タイトル:【虐】 「発車オーライ」 実装物語2
ファイル:実装物語2m.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2844 レス数:0
初投稿日時:2009/11/07-17:47:11修正日時:2009/11/07-17:47:11
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「発車オーライ」


田中さんが鉄道会社に入社して5年ほどたった頃だろうか。
不況の影響から下請け会社である保安管理の会社へ出向になった。

保安管理とは線路の砂利やレールの敷設、その他点検管理を一手に引き受ける何でも屋的な土工関係の仕事である。

もうこれ以上の路線拡大は無いと判断した会社にとって、設計部署の田中さんの必要性が無くなったと言う事だ。
それからの田中さんは毎日が面白くなく会社に行くのも辛い日々が続いた。

以前は机に座り真っ白な紙に図面を引いていたのに今では現場監督とし外で働く身だ。
たまに図面を引く事もあるが元あった図面をなぞるような誰でも出来る仕事だった。

新しい会社にも慣れ始めた頃、処理を一括で行う情報センターで夜勤になった。
センターと言っても事務所の一室で夜勤時はそこで詰める事になっていた。
一緒になった先輩からこんな話を聞いた。

「田中君は緊急呼び出し・・まだだよな・・」

「緊急呼び出し?・・ですか」田中さんが首を捻ると先輩は少し皮肉ったように笑って答えた。

「緊急呼び出しってのは、これの処理だよ」

先輩は幽霊がやるように手を前に突き出す仕草をした。

「幽霊でも出るんですか?」

「違うよ、仏さんの処理の事だよ」

(そう言えば聞いた事がある列車に轢かれた轢死体処理も保安の仕事だっけ・・)

その時目の前の電話が鳴った。

嫌な予感がしたが案の定だった、何か動物をはねたと言う連絡だ。
それが人間なのか動物なのかは分からないが、とにかく生きた物体である事は間違い無いとの事である。

「行くぞ田中君!もしかしたらだな・・ハハハ」

田中さんは先輩の運転する1BOXに乗って指定された現場に到着した。
既に列車はそこには無く辺りは何事も無いような静かさであった。

「じゃぁ僕はこっちから行くから、田中君はそっちの方を探してくれ」
「はい」

先輩と田中さんはお互い顔を見合わせると背中を向け、線路沿いにはねたと言う物体を捜索し始めた。
田中さんが100mほど歩いた頃だろうか、ふいに辺りの雰囲気が変わった気がした。

「あ・・・ァアァう」

(気のせいか・・声が聞こえたような)

「いや聞こえた・・あっちだ」

田中さんは声のする方向へ歩き出し、「まさか人間じゃあるまいな」と嫌な気持ちで一杯になった。

「アァァ!ウァァ」

真横から声が聞こえる、ライトを照らし見るとそれは一匹の実装石だった。

「ふ〜なんだよ脅かしやがって、人間みたいな声出すからびびっちまっただろ」

実装石はぺッちゃんこになった左腕を押さえもがいている、良く見ると胴体から下がどこかに吹き飛ばされたのか全く無かった。

その周りをライトで照らすと、辺り一面実装石の肉片が飛び散っていた。
プンと腐臭が鼻を突く、千切れた上半身から腸が飛び出しそこからブリュブリュと緑色の糞がとめどなく出ていた。

「あぁコイツ一匹じゃないな」

肉片の中に仔実装らしき小さな塊が幾つもある。
この実装石は家族で線路を横断して列車にはねられたようだ。

「ゴボ!!ゴボボ」

親実装らしき半分この実装石は何かを訴えようとしているらしかったが、
口からは泡のような血を噴出して何を話しているのか分からない。
(分かった所でリンガルがある訳ではないから意味は無いが)

田中さんは先輩に電話をすると先輩が死体処理の袋とトングと言う金属製のはさみを持って来た。

二人は無言で肉片を掴んでは死体袋に入れていく。
まだ生きていた親実装は先輩が踏みつけて止めを刺した

手で掴んで入れようとした時横から仔実装が現れた。
仔実装は親実装の前で手を広げ「テチテチ!」と二人に威嚇の声を出す。

先輩が「それも袋に入れちまえ」と言ったので田中さんは仔実装の頭をトング挟む。
仔実装はバタバタと手足を振って逃げ出そうとする。
振動でつるっとトングから仔実装が外れると、丁度枕木になってるコンクリの上に落ちてしまった。

ベシャっと湿った音が聞こえると、仔実装は親実装と同じように下半身が潰れ上半身だけになってしまった。

「暴れるからだよ、このバカ」

仔実装は下半身が動かない体を必死に起こして田中さんに助けを請う。
その腕は真っ暗な空をに向かって差し出し、潰れた下半身を引きずって足元に近づく。

田中さんは辺りを見回しながら、仔実装を見るとその顔はうれしそうな笑い顔になっていた。

足をゆっくり持ち上げると仔実装めがけて足を思い切り落とした。

「テベッ!」

短い悲鳴と共に仔実装の背骨が折れていくと、その感触が靴から脳に伝わっていく。
ペキペキとしたその感触は子供の頃ひよこを誤って踏み潰してしまったあの感触と同じだ。

安全靴の側面から仔実装の小さな腕だけが、助けを求めた時と同じように空を掴もうともがいていた。


「コイツに比べれば俺の方が不幸なのかも知れない」
「これからもずっと屈辱を味わって生きて行くんだから・・」

そのあと本当に人間の死体処理をする事になった田中さんはその週に退職届を出した。


終わり

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