キャベツ畑人形と言うのをご存知だろうか? 数十年前アメリカで流行ったので憶えている人も多いでしょう この人形は名前、生年月日、出産証明証まで付いて出荷前に一つの人格を与えられるのだ。 日本ではここ最近ローゼンメイデンなる人形が流行り、 やはり同じ様に人格を与えられオモチャとして定着していた 違うのはキャベツ畑人形のように単なる赤ちゃんではない 子供、友達、恋人と様々な理由で小さな子供から大きな大人まで色んな理由で購入された ☆ ☆ ☆ 婚期を逃してもう40才になる幸子は、一人の寂しさからローゼン人形を購入した。 出生証明証を見ると名前はミドリだった、おまけに緑色の透明な石が付いていた 次第に幸子はミドリを子供の代わりに溺愛するようになった。 毎日の日課はベビーベッドにミドリを寝かしつけ、子守唄を歌い髪をやさしく撫でてあげた。 はたから見ると滑稽な姿だが、本人はいたって真面目である。 だがこの人形には不思議な所があった。 上を見いているはずがいつの間にかこちらに顔を向けたり、ベッドにもたれている幸子の指を気が付いたら握っていた事もあった。 次第に幸子もこの人形が怖くなって来た、その顔はまるで生きているようなのだ。 少し潰れた丸い顔、オッドアイ、 良く見ると可愛いと思ったその顔も醜いと思うようになってしまった。 そしてあれほど溺愛した人形も部屋の隅にベビーベッドごと忘れ去られてしまった。 そんなある日の事、幸子は用事があり3日間部屋を留守にした。 帰ってくると何かがおかしい事に気が付いた。 閉めていた部屋のドアが開いていたのだ。 その部屋はミドリが置いてある今は使わなくなった部屋だ。 幸子は全身がぞくりと震えるのが分かった。 「まさか・・ミドリがドアを開けたんじゃ・・」 幸子は恐る恐る部屋に入ってみる。 ベビーベッドにはいつもの様にミドリが寝ていた。 「いるじゃないの、もう驚かせて・・」 幸子の言葉を聞くとミドリの顔がぐるりと回転してこちらを向いた そしてミドリの口が開くと声を出した 「子守唄を歌ってくれなかったデス!」 「髪を撫でてくれなかったデス!」 「どうしてデス!ミドリは良い仔にしてたデス!ずっと大人しくママを待っていたデス!」 ミドリの上半身が起き上がるとその手で幸子の腕を掴もうとした。 とっさに後ずさるとミドリはベビーベッドから落ちてしまった。 そしてそのまま全く動かなくなり元の人形へと戻ってしまった。 気味が悪くなった幸子はミドリを庭に放り出すと、スコップを持って来て庭に埋めてしまった。 それ以来おかしな事は無くなったが、幸子はもう子供が欲しいとも思わなくなった。 ある日べビーベッドの置いてある部屋でローゼン人形の出生証明証と石を見つけた。 透明な緑色だった石は真っ黒にくすんでいた 終わり
