--本文 あーコンニチハ、俺は公認会計士を目指して勉強中の犯罪者。 デーソンから、その所有物である店員石を盗んできたので、犯罪者になりました。 いや、でも正確にはバレなければ犯罪者じゃないし、バレない自信はある。 先日のお話には書いていない色々な細々とした手を打ってるしな。 まあ、そんなことは徹頭徹尾どうでもいい。 今、俺の部屋には、デーソンからかっぱらってきた、 成体実装 仔実装 親指実装(ケガ治療中…。治りかけの肉の隆起がキモすぎ。おえええええ) 蛆実装(実装の中でも、コイツには生きる権利が無いと常々思う) がいるのだな。 そして、俺が住んでいるアパートというかマンションというか、この部屋は音大生用のもの で、たとえ中でカラオケを歌おうとも隣の部屋には一切聞こえないという優れものだ。 さて、こいつらの口に貼り付けたガムテープを、片っ端から剥がしてゆきます。 痛くないようにゆっくり剥がしてあげるとか、そういうことはしません。 ベリッ! ベリベリッ! ベリベリベリッ! ベリベリベリベリッ! 「デギャアアッ!?」 「テェェェッ!?」 「チィィィッ!!」 「レ、レヒィ……」 四者四樣の反応。うーん、いいね。 何が何だか分からない、という様子だった店員石たちだが、やがて、成体が抗議の声(だ か何だか知らないが)を上げた。 「デス? デスデス? デスデスデスデス!?」 「ああ、ははは、なるほどなあ」 俺は笑顔で頷き、 メキャァッ!! ……成体の顔を真横から蹴り飛ばした。 成体実装は無様に壁まで吹っ飛んで、白い壁に薄く体液の染みを作った。 もちろん、手加減したので、死んではいない。 あーあ。壁が汚れてしまった。 まあ、通販で買ったオレンジ系の汚れ落としがあるからいいか…。 「えー、君たちには質問権も反論権も何もありません。次に何か喋ったら、殺します。 あ、でも悲鳴とかなら上げてもいい」 仔実装はパンコンしている。 親指は固まって、プルプル震えている。 蛆は、何だかよく分かっていないようだ。こいつ、実装の中でも本当にオツム足りない な…。 だが、賢い賢いコイツらなので、俺が言ったことの内容は理解したようだ。 その発言が脅しでないことも。 なるほど、ダテに接客商売やってないね。感心感心。 「お前らには、コンビニ店員として適性があるかどうかテストしてもらうわけだが……。 その前に、だ。まあ、人質でも作っておくかな」 まあ親指実装といえば強制妊娠出産だろう。 こう見えても俺は唐突先生をリスペクトしているからな。 早速俺はミキサーを持ってくる。 まだスイッチは入れない。 怪我が治りきらない親指をつまみ上げる。 「レチャッ!? レチチ…?」 何だか言ってるが、当然無視だ。そもそも俺はリンガル持ってないしな。 百均で買った緑と赤のマジックで…。 目をこうして…。 ミキサーの上で…。 (途中の親指の暴れっぷり等は省略) 「テッテレー♪」 「テッテレー♪」 「テッテレー♪」 普通の蛆よりさらに小さな蛆が……あれ、三匹しか産まれない。 「おい、もっと産めよ。産めよ増やせよ地に満ちよ、って偉い人も言ってるだろ?」 親指の腹を押したが、もう糞や体液しか出てこない。 念のため、カッターナイフで腹の中をかっさばいてみたが、何も入っていない。 まあ、親指が弱ってるからかな。 親指もまとめて、まだ動いていないミキサーの中に入れた。 ミキサーは回転していないとはいえ、鋭い刃で何匹か怪我をしているようだが……どうでも いい。 一方、蛆は、生意気に着込んでいる制服を脱がして、机の上にマチ針で止めた。 これだけで動けなくなるのだから、ちょっと失笑してしまう。 「じゃあ、テストの内容を説明する。成体実装、ホラお前だよ、いつまで這いつくばってん だ。 成体実装には、部屋の端から端まで、5kgのバケツを持って……そうだな、三往復ぐらい してもらおうかな。片道5メートルも無いんだから、できるだろ? 1.5リットルのペットボトル が入った箱なんてもっと重いんだから、コンビニ店員ならそれぐらいできて当然だよなぁ? その間、仔実装には、簡単な計算問題をやってもらう。本当に簡単だ。二桁の足し算と引 き算だからな。これも、コンビニ店員ならできて当然」 そう言って、成体実装には、部屋の端っこにある、5リットルの水が入ったバケツを指差す。 仔実装は机の上に座らせ、鉛筆と計算問題の用紙を与える。 「なお、成体実装一往復の基準タイムは20秒。 仔実装の計算は、10問につき1分。 それを下回るたびに、蛆ちゃんを尻尾からカッターで少しずつ切っていくからな」 そう言って俺は、机の上にマチ針で止めた蛆の尻尾のほんの先っちょを、ちょっとカッターで 切ってみせた。 レヒィィ、と情けない声が上がる。 「ああ、そうだ。バケツから水をこぼすとか、計算を間違えるとかした場合、ほんのちょっとず つ、このミキサーを回転させていくこともあるかもしれない。まあ、気をつけてやってくれ」 と、俺は、小蛆と親指の入ったミキサーを指差す。 「デ、デスゥ……」 「テチィ……」 何でこんなことになったのか分からない、という声だ。 そりゃそうだ。今まで幸せに暮らしてたんだもんなあ。 それを突然、DQNで犯罪者の俺らに拉致られて、こんなことになってるんだもんなあ。 酷い話だねえ、まったく。 同情するよ。 いや、まったくもって可哀相だ。 ちなみに、もう一人の実行犯である友人は、部屋の隅でダイエットコーラを飲みながら 『古畑任三郎ファイナル 第二夜』 を見ている。 「それじゃ、ストップウォッチも持ったし。よーい、ドン!」 成体と仔は、まだ何だか戸惑っているようだ。 ふたたび俺は、今度はさっきより軽く、成体の頭を蹴った。 仔の頭を画鋲で刺した。 「とっととやれ、ウスラボケ!!」 ようやく成体は部屋の端っこのバケツに向けて走り出した。……ノロいけど。 いや、本当にノロい。これじゃ、基準タイムを下回るのなんて、目に見えてるんじゃないか? 基準タイムは、物凄く頑張ったら達成できるかできないか、って程度にすべきだったな。 一方、仔の方は…… おや? 鉛筆と問題用紙を前に、 「テチ……テチ……」 と、戸惑っている。 ああ、そうか。 こいつら、指が無いから鉛筆持てないんだな。 これは悪かった。 「ちょっと待ってろ」 俺はとても親切なので、ハサミ(これも百均で買った)で仔実装の右手に切り込みを入れ、 指を五本作ってやった。悲鳴を上げてパンコンして暴れるが、俺はとても親切なので、気に しない。 そして出来上がった五本の指に鉛筆を握らせ、アロンアルファで固定してやった。 ん? 手の先に鉛筆を刺してアロンアルファで固定した方が手っ取り早かったかな? まあいい、まあいいや。 「というわけで、あらためて! よーい、ドン!」 ストップウォッチが時を刻み始めた……。 --謝辞 デーソンシリーズの元々の作者樣に感謝します。 貴方の可愛らしい絵柄は、いつも私の嗜虐心を刺激してくれました。 貴方が「実装なんでも。」の無制限掲示板にスレを立てた時には、ついに虐待が始 まるのか、とワクテカしたものです。結果があのようになって、残念ではありまし たが、その残念さが私に、初めてのスクを書く決意をさせてくれました。 重ねて、感謝の意を表します。
