どんな業界にも裏方と呼ばれる者達が存在する。 それは虐待業界でも同じことである。 これはそんな虐待派を支える1人の職人の話である。 彼の名前は「」、虐待器具職人である。 「デヂイイィィィ」 今手術室を思わせる部屋で貼り付けにされているのは1匹の仔実装である。 薄暗い部屋を満たすのは様々な器具たちが奏でる耳障りな金属音。 いくら頭の緩い仔実装であろうとも、これから行われるのが自らの歓迎パーティでないこと位は想像が付く。 いや、ある意味では歓迎パーティと言えなくもない。 なにしろパーティには不可欠なお友達も勢揃いしているのだから。 寝台の横の小さな檻ではたくさんのお友達が今か今かと騒ぎ立てている。 泣いている者や、嘲笑う者など反応が一々愉快なのも愛嬌だ。 カチカチと歯を鳴らし血涙を流す仔実装には一瞥もくれず、 「」は淡々と主賓を迎える準備を進めてゆく。 「さて、そろそろか・・・」 「」が手に取ったのは鋸であった。 見た目だけならどこにでもある普通の鋸である。 しかし、大きさ、色、そして何より放つ気配が普通の鋸とは一線を画していた。 手のひらに収まるサイズでありながら、濁った赤と緑に彩られており、 今にも犠牲となった実装石たちの怨嗟の声が今にも聞こえてきそうな代物であった。 「ヂッ・・ヂィッ・・ヂッ・・ヂィィ・・・」 鋸が放つ禍々しさに魅入られたのか、仔実装は今にも発狂しそうな状態である。 「ふむ・・・、やはり同属の血液は威圧効果が高いな。 今度は親や姉妹の血液に対する反応の違いを試してみるのも良いかもしれないな」 そんなことを呟きながら「」はじわりじわりと刃を近づけてゆく。 プツッ・・・。 「ヂッ!」 あっさりと皮膚を突き破り刃が仔実装の足にめり込む。 その感触に「」は眉を顰める。 「刃を潰し、錆で切れ味を落としてこの切れ味か・・・。 やはり仔実装に鉄は少し切れ過ぎるな・・・」 ブチュ!ブチブチッ!!ゴリッ! 「ヂガッ!!ヂィィィィィィァァァァアアアアアアアア!!!」 たった1回挽いただけであっさりと刃は骨まで到達する。 「まあ、じっくりと切断するには不向きかもしれないが、 用途によってはこれ位でも許容範囲か。 胴体などを両断する際にはやはりそれなりの切れ味が欲しいしな」 ゴリン!ブチブチ!!グチャッ!! 「ヂッ!ヂッ・・・チッ・・チボァ!ゲボッ!!」 右足が切断された激痛により仔実装は嘔吐しながら痙攣している。 「足が切断されただけにしては痛がり方が激しいな。 もしかしたら思い込み効果の強い固体かもしれないな。 次は痛そうな見た目だけでどれだけの痛みを与えられるかというのも楽しそうだ」 そこまで考えると「」は胃の内容物がなくなり、 胃液を吐き続ける仔実装には興味を無くしたかのように切断された足を摘み上げる。 「やはり切断面が鋭利だな。 筋繊維を引き千切ったような切断面が好ましいんだが・・・」 そう呟くと「」は一旦貼り付けにされた仔実装から目を離し、 脇に置いてあった仔実装たちの詰められた檻に向けて鋸を近づける。 ぬらぬらと仔実装の体液で塗れた鋸が仄暗い部屋の明かりを受けて禍々しく輝いている。 「ヂッ!」 「ヂィィィィイイイイイイ!!!」 次々と搾り出すような悲鳴を上げる仔実装たちを観察する。 「ストレスでパキンしたのは5匹か。 後の倒れているやつはただの仮死状態ってところか。 やはりこの痛そうな見た目は伊達じゃないってことかな」 そう呟くと「」は手にしていた鋸を一旦置き、別のものを手に取る。 「」が手に取ったのは一見すると単なる木の棒に見えた。 だが、この木の棒こそが本日のメインディッシュである。 アイスの棒だと言われればそう信じてしまいそうな代物であったが、 仄暗い部屋で木切れを手に優しく実装石に微笑む「」の姿は、 仮に人間が目にしたとしても怖気を震いそうな光景でしかなかった。 だが、既に正気など彼方へと飛んでいった仔実装からすれば、 優しく微笑む「」は自分に対して好意を抱いているようにしか見えず、 例え幸せ回路の見せた幻だとしても仔実装は一縷の希望を見出すことができた。 それが幸いかどうかは別だったとしても。 「」はゆっくりと全身からあらゆる体液を垂れ流し、 最早泣いているのか、笑っているのかもわからない仔実装に近付き、 優しく木の棒を仔実装の足の切断面へと重ねる。 ・・・グチュゥゥ 「?????・・・・・・・・・テ?」 よく見ればわかっただろう。わかったとしても意味などなかっただろう。 「」が手にした木の棒の端はまるでブラシのように毛羽立っていた。 それは只傷口を抉るためだけに「」が丹念に削りだした虐待器具であった。 「テッ!?・・・ヂッ・・ヂギィィィィイイイイ゛ィイ゛イ゛ィィイ゛イ゛イ゛イ゛!!!!」 「ヂィイア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアアアアアアア!!!!!」 「」はまるで仔実装の悲鳴など聞こえないかのように ゆっくりと、そして丁寧に切断されたばかりの傷口をブラッシングし続ける。 だが所詮は木、緩慢に傷口を抉るだけで一向に終わりなど見えては来ない。 むき出しの神経が、足に残された骨の断面が、千切れたばかりの筋肉が 毛羽立った木のブラシで丁寧に撫でられる。 それだけに留らず、折れた木の破片が棘となり傷口に刺さり 仔実装に与える苦痛をより複雑なものとしている。 チクチクとした毛先も不快感を増大させるのに一役買っている。 ビクンッビクッ!!ビクッビク!! 最早仔実装には悲鳴を上げることすら叶わない。 肺に空気など微塵も残っていないにも関わらず、何かを吐き出そうと痙攣を続けるのみだった。 実際には10秒に満たない程度の時間であったが、 それが仔実装にとってはどれ程の時間であったかは当の仔実装にしかわからないだろう。 只1つわかっているのは、 「パキン」 1匹の仔実装が死んだということだけだ。 「ヒヒヒ・・・クックック・・・クフッ・・・・・・」 「アーーーーーーーーーーッはっはっはっはっハハハhはあはhhっはあアアはッハははh」 「」は只呟く 「・・・・・・・ああ」 「実装石は良い」 (了) 初スクになります。 未熟な点、至らぬ点が多々あるかと思いますが、 少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
