムシ、誰が行っていいって言ったデス?」 突然ミドリの背後から緑が声を掛けた 「デ?まだ何か用デス?」 「用はお前のポシェットと首輪デス、それも置いていけデス」 目ざとい緑はドレス以外のモノもしっかり見ていた 「デエエ!!こ・・・これもデス?」 「当たり前デス、分かったらとっとと置いていけデス」 ミドリは少し迷ったが命を取られるよりマシだと判断し、泣く泣く首輪とポシェットを緑に渡した 緑はミドリから毟り取ったポシェットを物色すると小汚い小瓶が出てきた・・・・それはミドリの偽石が入った小瓶だった 「デ?何デスこのきったないビンは?」 緑は不思議そうに偽石の入った小瓶を持って見ていたがスグに興味を無くし 「こんなきったないモンいらんデス」 と言って小瓶を放り捨てた 緑は捨てられた小瓶を慌てて追い掛けるミドリには目もくれず、早速首輪とポシェットを身に付けた 「デップ〜ン、やっぱり新品はいい物デッス〜ン、高貴なアタシの魅力がますます引き立つデス〜ン」 思わぬ形で手に入った新品のドレスと首輪、そしてポシェットと新品のコンペイトウに上機嫌となった緑は満足そうな声を上げながらスキップでどこかに行ってしまった 「デエエエ・・・・この服・・・無いよりマシデス」 ミドリは寂しそうにそう呟いて緑が脱ぎ捨てた実装服を着込み、くたびれた首輪とポシェットを身に付け、そのポシェットに自分の偽石入り小瓶をしまったその時 「ミドリ〜・・・どこにいるんだ〜い?」 遠くから聞こえる間の抜けた人間の声にミドリは一瞬で真っ青になった、無理もない、その声の主はあきとしだったからだ 「ミ〜ド〜リ〜、ここに逃げ込んだのは分かってるんだぞ〜」 あきとしはニヤニヤしながら発信機の位置を確認してゆっくりと歩き出した。一方のミドリはと言うと・・・・ 必死になって辺りを見回し、隠れられそうな場所を探した。その時、偶然にもミドリは木箱で出来た野良実装の家を見つけ、すぐさま飛び込んだ 「デデ!!何デスかいきなり!!お前は誰デス!!」 突然見慣れない成体実装が飛び込んできた事に木箱の持ち主の野良実装が驚きの声を上げた 「お願いデス!!どうかワタシを匿ってデス!!」 ミドリは野良実装に土下座をしてからポシェットを探り、食べかけのコンペイトウの入った袋を差し出した 「これを差し上げるデス!!どうかあのニンゲンがいなくなるまで匿ってデスゥ!!」 この家の野良は運良く少し社交性がある個体だったらしく事情は判らないがコンペイトウが大量に手に入るなら良しと判断して木箱の隅に置いてあるタオルをどかした 「ここに来るデス、上からこのタオルを被っておくデス」 そう言ってミドリを匿った タオルを被ったミドリの体は恐怖で汗が引き、ガチガチと歯を震わせてあきとしが早くいなくなる事を祈った、だがしかし 「そこかな〜、ミ〜ド〜リ〜」 その声と共に足音が自分に向かって近付いて来てた。もうミドリの顔は真っ青を越えて真っ白になり、いつ偽石が自壊してもおかしくない程の恐怖に怯えた、そして 「見〜つけた」 「デ?何デスこのドレイニンゲンは?」 新しいドレス一式を手に入れて上機嫌の緑は突然見た事のない人間に抱き上げられた (このブタドレイは一体何なんデス?ハッ、もしかしてさっきこのドレスを着ていたクソムシの飼い主・・・これはチャンスデス!! このドレイニンゲンはあのブサイクなクソムシにこんなドレスを着せられる程の金持ちデス、うまくアイツの振りをすればこの高貴で美しいワタシもやっとセレブデビューデス!!) のぶあきに甘やかされて育てられた緑にとって人間なんて『自分に尽くすドレイ』以外の考えはなく その考えが今自分を抱き上げたあきとしを『あのビンボードレイより金持ちのドレイ』と勘違いさせた 「デッス〜ンご主人様〜緑は寂しかったデッス〜ン」 緑はさっきドレスを奪ったミドリの振り(とコイツは思っている)を始めてあきとしに甘える振りをした (何だこりゃ?アイツが俺に甘えるだと?・・・・・いや、それは無いな、しかしコイツは自分の事をミドリって言ってるし・・・・・・ そうか、成り代わられたか・・・って事はアレはコイツに喰い殺されて腹の中ってヤツか・・・・) ミドリの豹変振りとリンガルから聞こえるセリフに驚いたあきとしはこの事態を自分なりに考えた、そして (まいっか、どうせアレは最近反応が薄くてつまんなかったし、それにコイツ・・・結構長く遊べそうだぜ) 「そうかそうか〜寂しかったろミドリ〜、さあお家に帰ろうね〜」(くっくっく・・・コイツはどんな悲鳴で俺を楽しませてくれるんだ?ああ楽しみだぜ!!) 「デッス〜ン」(デ〜ップップップップップ、うまく行ったデス、後はこのドレイをワタシの魅力でメロメロにして死ぬまでコキ使って贅沢三昧デス、デププププププププ) 虐待に対して崇高な考えもなく使命感も持ってないあきとしはミドリを探そうとせず、新しいミドリ(緑)を抱いてそのまま連れ帰った その一部始終を木箱の隙間から覗いていたミドリは、あきとしが公園を出て行ってしばらくしてから匿ってくれた野良にお礼を言って野良の家を出た 「デエエ・・・・行ってしまったデス・・・・・」 最早遥か遠くにいるあきとしと緑の姿を見送ったミドリはそこにへたり込んだ 「やっと・・・やっと自由になれたデス」 へたり込んだミドリが大きな安堵のため息をついたその時、ミドリは突然見知らぬ人間に抱き上げられた 「やっと見つけたよ緑!!も〜心配したんだよ。一人で公園に来るなんて危険だって前にも言ったじゃないか〜」 朝食を用意して緑のゲージを覗き込んだのぶあきはこの時になって緑が家出しているのに気付いて慌ててよく散歩に行く公園に駆けつけ、緑(ミドリ)を見つけたのだ (そ・・・そんな・・・・ワタシは・・・自由になれたんじゃ・・・・・・) のぶあきに抱き上げられた瞬間、ミドリは『人間に捕まった』と言う絶望で意識を失った 「あれ?あれ!!緑!!緑どうしたんだい!!そうか、熱中症になったんだな・・ゴメンよ緑、スグにお家に連れてってあげるから頑張ってくれよ緑!!」 抱き上げた途端気絶した緑を見たのぶあきは、緑が熱中症を起こしたと勘違いして急いで家にミドリを連れ帰った それから一ヵ月後 としあきがペットの実蒼石「ブルー」を連れてのぶあきの家に遊びに来た 「おい〜っすのぶ、生きてるか?」 「生きてるってばとしあき君、勝手に殺さないでくれ」 「悪い悪い、緑も元気そうだな」 「デスデスデスンデッスデッスンデスデス」 (いらっしゃいませとしあきさん、ブルーさん) 「こんにちわボク緑」 あの後、のぶあきの家で目を覚ましたミドリはのぶあきに自分は緑じゃない事を必死に説明した しかしリンガルを持たない愛誤派ののぶあきはミドリの説明を自分勝手に解釈してミドリの言いたい事を全く理解しなかった 困ったミドリは入れ替わった次の日に遊びに来たブルーに今までの経緯を説明してどうしたらいいか相談したら 「気にする事ないボク、聞いた限りじゃ全部ドレスを盗んだソイツが悪いボク、 どうしてもって言うならミドリはここの飼い主を悲しませないようにソイツに成りきるしかないボク」 と言うブルーの言葉にミドリはこの家で緑に成りきる道を選んだ そしてミドリは人間の恐ろしさや自分の非力をイヤになる程思い知っている、 そんな実装石だからこそのぶあきの甘やかす生活にも決して堕落せず、それこそ優秀な飼い実装としてのぶあきに忠義を尽くした 「でも不思議なんだよ?あの日公園で熱中症で倒れてから緑の性格が変わった感じがするんだ・・・なんか以前よりおとなしくなったしブルーちゃんと普通に遊んでるし」 庭先でブルーと仲良く遊んでいる緑を見ながらのぶあきは不思議そうにとしあきに話した 「そりゃあれだ、きっと公園まで助けに来たお前の愛情の深さを緑が理解して改心したのかもしれねーぞ・・・・多分」 「そうかな・・・・いや、そうだろう・・・うん、きっとそうかもしれないな」 明確な理由を思いつかなかったのぶあきはとしあきの言葉の通りだと勝手に決めつけて自分なりに納得した 「まあいいんじゃね、それとのぶ、お前この機会に緑になんでも買ってやるの辞めて我慢する事も教えてやれよ、大体幾ら緑に使ってんだよ」 「うっ・・・・・まあ気を付けるよ」 「ならいいけど・・・・・んじゃ、そろそろ帰るか。お〜いブルー」 「は〜いマスター、それじゃ緑、また今度ボク」 「デスデス、デスデスデスーン」 (はいデスブルーさん、また遊びに来てくださいデス) そう言って緑はとしあきとブルーに丁寧にお辞儀をして見送った その後も緑ことミドリはのぶあきと良好な関係を保ち、幸せな飼い実装として天寿をまっとうする事が出来た そして次の日、としあきとブルーはあきとしの家に遊びに行った 「ようとっしー」 「おう久しぶり、あき、この間の巨乳JKはどうっだった?」 「サイコーだぜ!!いや〜持つべきは良きエロ友だよ」 「何だそのエロ友ってのは?そう言えばお前が飼ってるミドリは?」 「あれか?早速お前んトコのブルーと遊んでるぜ」 あきとしはそう言って庭先を指差した、そこには血まみれになって逃げ惑うミドリ(緑)と鋏を持って追いかけるブルーの姿があった 「デエエエエーーン!!高貴で美しいワタシが何でこんな目にあうデスーーー!!あのクソドレイ(のぶあきの事)はなんで助けに来ないんデスーーー!!」 ヨタヨタと走るミドリにワザと速度を合わせてシャキンシャキンと鋏を鳴らしながらブルーは楽しむようにミドリを追いかけた 「どうしたボク〜不能実蒼石に追いかけられている気分はどんなモノボク〜」 今日もミドリとブルーの楽しい(ミドリは命懸けの)鬼ごっこが始まった 緑とミドリが入れ替わったその三日後、久しぶりにあきとしの家に遊びに行ったブルーは自分の目を疑った、 なぜならあきとしの家なのにあの八つ裂きにしても飽き足りない憎き緑が、としあき達のいる隣の部屋で片足を鎖で繋がれていたからだ この時になってブルーは『ミドリと緑が入れ替わった』事に初めて気が付いた ブルーの姿に気付いた緑はすぐにブルーに助けを求めた 「お・・お前は前のクソドレイの所で会った不能蒼蟲!!丁度いい所に来たデス!!お前にこの高貴で美しいワタシを助け出す事を命ずるデス!! とっととこのアクマの家からこの高貴で美しいワタシを助け出して前のクソドレイの所までワタシを連れて行きやがれデス!!」 この糞蟲気質全開の緑の言葉にブルーは今まで溜まっていた怒りが一気にこみ上げてきた 「はあ?今何て言ったボク?」 「デシャアアア!!お前の耳は耳糞でも詰まっているのか!!この高貴で美しいワタシを助けろって簡単な命令が理解できないのかこのクソムシがぁ!! この高貴で美しいワタシに対して無礼にも程があゲベェ!!」 聞くに堪えないふざけた内容にブルーは本能的にミドリの口に鋏を突き刺してミドリを黙らせた 「い・い・か・げ・ん・に・し・ろ・ボ・ク」 ブルーは今までの恨みを捻じ込むようにミドリの口の中を鋏でかき回した グジャグジャ!!ボキッ!!ゴジュ!!ゴリュッ!!ジョリ・・・ブチブチィ!! 「お前が今まで言った暴言は全部覚えているボク・・・・誰が不能実蒼だって?・・・誰が媚へつらうしか能がない蒼蟲だって? ・・・・何も出来ない糞蟲の分際で・・・・・ボクのマスターをドレイ呼ばわりしてんじゃねぇ!!」 「jh3jrt9位gm地djsw重w39位mg忌避bm歩fd「p90@。ー193jt9v「03!!!!!!!」 鋏で歯をへし折られ、舌を捻り千切られ、残った歯茎を切り刻まれたミドリは翻訳不能の悲鳴を上げ、トドメに鎖の伸びる限界まで思いっきり蹴り飛ばされた その声と物音を聞いてやって来たあきとしはミドリとブルーを見るなり・・・・・ 「お〜良かったな〜ミドリ〜、初めてブルーちゃんに遊んで貰えて、いや悪いねブルーちゃん・・ウチのミドリの遊び相手なんてして貰って」 そう言いながらあきとしはニコニコしながらこの部屋全体が良く見える所にビデオカメラを設置して録画ボタンを押した 「ミドリもブルーちゃんも喧嘩しないで仲良く遊ぶんだぞ〜」 それだけ言ってあきとしは初めて積極的になったブルーを改めて見て、ご満悦な笑みを浮かべるとさっさと隣の部屋に戻ってしまった 「は〜いボク〜・・・それじゃあミドリちゃん・・・次は何をして遊ぶボク?」 そう呟きながら血まみれの鋏を持って残忍な笑みを浮かべたブルーは腰を抜かして口から大量の血を流しながらパンコンしているミドリにゆっくりと近寄り始めた 「ヘ・・ヘヒイイイイイイイ!!!!」 この後糞蟲緑ことミドリは「鳴き声がいい」「どんなに虐待しても図々しい性格なのか常に『上がった』ままで楽しい」と言う理由であきとしを楽しませ 抜き取られた偽石を徹底強化した後、あきとしが冗談で出した虐待派のイベントで物凄い人気を獲得し その後も数多くの虐待派のイベントからの出演依頼が殺到する事となった こうして緑はかつて望んだセレブデビュー(但し虐待派のオモチャとして)を果たしてあきとしの懐を大いに潤し(イベント出演料等) 実装石で言う天寿のレベルまで無理矢理生かされ、あきとしや数多くの虐待派を大いに喜ばせ、何一つイイこと無く惨めな人生を送る羽目となったとさ めでたしめでたし *追記* 今回リハビリもかねて以前UPしたスクを加筆と減筆して再度投稿しました

| 1 Re: Name:匿名石 2022/08/04-16:37:57 No:00006522[申告] |
| 自分よりも主人を侮辱されたことに一番怒るブルーちゃんいい子だなぁ...
これからも緑と仲良く遊んであげてね |
| 2 Re: Name:匿名石 2022/08/05-12:49:44 No:00006523[申告] |
| めでたい
あるべき世界になった |
| 3 Re: Name:匿名石 2023/07/23-01:42:35 No:00007611[申告] |
| 良かった良かった |