実装クエスト〜そして楽園へ〜 3/4 虹山トシオ:観察派代表 裏島アキオ:虐待派代表 トシアキ :観察派エージェント ウジーダ :「ウジーダの酒場」の主 ナンシー :勇者(成体実装 エメラルド:飼い(仔実装・・・・・・石車の中で染みになり死亡。 マッスル :筋肉(中実装 ガチャ :英雄(成体実装・・・・・ドーベルマン達を戦うが……? ムク :バーサーカー(獣中実装・ドーベルマン達と戦い死亡。 イタチ :スナイパー(仔マラ・・・自分の毒矢で死亡。 ホーイチ :暗殺者(仔マラ・・・・・側溝で水にさらわれる。 イチゴ :踊り子(成体実装雛 モモ :飼い(成体実装 デズァー :ハモン使い(成体禿裸 //////////////////// 第九章 //////////////////// ムクはいつも思う。 なんで、上手く話せないんだろう? そんな不器用な自分に、よく声をかけてくれるガチャ。 そして、命がけの囮に同行するガチャ。 短い付き合いだが、ガチャは間違いなく最高のオトモダチだ。 だから、だから……。 朦朧とした意識の中で、ムクは自分の取った行動に満足していた。 ドーベルマンが右足を上げ、構えていたから、あえて右側に回った。 そしてわざと引っかかれて、ドーベルマンの爪をへし折るのと引き換えに、偽石を割らせた。 ガチャは無事生き延びただろうか? そしてムクは目を覚ました。 ムクは真っ白な世界の中に居た。 ココはあの世だろうか? そして、なぜか悲しくなって泣きじゃくっていた。 「ムクは一体なにを泣いているデス?」 「ガチャ生きていたテス!」 「これからはずっと一緒デス。向こうにお花畑があるデス」 「まるで楽園テス!」 「ムク!ちゃんと喋れるデス」 そして二匹は手を繋ぎあって、お花畑の中へ消えていった。 //////////////////// 第十章 //////////////////// マッスルは感じていた。 今までにないスリリングなこの時間を……。 命を眩いまでに輝かせ、そして散っていったオトモダチたち……。 マッスルの興奮は治まらない。 もし魔王を倒したなら、己の信じるマッスルの神ことマ神に大きく近づけるのではないか? そして気づく、己が血に飢えていることに……。 「コイツラは(ムキムキ)負け犬(ムキキ)テス(ムキィィーーー)」 「マッスルは糞蟲デス!オトモダチを侮辱しているデス!」 デズァーがマッスルを激しく批判する。 「フン(ムキィ)ココからは(ムキムキキキィ)1人で魔王を倒しに行くテス(ムキョーー)」 糞蟲化したマッスルをよそに、ナンシーは耳に飾ってあるリボンを二匹を弔うように亡骸に供えた。 「ガチャ、ムクお前達の方が、ワタチより凄い勇者だったデス」 ガチャとムクは寄り添って寝ていた。否、眠るように死んでいた。 二匹ともなにか少し嬉しそうに、微笑んでいた。 最後にいい夢でも見たのだろうか? 周りには二匹のドーベルマンとのたうちまわってる。 致死ではないが、一生目が見えないだろう。 あまり長居できないので、モモ、イチゴ、デズァーも手短に最後の別れを告げて、その場を去った。 //////////////////// 第十一章 //////////////////// イチゴは憂鬱だった。 なんとなくでついてきたが、これでよかったのだろうか? でもなんとなく解かった気がする。この家からは花丸ハンバーグの臭いがする。 マッスルが抜けたのを期に、こっそり抜け出そうと画策するイチゴ。 一行がその臭いの元に近づいたとき、イチゴはとんでもない光景を目にした。 飼いの実装雛や実装蒼たちが、花丸ハンバーグをさも不味そうに頬張っている。 イチゴの中で何かが音を立てて崩れ去った。 「ここはワタチに任せるナノ」 「イチゴ実装蒼は手ごわいデス!」 「任せるナノ!とっても凄い物を持っているのナノ」 そう言い終えるとイチゴは豊満な体を揺すりながら走った。 いつも大事にしている首輪に手を掛け、まるで十字架を握り締めているクリスチャンのように……。 イチゴが食事中の飼い実装達に近づき、飼い実装たちが異変に気づいたとき、イチゴは花丸ハンバーグに飛び掛っていた。 「ウンメェーナノ!こんなウマウマなハンバーグ初めてナノ」 「何やっているナノ?糞蟲ナノ!」 「ボクのハンバーグボクゥ」 「やめるボクゥ!」 実装蒼達が鋏をイチゴに何度も突き立てる。 ドス!ドス!嫌な音があたりに響き渡る。 ドチュ!ドチュ!徐々に湿りを帯びた音に……。 ズチュ!ドジュ!ブジュ!あたりに鮮血を撒き散らせながら、形容しがたい不快な音が響き渡る。 「ウンメェーーナノォーー……!ウン…………」 花丸ハンバーグを頬張りながらイチゴは息絶えた! その形相は怒気をはらんでおり、言いがたい執念を感じさせる物だった。 そして首輪に掛けた手から力が抜け、だらりと垂れ下がる。 古い首輪もブツリという音と共に地面に落ちた。 ボッ!不快な音と共に、辺りは眩い閃光に埋め尽くされる。 耳をつんざく轟音を伴い。イチゴだった物は爆発した。 どうやら首輪に爆弾が仕掛けてあったらしい。 他の実装達も大小傷を負って、動けるものの戦えないのがほとんどだ。 「イチゴの死を無駄にしちゃダメデス!」 「ンー!ン、ンー!ン!」 「モモ!いい加減ギャグボールを外すデス!」 モモはデズァーにギャグボールを外してもらい、訓練の成果を実感した。 「これがハモンなのかデスゥ?」 呼吸法によって、体が軽く感じる。 試しに釘こん棒を振ると、ボッ!ボッ!という空を裂く音がした。 「す、すごいデスゥ!」 「それがハモンの力デス!」 ナンシー、モモ、デズァーはさらに魔王を目指して進みだした。 //////////////////// 第十二章 //////////////////// 町長は焦っていた。 何者かが屋敷に侵入し、番犬、番実装を蹴散らして愛実装のスーザンの元に迫っているという報告に……。 このままでは、庭に作ったスーザン専用の庭に、すぐたどり着くだろう。 「急がねば!私のスーザンちゃんがピンチざます!」 膝の皿の手術を終えて日の浅い町長にとっては、スーザンの居る庭までの道のりは、とても遠く感じられた。 頼みの綱は、スーザンの元に居る猟犬のクンクンだけだ。 が、今はそれすらも頼りなく感じる。 町長は足を引きずりながらも、スーザンの元へ向かっていた。 「どうしたんテチ?」 「ウゥゥゥゥーーー」 猟犬の本能のなせる業なのか、危機を察知したクンクンが低く唸る。 仔実装ながらも聡明なスーザンは気づいたようだ。 危機が迫っている、それも悪意を感じる何者かによって……。 不意いに茂みから、ミニバールが飛来してクンクンの鼻っ柱を打ちつける。 「キャン、キャン」 クンクンがあまりの痛さに泣き叫んでいる。 ガサガサガサ、茂みの中から現れたのはマッスルだった。 ナンシーしか持っていない魔王の写真を何度も見て、マッスルは魔王の姿を覚えていた。 「魔王!(ムキッ)その命もらったテスゥ!(ムキムキムキィーー)」 もう一本のミニバールを振り上げて落とそうとした瞬間。 クンクンが振り上げたミニバールの天辺を力強く脚で打ちつけた。 「テェブゥーーー(ムキ)」 脳天から総排泄口までミニバールが貫通した。 頭の天辺には、まるでチョンマゲのように、赤いL型に曲がった先端が鎮座していた。 だらしなくずり落ちた皮パンツからは、どれだけ入っているんだという程の量のプロテインが零れ落ち。 筋肉のなせる業なのか?死しても、その場に直立不動を続けている。 「クンクン大丈夫テチ?」 「クゥーーン」 「ご主人様のところに……、ママのところに戻るテチ!」 スーザンとクンクンは庭から出て、町長の居る屋敷へ向かおうとした。 「ソイツデス!ソイツが魔王デス!」 ナンシー、モモ、デズァーがついに魔王と対峙する! -------------------------------------------------------------- 最後まで読んでいただきありがとうございます。 いつも文字掲示板で、評価してくださる方々ありがとうございます。 誤字脱字あるかもしれませんが、気に入ってくれれば幸いです。 さばを
