タイトル:【馬】 実装仮面
ファイル:実装仮面.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:1861 レス数:0
初投稿日時:2010/10/10-21:55:30修正日時:2010/10/12-23:43:24
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実装仮面

実装仮面、それは、実装石を愛してやまないある博士によって、実装石の自由と
平和を守るために生み出されたサイボーグ実装石である。

「この気配…邪悪なニンゲンの気配を感じるデス…」

実装仮面は、普段は博士の飼い実装カメコとして暮らしている
だが、科学の粋を尽くして改造強化されたサイバー偽石に仕込まれたセンサーが、
半径数キロ以内にいる実装石の危機を感知すると、カメコは実装仮面に変身して、
蛆実装型ジェットスクーター「ウジチェイサー」を駆って出動するのだ

「…という訳で、僕の家にくればきれいなお洋服を着て、コンペイトウを
好きなだけ頬張りながらあったかい布団にくるまってヌクヌクとなんの心配もない
明るい未来が待っているというわけさ。
もちろん、君たちの大好きなお寿司やステーキも、厳選された産地直送の新鮮・
高級な食材を使ったやつを毎日三食食べ放題だよ」

公園では若い男が、いかにも野良といった感じの小汚い実装石に向かって、
優しい口調で胡散臭い話を持ちかけていた。
野良実装の方は眼をギラギラ輝かせ、涎を垂らしながら恍惚とした表情で聞き入っている
(おいおい、コイツまさか俺の出まかせを全部真に受けてんじゃねぇだろうな…
俺が言うのもアレだが、ちっとは疑えよ…
どこの世界にこんな汚ねえ糞蟲に好き放題贅沢させてやる物好きがいるんだ
っての。
ホント底抜けの馬鹿だな。
まあいいや、帰ったらこの馬鹿をどう可愛いがってやろうかな、
虐待も一通りの事はやり尽くしたから、気のきいたアイデアを思いつくまで
しばらく『上げ』とくか、
まぁ、こいつら寿司とかステーキとか言ってても、ロクに味なんか知らねえんだから適当なもん食わしとけばいいや)

あまりにもウマすぎる話に微塵の疑問も感じない野良実装の馬鹿っぷりに
内心呆れながらも男が「さあ、行こうか」
と野良実装を表面上は優しくうながして連れて行こうとしたその時

「待つデス!オマエの企みは全てお見通しデス!オマエはこの石を騙して
ヒドい目に遭わせるつもりデスネ!そうはさせんデス!!」

スピーカーから発せられたようなキンキン響く声に男が振り返ると、
そこには胸の中央にデカデカと「J」のマークが描かれた、緑色のピッチリした
強化スーツを身にまとい、実装石の顔をメカっぼくしたような丸い銀色の仮面をつけた実装仮面が立っていた

「何だテメェは、人の楽しみを邪魔しやがって」

先ほどの優しい口調から一転、まるでチンビラのような態度で凄む男

「仲間の危機を黙って見過ごすコトはできんデス。愛と正義の使者実装仮面、
実装石の自由と平和を守るために見参デス!!」

仮面に内蔵されている音声出力式リンガルを介して名乗りを上げた実装仮面は
ポーズを決め、男に向かって突撃した
男はふところからバールを取り出し、実装仮面をぶちのめしてやろうと振り回す
しかし実装仮面は男の攻撃を身軽にヒョイヒョイかわし、的確なタイミングで
パンチやキックを繰り出して、男に確実にダメージを与えていく
男は次第に疲れとダメージがたまってきたのか攻撃のスピードが鈍ってきた

「そろそろデス、トドメといくデス」

肩で息をしていた男が残った力を振り絞ってバールを振り上げたのを見て
実装仮面は勝負を決める時が来たと判断した
実装仮面は両足をしっかり踏みしめてズボンをずり下ろし、こちらに向かって
突進してくる男に尻を向けて狙いを定めた

「必殺、パンコンスプラッシャーッ!!」

成体の実装石にドドンパを喰わせた時の数倍以上の勢いで噴出された大量の糞が、
まさにバールを振り下ろそうとしていた男の顔面を直撃した

「うわあっ、目が見えねぇ、おまけに臭え、息が詰まる…ゴボッ、
てめぇ覚えてやがれ…」

反動で倒れそうになるのをなんとか踏みとどまり、臭さと息苦しさで悶絶しそう
なのを必死にこらえながら、緑色の糞にまみれた顔を両手で覆って、
男はヨロヨロと去って行った

「もう大丈夫デス、悪いニンゲンはやっつけたデス」

ポカンと口を開けて放心したように立ち尽くす野良実装に実装仮面が声をかける。
我に返った野良実装は、絶望と怒りと怨みに満ちた目で
ジッと実装仮面を睨みつけ、ポカポカ殴りかかって来た

「貴様何て事をしやがるデス!この高貴で賢く美しいワタシが当然受けるべき
優雅な生活をブチ壊しにしやがってデッシャー!!
貴様のせいであのドレイが逃げてったデッシヤー!!
こうなったら、かわりに貴様のそのヘンな服とお面を剥いで、
丸裸の禿裸にして、
死ぬまでこき使ってやるデッシャー!!」
「…」
助けたはずの同属に殴りかかられ、呆然とする実装仮面
実装石程度の腕力では実装仮面の強化スーツを引き裂く事はできないし、
逆に実装仮面のパワーなら、この恩知らずの糞蟲を一撃でミンチにする事など造作もないのだが、
同属愛の権化とも言える、心優しい実装仮面にはそんな事はできなかった。

もっとも実装仮面のサイバー偽石には、実装仮面が万一実装石に危害を加えた場合のために
自爆機能が搭載されているのだが、これは当の実装仮面自身も知らない事である

やがて騒ぎを聞きつけて他の野良実装たちが集まって来る

ショックに打ちひしがれた実装仮面に出来る事は、これ以上面倒な事にならない
うちに逃げる事だけだった

実のところ、実装石の真の敵とは実装石を虐待する人間などではない。
実装石の中に巣食う欲望や無知、傲慢といった、実装石自身の心の闇こそが、
実装石の自由と平和を脅かす真の敵なのである。
だが、実装仮面はまだその事を知らない…

それでも実装仮面は実装石の自由と平和のために戦い続ける。
たとえ同属から裏切られ、傷付けられても

がんばれぼくらの実装仮面!戦いはまだ始まったばかりだ!!
(完)

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