タイトル:【馬】 【虐・戦】戦列実装石(前編).
ファイル:【虐・戦】戦列実装石(前編).txt
作者:二葉市市長 総投稿数:1 総ダウンロード数:1607 レス数:0
初投稿日時:2010/04/09-01:30:16修正日時:2010/04/09-01:30:16
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「壮観だな」
「ああ、いつ見ても壮観だ。これが糞蟲を使った遊びとは思えんな」

2人の男は、とある大きな河川敷の土手の上に居た。
小太りの眼鏡を掛けた男は、サンドイッチを食べながら、サングラスと黒いコートを着た男は深く被った帽子の縁を揺らしながら。
彼らだけではない。百人近くの人間が、興味深げに、または楽しげに土手の下を見下ろしている。

土手の下の河川敷。
無駄な公共事業によって大人数でスポーツが出来るよう整地されたものの、町の衰退で使う人も居らず見捨てられた場所。


ただ無駄に広々とした平坦な草地は、いまや一大合戦場と化していた。


ダン、ダンダーン!


太鼓の音と共に、彼らが見下ろしている者達が一斉に動き始めた。

ポフ、ポフ、ポフ、ポフ、ポフ。

間の抜けた足音も、数が揃えればそれなりに重さが出る。
しかも歩くタイミングも合わせれば尚更だ。

「よくもまぁ、あの自我の権化をあそこまで調教出来たもんだ」
「全くだ、あそこまで鍛え上げ、遊びに使えるようになるまでどれだけの手間と、脱落石を出した事だろな」


それは、実装石の群れだった。

いや、普通に群れとしては大概の実装公園に行けば直ぐに観れるだろう。

だが、その実装石達は信じられない程の統制をもって群れを形成していた。


『第一列石、前進開始デスゥ!!』
『デッスー!!!』

でかいダミ声と共に、綺麗に横列を形成した実装石の群れが前進を開始する。

横に百数十匹、縦二列。
綺麗に列を組んだ実装石の群れがそれぞれ20m程の間隔を空けて、三つの大きな隊列を形成している。

更にその列の両脇、間隔の間に木製の槍を持った大柄な実装石が所々に立っていて列と一緒に前進している。

更に後ろには四台の投石機がある。
よく古代や中世の戦争映画で攻城戦の時に使われる奴だ。
その周りに実装石が張り付いて、何かの作業をしていた。

後ろには禿裸が山積みにされており、双眼鏡越しに覗いてた2人の口端が禍々しく歪む。


「ほうほう、今年はアレも使うのか」
「良い物が観れそうだねぇ」

ハムサンドを美味そうに咀嚼しつつ、小太りの男は呟いた。




良く見ると、前進を続ける実装石達の首には赤いマフラーが巻いてある。
槍を持っている大柄な奴や、投石機に禿裸を載せている連中も同じく。


彼らの対面に布陣している実装石の戦列も、同じ状態だった。

同じように列を組み、同じように配置されている。
実装石は個別の特徴というものが無いから、まるで鏡合わせでもしているかの様だ。


赤い色のマフラーと、青色のマフラーを付けた実装石の戦列。


それらがゆっくりと近づきあっていく。
両方の陣営の後ろで鳴っている音楽に合わせて、ゆっくりと前進していく。

ちなみに、赤い方のBGMは『英国擲弾兵行進曲』。
青い方のBGMは『サンブル・エ・ミューズ連隊』。

両陣営が実装石などでなく、煌びやかな軍服を着た雄のニンゲンさんだったらさぞかし栄えただろう。


両方とも基本的にゆったりとした音楽である。
だが、その音楽に合わせて移動している実装石達は違う。

お互いの距離が詰まるにつれ、目を見開き、歯を食いしばりながら足は前へと出ている。
良く見ると両手はブルブルと震え、手や顔などの表面に出ている地肌からは冷や汗がダラダラと伝っている。

しかし、誰も逃げ出そうとせず指示通りに真っ直ぐ前進を続けている。
彼女らは経験上、列を乱す、逃げる、勝手な行動を取る、この三つの行動を取った同属がどんな末路を迎えるかよく理解しているのだ。

だから、徐々に明確な殺意を持った敵の列が迫って来ようとも我慢して指示通りに前進するしかない。
相当に鍛えられ、躾けられたせいか今の所誰もパンコンせず整然と行進を続けている。



両サイドの隊列の間が20mを切った頃、その声は響いた。



『撃てーデッスゥ!!』


「お、準備砲撃開始か」
「両方とも数は大まか同じ。ここでどこまで数を減らせるかでイニアチブが決まるな」



両方の戦列の最前列。
段々とお互いの顔がはっきりと見え始めた時にソレは降ってきた。


「デギャアアアアアアア…………デベ!!」
「ヂャアアアアアアアア、デギョ!?」

肌色の塊が高々と打ち上げられた後、大きく放射線を描いて大地へと落ちる。
重量を持つ物質は須く地球に向かって落ちる。これぞ重力の法則なり。

後方の古典的な投石機から打ち出された禿裸は、断末魔と本気涙を撒き散らしながら空中散歩を楽しんだ後大地へと還っていった。

狭まっていく隊列と隊列の間の草地に、次々と禿裸が落下し肉塊となって散らばっていく。

どうやら糞抜きをしてないようで、投擲された禿裸が上空を通過した下の実装石は少量の糞にまみれているようだ。
弾に糞が詰まっていれば威力を増すので敢えて糞抜きをしてないのだが、実装石達からすれば溜まったものではない。

『げ、掛かったデス……』
『あの糞禿、糞洩らさずに死ねよ、デスゥ』
『何勝手に喋ってるデスか、黙って前を見て歩けデスッ!!』
『『デデッ』』

槍を持った大柄実装石に怒鳴られ、小声で悪態を付いていた実装石達は慌てて口を噤み姿勢を正す。


だが、まだ糞が掛かる程度なら良い方だ。
丁度お互いの距離が15mを切った時点で投石機の禿裸が両方の列に命中し始める。

『と、飛んできたデス、デギャ!』
『こ、こっち来るなピギャ!!』
『し、死にたくないデスゥゥゥ………………ブギャ!!』

距離が詰まれば詰まるほど損害は増加し、戦列のあちこちが欠けた櫛の様になっていく。

だが、実装石達の列はまだ崩れない。

先程の鬼気迫った顔のまま砕け散った仲間や禿裸を踏み越え、音楽に合わせて前進していく。
何匹かは血肉に足を滑らせたが、必死になって立ち上がり列に復帰して再度前進を開始する。
そのまま何匹かは倒れて動かなくなったが、近寄ってきた槍持ちの実装石達によって滅多刺しにされる。

『死んだふりしても無駄デスゥゥゥゥ!!』
『な、何でばれた……デギャ!!』
『戦争の石がそんな事でどーするデス!! 前線石共、どっちにしても死ぬなら前進して死ぬデスッア!!』
『軍曹殿許してデシャアアアア!!』

後列の隊列も前進を続け、何の感慨もない様子で死体を踏み越えていく。


やがて、距離が詰まりきったのか投石機の砲撃が止まる。
これ以上撃てば味方の戦列をも巻き込むからだ。

相対距離は3m弱。
お互いがどんな顔をしているか、ギョロギョロと動く眼窩の動きまでハッキリと解る。

両方の楽曲も止まる。
つまりは、行進終わり、という事だ。


『止まれ、デス!』

両方から掛かった号令は、ほぼ同じタイミングだった。

双方の戦列はぴたりと制止、戦場に静寂が走る。

『パンツ、降ろせデス!』

一斉に実装石達はスカートに手を突っ込み、白いパンツを一斉に降ろす。
糞が染みついているのが幾つかあり、準備砲撃や迫る敵への恐怖で洩らした者も居たようだ。

『パン、コン!!』

合図と同時に、戦場に気張る実装石の唸りと、ブリブリブリと脱糞する音が鳴り響く。
実装石の排便音はでかい。とてもでかい。
それを数百匹でやったらどうなるか。

「何時聞いてもすげぇ音だな」
「ああ、音だけで鼻が曲がりそうだぜ」

土手が風上で本当に良かった。
もし風下に居たら凄まじい激臭とガスに襲われて居ただろう。

『構える、デス!!』

下ろしたパンツの中にこんもりと出来た糞の山に、実装石達は手を突っ込み適量を手に載せる。
重すぎず、軽すぎず、訓練で何度もやった最適の量を手にする。
そして、砲丸投げの選手の塩梅で投擲のポーズを取った。


一瞬の静けさ。

まるで鏡合わせのように、糞投げポーズのまま合図を待つ実装石達。


そして次の瞬間。


『打てーデッスァ!!』


数百の糞投げが宙を飛び交った。








「始まったな」
「ああ」

2人の男の元に、大勢の観客の歓声が聞こえた。






続く


















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お久し振りです。
枯れてたスク書きの意欲が戻って来ましたので、ぼちぼちまた書いて逝こうと思います。


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