タイトル:【馬・虐】 〈紫〉 マラカノン砲
ファイル:マラマラ団襲撃.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2234 レス数:0
初投稿日時:2010/03/26-22:56:09修正日時:2010/03/26-23:50:14
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 双葉町を横切る、双子川。
 その川辺の草地にて、事件は起こっていた。

「デシャシャシャ! お前らは、我がマラマラ団の獲物デス。光栄に思うデッス!」

 土手の一番上に仁王立ちしているマラ獣装石。獣毛に覆われた屈強な身体と、股間から
そそり立つ巨大なマラ。それは今まで何十匹もの実装石を貫いてきのだろう。黒光りした
異様な迫力を纏っている。

「ボスもそう言ってるデッス♪ 大人しくヤられるデッス〜ン♪」
「安心するデ〜ス、ワタシたちはとっても紳士的なマラ実装石デ〜ス♪」
「ケモノもムラサキも、一緒に気持ちよくしてやるデッス♪」

 川縁にいるのは五匹のマラ実装石。
 土手の上にいるマラ獣装石をボスとしたこの六匹でマラマラ団らしい。

 そのマラマラ団が取り囲んでいるのは、首から鞄を下げた獣装石一匹と、紫色の首輪を
付けた薔薇実装一匹だった。駅前交番の半飼い獣装石のビースと、作家の元に居候してい
る薔薇実装の紫電である。

「紫電サン、マラ実装石に恨まれる心当たりあるデス?」
「多分……無イト思ウ……」

 紫電とビースは背中合わせに周囲のマラ実装を警戒しつつ、そう言葉を交わした。ビー
スの相棒である実蒼石のアオゾラは、風邪で休養中である。

 川岸で休んでいたビースを散歩中の紫電が見つけ、二匹でしばらく話し込んでいたとこ
ろに、突然このマラマラ団が現れたのだ。

 牽制するように水晶剣を突き出しながら、紫電はビースに尋ねる。

「ビース、アナタハ……? 最近、ドコカノマラ付キヲ、引ッ掻イタトカ……?」
「多分、無いと思うデス。でも、ワタシたちみたいな仕事してると、どうしてもどっかか
ら恨み買うデス……。巻き込んでしまってすまないデス」

 両手から爪を伸ばしつつ、ビースはそう答えた。

「気ニシナイデ……」

 短く答えてから、紫電は続ける。
 左手でビースの背に触れながら、

「上ノ……マラ獣装ヲ……」
「分かったデス」

 言うが早いか、ビースは二本足から四つ足に素早く体勢を変えた。くるりと身を翻し、
紫電がその背に飛び乗る。左手で首の獣毛を握り、右手の水晶剣を構えた。
 乗り手と乗り方は違うものの、まさに騎兵である。

 ビースが後ろ足で地面を蹴った。周囲のマラ実装石を無視して、犬並の速度で土手を一
気に駆け上り、ボスらしきマラ獣装石へと突進する。

「いきなりワタシを狙ってくるとは、その心意気やヨシデス! だが、甘いデス!」
「それはこっちの台詞デスッ!」

 二匹の獣装石が交錯する。
 土手上の砂利道で、二匹は距離を取って対峙した。

「マラ無しなのになんてパワーデスッ……! デッススス……。こいつはァ、そそる獣装
石デスゥ! ワタシのデガブツを是非ぶち込んでやりたいデッス♪」

 右肩から血を流しながらも、マラ獣装石が好戦的な笑みを浮かべる。それに合わせて、
マラが心持ち大きくなったように見えた。

「……お前にワタシの貞操は渡せないデス」

 頬から血を流し、ビースが構える。常日頃から鍛錬を積んでいる覚醒獣装石。その動き
を見切り、全く怖じる様子もないマラ獣装石。その力は相当なものだろう。

「安心するデスッ。貞操とは相手を組み伏せ、奪い取るものデス! それが、我らマラ実
装石、そして我らマラマラ団の生き方デェェス!」
「アナタノ、マラハ……ワタシガ掌握シタ……」

 紫電は静かに呟いた。

「なん……デス……!」

 マラ獣装石が振り向いてくるが、時既に遅しである。

 三十センチほどの長い水晶針が四本、マラ獣装石の腰に刺さっている。その先端は、マ
ラの根元——人間で言う前立腺の辺りへと達していた。

 ビースが飛びかかった時、紫電はその背中から飛び降りて、背後を取ったのだ。マラ獣
装石はビースにしか目を向けていなかったので、水晶針を刺すのは容易かった。ひとつの
事にしか注意を向けられない辺りは、普通の実装石である。

「エネルギー、チャージ……」

 紫電は水晶針の一本を軽く捻った。

「デヒッ!」

 途端、マラ獣装石の背筋がぴんと伸びる。爪先から脳天まで、勢いよく。まるで思い切
り気をつけの姿勢を取ったように。あちこちの筋肉が引きつり、全身から脂汗が吹き出し
ていた。カチカチと歯が鳴っている。

「出るデス、出るデス……出るデスッ……! でも出ないデスゥゥゥ!」

 マラ獣装石が自分のマラを凝視し、困惑の悲鳴を上げる。

 水晶針によって、強制的な射精と、強制的な射精止めが同時に行われているのだ。その
結果、強烈な「焦らし」がマラを襲っている。

「ボスーッ! 今助けに行くデスゥゥ!」
「そこのムラサキ、さっさとボスから離れるデスゥゥゥ!」

 子分らしきマラ実装石たちが走ってきた。普通の実装石に比べれば速いものの、獣装石
などに比べれば遅い。
 次の行動を取る時間は十分にあった。

 紫電は硬直したマラ獣装石を土手下の川岸へと向ける。水晶針でマラを押えられている
ため、それに逆らうことはできない。意志とは無関係に身体が動いていた。さらに水晶針
を動かすと、マラ獣装石が前屈みになり、マラが下へと向けられる。

「照準……ヨシ……。発射……!」

 水晶針を弾くと。

「デッス〜ンンッ♪」

 ドンッ!

 マラ獣装石の巨躯が大きく仰け反った。高々と嬌声を発し、マラの先端から白い液体が
発射される。およそ射精とは思えぬ音を立てて。さらに、およそ射精とは言えない速度を
以て。それはさながら白い散弾だった。

「デ……」

 ボッ!

 腰から下だけとなったマラ実装石が一匹、前のめりに倒れた。

 緑色の草の上に散らばった、赤と緑と白の液体。マラから超高速で発射された——文字
通り撃ち出された精液が、マラ実装石の上半身を吹っ飛ばしたのである。無論、自慢のマ
ラも粉々になっていた。

「な、何が起こったデス……?」
「いきなり、身体が……消えたデス……」

 残ったマラ実装石四匹が、吹っ飛ばされた一匹を見て困惑している。一瞬の出来事に何
が起こったのか理解できないでいた。理解できる方がおかしいだろう。

「予想以上ノ威力……」

 その射出力に驚きながらも、紫電は次の行動を始めている。

 左手に作り出した水晶ナイフで、マラ獣装石の左目の上を斬った。傷口から流れ出した
血が、緑色の左目を赤く染める。両目が赤くなり強制出産が始まった。

 水晶針を動かし、紫電は狙いを定める。

「蛆機関砲……発射……!」
「デデデデデデッス〜ン♪」
「レッフレフ〜!」
「レッフレフ〜!」
「レッフレフ〜!」
「レッフレフ〜!」

 マラの先端から高速で射出される小さな蛆実装。蛆弾が撃ち出されるたびに強い射精感
が襲うようだ。マラ獣装石は恍惚とした表情で涎を垂らし、何度も痙攣している。

 だが、蛆弾を向けられたマラ実装石たちは、それどころではなかった。

「デギョアッ!」

 蛆弾の直撃を受け、粉々に吹っ飛ばされる一匹。強靱に鍛え上げられたマラ獣装石のマ
ラから撃ち出される蛆実装は、エアガン並の威力を持つ。

「デデデデデ……♪」
「レビュ!」
「レヂュッ!」
「レピャ!」
「デエエェェ、これは一体何デス! 何なん——デギャァッ」

 地面にぶつかり爆ぜる蛆実装。何が起こっているか分からぬまま蛆実装を食らい砕け散
るマラ実装石。一方、連続で脳を打つ射精感に、激しく震えるマラ獣装石。

 紫電が水晶針を動かすと、マラの方向が代わり、蛆弾の軌道も変わる。

「ボスゥゥゥゥ! やめて下さ……デバッ!」
「レッフレフ〜! レヂィ!」
「レッフレフ〜! レヂャァ!」

 蛆弾の連射でマラ実装石三匹を撃破し、強制出産が終わった。

 しぅぅぅ……

 マラの先端から硝煙めいた謎の白い煙が立ち昇っている。
 蛆実装数十匹の強制出産によって、随分と細くなったマラ獣装石。それでもまだ十分に
元気そうだ。しかし、蛆連射の快感に意識がどこかに飛んで行っている。

 紫電は残った一匹のマラ実装石を見やり、水晶針を動かした。

「エネルギー、再チャージ……」
「デッ、エェェェェエェェェ……!」

 再び勢いよく背筋を伸ばすマラ獣装石。先程よりも強く全身の筋肉が伸縮している。吹
き出す脂汗の量も多い。眼球が飛び出すかと思うほどに両目を剥き、苦るしげな呻き声を
上げている。マラが脈打ち、二回りほども大きくなっていた。

 爆発的な射精に至るための、凄まじく重い溜め。

「こうなったら、ワタシも一匹のマラ実装として……腹括るデスッ!」

 最後に残った一匹が、そう叫んだ。

「いくデスッ! デエエェェスウゥゥゥアァァァァ!」

 咆哮とともに両手で自分のマラを扱き始める。実装石とは思えない速度で動く両腕。マ
ラ実装石を包む凄まじいオーラが、一瞬見えたような気がした。自らの腕によって刺激さ
れたマラが、力を溜めるように大きく膨れ上がる。

 紫電はマラ獣装石のマラを、最後の一匹に狙い定めた。
 最後のマラ実装石がマラを構え、咆える。

「ボスゥゥゥ! 許して下さいデスゥゥゥ!」
「発射……!」

 ギュンッ——!

 白い閃光が、空を斬った。

 数瞬の静寂。

「さすが……ボス……。凄い射精……デ……ス………」

 最後の一匹が、左右に倒れる。

 マラ獣装石の巨大マラから一直線に撃ち出された精液。レーザーのように一瞬で空中を
走り抜け、最後のマラ実装石が発射した精液弾ごと、その身体を縦に両断していた。まる
でウォーターカッターのように。地面にも一直線に裂け目が走っている。

 これで、このマラ獣装石の部下は全滅した。
 草地に散らばった実装石の破片と、大量の白い液体。

 だが、まだ終わらない。

「ラスト、チャージ……」
「デオ゛オ゛ォオォ……!」

 仰け反ったマラ獣装石の喉から苦悶の呻きが絞り出される。無茶な射精によって萎えか
けたマラが、再び膨れ上がった。両目から色付き涙が流れている。

 水晶針による強制射精は、自ら望んだものではない。意志とは関係なく作り出され装填
される大量の精液。それを超高圧で発射するためにマラに溜め込まれるエネルギー。マラ
獣装石にとってそれは、快感を伴う拷問である。

 だが、紫電はそれを気にも留めていなかった。

 川の向こう側の土手へと、黄色い目を向ける。

 ………!

 土手の向こう側から微かに伝わってくる動揺の気配。そこに三匹の実装石が隠れている
のは、さきほどから分かっていた。薔薇実装の持つ偽石探知能力である。だが、分かって
いてあえて知らない振りをしていた。

 マラ獣装石のマラが、斜め上方へと向けられる。

「角度ヨシ……風向ヨシ……。発射……!」
「デギョオオホオォォオォッ!」

 奇っ怪な悲鳴とともに撃ち出された精液。三度目の射精は今までで一番勢いよく、そし
て一番大量の放出だった。白い液体が川辺を飛び越え、川の真上を通り過ぎ、向かいの川
岸を通り過ぎ——五十メートル近い非常識な距離を飛んでから、向かい側の土手の向こう
側へと降り注いだ。

「デギャアアアァァァ!」
「デギョオォォ!」
「デエエェェェッ……!」

 土手の向こうから聞こえてきた実装石三匹の悲鳴。続いて、転がるように逃げていく気
配が伝わってきた。姿は見えないが、偽石が遠ざかっていくのが分かる。

「お前ら、妊娠してるデズアアァァァ! 両目緑デスゥゥッ!」
「そういうお前もデスゥゥゥ! マラの精液浴びたせいデシャァァ!」
「何でこんな事になったデスゥ……! こんな作戦考えたのは誰デェェス!」

 そんな叫びが聞こえてきた。
 デスデスとお互いに罵り合いながら遠ざかっていき、やがて気配が消える。

「……カワイ、ソウ?」

 紫電は首を傾げた。

 今の声には聞き覚えがある。以前、街外れの空き地で水晶弓矢の練習をしていた時に見
かけた実装石。実装石になった人間と自称していた、奇妙な三匹の声だった。

「デェ、スゥ……」

 気の抜けたマラ獣装石の声に、紫電は意識を手元に戻す。

 コト……。

 マラの先端から、赤い玉が落ちた。

「カワイソウ……」

 まさに燃え尽きたという様相のマラ獣装石。紫電が水晶針を引き抜くと、そのまま糸が
切れた操り人形のように横に倒れた。白く濁りかけた両目、最初の逞しさは微塵も残って
いない痩せ細った手足、皮膚もミイラのように乾いている。身体から生えた獣毛も艶が消
え白髪だらけになっていた。

 とりあえず生きてはいる。
 だが、マラ付きとしても獣装石としても死んだも同然だろう。

「少シ、ヤリ過ギタカモシレナイ……」

 紫電は頭をかいてから、ふと目を移した。

 ビースが妙に遠くに立っている。

「紫電サン……終わったデス……?」
「終ワッタ……ト、思ウ……」

 さきほどの三匹が、このマラマラ団を差し向けたようである。何者かは分からないが、
おそらくビースとアオゾラに恨みを持つ実装石だ。

「ビース……。アナタトアオゾラ……。奇妙ナ実装石ニ、恨マレテイルミタイ……。ダカ
ラ、コレカラ注意シタ方ガ……イイト思ウ……」
「……? 分かったデス、気をつけるデス」

 ビースが頷いている。

 しかし、奇妙な実装石については分かっていないようだった。心当たりも無いようであ
る。今度アオゾラと一緒にいる時に、説明しておいた方がいいかもしれない。

 紫電はそう判断した。

 ふと近くに落ちていた赤い玉を水晶のピンセットで拾い上げ、

「コレ……イル……?」
「いらないデス……」

 ビースは首を左右に振った。



  多分、続かない

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