タイトル:15実装漂流記01
ファイル:15実装①.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2287 レス数:0
初投稿日時:2009/10/27-20:16:16修正日時:2009/10/27-20:16:16
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15実装漂流記①





俺の名は利明、ある試写会の抽選に当たったらしく、その映画をこれから見るのだが・・・・・・。


自然保護区域に仕掛けた監視カメラが捕らえた映像で、音声は後にリンガル処理を施し再現された貴重な映像である。
その映像の解像度を上げ、デジタル修整したものを放映するらしい。
らしいと言うのはまだ見ていないからだ。
「15実装漂流記試写会あと3分で〜(略」
そろそろ始まるようなので利明はそそくさとチケットにある座席に着く。
映画なんて何年ぶりだろう?手にしたジュースの冷たさが心地よく、また感覚を鋭敏にしスクリーンに集中する。
ブザーが鳴り響くと本編がいきなり始まった・・・・・・。



20xx年10月 台風による貨物船の難破より15匹の実装石が積荷と共にこの自然保護区である双葉島に漂着した。

まずはこの15匹の紹介をしよう。
親実装
長女・中実装
次女・中実装
3女・中実装
4女・仔実装
5女・仔実装
6女・仔実装
7女・仔実装
8女・仔実装
9女・仔実装
10女・仔実装
11女・親指実装
12女・親指実装
13女・親指実装
14女・蛆実装

コレだけの大所帯で行動しているのを見ると、おそらく飼い実装だろう。
着ている実装服もピンク色でフリルもついている、何より肩掛け鞄をたすきがけに掛けている。

「やっと陸地についたデス」
「たすかったテス」
「みんな無事テチ」
「レフー、プニプニしてほしいレフー」
「ママお腹すいたテチ」
「お腹すいたテチ」

仔実装以下全てパンコンしており、まずは浜辺でパンツを洗うことから始まった。
漂着初日、最初の行動がコレである。
浜辺に打ち上げられた枝にパンツを引っさげて、一行は飼い主を探して歩き続ける。
夜になるまで歩き続け、お腹がすいたのか肩掛け鞄からフードを取り出し食べ始める。
フードが容赦なく口の中の水分を奪う。
飲み水はなく、寝床もない、仕方なく家族は木の根元で眠ることにする。



2日目

飼い主より飲み水に優先順位が変わった実装石一行は、水をのある川を探すべく再び浜辺にきて島を一周しようとする。
実装石にしてはかなり知恵が回るようで、まだ脱落者はいない。
浜辺から見渡すと川らしきものがすんなり見つかり、一行は水を求めて更に歩き出す。
小川にたどり着くと勾配があるせいか、水の流れはかなり速い。
親実装は仔実装より小さいと流されるかもしれないと思い、中実装の長女と次女、3女とで先に小川に入り喉を潤おす。

「ワタシたちにも早く飲ませるテチ!」
「ママはいじわるテチ!」
「我慢できないテチ!」

6女、7女、12女、13女が親実装の制止を振り切り小川に飛び込む。
7女と12女はすぐに助けてもらったが13女と6女が流される。
6女は石にしがみついて、海に流されるのは免れているが13女はもう遠くまで流されていた。
そう、かすかに鳴き声が聞こえるくらいにまで・・・・・・。

「ママ13女チャンが流されてるテチ!」
「チプププ足手まといが減ったテチ!」

13女を失った悲しさに打ちひしがれるまもなく、そこで新たな悲劇が起きる。
13女が小川に飛び込む前にはずした肩掛け鞄のフードをめぐって、4女、5女、8女が奪い合っている。
そして肩掛け鞄の紐が千切れとび4女と8女が仔実装とは思えない力で小川にダイブする。

「テチャーーーーーーーーーー!」
「早く助けるテヂー!」

3女が間一髪で2匹を助けるが、2匹を3女を踏み台に陸地に渡ろうとする、ほぼ同時に・・・・・・。
2匹助けるために体勢を崩した3女が更に2匹のジャンプにより大きくバランスを崩し、小川に足を取られ流される。

浜辺から3mほど離れた海の中でもがく、かろうじて足が着くが水流に押され徐々に海に押し返される。
泳げない実装石にとっては足の着かない水深は死を意味する。

「デブブブブブ・・・デェ・・・・・・デヴゥ・・・・・・・・・・・・」

2、3度水面から頭を出したがそれっきり、3女は浮かぶことも、生還することもなかった。
親実装には3女を殺したのは4女と8女に見えたのだろう。
2匹は鞄を没収されゴハン抜きにされた。
その日は、その浜辺から上流を目指し歩いた。
途中で川の流れが緩やかで、ふわふわの枯れ草があるところを見つけたので、そこで寝ることにした。



3日目
朝起きると4女と8女の姿はなく、代わりに長女と次女の前掛けが汚れていた。
親実装は何が起きたか解かったが、そのことについては口にしないことにした。

「ママ4女チャンと8女チャンがいないテチ!」
「いないテチ!」
「きっと昨日みたいにどこかいってるデスゥ!」
「ママあんな妹ほっとくテス」
「3女ちゃんを踏み台にした仔テス、ほっとくテス」

親実装は怒りながら長女と次女を叱り、朝ゴハンを抜きにした。

「で、他の仔たちにはバレでないデス?」

長女と次女は一瞬ぎくりとしたが、素直に答えた。

「3女チャンのことで味のことなんて覚えてないテス」
「馬鹿な妹チャンのせいで、3女ちゃんがいなくなったテスン」
「次からはワタシの分も残しておくデス」

母の口からその言葉を聞き、長女と次女はビクリと体を振るわせる。
もしも、空腹であの2匹を食べたと言ったら・・・・・・。
それから小一時間ほど4女と8女が戻るのを待ち(実際はもう喰われているのだが)それから出発した。
歩けども歩けども飼い主以前にニンゲンにすら出会わない。
もうどれくらい歩いただろうか?
そろそろ太陽が赤く染まろうとしたその時、小屋が目に入った。

「やったデス!ニンゲンさんの家デス!」
「高貴なワタチにスシとステーキを食わせるテチ!」
「食べ物テス!食べ物テス!」

携帯していたフードを全て食べつくした一行にとっては、その小屋はお城のように見えた。
石をドアに何度か投げつけたが返事がない。
今度はウッドデッキのある方から窓ガラスを割って侵入した。
小さなキッチンの冷蔵庫を漁り、声を上げるよりも貪り食うのに夢中だ。

「おいしいでデスゥーーーン♪」
「ウマウマテス♪」
「テチューーーーン★」
「ウマウマレフ♪」

食後にイロイロ物色すると、護身用の武器になりそうなナイフ、フォークが手に入り他にも携帯用の非常食もあった。
何よりうれしかったのが、ペットボトルに入った水とアマアマの水である。
食後にアマアマの水を飲み、舌鼓を打つ一行



4日目
この日は丸一日冷蔵庫の中身を食べつくし、これからの携帯食などを鞄に詰め替えた。
ペットボトルの水とアマアマの水も持っていくことにした。
いまさらながらに荷物を持てる3女を亡くしたのは惜しいらしく、一行の中の一匹が3女のことを呟く。



5日目
5、6、11、12女がこの小屋に残るとダダをこねだす。
親実装は考えた。5、6女は小川の件があるので、イザというときは言うことを聞かないだろう。
そしてそれに追随する11、12女もおそらくこれからそうなるだろう。
そうなっては仕方がない。

「ついてこないなら置いて行くデス」
「アマアマの水で、面白おかしく過ごすテチ!」
「ママは役立たずデチ!」
「チププププ」
「ワタチやっぱりママのところがいいテチ!」

11女だけが親実装一行に戻る。

「お前は聞き分けのいい仔デス」
「テッチューン♪」

こうして親実装一行は、やっと見つけた人間の通る道をたどって歩き出した。
それに引き換え小屋に残った仔たちは豪遊していた。
浴びるように水を飲み、アマアマの水の掛けあいっこ。

「コレなんテチ?」
「コリコリして、甘くて、スースーするテチ」
「本当テチ!新食感テチ!」

この仔実装、親指実装が食べているのはメンチョス、そしてアマアマの水は炭酸飲料。
ろくに叫ぶ間もなく仔は次々と爆散した。




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どうも初めまして。
初投稿で至らない点もあるかと思いますが、よろしくお願いします。

byさばを

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