実装クエスト〜そして楽園へ〜 2 虹山トシオ:観察派代表 裏島アキオ:虐待派代表 トシアキ :観察派エージェント ウジーダ :「ウジーダの酒場」の主 ナンシー :勇者(成体実装 エメラルド:飼い(仔実装 マッスル :筋肉(中実装 ガチャ :英雄(成体実装 ムク :バーサーカー(獣中実装 イタチ :スナイパー(仔マラ ホーイチ :暗殺者(仔マラ イチゴ :踊り子(成体実装雛 モモ :飼い(成体実装 禿裸 :石車の石(成体禿裸 //////////////////// 第五章 //////////////////// 二人の見送りを後に、ナンシー一行は順調に進んでいるように思えた。 イタチとホーイチが車を牽いている禿裸に飛び掛かり、行為を始めようとした。 「チププププ!ケツを振っているビッチテチ!」 「石車に縛り付けられて、するのが大好きな好き物テチ!」 「もっと腰を振るテチ!」 二匹の乱暴に禿裸が暴れ暴走する。 危険を察知したもの達は素早く石車から降りた。 石車に残ったのはエメラルドだけだ。 「エメラルド!早く逃げるデス!」 ナンシーの言葉虚しく、エメラルドは恐怖におののいて動けない。 狂い暴走する禿裸が電柱に衝突する瞬間! イタチとホーイチは、いち早く危機を察知し禿裸から飛び降りた。 エメラルドは今だ石車の中に居る。 ゴッ!という音と共に禿裸の顔面が電柱にめり込み、勢いを殺しきれない下半身が、エビ反りになる。 それと同時に、ベギボギと鈍い音が禿裸の背骨の方から聞こえた。 続いて石車本体が電柱に叩きつけられ、さらに地面に打ちつけられた。 石車内はかつてエメラルドであったモノの染みと、裂けて汚れたピンク色の実装服、そしてみんなの荷物が散乱していた。 「ホーイチィーーー!どこテチィーー!大丈夫テチィーー」 盛ったマラでも、オトモダチは大切らしい。 イタチの呼びかけに、ホーイチの返事が返ってきた。 マラは、普通の実装石よりしぶといようだ。 「イタチここテチィー!」 側溝の中に落ちたホーイチを助けようと、金属っぽい吹き矢の筒を差し出した。 「これにまるテチィ!」 ホーイチがそれにまった瞬間、家から排水が大量に流れ込んできた。 「早く引っ張るテチィ!」 「暴れるなテチィ」 「早く……ガバオボボ、引っ張……テベヂィーボボボボ!」 「筒から空気と吸うテチ!」 実装石にしては、天才的な閃きであったが、それが災いした。 筒の中には毒矢がセットされており、勢いよく空気を吸うと矢の筈(はず)の部分が喉に当り、ホーイチがむせ返る。 その勢いで、毒矢がイタチに当たった。 「テギャー!この糞蟲が何てことするテヂィーーー」 「離さな……」 ホーイチは最後にそう残すと、命綱ともいえる筒を手にしたまま、側溝の蓋のある闇の部分へ消えていった。 イタチは体中を掻き毟り、ホーイチのことなどまるで居ないかのように、糞蟲の本性丸出しで解毒剤を探す。 毒はコロリらしく、髪がドサッと抜け落ちた。 「ドコに入れたテチィィィ!解毒剤はドコに入れたテヂィィィーーーー!」 冷汗で実装服がぐっしょり濡れてきた。 石車の中に置いておいたのを思い出し、石車の残骸へ駆け寄る。 体中の穴という穴から体液が溢れ出す。 「あったテチィィィ!」 やっと見つけた解毒薬を一気に飲み干して、満面の笑みでイタチは生き残れた幸せを噛み締める。 「やっぱりワタチは賢い仔テッチュン」 そして疲れたのか?そのまま眠ってしまった。 //////////////////// 第六章 //////////////////// モモは釈然としないまま走った。 なぜ自分はギャグボールを口にしているのだろう? ご主人の虹山トシオが言うには、特殊な呼吸法の訓練の一環で、ピンチのときに外すらしい。 成功すると”ハモン”という力が使えるといっていたが、モモにはピンとこない。 みんなに追いついたときは既に一番後ろで、ブクブクと太ったイチゴよりも遅かった。 モモの自尊心は大きく傷ついたが、オトモダチ安否が心配なので、すぐに忘れてしまった。 「だめデス。栄養剤を打っても息をしないです。それより他はどうデス?」 「ダメテス。(ムキムキ)エメラルドは染みになったテス(ムキィーー)」 「ホーイチ、ナガサレタ、テス。ニオイ、ワカル、テス」 「ムク!それ以上側溝の中に身を乗り出すと危ないデス!」 「アブナイ、ガチャ、アリガトウ、デス」 イタチは微笑みながら死んでいた。 解毒薬の瓶が飲み干して空になっていたが、既に遅かったのだろう。 そして誰もが気にもしなかった一匹が、ムクリと立ち上がった。 「危うく死ぬところだったデス」 ギャグボールの外れた禿裸が、何事もなかったかのように立ち上がった。 そしてモモに近づきこう言った。 「お前もハモン使いデス?」 モモはなんとなく嬉しくなり首を縦に振った。 「パァウゥ!デッスーーン」 禿裸が全身全霊の突きをモモの胸にたたきつけた。 モモは盛大にパンコンした後気絶した。 「スマンコッデス」 そのあと一行に袋叩きにあいながら、自己紹介をする。 ハモン使いのデズァーという禿裸らしい。 「今後ともヨロシクデッスン」 多大なる犠牲を出したものの、そこから町長の家は目と鼻の先だ。 //////////////////// 第七章 //////////////////// エメラルド、イタチ、ホーイチと潜入に適した仔実装・仔マラが全滅したのは痛手だった。 入り口に繋がれたドーベルマンを目の前に、これからどうするか?という時にガチャが一つ提案をした。 「囮が引き付けている間に潜入するデス」 「他の入り口を探した方がいいデス」 「この家の周りは長居すると危険ナノ。みんな入り口を探している間に、かなしいことになったナノ」 「ワタチとムクで、犬を引き付けるデス」 「ムク、ガンバル、テス、ガンバル、テス」 そう言うと、ガチャとムクはナンシーから栄養剤と塗り薬を分けてもらい、身支度を整えた。 「本当に大丈夫デス?」 「コンビニに潜入するより楽勝デス」 「ラクショウ、テス」 「後のことは頼んだデス」 そういうと二匹は一行に背を向け、正面に入り口にゆっくりと歩いていった。 ガチャはヒラヒラと背を向けたまま手を振っていた。 「ガチャ、ムクお前達の勇気ムダにしないデス!」 一行は荷物をまとめ足早に、ガチャとムクの後を追った。 //////////////////// 第八章 //////////////////// ガチャにとって、この旅は楽しかった。 ガチャは幼い頃、親姉妹どころか公園ごとオトモダチを亡くした。 そのときは、何者の仕業か解からなかったが、今ならわかる。 魔王が故郷を、公園を滅ぼしたのだと……。 魔王に立ち向かって、命の保障はおそらくないだろう。 が、このオトモダチならもしかして?という思いが、心のどこかにあった。 いままで生きることに精一杯だった石生のなか、最後に家族と沢山のオトモダチの仇を……。 そう、酒場での出会いがガチャの運命を変えた。 「ムク、危なくなったら逃げるデス」 「ガチャ、イッショ、ニゲル、テス」 「当然デス。でもお前に足を引っ張られると困るデス。だから先に逃げるデス」 「ワカッタ、ムク、アシ、ヒッパル、シナイ、テス」 「ワタチが先にパチンコで引き付けるデス。ムクは少し離れて大げさに騒いで引き付けるデス」 ガチャはパチンコでドーベルマンの気を引き、振り絞るように大声で叫んだ。 「今デス!はやく行くデス!」 言い終えるやいなや、ガチャは両手にガラスのナイフを持ち、ムクは自慢の爪を振りかざし、ドーベルマンに飛び掛った。 ガチャはドーベルマンの左目を傷つけることに成功した。 「やったデス!ムクもういいデス。逃げるデス!」 ムクからの返事はなかった。 ドーベルマンは先にムクから攻撃したのだ。 そしてムクは避け損ねたのだろうか? 頭から股まで一気に前足で引き裂かれ息絶えていた。 ムクの足元には、真ん中から綺麗に二つに割れた偽石と、ドーベルマンの爪らしき物が何本かが転がっていた。 「ムゥーーークゥーーー!デグゥ!」 ガチャはドーベルマンに喉を噛まれ、呼吸が出来ない。 もしこのまま振り回されでもしたら、首から上としたがバイバイするだろう。 がそれまでに、残った右目を傷つければ、助かるかもしれない。 その一念で、両手に握ったガラスのナイフ振るう。 偶然すっぽ抜けたガラスのナイフが右目に当たる。 幸運の女神はガチャに微笑んだらしい。 「テゴォォ!テゴォッ!」 無呼吸状態から開放されても、ドーベルマンへの警戒は怠らない。 これが、今までガチャが野良で生き抜いてきた理由の一つである。 異常なほど警戒心が強いのだ。 鎖で届かない位置より、さらに離れて腰を下ろし呼吸を整える。 「ムク……。お前の仇も討つデス」 気持ちを新たにして、立ち上がろうとしたそのとき、雨だろうか頭に液体がポタリと落ちてきた。 嫌な予感がして、ガラスのナイフを構えて後ろを振り返った。 今度は放し飼いのドーベルマンが居た。 「フーバー、デス!」 -------------------------------------------------------------- 最後まで読んでいただきありがとうございます。 いつも文字掲示板で、評価してくださる方々ありがとうございます。 誤字脱字あるかもしれませんが、気に入ってくれれば幸いです。 さばを
