実装石。 突然現れたこの謎の生物は、いろんな意味で人間と共存できている。 その独特の外見をペットとして可愛がる『愛護派』から、 生命力の高さ、傲慢な性格な実装石を痛めつけることを楽しむ『虐待派』などといった具合だ。 俺、「」はどちらかといえば虐待派だろう。 だが別に賢い実装石などを虐待しようとは思わない。あくまで糞蟲レベルをいじめる程度だ。 そんな俺は半年ほど前から、ある仕事を始めた。 『実装ホテル ジッソー』 家の前に置いた看板。そう、俺は実装石版ペットホテルを経営している。 といっても個人の店なのでたいしたことはない。預かっている場所も、亡くなった祖父母の家だ。 そこそこ金持ちだった祖父母の家は大きく立地も悪くはない。 だがこの近辺は野良実装石が多く、また飼い実装石も多い。 俺と祖父母以外、実装石嫌いの激しい家族・親戚だったので、放置されかけていた。 そんな中、ニート寸前のフリーターだった俺は、追い出されるごとく祖父母の家を任された。 しばらくは家でゴロゴロしていた俺だったが、ある時転機が訪れた。 「デスゥ……」 「……ん?」 庭を見ると実装石が一匹、こちらを見ている。俺は携帯の実装リンガルを起動した。 「ここには、おじいさんとおばあさんが住んでたはずデスゥ。あなたは誰デスゥ?」 「ん、じいちゃんばあちゃんの知り合いか。俺はその孫の「」だ」 血縁関係とわかって安心したのか、目の前の実装は警戒を少し緩めたようだ。 話し方も丁寧なので賢いタイプだろう。俺は事情を説明してやる。 「デェ……そうだったデスか。いい人だったのに惜しいデスゥ……」 この実装が言うには、祖父母は野良実装、飼い実装、両方に人気があったらしい。(一部の糞蟲を除く) そして、この後の実装の一言が俺の転機だった。 「子供を預かってくれたデスゥ。飼いの子たちもよく預かっていたデスゥ」 その時、俺は「それだぁーっ!」と叫んでいた。
