--序文 多少メタ的な謂いになるが。 実装を扱った世界には、様々なバリエーションがある。 今回取り上げるのは、「デーソン」というコンビニエンスストアチェーンのある世界のお話し。 詳しくは、「実装なんでも」の画像掲示板を参照してほしい。 きっと、虐待大好きな人の虐待欲を刺激してくれると信じる。 --本文 俺はローソンに勤めるフリーター。 いわゆる資格浪人というやつだな。 最近、「デーソン」という、ウチの店を勝手にパクったコンビニチェーンが出てきているようだね。 驚くことには、実装石を店員として使用しているのだな。 これまでは実装石を店員として使うなど、とんでもないことだと思われていたが… 大手資本による、巧みなメディア戦略。 高級官僚や政治家への「説得」。 これらが功を奏したのか、実装石を店員として使うことが可能になったのだな。 三大都市圏を始めとして、百数十店舗の規模を有しているらしい。 俺は本家ローソンに勤めていることもあり、敵状視察というわけでもないのだが、デーソンに足を運んでみた。 実装石の店員……店員石と呼ばれているらしい……が、何かテチテチと言ってきた。 もちろん、そのままでは何を言っているのか分からない。 店にはリンガルが備え付けられてあったが…… そこで俺は既にブチ切れ寸前だったね。 何で客である俺が、わざわざリンガルを通して実装石ごときと会話しなけりゃならんのだ? しかも、こいつら畜生だぜ? 清潔にはしているのかもしれないが、普通、店員に畜生を使うか? 犬を使うか? 猫を使うか? 猿を使うか? 保健所は一体、何をやっているんだ? まあ、リンガルを通して見る店員石の言っていることは至極マトモ。 「いらっしゃいませテチ、何かお探しですテチ?」 ちょうど暑かったので、俺は、制汗デオドラントはどこにあるか、聞いてみた。 ところが、よく分らないと言う。 それはそうだ、実装石ごときの頭脳で、商品の場所など覚え切れないだろう。 店の奥から、副店長と名乗る男が出てきて、店員石にデオドラントの場所を教えて去った。 「お取りしますテチ」 と、店員石。 でも、デオドラントは、店員石が手を伸ばして取ることのできるギリギリの高さ。 必死に取ろうとする店員石。 でも、こいつら、指が無いんだよね。 ガチャン! ああ、案の定。 ガラス瓶入りのデオドラントは、床に叩きつけられ、割れて、俺のスラックスに派手に付着した。 ふたたび、奥から副店長が出てくる。 段々、俺の怒りも、抜き差しならないものになってくる。 俺は元来、温厚な方だと思っている。 しかし、今日のこの仕打ちは何だ。 最初から人間の店員が対応していれば、何の問題も無かったのではないか。 努めて冷静に、クリーニング代を要求して、俺はムシャクシャした気分のまま、デーソンを後にした。 炎天下。ますます苛立ってくる。 そもそも、ローソンの名前や制服デザインをパクってるのはどういうことなのか。 なんで実装石なんぞを店員に使うのか。今日だって、そのせいで一張羅が汚れてしまった。 いくら人間に近い知能を持っているとはいえ、畜生を、食品も扱う店の店員として使うなど、どういうことなのか。 それにだ。聞くところによると、店員石の給与はきわめて安い。 恐らくこれが、このことだけが、デーソンが実装石を雇う理由だろう。 と、俺は炎天下、苛ついた、回らない頭で考える。 では、どうなる? こんなことが世の中にまかり通るなら、人間の雇用が圧迫されるのは必至。 たとえ人間が実装石の十倍の働きをしようとも、給与に二十倍の差があれば、人間の雇用は圧迫されよう。 人間の雇用が圧迫される! 実装石ごときに! 俺は今まで、実装石に対して、中立派であったつもりだ。 しかし、ローソンを堂々とパクっているデーソン。 使い物にならない店員石。 ずぶ濡れになったスラックス。 この暑さ。 それらが段々と、俺の思考を麻痺させていったのかもしれない。 幸い、現段階で、実装石を店員として使っているなどという気違い企業は、デーソンだけのようだ。 ローソンをパクっている点は、別途、ローソンの上層部が、司法レベルでの解決を図るだろう。 その動きは既にあると聞いている。 だが。 今まで、デーソンに対してウザいと思っていたシンプルな怒り。 そして今日の一件。 使い物にならないくせに、やたら可愛がられているように見える店員石。 全て、癪に障る。 全て、癪に障る。 全て、癪に障る。 全て、癪に障る。 全て、癪に障る。 全 て 、 癪 に 障 る 。 俺は、実装石虐待を密かな趣味とする友人たちにメールを送ることにした。 目標は、デーソンの店員石への嫌がらせ。シンプルだろう? 彼ら彼女ら、そして俺は、ヘマをするつもりは無い。やるなら、巧くやるよ。 虐待。 精神的な追い詰め。 実装石へ反対する世論の喚起。 法律サイドからの攻撃。 などなど。 ああ、楽しみなアイデアがたくさん湧いてくる。 これから家に帰って、友人たちとアイデアを練ろう。 デーソンでの不快な事件も忘れ、スラックスの汚れも忘れ、俺の足取りは軽くなった。
