公園のベンチで缶コーヒーを飲みながら休んでいると、野良共が集まり出してきた。 デステチ煩く叫ぶ野良達の中から仔を一匹捕まえると、手際よく首の骨を折り、服を破り捨て、髪を全て引き抜いた。 一瞬で禿裸にされた仔を見た他の野良達は騒ぐのを止め、ボーゼンと突っ立っていた。 革ジャンのポケットから取り出したジッソーライターで、禿裸を軽くあぶる。 ちなみにオレはタバコは吸わない。このジッソーライターはオレの調理道具のひとつだ。 よし、仔実装のあぶり焼き完成と。 テキトーに一匹選んであぶり焼きをムリヤリ食わせる。調理された仔の親だったらしく最初は嫌がってたが、やがてウマウマとむさぼり食らう。 それを見ていた他の野良達が、ワタシにも食わせろと大騒ぎしだしたので、「黙れ!」と一括。 野良達が静かになったところで、「食材を持ってくれば料理してやる」と言ってやると、一匹の野良が「食うモノなんか持ってないデス」と呟いた。 「食材なら居るだろう……隣に」 「デッ!?」 お互いを見つめあう野良共。 一瞬の静寂の後── 「コイツを火あぶりにするデス、コイツが食材デス!」 「何を言うデス、キサマが料理されろデス!」 「ワタシの栄養になれる事を光栄に思うがいいデス〜」 「かわいいワタシの仔達、ようやくワタシの非常食として役立つ時が来たデス」 「チプププ、ようやくママがワタシ達のゴハンとして最期の活躍をする時が来たテチ〜」 「蛆チャン、オナカスイタレフー」 ──血で血を洗う修羅場が展開された。 「オイ、ニンゲン! コイツをはやくあぶるデス!」 「そうデス、はやくこのクソガキ共を焼けデス!」 オレはふうっとため息を吐いた後、ライターを取り出し説明した。 「こんなライターじゃ中まで火が通らん、丁度向こうで他の人間達が焚き火しているから、そこへ連れて行って投げ入れろ。美味しい焼き肉が作れるぞ」 水飲み場の近くで、焚き火をしている人間達を指さすと、野良達は一斉に焚き火へと向かって行った。 お互いを火の中へ投げ合う野良達の光景を見ながら、缶コーヒを飲み続けていると、焚き火をしていた人間の一人がこちらへ向かってきた。 「いや〜お見事。うまくいきましたよ」 「……」 オレは缶コーヒーを飲み干すと、ベンチ近くの網カゴへスチール缶を投げ入れた。網カゴの中では、一匹の野良が空き缶をペロペロ舐めていた 「デギャ!」 野良の頭部にスチール缶がジャストミートした。頭を潰され野良は即死した。 「最近ヘンな知恵がついたのか、シビレやコロリを巻いても誰も拾って食わなくなって、駆除が大変だったんですよ」 人間はこの公園の管理人だった。 「しかし凄いですね〜、素手で仔実装を捌くあの手際の良さもそうですが、ライターだけでいとも簡単にあぶり焼き作ったり、リンガル無しで会話したり──」 「報酬は指定した口座に振り込んでおけ」 オレは立ち上がると、バイクの停めてある駐輪場へと向かった。 「え、あ、ちょっと」 「ああ、そうだ」 オレは歩みを止めた。 「オレは駆除業者じゃない、今度はちゃんと料理店再建の依頼をしろ。じゃあな」 オレは再び歩き出す。 そう、オレはB級実装グルメ店再建請負人──双方 歳三。
