タイトル:【虐】 遅れましたが後編デス
ファイル:実装観察(?)日記.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4323 レス数:1
初投稿日時:2009/10/02-23:16:59修正日時:2009/10/02-23:16:59
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 始めに
 このスクを読んで頂く前に拙スクsc1854 小さな〇〇のクラッシャーを思い出していただけると話が繋がると思います。
 それと今回は例の赤黒はほとんど登場しないことをあらかじめお詫び申しあげておきます。


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 夕暮れの商店街に子供達のワイワイと元気な声が帰って来た。
 河原で実装家族という思いもよらないオモチャに遭遇し、たっぷり遊んだガキ軍団はもう夕飯のコトしか頭に
無いらしくトシが手にしたビニール袋のことなどもう完全に眼中に無かった。

 尤も最初は、
 「なぁトシ。そんなモノもって帰って何するんだ?」
 と、皆がミナ代わる代わるに質問したのだが当のトシが袋に目をやることもなく
 「夏休みの宿題。」
 としか答えなかったからつまらなかったというのもあるが。

 『チププ・・・』
 全身を蜂に刺されほぼ瀕死の仔実装だったが袋ごしに感じられるたくさんのニンゲンの穏やかな笑い声や
食べ物の匂いに妄想を爆発させ一人ほくそえんでいた。

 『チププ・・・テチュテチャア♪(ワタチを助けた上で飼うなんてなかなか見所のあるニンゲンテチ。本来なら
ゴーカな乗物を用意しておかなければならないのにコノ扱いなのは許せんがまぁ今は大目に見てやるテチ♪とりあえず
コイツの家に着いたらウンチ食わせた上でドレイの基本をきっちり叩き込んでヤルテチ♪)』
 もしリンガルで聞かれていたらその場で軽く腕の一本は持って行かれたであろうという発言だったが幸いにも
夕暮れの商店街の喧騒の中でその声を聞く者は誰もいなかった。


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 「えっ、屋上で宿題の実験がしたい?そりゃかまわないけどくれぐれも危ないコトはしないでくれよ。もし何か
あったらオーナーに怒られるの僕なんだから。」
 トシの急な要請に一瞬面食らったがロッソがやたらと肩を持つので怪しいとは思いながらも一応許可することにした。

 「うん、大丈夫。絶対に危ないモノじゃないから。なぁロッソ。」
 糞蟲に少なくとも夏休みが終わるまで地獄を見せてやろうと持って帰ってきたのはいいが、ふと実装石なんか
家に入れたら父ちゃんに殺されるということに気付いた。そうじゃなくても夏場は保健所がヤカマシイといつも
言ってるもんな。
 こっそり部屋で飼うことも考えたがこんなに臭いナマモノみつからないハズが無いし…いっそ公園の野良に
喰わせてやろうかとも考えたがふと、「」さんに頼めばあのビルの屋上が使えるんじゃないかと考えた。事情を
知っているロッソの協力もあって一言挨拶することを条件にしばらく自由に屋上を使わせてもらえることになった。
 
 糞蟲。覚悟しろよw


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 一段トバシで4階まで駆け上り屋上のドアを開ける。やっぱり下よりは少し涼しい。まっ昼間は知らないけどね。

 「うわっ、汚ネー!」
 袋を覗くと糞蟲が糞とゲロにまみれてテチテチ叫んでいた。どうも今階段を上ってくるときに振り回したのが
マズかったか。

 『テジィィッ!テチテチャァ!!テ?テチャァァァァ・・・(クソドレイ、もっと丁寧に扱うテチ!高貴なワタチを
何だと思ってるテチカ!?罰としてステー、テ?テチャァァァァ・・・)』
 糞投げをしそうだったので慌てて袋の口を縛って辺りを見るとドアの脇に水道があった。へぇー結構便利じゃん。

 『テジィィ・・・テチャァァ・・・テ?テチャァァァァーー(テジィィ・・・どうしてワタチの言うことを
聞かないテチ?やはり徹底的なシドーが必要テ・・・テ?テチャァァァァーー)』
 あんまり汚かったので袋の口にホースを突っ込んでそのまま水洗いした。中から悲鳴みたいな声が聞こえたが
これくらいで死ぬことはないだろう。しばらく水を流し込んでいるとようやく袋から出てくる水が透明になった。

 『テチャァァァー、テチィ、テチェェェェン!(オメメグルグルテチ!息できないテチ死んじゃうテチ!)』

 「よし、もういいかな?」
 水を止め袋をひっくり返して糞蟲を取り出す。一応汚れは取れたけどなんかロッカーの中の雑巾みたいな臭いがする。

 『テェェェ・・・テ?テチャアアァァァァァッッ!!(テェェェ・・・ヒドイ目にあったテチ。気持ち悪いテチ。
クソドレイ許さんテ・・・テ?テチャアアァァァァァッッ!!)』
 たとえ屋上限定でも逃げられると面倒なので後ろ髪を輪っかにして物干し竿にぶら下げておいた。地上がよく
見えるように少し柵の向こうに出してやったのは特別サービスだぜw

 『テチェェェェン!テチ、テチャアアァァァァァッッ!!(高いテチー!怖いテチー!クソドレイさっさと助けろテチィ!!)』

 「ハハ、何言ってんのかワッカンネーw」
 必死に俺の方を向いてテチテチ抗議しているみたいだけどリンガルが無いから何言ってるのかサッパリだよ。
これで一応逃亡の心配は無いだろう。よし、じゃあコイツをもてなす準備をするか。


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 「「」さーん。屋上行くねー。」
 「あぁ、終わったら鍵返せよ。それとあんまりバカなことやるんじゃないよ。」
 ヤベ…。「」さん気付いてるの?
 
 大荷物をかかえて戻ってきたトシに一応釘を刺しておいた。あの反応はロクでもないことをしている証拠だが
よほど無茶なことじゃない限りは大目に見てやるつもりだ。何事においても取り返しのつく範囲なら児童年齢の
間は失敗を積み重ねたほうがいいからな。


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 『テチャアアアア!!テチャアアアア!!』
 屋上に戻ると糞蟲が俺を見て必死の形相で叫びだした。物干しの下には洗面器くらいの糞だまりができている。
ビルの外に竿を出さなくて良かった。

 『テチャアア!テヂィイイイッ!(クソドレイ!ワタチをこんなふうに扱ってタダで済むと思ってるテジィッ?
今すぐ下に降ろしてゴーカなソファとゴチソウを用意して謝罪しろテチ!)』
 顔を真っ赤にして手足をブンブン振り回しながら何かまだテチテチ喚いているけどどうせロクなことじゃないだろう。
まっ、お前が希望する待遇じゃないだろうけどしばらく飼ってやるから安心しろ。


 …ブチ… ん?  …ブチブチブチ…

 『テッ?テッチャァァァァー!』
 髪の毛で体をぶら下げられていることを忘れていた糞蟲が後頭部に走った痛みに我に返った。糞蟲の重みに
耐えかねた髪がブチブチと千切れ始めている。

 『テチィィィッ!テチャァァァッッ!』
 本能的に自分の大切なモノが失われていることに気付いた仔蟲がパニックになって暴れ始めた。尤もそれは
自分の財産を更に失う行為なのだが。

 「アハハハハーッ、コイツマジでアホだw」
 しばらく見物していたがこのまま落ちて死なれたら面白くないので助けてやることにした。俺優しいなー。

 「はいはい、動くなよ糞蟲。」
 ハサミをチョキチョキやりながら近付くと今度は糞蟲の顔が真っ青になった。やっぱし実装石がハサミを
怖がるってのは本能レベルなんだな。

  ジョッキン
 『テジャッ!!』
 どうせ固結びにしちゃったから解けるワケないんでその部分はスッキリとカットしてやった。糞蟲が驚いて
固まった顔のまま重力に引かれて落ちていく。

 ベチャッッ!
 『ヂィッ!』
 墜落死しないように真下にインスタントコーヒーの空き瓶を受けておいてやったら受身もとらずに両足から
落ちて行った。おかしな方向に足が曲がっているが、まぁジゴウジトクだな。

 『テチャアアアア!!テチエエエェェン!!(アンヨ痛いテチー!!髪の毛ナクナッチャッタテチー!!)』
 足と後頭部の両方が気になるらしく手をバタバタさせているので何かおかしな踊りを踊っているように見える。
相変わらず糞を漏らしているがそこが死ぬまでお前の家になるんだ。あんまり汚すなよw

 「さてと、・・・ん?」
 糞だまりを洗っとかないと「」さんに叱られるからとバケツに水を汲んできたら上に糞蟲のパンツらしきモノがあった。
物干し竿にはまだ髪の毛が少しからまっている。よし、まずはこれを使うか。

 「おい、糞蟲。」
 まだ瓶の中で踊っていた糞蟲に瓶を揺すりながら声をかける。
 
 「はい、忘れ物♪」
 『チュベッッ!』
 こちらを向いた瞬間に糞蟲の顔にウ〇コまみれのパンツを叩きつけてやった。家から持ってきた割り箸が早速役に立ったぜ。

 『テチャァァアアー!!(臭いテチー、オメメ染みるテチー!)』
 糞蟲が泣きながら顔に貼りついたパンツを払いのけて必死に目をこすっている。おいおい、それお前のウ〇コなんだぜ。
と言っても俺も自分のウ〇コ顔に塗る趣味無いけど。

 『テェェェェ…テチィィィ・・・(テェェェェ…ヒドイ目にあったテチィ…クソドレイ許さん…)』
 「はい、次はコレ♪」
 肩で息をしながらこっちを睨む糞蟲の頭上に物干しに絡まっていた髪の毛をちらつかせる。途端にこの世の終わり
みたいな悲壮な声をあげて手を振り回し始めた。

 『テチー、テチエエエェェン!!(返すテチ、ワタチのキレイな髪を返すテチィ!!)』
 こんなゴミみたいなモノがそんなに大事なんて実装石ってのはホント訳分からんナマモノだよな。仮に取り返した
ところでくっつく物でもないだろうに。

 テチテチと喚く糞蟲に精神的な踏ん切りをつけさせてやることにした。父ちゃんもよく“イザって時は諦める
コトも大事”だって良く言ってるもんな。

 『テ?・・・テギャァァァァー!?』
 髪の毛を割り箸にはさんで火をつけたら物凄い勢いで血涙を流し絶叫した。へぇーこんな顔するんだ。しっかし・・・
臭い。人間の髪の毛も燃やすと臭いけど数倍臭い。

 『テチエエエェェン、テチェェェェェェン』
 灰になった髪の毛を糞の中から拾い泣きながら頭に塗りつけている。いいかげん諦めろよな。でもまぁさっきの反応
面白かったし今日はこれくらいで勘弁してやるか。

 「おーい、糞蟲ィw」
 怒りやら怯えやらが混じった変な顔をコチラに向けた糞蟲に今日の仕上げをしてやる。

 『チギュォォォォーーーァァーー(臭いテチー!痒いテチー!息できないデヂー!)』
 半開きの口目掛けて蟲よけスプレーの中身をたっぷりと注いでやった。ホントは実装きひ剤って薬が欲しかった
んだけど薬局のオバサンが言うにはあれは大人がハンコ持って行かないと買えないらしいからあきらめた。まっ
これでも明日の朝までぐらいならコイツに地獄見せられるだろう。よし、もう1本サービスだw

 『テェェェェェェ・・・・・・・・・』
 首のところまで蟲よけスプレー液に浸かった糞蟲がぐったりしたのを確認して瓶ごと段ボール箱に入れて本日は終了。
 あ、いけね!コレ宿題の実験だったんだ。えーっと…そうだな…

 8月13日 “実装石の髪の毛も燃やすと臭いコトがわかった” っと。じゃあな糞蟲。また明日なー♪


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 「トシッ!いつまで寝てるんだい!?」
 婆ちゃんの声で目を覚ますともう10時前だった。婆ちゃんがブツブツ言ってるけどいいじゃないか夏休みなんだし。
 でも今から糞蟲の実験に行っても昼までに終わらないかもな。よしっ昼ごはん食べてから行こうっと。

 「おーい、糞蟲。元気かぁ?」
 『テェェェェ・・・』
 糞蟲がぐったりした顔のままこちらを見上げる。目の下にスッゴイクマができて更にブサイクな顔になっている。

 「なんだー?眠れなかったのか?」
 瓶を取り出して覗いてみると首から下が糞緑の液体に浸かっている。あ、そうか。寝たら蟲よけスプレー液で
溺れるから必死で起きてて中で漏らしたんだ。いやー悪いコトしっちゃたかな♪
 とりあえず中のスプレー液を捨てて次に何をするのか考えることにした。瓶を傾けて中の液を捨てると生温かい
糞緑液が排水溝に落ちていった。スッゴク臭い。

 『テェェェェ・・・(眠いテチ。臭いテチ。でも寝たら死んじゃうテチィ・・・)』
 糞蟲の反応が薄くて面白くない。実装石が壊れたフリをするのはよくあることだし多分大丈夫だろうけどやっぱり
リンガルが無いと面白くないなぁ。

 「うわっ、キタネー。」
 瓶の中の糞蟲の体がエライことになっていた。首から下が糞緑液を吸い込んでブヨブヨにふやけている。おまけに
とんでもなく臭い。ホントに鼻が曲がりそうだ。

 「とにかく洗わないことには何もできないよな。」
 思わずつぶやいたけどさてどうやって洗おう?こんなの触りたくないよ。・・・よしアレでいくか。

 『テェッ!?テチャァァァッ!!(テェッ!?溺れちゃうテチーーー!!)』
 水道の脇にあった洗剤を少し入れて水を注ぎ込んだが泡ばっかりで中がどうなってるのか全然見えない。中から
糞蟲の悲鳴らしきモノが聞こえるから死んではいないと思うけど。

 『チェェェェェェェ…』
 何回か繰り返したけどいっこうにきれいにならない。うーん・・・あっ、そうだ!アレを使ってみよう。

 「おい、糞蟲ちょっと待ってろよ。すぐキレイにしてやるからなw」


 “コラッ!トシーッ、店に入るときは手を洗えっていつも・・・”
 父ちゃんの大声がしたけどちょっとぐらいイイじゃないか。とにかく必要な物は見つかったし大急ぎで屋上へ行く。

 『テチィィィ、テェェェェーン(モウ嫌テチ、臭いのも溺れるのも嫌テチ。クソニンゲン、イイカゲンコンペ…以下略)』
 俺の顔を見るなり糞蟲がブツブツ言い始めた。さすがに威嚇する元気は無いみたいだからさっさと済ませてしまおう。

 「まぁそんな顔するなよ。今からキレイにしてやるんだから。」
 そう言って店から持ってきた液体を瓶の中に注ぎ込む。するとソレがかかった糞蟲が急に暴れだした。

 『テッチィィ!ヂャアアア!!(痛いテチ!ヒリヒリするテチ!なんかヌルヌルもするテヂィ!!)』
 「あ、いけね。これ薄めて使うんだっけ。」
 漂白剤の説明書を慌てて確認してだいたいこれくらいかなというところまで水を入れたら結局また首の下まで
浸かることになった。まっしゃーねーか。

 『テェエエエエン……』
 「えーっと、30分から1時間くらい浸け置きしてくださいか。よし糞蟲、また後でなw」
 この暑い中糞蟲とにらめっこしてても面白くないのでしばらく放っておくことにした。

 「あれ、アキ。どこ行くんだ?」
 「利昭が新しいゲーム買ったから遊びに。お前も行く?」
 「モチ!お供するぜ♪」


 ・・・数時間後

 「じゃーなー利昭。」
 「おー、またなー。」
 「ああ腹減った。晩御飯何だろ?」

 ・・・
 ・・・・・・・あっ!糞蟲のコト忘れてた!・・・まっいいか。もう晩御飯の時間だし、明日まで置いといた
ほうがキレイになるだろうから。


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 『ダワ〜』
 洗濯物を取り込んできたロッソがブツブツ文句を言っている。屋上の隅にトシが置いた段ボール箱から異臭と
異音がするらしい。腰が良くなれば確認に行くが、今の僕には調べようがないからどう対応することもできないが、
ロッソさん君もトシの肩を持った以上いちいち僕に文句を言うのはやめなさい。


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 「ぐっもーにん、糞蟲ィ♪」
 次の日の朝糞蟲の顔を見に行く。なんかグッタリを通り越してゾンビみたいな顔になっている。まぁさすがに
2日連続の徹夜はつらかったんだろうな。

 『チェェェェェェェェ…』
 昨日は透明だった漂白剤が緑色になっている。ってことは汚れが落ちたってことだよな。

 「どれどれ・・・」
 瓶を傾けて排水する。少しずつ中が見えてきたのだが・・・

 「プッ!ワハハハハハァァァ!!何だよお前、その格好!?」
 『テエッ?テッ…テッチャァァァァァァァーー!?』
 首から下が服も髪の毛も消えてしまっている。頭巾とその後ろから1センチくらい髪をはやしただけのスンゲー
まぬけな格好になってしまっている。思わず大爆笑してしまった。

 『テチャァァァァ!テッ?テチィィィィッ!!(クソドレイ!イッタイ何をしやがったテチィ!?今すぐ新しい
オ洋服とゴチソ…テッ?何テチ?体がヒリヒリスルテジィッッ!!)』
 大マヌケスタイルのまま俺になにやら抗議をしていた糞蟲だったが急に体をかきむしりながら暴れだした。
何だってんだ?

 『チュチュァァーー!チェジィーーー!!(ヒリヒリするテチィ!ヒリヒリ通り越してビリビリするテジィ!!)』
 「えーっと何なに?この製品は強力なアルカリ性ですのでご使用にあたっては・・・あっ、そうか!理科で
やったよな!アルカリ性はタンパク質溶かすんだっけ。そういや父ちゃんたまに風呂場にこれ流してたっけ。
利昭が前に教えてくれたよな。実装石の服も毛が変化した物なんだって。毛はタンパク質だから全部溶けちゃったんだ。

 『テ・・テ・・・』
 一人で納得していると糞蟲の様子がおかしくなってきた。そうか体もタンパク質なんだから溶けてきてるんだ。
ってコイツほっといたら全部溶けちゃうの?

 「えーっと・・・、あっそうだ中和だ!」
 ここで死なれたら俺の腹の虫がおさまらない。たしかアルカリは酸で中和するんだよな。

 “コラーッ、トシーッ!店に入るときは・・・”
 “ちょっとトシ、お昼食べたらお爺ちゃんのお墓参り行くから支度しときなさいよ!”
 父ちゃんと母ちゃんの声に送られながら再度屋上に向かう。ついでに糞蟲のエサも調達しといた。

 『テ・・テ・・・テ・・・』
 屋上につくと糞蟲はまだ溶けてなかったけど変な方向をむいてピクピクしていた。よしよし今助けてやるからな。

 「そーら、糞蟲♪」
 『チャァァァァアアァーーーー!!』
 体中にまんべんなくレモン汁をかけてやる。レモンって酸性のハズだからこれで大丈夫だよな。

 『チャァァァッァーーー!!チチチチィィイイ!!(滲みるテチ、痛いテチ!スッパイテチー!!)』
 うわっ、またゲ〇吐いてる。お前が暴れるから顔にかかったんだぞ、そんなに嫌なら暴れるな。

 「さてと、コレお前のエサ。今日は忙しいからまた明日なぁ。」
 店の裏に捨ててあったラードの塊を瓶に放り込んで本日は終了。今日も実験できなかったなぁ・・・よし、

 8月14日  実装石の服はタンパク質でできているのでアルカリで溶けることがわかった。
 8月15日  実装石はスッパイものが吐くほどキライだとわかった。
 これでよしっと。


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 次の日

 今日は朝から糞蟲の相手をしてやるコトにした。仕事で出かける「」さんがヨタヨタ出て行くのと入れ違いに
ビルに入ってロッソに頼んでリンガルを貸してもらった。

 「おい、糞蟲。俺の言ってること分かるな。」
 モソモソとラードの塊に食らい付いていた糞蟲だったが声をかけられたことに気付いた途端俺を睨みつけて叫びだした。

 『テェッ!?テチャァァァ!テチャァァァ!!(テェッ!?クソドレイ、高貴なワタチに対してこの扱いは何テチ!?
モハヤ謝罪とステーキとコンペイトウぐらいじゃ済まされんテチ!この場でお前をハゲハダカにひん剥いてウンチ
喰わせてヤルから覚悟するテチィ!!)』

 ははは、やっぱロクなこと言ってなかったな。しかしどのツラ下げて自分が高貴なんて思えるんだろうな?
よし、ここはひとつ自分が何者なのか分からせてやるかw

 「おい、糞蟲。誰をハゲハダカにひん剥くって?お前が禿裸みたいなモンだろうが。」
 そう言って瓶をひっ繰り返して段ボール箱の中に出してやり、目の前に鏡を置いてやる。最初何が写っている
のか分からなかったみたいでキョトンとしていたが耳をつまんでゆっくりすり潰してやるとそれが自分だとわかった
ようで物凄い勢いで糞を漏らしながら暴れ始めた。

 『テチャァァァ!テギャァァァァァァァァァァ!!(何テチこのみっともない姿は?こんなの高貴なワタチに
フサワシクナイテチ!それにオミミがモノスゴク痛いテチ!!クソドレイ!今すぐその小汚い手を離して土下座
して詫びたノチに新しいオ洋服を持って来いテジィッ!!)』

 ・・・はあ〜コイツ本物のアホか。ここまでやられてまだ自分の立場分かってねぇよ・・・

 「あのな、さっきからすき放題言ってるけど誰がクソドレイだ?」
 そう言いながら一発デコピンをお見舞いする。
 
 『テチーーーーーッッ!テチャアアァァ!(痛いテチーッ!何しやがるテチィッ!)』
 慌てて頭を抱えてうずくまったが背中がガラ空きだ。すかさず後頭部に1発お見舞いする。

 『テチェェェン!テチェェェェェェン!(痛いテチ!モウやめてテチー!)』
 前、後と20回ほどデコピンを繰り返したら糞蟲が少し反応を変え始めた。やっと自分の立場が分かったかな?
頭がすでにおかしな形に変形しちゃってるけど。

 「おい何言ってんだ?“高貴な実装石”はデコピンされりゃされるほど喜ぶモンなんだぜ。それも全身ボコボコに
なるくらいになwデコピンが嫌いなのは糞蟲の証拠なんだぞw」
 “高貴”という言葉(意味分かってるのかな?)に反応した糞蟲がゆっくりと顔をあげたところに両手ダブルの
デコピンをサービスしてやったら箱の端まで吹っ飛んでピクピク痙攣し始めた。チョットやりすぎたかな?

 『…チェェェェェェェ…(…デ イイテチィ…)』
 ん?何か言ったか?

 『テェェェェェ…テチェェェェェェェ……(イタイノイヤテチィ… クソムシ デイイテチィ…)』

 「へぇーお前糞蟲なんだ。じゃデコピンなんかしちゃダメだな。」
 そう言うと糞蟲が少し笑ったような顔をした。何かムカつくな。よーし・・・

 「よしよし、糞蟲にふさわしい待遇をしてやろう。まずはコレ♪」
 
 『チャガガガガッガアアーー!!(翻訳不能)』
 傷口をたっぷりの塩で消毒した後、腹が倍くらいに膨れるまで周りに落ちていた糞とラードのかけらを口に
押し込んでやった。おーそーかそーか、血涙流すほど嬉しいか♪

 『テェエエエエ…』

 「じゃあな、“糞蟲ィッ”!また明日なー!」
 腹が重くなりすぎて起き上がるコトもできなくなった糞蟲を瓶に戻して本日は終了。あー面白かったw

 8月16日  あ、今日は何やったんだっけ?・・・まっいいか1日くらい。


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 「うわっ、何だよコレ・・・」
 僕が屋上に行こうとするのをやたらロッソが引き止めるのでさすがに怪しいと思って久しぶりに屋上に来て
隅に置いてある段ボール箱を開けてみたらエゲツナイ物を見てしまった。こりゃ実装石というより寺の地獄絵図
によく描いてある亡者か餓鬼だ。

 「これのどこが“宿題”だよ。ロッソさん、どういうコトなのか僕に分かるように説明してくれない?」

 『ダワ〜ダワダワ・・・(えーっと、話せば長くなるんだけどナノダワ・・・)』

 ロッソの説明でだいたいのコトは分かった。つまりはデートの約束反故になったコトに対する腹いせなワケね。
まぁその気持ち分からんでもないがそんなコトのために他人の家に実装石なんか持ち込むなよな・・・本来なら
とっとと処分する所だが一応トシの気が済むまでやらさんことには本人も納得しないだろう。それに逆代先生
が前に言ってたよな“他人の虐待にチョッカイ出しちゃダメ”って。

 「まぁトシのことだ。ある程度やったらすぐ飽きるだろ。」
 『ダワー。』
 僕に気付いて必死に瓶の内壁を叩く仔蟲をシカトしながら箱に戻しもう少し様子を見ることにした。


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 『テチュアァァァァアァ!デチイイイイイイイイイイイイイイーー!(暑いテチィッ!ガマンできないテチ!
クソニンゲン、さっさとそのウマウマをワタチに献上しろデチイッッ!)』
 次の日、今日も天気が良かったのでオーソドックスに太陽責めにしてみた。瓶ごと屋上のど真ん中に放置した
だけなんだけどヂャーヂャー喚く仔蟲の声がこんなに楽しいものだとは知らなかった。あーアイスウマー♪

 『ヂャヂィィ・・・ヂャアアア・・・』
 「はいはい、分かった分かった。でもコレは人間様の食物だ。糞蟲には糞蟲用のアイスがあるんだよホラ。」
 そう言って白い塊を瓶の中に落としてやる。ヒンヤリと漂う冷気に糞蟲が噛り付いた瞬間、

 『ヂャヒィィィィィィーーー!!!!』
 塊に顔を埋めたまま糞蟲が声にならない声で絶叫した。そーか、ドライアイスはそんなにうまいか♪

 ドライアイスに顔を貼りつかせたまま暴れる糞蟲の姿にひとしきり爆笑させてもらった後で助けてやることにした。
ゆっくり剥がしても痛いだけだろうからと思って一気に剥がしたら・・・

 『テジャッッ!?』
 「うわっ!気モーーッw」
 糞蟲の顔がスンゴイことになっていた。下半分が青黒く変色してボロボロに崩れている。ヒューヒュー変な音
がするなと思って見てみたらドライアイスのほうに口(だったもの)と歯がくっついている、マジで気色ィw

 『フェェェェーーー』
 自分でもなんとなくエライことになっているのが分かるのか糞蟲が力なくへたりこんだ。これ以上やっても
今日は面白くなさそうだ。

 「じゃ糞蟲、今日はここまでな。ホレ、餌と水。」
 瓶の中にラードと水を入れて箱に戻して終了。水がブクブク泡立ってくると糞蟲が急に踊りだしたのがまた
傑作で大笑いしてしまった。えーっとそうだな今日は・・・

 8月17日  実装石もドライアイスでヤケドすることが分かったっと。


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 「さてと、今日は何しようかなー?」
 母ちゃんが宿題終わったのかってウルサイから「」さんの所でやると言って持ってきた夏休みのドリルを丸めて肩を
ポンポン叩きながら箱の中を覗くと糞蟲のヤツが青黒い顔をボコボコに腫上らせてひっくり返っていた。

 「エッ?テメー勝手に死ぬ気か!?」
 慌てて瓶から出すと口をパクパクさせながら少しずつ顔色が戻ってきた。あ、これってもしかして・・・

 「あーそうだった。ドライアイスって溶けたら二酸化炭素になるんだった。」
 持ってきたドリルのページをめくりながらこの間授業でやった実験を思い出した。二酸化炭素は呼吸できないし、空気
より重いから瓶の底に溜まって窒息したんだコイツ。

 「えーっとそれと蚊みたいな虫は二酸化炭素に反応して集まってくるのか・・・」
 爪の無い手で必死に顔をこする糞蟲を見ながら一人で納得した。つまりコイツは夕べ一晩窒息の恐怖と蚊の襲撃に晒され
続けたワケだ。これも使えるかもな。

 「まっ、それはそれとして糞蟲?今日は何して“遊ぶ”?」

 『チェェェェェェ……(イタイテチ カユイテチ クルシイテチ…)』
 ?何か糞蟲の反応が面白くない。最初は壊れたフリしてるのかとも思ったが、目の前にコンペイトウ(のようなもの)を
チラつかせても見向きもしない。ホントに壊れたのかな?

 「うーん、これくらいでくたばるハズ無いと思うんだけど・・・うーん・・・・・・あ!そうか!」
 テェーテェー力なく呻く糞蟲を見ていて大事なコトを忘れていたのに気付いた。チョット待ってろ糞蟲。すぐに真の
地獄をみせてやるからな。


 −数分後−

 「よーし、糞蟲。今元気にしてやるぞ♪」
 糞蟲を掴んで全身を軽く揉んでみると・・・おっ、あったあった。

 『テチャアァァァーー・・・』
 目の前でハサミをチョキチョキすると弱々しくも必死に悲鳴をあげてくれた。ウムウム感心感心。

 『テギャッ!テッ!テッ!テッ!・・・』
 腹にハサミを突き刺し、そのまま切り開いていくとハサミの動きにあわせて声がでる。フフ面白れー。

 『テッ?テギャァァァァーーー!!』
 そのままハサミの先で偽石をつまみ出すと今まで聞いたことがないくらいの大声で絶叫した。なんだ案外元気だな。
それでも偽石はかなり黒ずんだ緑色になっている。こりゃやっぱり危なかったんだろうな。

 『テチェェェェン!テチ、テチャァァッ!!(返すテチ!ワタチの大事なオ石返すテチィ!!)』
 糞蟲が今までの弱々しさが芝居だったんじゃないかというくらいの形相で必死に腕をのばしてくる。おいおい心配するなよ。
これは医療行為なんだから。
 
 400円もした栄養ドリンクの瓶を開けて少しだけ糞蟲の口に流し込んでから偽石を入れてキッチリ蓋を閉めてから糞蟲に
渡してやる。栄養ドリンクが効いたのか物凄い勢いで瓶を割ろうと殴りつけている。

 『テジィィィッ!テジャァァァァァァッッ!(返すテチ!返すテチ!ワタチのオ石テジィッ!!)』
 
 「ははは、割れたらある意味凄いかもw」
 腕がミンチ肉みたいになっても瓶を殴り続ける糞蟲を30分ほど観察したがこれ以上は変化が無さそうなので今日はもう
帰ることにした。偽石が元の色になればもっと遊べるだろうし今日は休憩日だな。よし、
 
 8月18日  実装石は弱っても偽石に栄養を与えれば元気になるっと。


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 「うーん、オムライスウマー♪」
 『テチィーッ!?テチャアァーーー!(クソニンゲン!オ前何カッテにウマウマ食べてるテチ!?今すぐソレヲワタチに
献上させてやるからトットと持って来いテチィ!)』
 父ちゃんに「」さんのところに弁当届けてくれと頼まれたのでついでに俺の分も作ってもらって糞蟲と一緒に食べることにした。
瓶の中の糞蟲のブサイクな顔が大好きなオムライスをさらにオイシクしてくれる気がする。いつもより良く噛んでゆっくり
食べたがその間糞蟲は手と目の両方から血を流して絶叫していた。

 「あー、うまかった♪ごちそうさまでしたっと。」
 『チェェェェェ・・・』
 最後の1粒までキレイにたいらげるのを見とどけて糞蟲が力無く座りこんだ。昨日高い栄養ドリンク飲ませてやったんだ。
別に今日は喰わなくても平気だろうに。

 「さて、もう腹イッパイになっちゃったなー。」
 糞蟲が恨めしそうに見つめる前でわざと大声で話す。

 「もう一個持って来たんだけどコレどうしよう?」
 そう言いながらカバンの中からオムライスの横にハンバーグとエビフライとプリンがのった皿(お子様Aランチ)を取り出す。
途端に糞蟲の顔に急に生気が戻り今度はテチュテチュと媚びだした。

 『テチーュ!テチュ!テチュ!テッチュ〜ン(ニンゲンサン、ワタチお腹ペコペコで死にそうテチ!今すぐ食べてやる
からトットと持って来いテチュ〜ン)』
 さっきとは打って変わって透明な涙を流しながらやたらとこっちをチラ見している。本石は媚びてるつもりらしいが、
リンガルで聞いてるからお前の本心は見え見えなんだよ。

 「何だ、お前これ食べたいの?そりゃいいけどこれは糞蟲は食べられないモノなんだぞ。」

 『テチュ〜ン。テチ、テチューーン♪(心配ナイテチ。ワタチは高貴でカワイイから何の問題も無く食べてヤルテチ♪
ゴチャゴチャ言う前にさっさと持って来るがイイテチューーン♪)。』
 
 「そーかそーか、そりゃ嘘じゃないだろうな。もしこれが喰えなかったらお前は糞蟲でウソツキの最低野郎決定だな。」
 この間自分で“糞蟲”って認めたのなんか完全に忘れてるらしい。まぁコイツらが自分の発言に責任なんか持つわけないか。

 「よーし、それじゃ遠慮なく喰えw」
 『テチャァァァーーー』
 糞蟲を瓶から出して目の前にお子様Aランチを置いてやるとバケモノみたいな顔をして跳びついた。ククク・・・
これでお前最低野郎決定なw

 『テ?テ、テジヤァァッーー!?』
 ツルツルとすべるオムライスの上で糞蟲が頭から湯気を上げてカンシャクをおこしている。リンガルからは“硬いテチ”
とか“ツルツルしててオイシクナイ”といった言葉と後は翻訳できない喚き声が聞こえてくる。

 「ぷっ、ぷわははぁぁぁぁー。」
 ガマンできずに思わず大声で笑ってしまった。ひっかかったな糞蟲。ソイツはウチの店が昔食堂やってたときに使ってた
食品サンプルだ。いくらお前らが何でも食うつってもそれは無理だろう。

 『テチャァァァ!テチャァァァ!!テジャァァァ!!!』
 もはやリンガルからは雑音しか聞こえてこない。本来なら歯形くらいならつけられたかもしれないが一昨日のドライアイス
攻撃で歯が無くなったコイツにはそれすらかなわない。喰いたくてたまらなかったであろう“ゴチソウ”の上で糞を漏らし
暴れる糞蟲のダンスをしばらく楽しませてもらった。

 「あはははは、はーぁ。おいどうした食べないのか?」
 もうしばらく糞蟲のダンスを見ていたかったがこれ以上サンプルを汚されると洗っても落ちないかも知れないと心配になり
(父ちゃんが言うにはスゴイ高いらしい)そろそろ終わらせることにした。

 『ヂャアアアッ!テヂィィィ!(クソニンゲン、これは食べられないテジィ!もっとワタチにふさわしいゴーカな食事を
持ってこいテヂィッ!)』

 「なんだ?お前さっき自分は高貴だから何の問題もなくそれが喰えるって言ったばっかじゃん。ってことはお前ウソ
ついたんだ。つまり糞蟲でウソツキの最低野郎決定ってことだよなぁ。」
 頭から湯気を上げながら喚き散らす糞蟲の頭をつまみながらゆっくりと話しかけるとさっきの自分の発言を思い出した
ようで顔が青ざめだした。

 「糞蟲には糞蟲らしい待遇をしないとなぁw」
 自分でも気持ち悪いと思うつくり笑顔で糞蟲に笑いかける。

 『テ・テ・テチュ〜〜ン・・・』
 糞蟲が真っ青な顔で必死に媚びる。フフフ・・・しかぁし、地獄行く♪

 『ヂャアアア!!』
 「はいはい、糞蟲にこんな物いらないよw」
 コイツの最後の財産である前髪と頭巾を引きちぎり丸めて耳の穴に突っ込む。実生の終わりと言わんばかりに泣き叫んで
いるが今日はまだ続きがあるぞ。

 「はーい、今日は実装キャンドルの刑な。」
 頭巾のはみ出た所に火をつけると物凄い勢いで糞蟲が走り出した。必死に火を消そうとしているらしいが生憎耳に手が
届かないので自分ではどうすることもできないらしい。倒れて転がれば火も消えるんだろうけどコイツの少ない脳ミソ
ではそこまで知恵がまわらないようだ。そのうち自然に鎮火したが右耳は完全に燃えてしまった。

 『テエエェェェェン…』
 「どうだ最低糞蟲。感想は?」
 ひとしきり笑わせてもらったので感想を聞いてみると・・・

 『デチャァァァァァ!(クソニンゲン ブッコロシテヤルテヂィ!)』
 だとさ。

 「反省が足りんな。」
 そう言って口にスプーンを突っ込んでそのまま1回転させる。ミヂッって感じの音がして下あごがベロンと下に落ちた。

 「あはははははははーーっ。うん、実に糞蟲にふさわしい顔になったな。明日からはもっと糞蟲にふさわしい待遇して
やるから楽しみにしてろよ♪」

 『フェェェェェ・・・』
 恨みがましそうな糞蟲の声を背にうけながらアキの所に遊びに行った。

 8月19日  実装石は食べ物とそうじゃない物の区別がつかないっと。


 『テヂャアアアアアア!!』
 8月20日  実装石の体を虫メガネで焼くと髪の毛同様やっぱり臭いことが分かった。


 『ヂャヒィィィーーーッッ!』
 8月21日  実装石は乾電池4個で感電することが分かった。
 いやーコイツらのリアクションってこんなに面白かったんだなー。今まですぐに潰してたのが馬鹿みたいだ。


 トシのやつここんところ毎日屋上に来てるみたいだが珍しく仕事が忙しいので何をしているのか確認をしている暇がない。
一昨日事務所の机の上に宿題らしいドリルを置いて行ったが今年も僕に手伝わせるつもりなのか?


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 『テフェェェェ・・・』
 「うーん焼肉弁当ウマーッ♪」
 もちろんウチの弁当なんだから美味くてあたりまえなんだけど糞蟲の恨めしそうな顔を見ながら食べると更に美味い。
いやー、晩御飯もここで食べようかな?

 『テチィ・・・テチュュューーンン・・・(ニンゲンサン・・・お願いテチィ・・・もうウンチ食べたくないテチィ・・・何か
食べさせてホシイテチィ・・・)』
 少し口が動かせるようになった糞蟲が遠慮がちに話しかけてきた。まっいつも楽しませてもらってるんだし、たまには
コイツにもゴチソウ食わせてやるかなw

 「何言ってんだ?糞蟲は糞喰うモンだろうが。でもまぁたまには他の物食べたいって気持ちも分からんでもないか。」
 そう言うと急に糞蟲の顔が明るくなった。

 『テチ、テッチュー!テチュ〜〜ン♪(そうテチ、たまには気分を変えなきゃダメテチ!ニンゲンサン大好きテチュ〜ン♪)』
 このチャンスを逃すまいと糞蟲が必死に媚びだした。いいかげん気付けよ、そのブサイクな顔で媚びても殺意以外の
何の感情も湧かないってコトに。

 「よしよし、じゃ“ヤキニク”でも喰うか?」
 『チューーーン♪』
 俺の提案に千切れんばかりに首を縦に振る糞蟲。ホントに“ヤキニク”でいいんだな?

 糞蟲を瓶から出して焼肉のタレの匂いを嗅がせてやると何所にそれだけ溜まってたのかと聞きたくなるほど大量の涎を
たらし期待に満ちた笑顔を俺に向けた。そうかそんなにまちどうしいか。

 「まぁそんなに焦るな、すぐに出来るから。」
 そう言いながらポケットからライターを取り出す。不思議そうな顔をしている右腕を割り箸でつまんで持ち上げると・・・

 『デチイイイイイイイイイイイイイイーーーー!!!!!』
 「こらこら、暴れるな。生焼けになっちゃうだろ。」
 ご希望の“ヤキニク”を作ってやったらこの世の終わりみたいな悲鳴をあげて暴れたもんでちょっと焼きすぎになった。
ほとんど炭になっちゃったけどまぁタレでなんとかごまかせるだろう。サービスで多いめにかけておいたし。

 「はいおまたせ。待望の“ヤキニク”だぞw」
 最初は恐怖と恨みの混じった物凄い顔で血涙を流しながらこっちを見ていたが、やがて焼肉のタレの匂いに鼻をひくつかせ
始めこんがりと焼けた腕に視線を移すと・・・

 「おっ、気に入ったか。」
 歯が無いのでタレのしみ込んだ炭を吸っているといった感じだがモソモソと自分の腕を食い始めた。スンゲー気色悪い
光景だが何となく楽しい。糞蟲も喰ったことで少し元気が出たらしく心なしか顔色がよくなってきた。その顔を見ている
ともう少し“ゴチソウ”してやろうという気分になった。

 「いやースマンスマン。お前歯が無いの忘れてたヨwお詫びに今度は新鮮なタルタルステーキゴチソウしてやるから
それで勘弁な。」
 俺の言葉に固まった糞蟲を抑えつけて足を上げる。今度は必死に首を横に振っているがここは敢えて無視。

 『テギャァァァァァァァァァァァーーーー!!!!!』
 「ほーら新鮮潰したてのタルタルステーキだぞーw」
 今度は左腕をグリグリ踏み潰してタルタルステーキにしてやった。糞蟲もよっぽどタルタルステーキが食べたかったのか
今食べたばかりの腕を吐き出した。

 「あらー、もったいねぇーなぁ。まぁ気が向いたら後で食えや。」
 そう言って今作ったタルタルステーキとゲ〇まみれの炭にたっぷりと焼肉のタレをかけておいて今日の実験は終了とする。
明日は何しようかなぁー♪

 「じゃーなー糞蟲。遠慮なく喰えよ♪」
 『チジェェェェェェェェ・・・』
 
 えーっと、
 8月21日  実装石は自分の腕を食べても元気になることが分かった。っと。


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 『ダワダワ(「」、アレはチョットマズイかも知れないのダワ。)。』
 夕方洗濯物を取り込んできたロッソが妙に陰惨な顔で言ったので屋上に行ってみると…

 「うわぁぁぁ・・・」
 『テチィィィ・・・』
 トシの“宿題”はエライことになっていた。首元に1センチほど髪が残ってる以外はほぼ禿裸で全身糞尿まみれ。
その体のあちこちに火傷の跡らしい斑点があり特に顔の下半分は焼け落ちたのか何なのかドス黒く崩れ落ちている。
その崩れ落ちた口を伸ばして必死に脚を咥えようとしているのだが実装石の体形でとどくハズもなく只舌(だったモノ)を
不気味に宙に踊らせている。最初は傷口を舐めようとしているのかと思ったが腕が両方無くなっていることや、下に
溜まった汚水から微かに焼肉のタレっぽい匂いがするコトから考えてどうも脚もエサにしか見えていないらしい。

 「これは確かにちょっとマズイかも知れないな。」
 思わず呟いた僕にロッソが無言のまま頷く。僕も子供の頃は実装石に爆竹突っ込んだり自転車で踏み潰したり
して遊んだことはある。先日のロッソの説明でトシがこの仔蟲に相当恨みがあるのも分かっている。しかしこれは
明らかに度を越している。多分トシ自身気付かないままドンドンエスカレートして歯止めがかからなくなって
しまっているのだろう。これは明らかに子供のイタズラの範疇を越えてしまっている。

 『ダワ〜(トシ、オカシナコトにならないかしら)。』
 まるでヒッキーの虐待派がやったようなその光景をなるべく見ないようにしながらロッソが言った。まぁ言いたい
ことは分からんでもない。実装石ごときに憐憫の情を持つのは一部のキ〇ガイ(愛護派)くらいだろうが、それでも
やって良いことと悪いことはある。こんな虐待派まがいのことを小学生がやって良いハズがない(まぁ虐待派が
やっても決して褒められるコトではないだろうし)。これが悪いコトだとトシが気付いていようがいまいがココは
少し矯正してやる必要があるだろう。

 「ロッソ、晩飯食いながら作戦会議だ。」
 また余計な仕事が増えたことを恨みながら腰に響かないよう慎重に階段を降りて行った。


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 「えっ?遊園地の行動調査?」

 「そっ、そんなに難しく考えなくていいよ。要は小学生2人が1日でそんなに動けるのか確認して欲しいだけだから。」
 次の日屋上から降りてきたトシにチョット仕事を手伝って欲しいという顔でさりげなくチケットを渡した。
カード会社からの請求額がおかしいという依頼だとかどうしても小学生じゃないとダメなんだとか、よくまぁコレだけ
デマカセが言えるモンだと自分に関心しながらわざわざ御足労願ったトモエちゃんにも(嘘の)説明をする。
ところでトシー、ちゃんと聞いてる?

 「でも、何でトモエとなんだよ?」
 
 「男女ペアじゃないと条件が一致しないんだ。それとカードに履歴が残っているアトラクションには絶対行って
もらうコトも条件。それと曜日も合わせる必要があるから出発は明後日ね。」
 どこを見ていいのか分からないといわんばかりにせわしなく視線を動かすトシに反論を許さないままに説明を
終えるとそそくさと仕事に戻った。少々反則技のような気もするが、トシの気が仔蟲に向く前の条件に少しでも
近づけることで仔蟲から注意を削ぐ作戦だ。まぁ彼等くらいの年齢なら効果があるかどうかは五分五分だが、アイツ
案外単純だから大丈夫だろう。現にもう心ココに在らずという顔で帰って行った。唯一心配なのは来月の僕のカードの
請求だけだ(涙)。



 「はい「」さん、これが調査書。それとこれお土産ね。」
 よほど楽しかったのか翌々日の夕方帰ってきた二人は少し日焼けした晴々とした笑顔だった。トシのその笑顔に少なくとも
今は実装石のことを考えている気配は無い。一応作戦は成功したみたいだ。調査書と(僕の財布から出ている)お土産を受取り
一応調査書に目を通し“結構真面目に調べたなぁ”と感心してから買物がてら二人を玄関先まで送ったのだが・・・

 小学生でデートねぇ・・・遊園地ねぇ・・・しかも評判の美少女とねぇ・・・最近の小学生は成長早いわよねぇ・・・

 ・・・って、いかん、いかん。今度は僕にドス黒いモノが湧いてきやがった。よし、こういう時は気分転換が大切だ。
今日は散在ついでにイッチョ奮発するかーっ!


 “ワン、ウォン!”
 ほーらパルタ滅多に食えない上カルビだぞー。遠慮なく喰えー!今夜は一人身同士朝まで飲もうじゃないか。
このビルの屋上貸切じゃーい。あ゛?、でもそういやーお前女房と子供いたよな、別居中だけど・・・・・・
ふーんだふーーんだ!!全然ッ羨ましくなんかないモーン!あー、ビールおいちいなぁーーっ…・・・・・・ナゼコノヨニウマレタノダー・゜・(ノД`)・゜・ 

 『テチーッ テチュー!!』
 おっ、何だ仔蟲?お前も喰いたいのか?よーし、特別サービスだ。焼きたてアツアツの最高級備長炭だぞ。
お前なんぞにゃもったいないがありがたく喰えーーーw

 『ヂャアアアーーーーー!!』

 『ダワ〜〜(今度は「」がオカシナコトにならないかしら)』


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 3日ぶりに屋上に来てみると別の意味で凄いコトになっていた。ビールの空き缶が20個以上転がっていておまけに
一升ビンも2本空になって落ちていた。大きな籠を背負ってトングを持って上ってきたロッソに何があったのか聞いても
“大人にはこういうコトがあるのダワ”としか言ってくれなかったし、肝心の「」さんは頭痛いって寝込んでるらしいし・・・

 で、糞蟲はと箱を覗くと何か黒い物に噛り付いていた。正直もうどうでもよかったんだけど一応エサぐらいやっとかないと
マズイと思ってたんだけどどうやら「」さん代わりにエサヤリしててくれたみたい。


 「あーっ、また来週から学校かー」
 あと1ヶ月くらい夏休みでもいいのにな、なんて思いながら下を見るとトモエが駅の方へ歩いて行くのが見えた。
あのカバン持ってるときはピアノの練習だな。

 「フフッ、結局あいつジェットコースター駄目だったな。」
 一応一緒には乗ったがずっと俺の腕掴んで目をつぶっていたのはちゃんと見ていた。調査書に書いてやろうかとも思った
けど黙っておいてやることにした。

 「・・・でも、トモエの手ってあんなに柔らかかったんだな・・・」
 無意識に出た言葉に急に“あ゛ーーーッ!!”って叫びたくなった。電車が通過したのに合わせて思いっきり叫んだ後
糞蟲の段ボールを蹴っ飛ばして家に帰った。


 ここ2・3日トシが屋上に行ってないみたいだ。ロッソの話では段ボールは置きっぱなしらしいのだがやっと飽きたか
それとも仔蟲が死んだのか。いずれにしても後始末だけはちゃんとして欲しいのだが、昨日散歩帰りに顔を見たときは
完全に呆けた顔で歩いていたので声をかけそこねた。仔蟲からは気が逸れたようだが結局大枚はたいた作戦は失敗に
終わったのかな?


 
 「あーっ、もう何でこんなにあるんだよーー」

 「ねぇ「」さーん。ここどうやるの?」

 「あのな、冷房の効いた部屋提供してやってるだけでもありがたいと思え。僕だって仕事中だ。」
 新学期へのカウントダウンが始まった頃から悪ガキどもが僕の事務所に集まりだした。毎年今頃集まってきては客が
誰も来ないのをいいことに冷房の効いた部屋で宿題の写しあいをして、あわよくば僕に宿題を手伝わせようという魂胆だ。
確かに暇だからかまわんのだがちょっとは遠慮ってものを覚えなさい。

 「だいたい、計画的にやらないから今頃慌てなきゃならないんだよ。僕が子供の頃は7月中に全部やっといて後は適当に
過ごすモンだったんだよ。」
 毎年同じことを言っている気もするが、多分こいつ等も毎年聞いていないだろう。接客用のソファーの周りを消しゴム
のカスだらけにしながら少しずつではあるが宿題を片付け30日の昼過ぎには何とか終わらせたみたいだ。

 「あ、トシ。ちょっと。」
 掃除を終わらせみんなと一緒に帰ろうとしたトシにもう一ヶ所掃除させるために声をかけた。


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 「はぁ〜、コレどうしよう・・・」
 正直糞蟲のコトなんかすっかり忘れてた。「」さんがエサやってくれてたんじゃないの?って聞いたら無責任な事するな
ってスンゲー怒られた。あんな怖い顔の「」さん見たの初めてだ・・・

 とにかく他のゴミは片付けといてやるからこのナマゴミだけは自分で考えて“処分”しろって糞蟲の瓶を渡されたんだけど
ちょっと見ない間に更にオゾマシイことになっていた。
 自分の偽石の入った栄養ドリンクの瓶にもたれ掛かってテェーテェー歌って(?)たんだけど正直見るのもイヤだった。
あれから自分の糞だけを食べて生きていたらしく口の周りは糞まみれで全身うっすらと糞緑色になっている。腹だけがやたら
膨らんで脚は針金みたいにガリガリ、腕が無くなってアバラの浮き出た体は気持ち悪いなんてもんじゃない。トドメになぜか
口だけじゃなく顔の右半分も焼けただれたみたいにズルズルになってスンゴク臭い。こんなのちょっとしたバイオハザードだ。
家のゴミ箱になんか捨てられないよな・・・

 『デギャアアアアアアァァァ・・・・ァ・・・ァ・・・・・・』
 いっそ公園の野良に処分させようと近づいてきた野良蟲に渡したら臭いを嗅いだ瞬間鼻を抑えて悶絶した後気を失った。
コイツ等でも処分できないのか・・・ウロウロ歩いて結局コイツを捕まえた河川敷にまで来てしまった。

 「偽石を割れば死ぬらしいけど・・・」
 前に本で読んだことはあるが、どんな死に方をするのか分からないからやりたくない。今よりオゾマシイことになったら
晩御飯食べられなくなるよ・・・

 「あ〜あ。アッ!しまった!」
 沈みかけの夕日を見ながら堤防の上に座って途方にくれていたらうっかり糞蟲の瓶を倒してしまった。そのままゴロゴロ
と転がり落ちて河原の手前で大きく弾むと勢い良く地面に叩きつけられそのまま割れてしまった。

 「うわ〜どうしよう。」
 慌てて河原に下りてみると割れた破片と栄養ドリンクの瓶が散らばっているが肝心の糞蟲がいない。テェ〜ッチィと弱々しい
声が聞こえた方に目を向けると糞蟲が必死に藪に向かって走って(?)いた。

 「あ、そうだよな。ここは元々コイツの棲家だったんだからここに離してやるのが正解なんだよな。」
 なーんだ、俺ちゃんと正解に近づいていたんだwこれでやっと帰れるよ。
 ガラスが落ちていると危ないので一応拾えそうな破片だけ集めて落ちていた新聞紙に包み込んだ。そのままにしといて
もし「」さんにバレたらそれこそタダじゃ済まないような気がしたから。

 「そうそう、これもリリースしなきゃ。」
 栄養ドリンクのフタを開けて中身を川へ捨てる。何故か随分量が減っていた。蒸発したのかな?最後にポチャンと音が
して糞蟲の偽石が沈んでいったが最初に取り出したときより数倍ドス黒い色になっていた。

 「よっし、帰ろ!」
 なんだかとってもスッキリした気分で家に帰った。ちなみにガラス入りの新聞紙は帰り道公園の野良の口にねじ込んで
ちゃんと“処分”しておいた。


 トシの奴どうやら仔蟲のことを完全に忘れていたらしい。病的な虐待をするよりはマシなのかも知れないが無責任な行為
はたとえ未成年でも許されることではない(と、個人的には思う)ので一発かました後仔蟲だけは自分で処分させることにした。
半ベソで瓶を持って駅の方へ歩いて行ったがあれだけ強烈な悪臭の塊だ。こっそりゴミ箱に捨てるわけにもいかんだろう。
自分で撒いた種だ自分で考えて対処しろ。ついでにこれに懲りて虐待まがいのバカなこと二度とするんじゃないぞ。

 『ダワーダワダワ?(「」、今頃から何処行くの?)』

 「ん?自分でも甘いとは思うがね、もう少しトシの“宿題”手伝ってやろうと思ってね。」
 屋上の大掃除を終えた後ロッソに見送られながら久しぶりに実家へ向かった。


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 −新学期初日−

 「おっ、どうしたトシ?何か元気無いな?」
 新学期早々しょぼくれた顔で帰ってきたトシに声をかけると

 「うん・・・・実はね・・・・」
 とやはり件の仔蟲の観察が宿題になっていないと付き返されてしまったらしい。そりゃアンナ無茶苦茶なモノを宿題認定
するほど日〇組もアホじゃないだろう。

 「まっそりゃそうだろうな。これで分かっただろ?実装石になんか係わってもたいていの場合ロクな事にならないんだ。
たまに趣味で虐待やってる人もいるだろうけどアレも酒や煙草と一緒である程度分別つく年齢になってやらないと結局は
自分自身を破滅させるんだよ。お前だって公園散らかして暴れてるバカみたいにはなりたくないだろ?まぁ今後はせいぜい
その場で蹴っ飛ばすか踏んづけるくらいにしとくこったな。」
 そう言いながら事務所に連れて行き表紙の黄ばんだノートを渡してやる。

 「とは言えしばらくは一応頑張って暑い中観察してたその努力だけは評価してやるよ。これは僕が昔やった自由研究。
こんな物に新しい・古いは無いからキチンと写せばそれなりのカッコはつくだろ?」
 我ながらつくづく甘いとは思うがこれでトシも懲りただろう。それでもどーしても実装石に係わりたいならせめて
自分で銭稼ぐようになってからにしろ。

 「うわっ、さすが「」さん!アリガトー!」
 そう言うとひったくる様にノートを受け取り家の方へ走って行った。やれやれ、これでやっと肩の荷が下りたよ。
今回のギックリ腰はいろんな意味で高くついちまったなぁ。

 「さて、仕事仕事。」
 溜まった書類の山を一瞥し、腰をポンポンと叩いて椅子に座った。


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 ちなみに藪に逃げ込んだ糞蟲がその後どうなったかと言うと・・・

 『チギャッッ!』
 瓶が割れた瞬間糞蟲は気付いた。ここは生まれ育った河原だと。慌てて辺りを見渡すとはるか彼方にあの恐ろしいニンゲンが
見えた。目がかすんでハッキリとは分からないが近づいてきているのはなんとなく分かった。

 『チェェェェーー、ニンゲンもう嫌テチィ・・・』
 体のアチコチが痛んで立つのも苦しかったが必死で目の前の草薮に向かった。只ただニンゲンが怖くて。

 『ママァ・・・ドコテチィ?ワタチ帰って来たテチィ・・・』
 臭いと帰巣本能を頼りに必死で懐かしい我が家を目指した。家に帰ればママがいる。ママはワタチをゼッタイ助けて
くれる。『よくニンゲンの魔の手から逃げてきたデス。さすがはワタシの自慢の娘デスゥ』ってイッパイ抱っこして
くれると幸せ回路をフル回転させながら・・・

 『テエェッ!?オ家はドコテチィ??ママァッ!カワイイワタチを置いてドコ行きやがったテジィ!?』
 だが、やっとの思いでたどり着いた場所に懐かしい我が家は存在していなかった。正確にはその足元に愛しのママ共々
埋められていたのだがそんなコトなど分かるはずもない糞蟲はさっきまで求めて止まなかったママに悪態をつきながら
泣き叫び続けた。

 『テェェェェェン痛いのイヤテチィ・・・ヒトリもイヤテチィ・・・』
 もう立つこともできないほど衰弱していた糞蟲だったがそれでもかすかに漂う家族の臭いに反応し残った左目から
滝のように血涙を流しながらフラフラと歩いて行った先にあったのは・・・

 『チュベッ!!』
 家族がトイレとして使っていた大きな窪地だった。地面からの湿気でヘドロ状になった糞の海で溺れながら糞蟲はなおも
親蟲に助けを求め続けた。

 『テェェェン・・・ママァ・・・どうしてワタチを助けにこないテチィ・・・?親は仔を助けるのがギムテチィ・・・カワイイ
オ前のムスメがピンチテチィ・・・さっさとタスケニコイテチィ・・・・・・ママァ・・・ママァ・・・・・・・・・』
 糞の海の中で糞蟲はじつに糞蟲らしい実生を終えたのだった。



 『テッ!?ここはドコテチィ?』
 再び意識が戻った糞蟲は自分がどこだか分からない薄暗いところに立っていることに気付いた。またあのニンゲンに
捕まったのかと一瞬固まったがどうも雰囲気が違う。あの瓶の中とは逆に不安になるほどだだっ広い。空間全体が暑く
重苦しい空気に包まれている。しかもその空気も吸うのをためらうほどに何か血生臭い。言い様の無い不安と恐怖に発狂
しかけた糞蟲だったがふと懐かしい気配を感じ振り返って見ると・・・・

 『マッ、ママァーーッ!テェェェェン!会いたかったテチ!ニンゲン怖かったテチィ!!』
 泣きじゃくりながら懐かしいママの胸に飛び込・・・・・もうとしたのだが、

 『デジャァァァァァッ!!』
 そのママに思いっきり殴りつけられた。

 『オ前のせいデス!オ前のせいでミンナ殺されたデスッ!!ヤッパリオ前は間引くしかなかったんデスッ!!オ前だけは
ゼッタイに許さんデスッ!ワタシ自ら地獄に送ってやるデスーーーッ!!!!』
 そう叫びながら糞蟲を踏み潰し続ける親実装の足元がガラガラと崩れると真っ赤に煮えた溶岩が2匹を飲み込んだ。

 『テチャアアアアァァァァーーー』
 『デギャアアアアァァァァーーー』
 こうして糞蟲は愛しのママに虐待されながら地獄の鬼にも虐待されるスペシャルパックの地獄巡りを長く永く
味わったのでした。



============================================================

 目標の期限を過ぎてしまいましたが一応これで前・後編完結です。もっとシンプルに虐待尽くしにするつもり
だったのですが、どうしても話がまとまらずこんな形になってしまいました。

 今度は例の赤黒に糞蟲を徹底的に潰させる話を考えておりますのでそれまではご辛抱下さい。

 いつもスクを読んで下さる皆さん、感想を下さる皆さんには本当に感謝しております。
 毎度駄文にお付き合いくださり本当にありがとうございます。


過去スク

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sc1630. カラーマジック
sc1635. ドレスコード(前編)
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sc1854. 小さな〇〇のクラッシャー






 

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1 Re: Name:匿名石 2015/01/18-16:20:56 No:00001617[申告]
トシはもう手遅れだと思う
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