タイトル:【微虐】 スピンオフ パート2
ファイル:ワタチを食べないで(改).txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2622 レス数:0
初投稿日時:2010/04/06-02:48:52修正日時:2010/04/09-00:37:20
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仔実装紅スピンオフ パート2




・・・・・・・・・・・・・・・デロゲー。


(テェェ 何か聞こえるテチィ・・・)


この世の中はいいことだらけ、元気に産まれて幸せつかめデッスー。


(誰テチ?優しいお歌を歌ってけれるのは・・・)


特別元気な仔にはー、もれなく幸せになる権利が与えられるデスー。


(不思議テチ。とっても落ち着くテチ・・・)


人間さんにー食べられるー、とってもいい事待ってるデッスー。


(食べられる・・・テチィ?)


人間さんとー実装石はー食べて食べられ、とっても仲良しデッスー。


(いやテチ・・・そんなの・・・そんなの間違ってるテチィ。)


デッデロゲー、デッデロゲーーーーー。


(絶対に間違ってるテチャーー。)



*********************************************************************************************


「これは、一体どうゆう事なのチャワ?」

パック詰めにされた禿裸の仔実装石を見てルコウが首をかしげてる。

「いや、旅行に行った会社の先輩がお土産でくれたんだよ。」

「何で、そのコは禿裸なのチャワ?」

「えっ、食べやすくするためでしょ?」

「食べるのチャワ?」

「うん、そのためにあるんだし・・・」

いいかけて、利秋は迷った。ルコウがまるで、捨てられた犬のような目でこちらを見てる。

「かわいそうなのチャワ・・・食べられるだなんて・・・」

「でもなぁ・・・」

パッケージには最高級食用仔実装と書いてある。
わざわざオリジナルの胎教を一匹ずつに(強制的に)聞かせて、飼育しているらしい。
イラストは愛らしいデフォルメされた仔実装石が、

「おいしいテチ。」

と微笑んでる。


(最高級、めったに食べられないんだけどなあ。)


しかし、ルコウにとっては自分と同じくらいの背丈の生物を食べるということになる。

人間で言う死刑執行者のような感覚でもあるのだろう。


「まあ、とりあえずコイツの様子、見てからな。」


鋏を使い袋を開封する。
真空パックに空気が入り、一瞬仮死状態の食用仔実装がピクっと動いた。


中身を皿に開け、しばらく様子を見る。
どんどん体中に新鮮な血の色が戻る食用仔実装。
飛び起きると、吠えた。


「テッチーーーーーーー!!(間違ってるテチーーーーー!!)」

「!!!!」

「!!!?」


度肝を抜かれる一人と一匹。それくらい食用仔実装の声は大きかった。


とりあえず、声をかけてみる。


「よぅ、元気か?」


食品に対して、余りにも適当すぎる挨拶。
それに対し、食品はがたがた震えながら頭を隠して答える。


「元気は無いテチッ。元気は無いテチィイ。だから食べないでテチーーーーー。」

「元気すぎんだろ・・・」

「テッチャアーーー。 食べられるテチイイーーーー。」

「いや、食いはしないって。」

「嘘テチッ。何も信じられないテチャーーーー。」

「おいっ!!」

「テヒッ!!」


ようやく食品もとい、仔実装は黙った。元気にしてると食われると思っていたらしい。
ルコウがきりだす。


「ワタチが責任もって育てるのチャワ。
 だから、その仔は食べないでほしいのチャワ。」


ルコウの目を見る。ブルーの瞳の中に覚悟の色が確かに見えた。
だが、それは同時に世間の汚れを知らぬ目でもある。

ルコウは食用仔実装に同情している辺り、実装石というものを何も理解していないだろう。

まあ、利秋も実装石は今まで何かに利用していただけで、ロクに口をきいた事すらないが。


「いいだろう。だが、俺は手を貸さんぞ。」

「望むところなのチャワ。ワタチに任せるのチャワ。」


こうして、虹裏家に二匹目の飼い実装ができた。



******************************************************************************************************

「何度言えばわかるのチャワ? トイレはこっちなのチャワ。」

「テチー?」

ルコウが静かに、しかし半ばイライラしながら床に着いたショクの糞を雑巾でぬぐっている。


食用仔実装石なので名前はショクにした。


しかし、ショクは物覚えが悪い。ルコウが一発でクリアーしたことの何一つできはしない。
まあ、躾も何もされてないので仕方ないと言えばそれまでなのだが。


ショクは今、利明の手作りであるフェルト製の服を着ている。

ショクがルコウに対して何回も

「うらやましいテチ。」

とやかましかったからだ。


初日だけ、ショクは恐怖に震え続け大人しかった。

しかし、自分の身の安全が保障されたと分かるや否や態度が少しずつデカくなる。

今では、利明やルコウと同じ食事をとるようになった。もちろん、いただきます など言わない。

それどころか最近はルコウに自分の糞の始末をさせている。ルコウが気づいていない分、何かいたたまれない。


「なぁ、変わろうか。つうか、もう始末しねえ?」

「まだ、諦めないのチャワ。」

「うーん。どうしよう・・・。あ!」

「今度、買い物に付き合ってくれよ。」

「?」

「それで、ショクは置いて行って家中にリンガルを仕込む。」

「何のためなのチャワ?」

「お前はアイツの本性を知った方がいい。このままではお前が危ない。」


なんで? という顔をするルコウに説明を続ける利秋。


「古い言葉に《実装石に関わるものは皆不幸になる》というのがある。」

「素人が浅知恵だけで実装石に関わると、裏切られ、最後には破滅する。という意味らしい。」

「だからお前に見せてやる。あいつの本性をな。」


家の近所にものすごく大量に実装石を飼っている爺さんがいる。

その爺さん、古参のブリーダーなのだが凄く腕がよく今でも第一線で活躍している。
しかし、基本の性格は至って優しいおじいさん。理由を話すと高性能リンガルを六つも貸してくれた。

居間 台所 利明の部屋 ルコウの水槽付近 トイレ付きの風呂 玄関と余すことなくセットする。

ショクにはいい子にしていればコンペイトウを買ってきてやると言い含め、利明とルコウは近くのショッピング・モールへと出かけた。


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二時間後、幸せ気分一杯で帰ってきた利明たちにこの世の地獄と言うべき光景が待っていた。

家中糞まみれ、食いものは荒らされ、更にルコウの絵本も軽く破かれ糞まみれだ。

そして、全身を糞まみれにした状態で座布団に頭だけ隠すショク。

「「な、なんじゃこりゃああああ(ナノチャワ)!!!!」」

ハモった。

高級なリンガルが無事なのはせめてもの救いか。


全てのリンガルのログを確認する。
要約するとこんな感じだ。





利明たちが出かけてショクは暫く家の中をぷらぷらしていた。

ショクの独り事が始まる。

「ワタチだけ置いて行かれたテチ・・・・」

「何故、あのニンゲンは赤いのばっかり構うテチ? ふこーへーテチ。 アイツはワタチの奴隷テチ。」

ぐぅう。

「何か、食べるテチ・・・・・」

「不味いテチィ!!! どうしてアマアマが無いテチ!!!」

「テチャアアア、そこの白いの、アマアマ出すテチ!!」

ポム。

「テギャアアア オ腕が痛いテチイイ!!」

ブリブリブリッ。


流れからみて冷蔵庫にでも八つ当たりしたか?

考えに浸る利秋はルコウの顔色が徐々に変わるのに気がつかない。


「テェテェ・・ どうやらコイツもキョーイクがなってないテチ。 奴隷の心構えを教えてやるテッチャー!!」

べちょ!

「ウンチつけてやったテチ。これでオマエはワタチの奴隷テチ。 跪けテチ!」

ポム。

「テギャアアア、テギョオオオオオ!!!」


リンガルを読み上げる利秋は気づきようも無かった。ルコウは怒りに震えている。

(以前、ウンチをつけられた時。あのときは偶然かと思ってた・・・ 手がたまたま滑っただけかと・・・・!)

しかし、リンガルの言葉はまだ終わらない。


「テチャア・・・・何でこうなるテチ? アマアマはまた今度にするテチ。」

「テェ、これは奴隷の絵本テチ?」


絵本というフレーズだけでルコウの頬が吊り上る。当然、利秋は気づいていない。


「アイツ、いっつもエラソーでウットオシかったテチ。」

「こんなもの、こうしてやるテチ。」

びりり。

「テエエ  びくともしないテチ・・・」

「ドイツもコイツもワタチを苛立たせるテチ」

「ホントーに面白くないテチ。」

「この本もウンチまみれがオニアイテチ!」

ブリブリブリブリブリ。




ルコウとしてはそこまで分かれば充分だった。

まだリンガルを読み上げている利秋をよそに、すっと前に出る。

目から怪光線を発射しつつ、口の中から白い煙を吐いているルコウ。ショクに向かって右手をまっすぐに向けた。

事態を飲みこんだショクは大慌てで言い訳をするがもう遅い。

ルコウがゆっくり右腕を上に向けると、それに従いショクの体も上昇する。ショクは空中で暴れている。

血涙を流しながら、ルコウは最近アニメで知った必殺技を叫んだ。



                 「砂縛柩!!!!!」



前方から阿修羅の声が響いた気がして利秋は顔を上げる。

ヒモノになったショクと、目の下にクマをつくっているルコウがいた。

その異様な光景に一瞬ひるんだが、すぐ冷静さを取り戻す。


「ルコウ、オマエもう寝ろ。今日は何かと疲れただろ。」

「ごめんなさい。そうさせてもらうのチャワ・・・・」

おぼつかない足で自分の水槽に向かうルコウ。

その後ろ姿を見ながら、利秋は冷静でいられる自分にいまさらながら驚く。

ルコウの全身から発せられる異常な雰囲気にのまれたか。

「それは無いな。」

そう言いながら、片づけを開始する利秋。

リンガルを貸してくれたお爺さんに持っていくお礼は何がいいだろうか?

鼻歌を歌いながら作業を続ける。

そして、ふと利秋は食用仔実装石の入っていた袋の注意書きを思い出す。


“実装石は要領、用法を守って正しくお使いください”

「やっぱ、そうだよな・・・」






スピンオフ パート2・完

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