タイトル:【馬】 実装された都市伝説
ファイル:大分設定.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2493 レス数:0
初投稿日時:2010/04/25-14:02:27修正日時:2010/04/25-14:02:27
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 実装石が大分を嫌うという話がネットで囁かれていた。

 曰く、大分の天然水に触れただけで溶ける。大分産のものは斬鉄剣顔負けの切れ味を見
せる。大分県と聞かせただけで偽石が砕ける。それらは政府によって厳しい情報統制が取
られていて、一般人は知らない——

 そんな都市伝説。

 先日大分の天然水を手に入れたので、ちょっとそれを確認してみたくなった。都市伝説
を確認するって生産性の無い話だけど、そこは気にしちゃいけない。実装石自体も歩き回
る都市伝説みたいなもんだしな。

 前振りは抜きにして、俺の前には成体実装石三匹と仔実装石七匹が並んでいた。成体二
匹に親子一組という組み合わせである。

「約束通り手伝ってやるから、早くコンペイトウ寄越すデスー」

 テンプレ的台詞もスルー。

 ベンチに座ったまま、俺は傍らに置いた紙袋から2Lペットボトルを取り出した。日田
天領水と記された清涼感溢れる青いラベルが張られている。
 俺はその蓋を開け、中身をどばどばと実装石たちにぶっかけた。

「デギャァァ!」
「テチャー!」

 悲鳴を上げる実装石。
 ま、いきなり水ぶっかけられたらそんな反応だろう。

 しばし、騒いでから、ずぶ濡れになった実装石が抗議の声を上げる。

「いきなり何するデスー!」
「冷たかったテチャー」
「謝るデス、賠償するデスー」
「すまんすまん」

 適当に宥めつつ、実装石を観察。濡れた以外、これといって変化はない。結局大分はた
だの都市伝説だったか。分かってはいたけどな。

 でも一応聞いておこう。

「お前ら、大分県て知ってるか?」
「何デス、それは? 食えるデスか?」
「大分県てのはなー」

 すっと右手の人差し指を立て、俺はネットで聞いた大分の都市伝説を語り始めた。ちな
みに俺、近所の子供に怪談聞かせて泣かせて怒られたことあります。








 ひとしきり説明が終わってから。

「デェェ……」
「テチィィ……」

 抱き合って怯えている成体実装石二匹と、親実装に抱きついている仔実装たち。全員目
から涙を流して震えている。うーん、実装石に怪談聞かせるって虐待も案外面白いかもし
れん。今度本格的にやってみよう。

「怖いデス……。オオイタ怖いデス……」
「でー。実は最初にお前らにぶっかけた、この水」

 優しく微笑みかけながら、俺は少し中身が残ったペットボトルを左右に動かした。中の
水がぽちゃぽちゃと揺れている。無色透明なただの水。
 実装石たちが不安げに水を見つめていた。
 そして、俺は笑顔で告げる。

「日田天領水。大分県の天然水だ」
「デ——」
「テ——」

 成体、仔実装が揃ってペットボトルを見つめる。

 次の瞬間、

「デギャアアアアァァァァアアァアァァ……!」
「テチャアァァァァアアアァァ……!」
「な……!」

 鼓膜を叩くような声を張り上げ、十匹の実装石が溶け始めた。

 え、何コレ……?

 まるで熱湯を掛けられた砂糖のように、見る間に溶け消えていく。髪や服、皮膚から筋
肉や骨、臓器に至るまで全てが消失するように溶けていた。それは俺がさっきこいつらに
聞かせた『大分の天然水で溶ける実装石』そのもの。

 十秒もたたずに、十匹の実装石はこの世から消え去った。
 残ったのは、地面を濡らす水のみ。

「実装石の思い込み効果ってヤツか……?」

 感心しながら、俺はペットボトルの残りを口に含む。
 その時はその程度の感覚だった。








 翌日、俺はテレビで流れるニュースを呆然と聞いていた。

「謎の実装石消失事件の続報です。現在大分県にいる実装石が野良、飼い関係なく消滅し
ています。目撃者の話によると、突如悲鳴を上げまるで空気に溶けるように消えたとのこ
とです。実装石以外の実装生物及び、大分県外の実装石には影響は無い模様です。現在各
機関は全力で調査に当たっていますが、原因は未だ分かっていないとのことです。では、
実装生物に詳しい双葉敏昭教授のインタビューです」
「はい。実装石というのは、常識が通じない生き物ですが……今回が本当に何が起こって
いるのかも全く分からないというのが、現況です——」

 沈痛な面持ちで首を左右に動かしているおじさん。
 
「何だ、コレ……」

 俺はただそう呻くしかなかった。








 大分事件。

 後にそう呼ばれるようになった原因不明の事件。突如として実装石が大分県を拒否する
ようになった。都市伝説を実装したのだとあちこちで騒がれ、その後実装石駆除から実装
石虐待まで大分県の水や道具が大活躍するようになる。

 もっともその後について、俺はよく知らない。
 あの日以来、俺は実装生物との関係を完全に絶ったからだ。


  END


 あとがき
 書けないから進む実装スク……。困った。


 過去スク

2104.【哀】 希望と絶望
2101.【馬】 〈紫〉カツアゲ…?
2099.【観察】〈紫〉幸せな最期とは
2097.【虐】 斬捨御免
2089.【実験】 レインボー実装石
2081.【観察】 Narcotic Addict − 麻薬中毒者 −
2077.【馬・虐】〈紫〉マラカノン砲
2071.【馬鹿】〈紫〉虐待してはいけない…
2066.【虐・実験】 ジッソウタケ
2057.【虐・他】 中途半端な賢さは…
2038.【虐・愛?】 ダイヤモンドは砕けない
2031.【馬鹿】 雪華実装は鍋派?
1994.【虐・観】 時間の狭間に落ちる
1988.【虐】 クリスタルアロー
1983.【馬鹿・薔薇】 リベンジ! 完全版
1980.【馬鹿・薔薇】 リベンジ!
1977.【虐・観】 懲役五年執行猶予無し
1970.【実験・観察】 素朴な疑問
1958.【虐・実験】 虐待&リリース
1954.【獣・蒼・人間】 騎獣実蒼の長い一日
1952.【軽虐】 既知との遭遇
1944.【馬鹿・薔薇】 水晶ハワタシノ魂ダ!
1941.【色々】 実装社交界の危機
1939.【駆除】 ススキ原の実装石駆除



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