タイトル:【虐観察】 親指実装多頭飼
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作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:5128 レス数:0
初投稿日時:2010/03/07-16:41:35修正日時:2010/03/07-16:41:35
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コンビニ袋がイゴイゴと蠢いている。”託児釣り”の成果だ。
レチレチテチテチうるさいので、実装ネムリスプレーを袋の中に噴霧し静かにする。
袋の中身をテーブルに放り出すと、お菓子と一緒に実装が出てきた。
今日の収穫は親指3匹仔実装1匹。
親指以外の実装には用がないので仔実装はさっさと片付ける。
残るは親指だけ。


2月1日

各親指の頭巾に「15」、「16」、「17」と書き込み、3段目のボックスに親指達を入れる。
このボックスにあるのは床と壁とトイレ(穴)のみ。
新入り達はここで様子をみる事になる。

気がつくと大きな箱の中にワタシ達は居た。
ここにはワタシ達以外何も無い。
床に穴が開いている、そこからウンチのニオイがする、トイレのようだ。
とりあえず、他の仔に挨拶する。
「はじめましてレチ」
「はじめましてレチ、これからどうなってしまうんレチ」
「レププ、お前らはカワイイ私のドレイにしてやるレチ、くるしゅうないレチ」
挨拶できない仔がいる・・・無視する。
挨拶を返してくれた仔に話しかける。
「大丈夫、このニンゲンサンはギャクタイハじゃないレチ(たぶん)」
「お姉ちゃんどっか行っちゃったレチ・・・」
この仔は姉と一緒に託児されたようだが姉はどこに行ったのだろう。


2月2日

新入り達3匹の様子を見る。
意外にも、きちんとトイレを使っていた。
霧吹きで水分を与え、ピンセットを使って実装フード(安物)を与える。
一食にフード1個だ。
最低限の食事量にも満たないが、これで実装の本性が現れる。

突然の雨の後、お空からご飯が振ってきた。
パサパサしてるけど美味し・・・くないけど、うれしい。
「レェ〜、パサパサレチ・・・マズイレチ、足りないレチ」
「食べられるだけでも良いレチィ」
そうだ、あの仔の言うとおりだ。食べられるだけで幸せだ。
「マズイものはマズイレチ。カイゼンをヨウキュウするレチ!」


2月3日

さっそく1匹が糞虫の本性を現した。
食事が「マズイ、足りない」と言っている。
他の2匹は文句も言わずに食べている。
糞虫は無視してこのまま様子を見る事にする。

「ありがとうございますレチ」
お礼を言ってフードを受け取る。
食べていると他の仔がケンカをし始めた。
「もっとおいしい食事を用意しないと許さないレチ!!!」
「レエッ!そんなこと言ってはイケないレチ!」
「うっさいレチ、お前の分もよこすレチ」
「な、なにするレッ!返すレチ!レエエーン」
慌てて私のフードを鳴いている仔にあげた。
「ワタシの分をあげるから泣くのをやめるレチ泣いてはいいけないんレチ!」


2月5日

17番は糞虫化したようだ、16番のエサを奪って食べているようだ。
15番は、16番に自分のエサを与えていて、3日もエサを食べていない。
ここまで自己を犠牲にするやつは初めてだ。

「レエエエーン、レエエーン、またあいつがフードを取ったレチ」
あの仔が、また泣いている。
ワタシのフードをあげる。
お腹が減った。


2月7日

15番は5日間食べてない。
成体実装ならどうってことない絶食期間だが親指には死の(仮死だが)危険がある。
選別を実行する。

15番の場合

もう何日も食べてない。
ぼうっとしていると、ふっと体が軽くなった。
ワタシは死ぬのかな・・・。
口の中に甘い、とても甘い感覚が広がる。
気がつくと周りの風景が変わっていた。
「大丈夫レチ?しっかりするレチ!」
「こ、ここはどこレチ?」
土の地面があり、草も生えている。
遠くには公衆トイレそしてダンボールハウス、それに小さな池がある。
ここは公園!?

16番の場合

チププ、ヤツはバカだ。
ワタシが泣いたふりをすればフードをよこす。
ホントは取られてないけど、フードを取られたふりをするのだ。
フードが2個食べられる。まったく足りないけれど。
とつぜんニンゲンがあらわれて服を脱がされた。
そして辺りは真っ暗になった。
ここはどこレチ?
「その声は三女ちゃんテチ?」
その声はお姉ちゃん!?
「会いたかったテチィ〜」
私も会いたかった!
「ママもいるテチ!ママ−!!」
「どうしtデエッ!三女ちゃんデスゥ」
「三女ちゃんでかしたデスゥ、ここは天国デスゥ・・・」

17番の場合

いきなりニンゲンがあらわれてワタシの服を脱がした。
そして辺りは真っ暗になった。
クソニンゲン殺す!ゆるさない!
「チププ、新入りが来たレチ」
誰!?
「チププ、先輩として教えてやるレチ、ここは・・・ゲフン
 ここには明かりもない。トイレもない。何も無いレチ」
じゃあウンチは?
「床が網状になってるので勝手に下に落ちるレチ」
たべものは?
「食べ物なんか無いレチ!たまに上から食べ残しが落ちてくるレチ」
レエッ!?そんなんじゃ死んじゃう!!
「チププ、そんな事ぐらいじゃパキンできないレチ!!」
レエエッ!!
「最後に良いこと教えてやるレチ!」
レエッ!?
「新入りが来ると入れ替わりに”上がれる”んレチィ。
 チププ、さ・よ・う・な・ら、レチィ」
レビャアアアアア!!!


2月8日

1、2段目のボックスにフードを補給する。
3段目には復帰した14番がいる。
いつものようにピンセットでフードを1つだけ与える。
2週間前と違って感謝しながら食べているようだ。
よほど4段目での生活が苦しかったのだろう。
特別にもう1つフードをあたえる。

はあはあ1週間ぶりのまともな食事だ。
長かった、死ぬかと思った。パキンもできなかった。
フードがおいしい。フードはおいしい。
ゲフッ、ゲッゲッ、ゲヒッ

2段目に上がった15番は3番の懸命な介護のおかげで復活したようだ。
先にいた9匹に混ざり、上手く生活している。

サンバンさんに教わったワタシの名前はジュウゴバン。
ここはまるで公園の様だが、いくつかある箱のひとつらしい。
ここが公園でない事はすぐに納得できた。
ギャクタイハもいない、同族食いもない、みんな仲良く暮らしている。
食事の時間はゴミ置き場の様なところにフードを拾いに行く。
みんなが食べられる十分な量のフードがある。しかも美味しい。
たまにコンペイトウが入っていることもある・・・そのときは競争になる。


2月9日

5段目に下げた6番は家族との再会を果たして嬉しそうだ。
6番の家族はとっくに・・・。

ママにもオネチャにもそれは食べてはいけないと言うが聴いてくれない。
「ママ、それは食べ物じゃないレチ!」
「なにを言ってるデス、これはフードデス、高級フードデスゥ」
「そうテチィ、あまあまテチィ、クッチャクッチャ」
それは、それはウンコだ!
確かに緑色のフードに似ているがどう見てもウンコだ!
また、上からウンコがベチャベチャと降り注いだ。
レエエエ、ここにはウンコしかないレエエエ。
「さあ、三女ちゃんもウンコ食べるデスゥ」

5段目は1〜4段目に棲んでいる親指実装の排泄物が全て落ちてくる。
つまり、下水槽なのだ。
あの家族は死ぬまで糞喰らいとして生きることになる。

ふと3段目を観ると14番の様子がおかしい。
喉を押さえてパンコンしたまま動かない。
どうやらフードを喉に詰まらせたようだ。
フードが2個も貰えてあわてて食べたのだろう。
17番には悪いことをしたなと独りつぶやく。
3段目に誰も居なくなれば4段目に居る17番にはエサが落ちてこない。
3段目に新入りが来るまで17番には当分エサ無しだ。
17番は泣きながら何か食べ物がないか探している。
哀れだ。


2月10日

お世話になったサンバンさんが見あたらない。
他のオトモダチに聞いてみると、とつぜんオトモダチが居なくなることがあるらしい。
良い仔にしていれば幸せなところに行ける。
悪い仔は最初にいたところに戻される。
「いいレチ、コレは秘密レチ」
頭巾を無くした、額に13と書かれたジュウサンバンさんが教えてくれた。
ワタシを助けてくれたサンバンさんならきっと良いところに行ったんだ。
ワタシはそう思った。

ひん死の15番を介抱した3番を1段あげた。
3番はひん死の15番にコンペイトウを溶かして口にいれて介抱した。
これは充分昇格ものだ。
1段目は2段目の待遇でも糞虫化しなかった賢い実装のみ上がれる場所。

目が覚めるとそこはフカフカのベッドと久しぶりにあったオトモダチ。
「サンバンちゃん久しぶりレチ」
「ゴバンちゃん!、ここはどこレチ?」
「ここは1段目レチ、みんなは『楽園』と呼んでるレチ」
「楽園レチ?」
「そう楽園レチ!」

食事は高級実装フード、毎日おやつにコンペイトウやプリン。
床はフカフカの絨毯。
石数分のベッドには天蓋付き、トイレは水洗、24時間風呂完備。
実装にとって、ここは正に楽園。


2月11日

ワタシはジュウゴバン。
ゴミ置き場(エサ置き場)にフードを取りに行ったがフードが無かった。
こんなことは初めて。
オトモダチは、「明日になればフードが振ってくる」と言っている。
本当だろうか・・・。


2月12日

今日もフードが無かった。
ゴミ置き場のフードのかけらを奪い合ってケンカを始めたオトモダチ。


2月13日

今日もフードは無い。


2月14日

今日も無い。


2月15日

食べ物無い。
倒れて動けないオトモダチが出始めた。
動けないオトモダチに、とっておきのコンペイトウのかけらをあげた。
みんな元気になってくれた。うれしい。


2月16日

ワタシのダンボールハウスにオトモダチが集まった。
コンペイトウを出せと言っている。
コンペイトウはジュウサンバンさんにあげたのが最後なのに。


2月17日

ハウスも服もうばわれた。


2月18日

もう
だめ


2月19日

・・・


2月20日

虫垂炎で入院していたため実装の世話をできなかった。
久しぶりにみる実装ボックスは荒れ放題・・・やる気が無くなる。

1段目・・・実装達は痩せてるが4匹とも無事だった。
フードも多めに与えていたことも良かったのだろうが、
さすがはここまで上がってきた実装だ。
エサ場にプレミアムフードを置き、飲み水を砂糖水に切り替えると、
エサ場と水飲み場を往復し始めた。

2段目・・・ひどい有り様だ。
公園を模して作ったジオラマがめちゃくちゃだ。
雑草も食い散らかしてあり、ダンボールハウスもいくつか消えている。
実装も9匹から6匹に減っていた。
3匹(9、11、12番)は、どうやら誰かの腹の中のようだ。
ボックス内に実装ネムリスプレーを噴霧し、全実装を眠らせると、
腹が膨れている4、6、8番を禿げ裸にして5段目に落とす。
ミイラ化した10、13、15番を取り出し、ジオラマを作り直す。
伸びきった草をトリミングし、盆栽を植え直す。
ダンボールハウスも造り直しだ。
良く見ると15番の服がない、頭巾もぼろぼろだ、おそらく仲間に襲われたのだろう。
とりあえず8番の服を着せ、生き残った他の実装ともども
スポイトで砂糖水を与えると、みるみる膨らんで復活した。
本当にデタラメだ。

3段目は・・・もともと誰もいない。

4段目は・・・17番がヒィヒィと鳴いていたので可哀想になった。
スプレーで眠らせてから左足をニッパーで切断し、口の中につっこむ。
これで、もう少しもつだろう。

それにしても、今回の入院で実装の数が大幅に減った。
また、託児釣りに行かなくては。


2月21日

レププ、お口の中におニクが飛び込んできた。
おいしい!おいしい!
レ?なぜか左足がなかった!。
痛い!痛い!痛い!


2月22日

ワタシはジュウゴバン。
あれから何日たったのだろう。
いまではあのフード無しの日々が無かったかのようだ。
でも、あれ以来オトモダチとの関係がギクシャクしてる。


2月23日

どうも2段目の実装の様子がおかしい。
どうやらジュウゴバンが仲間はずれになっているようだ。
以前のように仲の良い(笑)実装の生活が見たいのだが。
いや、これはこれで楽しいかもしれない。


2月24日

ワタシはジュウゴバン。
今日もオトモダチから無視された。
コンペイトウを隠してると思われている。
持ってないのに。


2月25日

サンバンが何か気がついたようだ。
さて、どんな答えを出してくれるだろうか。

わたしはサンバン。
ここは『楽園』。
暖かくて、ベッドはフカフカ、食べ物もお菓子もなんでもある。
ここが『最高』だと思っていた。ニバンちゃんから聞くまでは。
「実はここより『上』があるらしいレチ」
「本当レチ!!」
「シッ!声が大きいレチ」
「ここは『楽園』と呼ばれているレチ」
「それは知ってるレチ」
「前にイチバンちゃんが、ある場所を『天国』って言ってたレチ」
「て、天国レチ!?」
「そうレチ、イチバンちゃんはそこに行ったレチ」
「レエエ・・・」
「カミサマの問いに答えられれば行けるレチ!」
「そ、それは何なんレチ?」
「そこまでわからないレチ・・・」
「・・・天国・・・レチィ・・・」


2月26日

お腹が減った・・・。
また、おニク食べたい。
でも、あのおニクは左足だった。
左足はまだ生えてこない。
でも右足はある・・・。


2月27日

17番が自分の右足を自分で食べはじめた。
計画どおり。


2月28日

いよいよ決行の時がきた。
3番に実装ネムリをスプレーし箱に入れる。



気がつくとわたしは狭い場所にいた。
辺りは真っ白で何も無い。

『楽園は快適か?』
だ、誰?
『快適か?』
「・・・か、かいてきレチ・・・」
『天国へ行きたいか?』
「て、天国ってどこレチ!?」
『すばらしいところだ』
「レエエ・・・」
『行きたいか?』
レ?
『行きたいか?天国に!』
ど、どうすればいいのかわからない。
このまま楽園にいた方がしあわせかもしれない。
「行きたいレチ!!」
『はやっ!』
「レチ?」
『わ、我が問いに答えよ!さすれば天国への道が開かれん!』

『楽園に無いものは?』
楽園に無いもの???
無いもの???
楽園には何でもある。
フカフカのベッド、お風呂、お菓子、プリン、コンペイトウ
何でもある。
でも、でも、無いものがある!




「自由レチ!」




「楽園には自由が無いレチ!!」
何でもあるけどどこへも行けない閉ざされた場所。
そう、自由!
「天国には自由があるに違いないレチ!!」
真っ白な空間に突如緑色の光が差し込んだ。
扉が開いたのだ。
「天国レチ!!」
ワタシは走って外に出た。
緑の芝生、青い空、白い雲。

すばらしい!!

これが自由、どこまでも広がる自由な場所。


よくわかったな。
「レ?あなたは誰レチ?」
俺はお前の飼い主、ご主人様だよ。
「ご主人様、はじめましてレチィ〜。」
うんうん、よく頑張った、お前はスゴイよ。
「それほどでもあるレチィ〜。」
これからお前は自由だ。
狭い箱の中に閉じ込められることなく自由に歩き回れるんだ!
「やったレチ!これで晴れて普通の飼い実装レチ!」


そうだぞ、これでお前は自由の身だ。ただし、この公園でな!!



レ?レチ!?
見回すと、そこは公園。
禿げた芝生、くすんだ空、黒い雲。

みすぼらしい!!

これが天国!?天国じゃない!約束が違う!!

ウソじゃないさ、ここは天国さ。
その証拠に天国には何でもあるぜ。
食べ物(生ゴミ)もある
家(ダンボール)もある。
コンペイトウだって(たまに)ある(かも)。
それに、自由がある。
殺される自由もな。


レビャァアアア!!!
楽園に帰りたい!楽園に帰りたい!楽に帰りたい!
なんでもします。なんでもします。
楽園に帰してください!!

いや、ダメだ。
お前は”ここ”で飼ってやる。
フリーダムへようこそ。


こうして3番は天国へ旅立った第二の親指実装になったのだ。

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