タイトル:【虐・実装・微蒼】 蒼託児おまけ トシアキの選択
ファイル:トシアキの選択.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2344 レス数:0
初投稿日時:2009/10/11-02:56:05修正日時:2009/10/11-02:56:05
←戻る↓レスへ飛ぶ

     ◆トシアキの選択◆



初めに、(スキップ可)

「某所や某所にて、蒼託児に感想を頂き有難うございます」
『感謝感激金平糖デスウゥ』
「書き始めた段階では託児された蒼いの中心の物語になるはずだったのですが、はて?」
『業界ではよくあることデス』
「御礼というわけではありませんが急遽おまけを作ってみました。なお、今回は普通くらいの虐待描写を目指していますが、
相変わらず全体的にソフト気味です。今のところハードなものを書くと何故か厨二病を拗らせてしまいますのでご容赦を」
『お前はもう死んでいるデス!』



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1-1.

──僕の名前はトシアキ。虐待派だ。
……自己紹介で真っ先にこう言うのは、人としてどうなんだろう……?

やり直し。僕の名前はトシアキ。もうすぐ二十歳になる大学生だ。進学のためこの双葉市に引っ越してきて約一年になる。
元々は地元の大学に行くつもりだったけれど、ジョークでそこそこ有名な某大学を記念受験したら何故か合格してしまった。
両親に強く勧められ、金持ちの伯父さんが偶々その大学近くのアパートを丸ごと所有していたこともあって
とんとん拍子で話は進み、僕は初めての独り暮らしをする事になった。

家賃を気にしなくていいぶん無駄遣いさえしなければ金銭面は快適だったけれど、分不相応なレベルの大学の講義は付いて行くのが
やっとで、バイトやサークル活動する余裕さえなかったし、同年代の知り合いもおらずストレスが溜まっていった。

地元の大学に行ってさえいれば、仲の良かったアイツやアイツや、あの娘とヌルく楽しいキャンパスライフが送れていた
はずだったのに──。と後悔した事は一度や二度じゃ無い。

入学祝いに買ってもらったノートパソコンでダラダラとサイト巡り(アパートは光回線完備でもちろんタダ)していた時、
実装石の虐待サイトに出会った。最初は思い出した時にチェックするくらいだったけれど、だんだんその頻度が増えていった。


昔から実装石は良い遊び道具だった。といってもカエルに爆竹を刺したり、カブトムシ同士を戦わせたりといった、
誰でも子供の頃に一度はやった類の遊びが仔実装に置き換わったものだけれど。

当時、人型の、知性ある生き物をオモチャにする事はともかく、遊びで殺す事は抵抗があったけれど、ある事があって気付いた。
あいつらの大半は二つの意味で糞ったれだった。

可愛い仕草で愛想をふりまく仔実装を、勉強机の一番下の引き出しの中でこっそり飼った事があった。
楽しかったのは最初の一週間だけで、あっという間に本性を現して糞虫になった時には我が目を疑ったものだ。きっと僕の
飼い方が悪いのだと、色々と思考錯誤しながら一ヶ月、我ながらよく我慢できた思う。飼った以上は責任を持とうと律儀に
思っていたのに、結局捨ててしまった。
裏切られたお返しに髪を毟り服を奪って公園に放り出すという、虐待のシメの一つを知らずにやった訳だけれど。
さすがに小学生の頃の僕が「自分の手できっちり」と責任を果たすのは荷が重すぎた。
それからは実装石には関わらず、見かけても虫がいる程度の認識で過ごしてきた。


僕は日頃の鬱憤をどうにかして晴らしたかった。勿論スポーツや合コンとかネトゲとか色々考えた。でもそういうのは
性に合わないか、多分ハマれば勉学に差し障りそうだった。親の期待は重かったが手を尽くしてくれている手前裏切れない。

息抜きになんとなく公園で散歩してた時、騒ぎたてながら執拗について来る実装石にイラついて、例の媚びポーズを見た瞬間、
衝動的に蹴っ飛ばした。正直スカッとした。

──とまあ、そんなよくありそうな経緯を経て僕は駆け出しの虐待派になった。
遊びで殺すのではなく、殺して遊ぶ虐待派に。
日曜日は公園に出かけ汗を流し、水槽とバールのようなものも買った。実装石を飼うには飼育許可がいるそうだけれど、
入手してから何日以内の申請だったっけ? それまでに処分してしまえば問題ない。

虐待を始めてから僕のストレスは解消し、身体は鍛えられレポートの評価までまで上がった。これで可愛い彼女でも出来れば、
まるで開運グッズの胡散臭い体験談みたいなんだけれど。まあ、余りいい趣味じゃない事は自覚している。部屋に空気清浄機を
置かなきゃいけなくなったし、公園ではたまに一般の人に白い目で見られることもある。今のところ勉学に支障は無いけれど、
少々深みに嵌りつつあるのかもしれない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1-2.

今日も今日とて公園で、僕はバールのようなものを振り回す。糞虫の足を奪い手を奪い仔を奪い命を奪う。

すっかり手に馴染んだ愛用のバールのようなものは、使い方によって向きを変える。

鋭い鉤先で仔を見捨て逃げる親実装の両足を切り裂く。

「デヒィイィィ!!」

のたうつ親を見捨てて逃げる仔実装達は、後で楽しむため軽く側面で張り倒す。

「テヂッ!」「テヂッ!」「テヂッ!」

「デデデ!? デース!」

「テ…テッチュ♪」

逃げずに媚びを売ってきた糞仔虫は、フックの部分をそっと股に差し入れ──、

「チププ、テッチュ〜ン♪」

思いっきり放り上げる。

「テチューーー!?…………テ?…………ヂィィィイイィ──ピャ!!」

はは、ドップラーかかった。

「デ……デギャーーー!? デギャーーー!!」

目の前に出来た緑の染みに一瞬硬直し、いっそう煩く泣き始めた親実装の傍には、親を庇うような仕草を見せる仔が一匹。

「ヂーッ! ヂーッ!」

パンコンしつつも一丁前に威嚇している。僕は親実装を一度落ち着かせる為、獲物で親の顔を軽く張る。

「──デペッ!?」

「おい実装石、選べ」

「デ?」

「その仔か、あっちの仔三匹か、どちらか見逃してやる」

「デェ…」

おそらく手元の仔は愛情深い仔だろう。だが親実装の本命がどれかはまだ判らない。こいつらは基本馬鹿だから。
愚かな親なら仔の賢さや性根に気付かない事も、気付いても理解しない事さえある。

「デ…デ…デ……デスゥ!」

案の定、親実装は三匹のほうを指差した。単純に数をとったか。まあ、どちらでも良かったけど。

「テェ…」

「残念だったね」

僕は親に見捨てられ呆然とする愛情深い仔に囁くと、ゆっくりと獲物を振り上げた。使うのは作用部。

「テチィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

その豆粒ほどの小さな口から発しているとは思えない叫び。無表情とされる顔には虐待に関わる者だけが識る絶望の歪み。
打ち下ろされた鉄槌は絶叫する仔を微塵に砕き、勢い余って少々地面にめり込んだ。過剰にプレスされた隙間から噴き出した
赤と緑の臓物だったものが親実装にへばり付く。

うん、やっぱりこの「バールのようなものマークⅡ」はいい。扱いやすい重さで、絶妙なな撓りが鋭さと手応えを産み、
逆に地面を叩いても反動で手を痛める事もない。あの人が愛用しているワンタッチ可変式の「ゼータ」や
もうすぐ発売予定の高級品「ニュー」は、どんな使い心地だろうか。
ああそれに、捕獲用の「熊手のようなもの」シリーズのギミックも素敵だ。サブウェポンとしてどちらかは購入したい。
……おっと、少々気が逸れてしまった。

「デ…デヘ、デヘヘ」

不気味に媚び笑いながら顔を拭っている親実装。透明な涙が仔の体液と混じり合い、実装石の本当の涙、血涙を流しているようにも
見える。

「さあ、次はお前の番だ」

「……デッ!?」

意外そうな顔をする親実装。いつの間にか自分は助かる事になっていたらしい。別に騙してもいないのに。
それにしても一瞬で切り替わったな。哀しんでいたのは擬態だったか?

悲鳴を伴奏にテンポ良く、抉り、打ち据え、叩き潰す。繰り返し繰り返し繰り返し──、

何故、実装石を虐待するのか? ──いや、何故実装石は虐待されるのか?
きっと半端な知性と姿が原因だと僕は思う。これが害虫を見た時のような本能的な不快感だったら選択肢は駆除のみだ。
こいつ等は不潔で不快で不気味だが、見た目はそんなに悪くない。仔豚程度には可愛くさえ思える事ある。
例えばゴキブリや毛虫は見る事も、潰すのでさえ不快でしょ?
そんな姿なのに実装石は下品な真似をし、糞をまき散らし仲間を蹴落とし共食いまでする。その知能は人間の愚かで醜い
負の部分ばかりを模倣している。一度贅沢を知ると何かのスイッチが入ったかのように欲望に際限が無くなり、
それを満たすことしか考えなくなる。人はそこに同属嫌悪気味な不快感を覚えるのかもしれない。
何より他の生物と違い、人間と同じく「罪」を理解する知性があるのだから「罰」が与えられるのだ。私刑だけど。

ま、そんな理屈はどうでもいいかもね。

「デー……」

そろそろ反応が弱くなってきた。止めはフルスイング。向きは関係ない。風切り音を立てて獲物の先が親実装の胴に潜り込み
ロッドが大きく撓る。そして爆ぜた。汚い花火だ。

「……勇敢な仔に免じて、お前も命だけは取らないでやるよ」

僕は未だピクピク痙攣している残骸を見下ろしながら、満足してバールのようなものについた汚物を振り飛ばす。公園なら
やり過ぎなければ後片付けをする必要もない。遠くから様子を窺っている、飢えた野良実装達を見まわす。

「約束通り三匹の仔も見逃すけど、生き残れるといいね」


──とまあ、こんな感じで何処にでもありそうな虐待を続けている。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1-3.

今日みたいに特に用事が無い日曜日は、大抵知り合いの「」さんの家で3時のお茶に与っている。少し早く行けば連絡する
必要もないくらいには親しい。

「」さんは去年の冬頃に、ある実装石が縁で知り合った近所のオジさんだ。
あの若さで独りで庭付き一戸建てに住んでいたり、妙な技術に長けていたり、少しだけ謎のある人だ。余計な詮索はしないけれど。
漫画でいうとJ○J○の吉良○影というキャラクターにイメージが近い。いやいい人だけど。

本人は愛護派を自称しているけれど今のところ説得力は薄い。ブログで飼育日記を付けていると聞いたので閲覧したら、真面目な
愛護と、ほのぼのとした実装の日常、躾と呼ぶには過剰なうえに凝り過ぎたお仕置きがカオスに入り乱れ、十匹以上もの実装石の
託児から最後までが画像付きで細かく記録してあった。
ある虐待派系サイトからは「不器用な馬鹿愛護派だと思っていたが、上げ落としの上手い虐待師かも?」
ある愛護派系サイトからは「虐待派だと思ったが、徐々に飼育が上手くなってきているだけで本当は愛護派かも?」
という微妙な紹介とリンクを貼られていた。……多分、最後はガチの愛護派という評価になるような気はしている。

一般的には虐待派と愛護派は相容れないそうなんだけれど、「」さんは天然の虐待派みたいなところがあるし、僕は虐待派として
まだまだ経験が浅いのだろうか今のところは全然気にならない。別に仲が良いだけの関係では無いし、実装達が好きだというのは
ある意味同じだしね。


「」さん家に到着。呼び鈴を押す前に庭の物音に気付いたのでまわってみると、「」さんは実蒼石とチャンバラをしていた。
「こんにちは」
「やあ、こんにちは」
スポーツチャンバラで使うようなウレタン製の棒と、実蒼石の方は恐らく自分の鋏にクッション材を巻いたもの。
「何してるんですか?」
「キリの対人訓練だよ。テツの相手でもしてちょっと待ってて」
キリというのは今「」さんが相手している実蒼石の名前だ。正式にはキリコ。テツというのは同じく飼われている実装石の愛称。
正式にはテツコという。
「ええ。ええっと──テツ?」
縁側に腰かけ顔馴染みの実装石を探す。
   『ここデスゥ…』
足元から声がした。縁の下を覗くと、頭だけ出して地面に埋まっているテツの後頭部が見えた。
「……どしたの?」
   『オシオキ中デス』
「……ふうん」
   『リアクション薄いデスゥ』
僕は後頭部を無視してチャンバラを眺める。……なんかトラウマをつつかれた。

キリの動きは非常に素早い。だがいくら実蒼石でも鋏を半ば封じて体格に勝る人間と戦うのは厳しい。獣に爪や牙があるように、
あくまで鋭い鋏を駆使するからこそ危険生物に準されているのだ。
……よく見ると攻めるのは「」さんばかりで、キリは防御と回避に専念している。なるほど実蒼石が人間を傷付けるのは不味い。
人を傷つける動物は、よっぽどの事が無い限り処分されてしまう。

   『トシアキ〜、トシアキ〜』

「よし。キリ、次からは攻めていいぞ」
『ボク!』
キリが構えを変え、一気に間合いに飛び込んだ。鋏を横薙ぎに脚を狙う──がウレタン棒に捌かれ、巻き上げられる。
一発で獲物を奪われ自失したキリの脳天に、返す刀でスパーンと打ちこむ「」さん。
『ボ☆ッ!?』
キリの帽子が見事に凹む。続けて容赦なく横っ面を打たれ吹っ飛んだ。ウレタン棒とはいえ脆い実装石だったら首が飛んで
いただろう勢いだった。キリは呻くばかりで立ち上がれない。

   『……何か喋ってほしいデスゥ。ここはとてもとても怖い所デスゥ』

しばらく様子を見ていた「」さんが構えを解いた。
「──今日はここまで」
キリはようやく、生まれたての小馬のように手足をカクカク震わせながら立ちあがり、お辞儀する。
『有難う御座いますボク』
「」さんは落ちた帽子を拾い凹みを直すと、涙目のキリに被せた。
「焦りは禁物だな」
『はいボク』

   『お姉チャが……お姉チャ達が向こうから ワタシヲミテル デスゥ〜』

う、うん、やっぱり実蒼石はいいな! 実装石とたいして変わらないはずのになんでだろっ? 隣の芝?
実装の世界はあくまで実装石が主役だと僕は思っているけれど、実装石と比べ他実装は一段高いヒエラルキーにいる気がするし、
本来他実装に並ぶのは実翠石と呼ばれるものっぽいしね。でも認知度というか人気低いんだよな実翠石。それなりにレアなはず
なんだけど。

「トシアキ君待たせたね。用意は済んでいるから上がりなさい」
「お邪魔します。「」さん剣道やってたんですか?」
「子供の頃、少しだけね。──テツは明日までそのままだ」

   『……はいデス』


一応話を聞くと、テツは我が仔の悪戯を何度か隠していたらしい。仔の悪戯はなるべく直ぐに叱って因果を理解させなければ
有効な躾にならない。
「子供は悪戯するものだし、親の子に対する愛情も理解しているから、今回だけは軽い罰にしたけどね」と「」さんは言った。
でもこの人が必要以上に甘やかす人じゃない事は知っている。僕はそのうち「」さんの飼育日記で最も長い、テツコの項が
終了になりそうでなんだか冷や冷やした。

同じ実装石でもテツみたいなのは嫌いじゃない。別の生き物のようにガチガチに躾けられている訳でもなく、
実装石の少し馬鹿で面白い部分を残したまま不快感を和らげた状態は評価できる。時々生意気だし媚びる事もあるが、
僕のボーダーラインを越えるレベルではない。たまに軽く虐めはするけど。
野良実装の中に同じような奴がいたら僕はどうするか? そんな質問は不毛だ。その時になってから考えればいい。
でもその時に「虐待する」という選択肢が消えることは無い。

「テチー、テチー」
「ポクー」

居間に置かれた飼育用水槽にはそのテツの仔、仔実装と仔実蒼がいる。名前はまだ無い。
水槽内はそれなりに凝った作りの箱庭になっており、観賞用としても悪くない。

『どうぞボクー』
キリが紅茶のお代りを注ぐ。さっき打たれた頬はまだ少しだけ腫れている。実装石ほどじゃないけれど大した回復力だ。
「ありがと。キリはなんであんな訓練してたの?」
親代わりの実蒼石から鋏の手解きを受けたのは知っていたから、人間相手の訓練は少々腑に落ちなかった。
『僕はもっと強くなりたいボク』
「実は先週の月曜、空き巣に入られてね」
「えっ、マジですか?」
「キリが対応したんだが、人間に躊躇したのか結局負けてね。その間にテツが防犯ブザーを鳴らしたおかげで命拾いしたみたいだが、
君の所も気を付けることだ」
『ボク……』
「……そういや回覧板がまわってきてたっけ」
うちには高価な物なんてパソコンくらいしかないけれど。

「さて、話は変わるが、もう少し躾たらテツの仔を里子に出そうと思っている」
そう言うと「」さんは立ち上がり、水槽の縁に手を置いた。

「トシアキ君、どっちが欲しい?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1-4.

「えっ!? いいんですか!?」
「前から欲しがっていただろう?」

確かに欲しがる素振りは見せていたが
、まさか本当に譲ってくれるとは思ってもいなかった。以前ついつい手出ししようとした
時は……あ、う、待て、思い出すな。やっと記憶の一番底に沈めたのに。

「えっと、嬉しいけど僕、虐待派ですよ? いくら「」さんとこの仔とはいえ──」
「もちろん判って言っているよ」

「……ひょっとして、テツ達へのお仕置の一環なんですか?」
「さあ、どうだろう?」

肩を竦める「」さん。この人何を考えているのか全然判らない。

「ちょっと考えさせてください」
なんにしろこれは悩む。僕は水槽の中の二匹を見比べる。

「テチ、テチ!」
「クポー」

仔実装は非常に元気に飛び跳ね、仔実蒼は大人しく僕を見上げる。仔のうちはどちらも可愛らしい。

欲しいと思っていたのは実蒼石だった。虐待の相棒として、独り暮らしを潤すペットとして欲しい。アパートのオーナーである
伯父さんも番犬代わりになる実蒼石なら歓迎すると言っていた。

「うーん」

でも、実装石も捨てがたい。テツという、愉快なペットになりうるという前例も目の当たりにしたし、現時点での「」さんの
躾の腕に間違いは無いだろう。成長抑制剤入りの餌を使えばアパートの水槽の中で飼い続けることも出来るから、子供の頃に
失敗した飼育のリベンジをしたうえで上げ落としに挑戦してもいい。
逆に……なにより「」さんの、テツの大切な子である仔実装を、今度こそ好き勝手に虐待できる……。

うわ、なんか怖い! 気のせいか謎の罠に嵌りつつあるような気がする!?

「……りょ──」
「もし両方とか言──」
「ははっ、言うわけナイデスヨ!」

「まあ、まだ時間は有る。ゆっくり考えてみるといい」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1-5.

今日も今日とて公園で。

「テッチ、テッチ、テッ──チベッ!?」

「デ……デ、デギャーーーース!?」

──そろそろ「」さんにどちらを選ぶか返事しなくちゃならないけど、結局まだ決められない。
日頃から「その時になって考えればいい」とか嘯いてたくせに……自分の優柔不断ぶりが情けない。

「……変に深読みし過ぎたかな?」

こうなったら本当に行き当たりばったりで行くしかないか。咄嗟に口に出たものが答えだろう。

脚を潰して動けなくした親実装の前には、仔が残り二匹。

「ヂーッ! ヂィーーッ!」
「テチュチュ〜、テッチューン♪」

「おい実装石、選べ」



END.






































〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おまけのおまけ。

以前トシアキは今回のテツのようにお仕置きで「」氏の家の庭に埋められた事がありますが、その時こう冗談を言われ、
日が暮れる前に音を上げたそうです。

「実は、君の隣には私の妻が埋まっていてね──」

■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため4457を入力してください
戻る