【 これまでの“ただの一般人としあき”は 】 飲み会の帰り道、何か不思議なものを踏みつけてしまった弐羽としあきは、夢の中で赤色と緑色の目を持つ不思議な人型 生物と出会う。 「ワタシの子供を返すデスゥ」と、意味不明の言いがかりをつけられたとしあきは、携帯もインターネットも存在しない1989年 の日本に飛ばされた。 そこには、街中や公園には、実装石と呼ばれる「緑色の人型生物」が跋扈していた。 人間と意志の疎通が出来る実装石と関わったとしあきは、彼女達と関わることで様々なものを学ぶ。 そして、ふたば公園に近々実装石の大規模駆除活動が行われることを知り—— −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− じゃに☆じそ! 第1話 ACT-3 【 凄 絶 】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− としあきとミドリは、赤い首輪の実装石と話し込んだ場所へやって来た。 そこは何かの資材置き場だったようで、いつの間にか、昨日は見られなかった鉄材のようなものが沢山置かれている。 としあきは携帯のバックライトだけを頼りに空き地を捜し回るが、それらしい影も形もまったく見当たらない。 リュックから出てきたミドリも捜索を手伝うが、どうやらそれとおぼしき匂いすら感じないという。 しかし、空になった牛乳パックが奥の方で見つかったため、ここに彼女が居た事はほぼ間違いないと思えた。 だが結局、数時間探したにも関わらず、ついに赤い首輪の実装石と会う事は出来なかった。 ミドリは何かあったのではないかと心配したが、としあきはそれを受け容れることは出来なかった。 やむなく、朝を待って保健所に電話して確認することになったが、念のため先にふたば公園の様子を見に行くことにした。 午前0時、公園の様子はいたって普通で、特に閉鎖されていたり、駆除活動の案内などが張られている様子もない。 実装石達も皆寝静まっているようで、特に問題は起きてないようだ。 としあきとミドリは、これならまだゆとりがありそうだと話し合い、一旦戻ることにした。 有耶無耶のうちに、ミドリはとしあきの部屋になだれ込むことになってしまったが。 日付をまたいでも、室内の匂いはあまり解消されていなかった。 ※ ※ ※ 残り、あと20時間—— 翌朝、極度の空腹感に苛まれて目覚めたとしあきは、時計を確認して部屋を飛び出すと、近くの公衆電話へ急いだ。 こういうときに限って、財布の中に十円玉がないのはお約束だ。 やむなく100円玉を使うことにしたとしあきは、電話帳で保健所の電話番号を調べ、携帯にメモする。 しばらくのコール音の後、やや気だるそうな声の担当者が出た。 「すみません、あの、ちょっとお聞きしたいんですけど」 『あーはい、どのような?』 「あの、実装石の駆除がどうのって聞いたんですけど、それっていつやるんですか?」 『あー、あー! その件につきましては、そのぅ』 としあきが用件を繰り出した途端、担当者の口調が露骨に変化した。 その上、こちらからは何も言っていないのに、一方的になにやら説明を始めた。 どうやら、随分と同様の問い合わせが舞い込んでいるような印象だ。 先方のマシンガントークが一段落するまで待っていると、その中に『早急に』『うまくいけば数日中にでも』といった物騒な 単語が混じっていることに気付く。 「数日中?」 『具体的な予定はまだわかりませんが、かなりクレームをいただいているものでして、当方としましてもその、なるべく急いで 対処に当たりたいと思う次第でありまして』 「わかりました、ありがとうございました」 『申し訳ありません! 何卒、今しばらくのご辛抱をお願いします!!』 ひたすら謝りまくる担当者の態度に、少し不自然なものを感じたが、としあきは電話を切ることにした。 どうやら、まだしばらくのゆとりはありそうに思える。 ※ ※ ※ その後、目覚めたミドリと食料を巡った大喧嘩を行い、更には今後のトイレの処理についても言い争いをしたため、午前中が 丸々無駄に潰れてしまった。 とりあえず、ミドリの糞はゴミ袋を何重にも重ねた即席トイレで行うことで妥協し、それ以外で漏らしたら即座に追い出すこと で話を無理やりまとめた。 勿論ミドリは反発したが、追い出される、という言葉には弱いようで、そこで意見を引っ込めてしまう。 としあきは比較的悪臭被害の少なそうな服に着替え、なんとか食料を調達するため部屋を出た。 予定通りにミドリを公園に放し、その間にとしあきは別なことを調べることにした。 やはり、赤い首輪の実装石の住処が気になったのだ。 二人が話し込んだ場所は、何かの資材置き場だったようだ。 なにやら人だかりが出来ており、近寄ってみると、作業服を着た工事作業員風の者達が、保健所の係員達と話しこんでいた。 気弱そうな係員が、作業員達に気圧されている。 疑問を覚えたとしあきは、作業員達がいなくなった頃合を見計らい、係員を呼び止めた。 「すみません、あの、駆除って——」 「は、はい! この近くにお住まいの方ですか?」 「え? ああ、はい一応」 係員は、としあきに説明を始めた。 ここ最近、各所で増殖し始めた実装石による糞害、悪臭被害などが頻発しており、保健所は街中の各所で薬剤散布による 駆除を行ってきた。 しかし、薬剤散布では一時的に逃げられるだけで、劇的な効果はない。 そのため、係員はいつもこうして被害者達に頭を下げて回っている始末だという。 「実装の被害は年々広がっていますからねぇ。 多分そう遠くないうちに、町全体の徹底駆除を行うと思います。それまでご辛抱ください」 「徹底駆除?! そんな事出来るんですか?」 「実装石は、ふたば公園を中心に増殖して、広がっているんですよ。 だから、公園を閉鎖して自滅させてから、薬剤を撒くんですよ。 閉鎖作業は、今日の午後から行われますね」 今日の午後、という発言に、としあきは思わず硬直した。 「ち、ちょっと待ってください! そんなに早いんですか?」 「え? はい。なんせ色々な方から急かされてますから」 係員によると、実装石は元々この町全体に広く生息しており、各所で深刻な被害を及ぼしているという。 保健所はより効果的な駆除方法を求めて市と相談し、いずれ大規模改修工事を行う予定のふたば公園の一角をあえて 開放し、そこに実装石を集めて一網打尽にする方法を考案した。 過去に何度かこの方法で劇的な効果を挙げているが、それでも決して完璧ではなく、公園外へ出て駆除を免れる者も多い。 そのため、現在は公園への追い込みを目的とした簡易駆除を高頻度で行い、その上で公園の駆除頻度自体をも高め、 より完璧な駆除を成功させようと活動しているそうだ。 市は「市内の実装石完全駆除」を悲願として掲げており、そのためには多少無茶な手段でも行う事を辞さないようだ。 そこまで聞いたとしあきは、思わず係員に食って掛かった。 「待ってください! あんなに賢くて頭のいい生き物なのに、集めて殺すなんて酷すぎるじゃないですか!」 「あー、あなた……駆除反対運動の方なんですね? でもすみません、もう始まってしまったことですから取り消しは出来ません」 「あんな凄い生き物、滅多にいないんだぜ。 そんな奴らを殺して、あんたらは良心が咎めないのか?」 ついムキになって迫るが、そんなとしあきの態度に、係員は首を傾げている。 ふと横目で見ると、別な係員が頭の横で指をクルクル回しているのが窺えた。 としあきに迫られた係員は、わざとらしいため息を吐き出すと、さも当然といった態度で返答する。 「いえ、まったく咎めません。 これが私達の仕事ですし、第一、実装石はただの害獣ですから」 「はあ?」 「それに、頭がいい生き物が被害を起こすんなら、それは益々始末が悪いということじゃないですか。 人の生活に支障を及ぼすなら、私達はたとえ人間より遥かに賢い生き物でも駆除しますよ」 係員の言い分は、いちいちもっともだ。 それはとしあきにも理解は出来たが、ミドリやあの実装石達のことを考えると、どうしても納得が出来ない。 反論の余地を失ったとしあきは、係員との会話を打ち切ると、ふたば公園へと急ぐことにした。 ※ ※ ※ としあきが公園に辿り着いた時には、すでに手遅れだった。 公園の入り口は分厚い木の板と金網、鉄の鎖によって閉鎖され、公園を囲む鉄の囲いすらも、大きなバリケードで 封じられている。 大勢の人間が、バリケードを組み立てて公園を閉鎖する準備を行っている。 入り口には、大きな紙に書かれた「実装石駆除活動のお知らせ」という文字が掲げられている。 それを見たとしあきは、慌てて公園を周回し、まだ作業が進んでいない場所を見つけて中に飛び込んだ。 「冗談じゃねぇ! このままじゃ、俺までこの世界に閉じ込められちまうじゃねーか!!」 としあきは、必死で広場へ走り、実装石達の住処を求めて疾走した。 保健所の人間は中には入り込んでいないようで、まだ実装石達は公園の変化に気付いていないようだ。 いつしかとしあきは、ミドリの名前を呼びながら走り回っていた。 一時間ほど探し回ったが、どこにもミドリの姿はない。 例の広場に辿り着いたとしあきは、ベンチに座って呼吸を整えることにした。 としあきが来た途端、実装石達は蜘蛛の子を散らすように逃げていってしまった。 デスデス、デスデス デスー、デスデスーッ テチィィィー!! 十分もしないうちに、仔実装一匹すら残らず完全にいなくなってしまう。 残されたのは、大きな黒いゴミの塊だけだ。 実装石達が、人間を警戒しているのは理解出来たが、以前は自分から近寄ってくる者達もいた筈だった。 いったい、何があったのだろうか? などと考えていると、ふと、携帯が振動を始める。 画面には “クソドレイ……タスケ、ロ……デズ……” という文字が記され、点滅している。 「ミドリ?! どこにいる?」 立ち上がって辺りを見回すが、どこにもそれらしき姿はない。 携帯が振動したということは、どこかでミドリがこちらを見ている筈なのに、だ。 「おーい、ミドリぃ。どこだぁー?」 “お前の……目の前に……デギャ” 「えっ?!」 あらたなメッセージの表示と共に、あの黒いゴミの塊が蠢いた。 それは、良く見れば全身泥だらけになった実装石だった。 「ミドリ! いったい何があったんだ?!」 “ダメ…デス、ここから逃げる…デス” 「なんでだよ、なんでお前がこんな目に遭わされるんだ?」 “それは——” ミドリがそこまで呟いた途端、急に辺りの雰囲気が変化した。 鈍いとしあきでもはっきりわかるほど、辺りから例えようのないほどの殺気が迫っている。 見回してみると、どうやら広場を取り囲むように、無数の実装石達がこちらを見ているようだ。 否、見ているというよりは——睨んでいる。 それは、これ以上ないほどわかりやすい「敵意」だった。 突然、携帯に無数のメッセージが表示された。 “出て行けデス、ここから出て行けデス” “出て行けデス、ここから出て行けデス” “出て行けデス、ここから出て行けデス” “出て行けデス、ここから出て行けデス” “出て行けデス、ここから出て行けデス” “出て行けデス、ここから出て行けデス” 周囲から念仏のように唱えられ始めた低い鳴き声は、すべてとしあき達を排除しようとする公園実装達の脅迫だった。 どれだけの数が潜んでいるのかわからないが、その圧迫感は相当なものだ。 「……」 としあきは、黒いゴミの塊(ミドリ)の襟首を掴むと、呻き声すら発せられないまま、その場を立ち去った。 否、とてもじゃないが、それ以外の行動が取れなかった。 ※ ※ ※ アパートに戻ったとしあきは、ミドリの身体を丁寧に洗浄し、怪我の状態を確認した。 どうやら全身をくまなく殴られ蹴られしたようで、切り傷や刺し傷らしきものこそないものの、相当な擦り傷・打ち身が 見られる。 あの緑色の服もボロボロに擦り切れてしまい、パンツなどはもはや原型を留めていない。 髪も引き抜かれ、前髪が僅かに残っている程度。 顔面も著しく変形しており、とてもじゃないが、もう助かるようには見えなかった。 いったい何故、危機を報せに行った筈のミドリが、ここまで痛めつけられなければならなかったのか? としあきは、残った僅かな所持金を握り締めると、ミドリを安静にして商店街へと走った。 適当な傷薬と、「実装フード」という実装石専用のペットフードを買って部屋に戻ったとしあきを、あの身の毛もよだつ汚臭が 襲った。 見ると、いつのまにか起き出したミドリが、部屋のド真ん中で脱糞している真っ最中だった。 勿論、約束したはずのゴミ袋など使っていない。 デッスデッスデッス〜ン♪ ぶり、ぶり、ぶりぶりぶりぶり…… デッス〜〜……デ、デェッ?! としあきは、買い物袋をドサッと落とし、眉一つ動かさずに携帯を取り出した。 “クソドレイが〜いないうちに〜マーキングデッスーン♪” “ここをワタシの臭いで一杯に〜〜デ、デェッ?!” 携帯が、パタンと閉じられる。 としあきは、表情を変えもせず、両手の指をバキボキ鳴らし始めた。 額には、太い血管が浮き出ている。 デ、デデ、デェェェェェェ〜〜ッ!!! 「死ねいっ! 強パンチっ!!」 グワシャバーッ!! デギャス! 怒りの鉄拳が、重傷だった筈のミドリの顔面を、深々と貫いた。 ※ ※ ※ 残された時間は、あと約10時間弱。 ミドリは全身に赤チンを塗りたくられ、染みるデス攻撃&全身送風冷え冷え攻撃を受けた上、実装フードを口中に流し込み の刑を受け、すっかり元気を失ったが、確かに大きな回復を見せていた。 としあきは、ミドリに何があったかを追求したが、その内容は少し信憑性に乏しいものだった。 「——誰も信じない、だって?」 “デス。あいつら、ワタシが「クジョが始まるから、みんな逃げるデス」って言ったのに、「絶対そんな事ない」って言い張って 聞かないデス” 「なあ、お前はあそこに元いた住人なんだろ? だったら誰かが覚えているってことも」 “クソドレイは、実装の入れ替わりの激しさをわかってないデス。 あの中にワタシと同世代の子がいたとしても、とても覚えてなんかいられないデス” 「まあ、あの数だからなあ」 ミドリによると、最初の報告の時点では公園実装達に動揺こそ起こったが、すぐに「ありえない」と否定されてしまったという。 それでも退かなかったミドリは、やがて全員の反感を買い、リンチに遭ったのだ。 その話を聞いて、としあきは小首を傾げた。 「なあミドリ、駆除活動について、あの子達はどれくらい理解しているんだ?」 “知らない筈デス。そんな言葉、公園では滅多に聞かないデス” 「お前はなんで知ってたんだ?」 “ワタシのママが、逃げる時に教えてもらったデス。 これは、ニンゲンノホケンジョというのがやってる「クジョ」だって…って、アレ?” そこまで言って、ミドリも首を傾げる。 何かが、矛盾しているのだ。 「それなんだよな、なんかおかしくないか?」 “デ? なんでデス?” 「お前、あの子らに駆除って言ったんだろ?」 “そうデス。それのどこが変デス?” 「あいつら、どう考えても駆除の意味知ってるだろ」 “デ……?” 「誰が、教えたんだ?」 “デ? デ?” 頭を抱えるミドリをよそに、としあきはなんとも表現し難い違和感に苛まれていた。 やがて、ミドリがびっくりしたような声を上げる。 “そんなことより! ワタシの髪と服が、なくなってるデス!!” 「なんだ、やっと気付いたのか。服はいつか買ってやるから待ってろ」 “バカいうなデスー!! 髪も服も、なくなったらそれでオシマイなんデスーっ!! この物知らず!” 「はあ? んな訳ねーだろ。 服はともかく髪なんてすぐ生えてくるから、しばらく我慢してろ」 “ギーッ! これだからクソドレイは無知でバカでアホでスカポンタンなんデスーっ!!!” それからしばらくくだらない問答を続けた後、としあきは再び公園に出向いていることにした。 時間は、午後10時を回った。 この世界の滞在可能時間は、残りあと約7時間しかないが、この間に出来るだけのことをしなければならない。 まだ、あの実装石に似た緑の怪人の子を全く見つけていないのだ。 その探索と、そして少しでも公園の実装達を逃がすためにと、としあきはこの世界で最後になるだろう活動を開始した。 勿論、ミドリ入りリュックも装備して。 ※ ※ ※ ふたば公園は、すっかりバリケードで囲われており、しかもご丁寧に、根元の方には有刺鉄線まで張られている。 僅かな隙間から子供が逃げ出さないようにしているのだろうか。 だが、バリケードは所詮ただの板が立てかけられているだけで、場所によっては充分に固定し切れてない可能性もある。 としあきは、そんな場所を探して公園を周回したが、あっさりと侵入ポイントを見つけられた。 というか、あからさまに板が一枚取り外されているのだ。 「なんだかよくわかんねーけど、行くか」 “気をつけろデス。 ワタシの姿を見られたら最後、お前は集中砲火を食らってあの世行きデス” 「なんだ、実装石は重火器まで装備してんのか?」 “いやいや、ウンチ投げデス” 「——肝に命じた」 こっそりと中に侵入し、辺りを見回すが、特にこれといった変化は見られず、また監視者もいないようだ。 随分とあっさりしているなあと疑問を抱きつつ、としあきは早速、ダンボールハウスの密集しているエリアを目指した。 ミドリによれば、小さな子供を抱えている家族はダンボールハウスエリアに集結しており、各家族が互いを守るように工夫 しているそうだ。 なかなか統率の取れた考えだと感心するが、どうもこれにはまた別な意味があるらしい。 “そうしないと、ギャクタイハから生き残れないデス” 「そういえば、お前も俺をそう言ってたな。なんだそのギャクタイハって」 “ワタシ達をいじめに来るニンゲンデス” 「はー、なるほど」 要するに、保健所の人のことだなと解釈し、としあきは適当に聞き流した。 もうすぐダンボールハウスエリアに辿り着く、という頃、途端に例の凄まじい臭気がただよって来た。 「うん? くせえな」 “デデ、この臭い……まさか?!” 「なんだ、ミドリ?」 “逃げるデス、クソドレイ! このままじゃ殺されるデス!!” 「は? 何言って——」 二人の会話は、突如暗闇から響いてきた奇声によって、かき消された。 ヒャアァァッハァ——!!! その声は、実装石ではない。 かん高い、人間の男の声だ。 その直後、鈍い打撃音が、幾度も耳に飛び込んできた。 「なんだ?! 何が起きてるんだ?」 “ギャクタイハデス、ギャクタイハが暴れてるデス!! みんなを殺してるデスーッ!!” 「な、なんだって?!」 “ブルブル…ギャクタイハ恐い、夜のニンゲン恐いデス〜!” 「なあ、あれは一体なんだ?」 “あれがギャクタイハデス! ワタシ達実装石を殺しに来る奴らデス!” 「殺しに? たった一人で駆除活動ってか? ははは、んなアホな」 と、そこまで言った時、すぐ背後からまたあの奇声が響いてきた。 ヒャッハーッ!! ドガッ、グシャッ!! デェェェ……ヂュベッ! ボゴッ、ドシャッ! 途中、明らかに実装石の鳴き声が混じっていたが、それもすぐに消えた。 不気味な静寂が訪れたと思った次の瞬間、誰かがどこかへ疾走していく足音が聞こえる。 としあきは、おそるおそる声のした場所に向かい、携帯で周囲を照らし出してみた。 「……!!!」 そこは、まさに惨状だった。 周囲に散らばるのは、身体の一部または全部を粉々に打ち崩された実装石の死体。 しかも一体や二体などという生易しい数ではない。 ざっと見ただけで、大小合わせて十体は潰している。 しかも、よく見ればダンボールハウスごと叩き潰された者も居るようで、血と肉片が隙間から吹き出している。 ミドリの言っていた「ギャクタイハ」とは、「虐待」の意味だったのだ。 しかし、これは——もはや虐待の域を超えているのでは?! あまりに現実離れした光景に、としあきは軽い目眩を覚えた。 これでは、怪人の子供を捜すどころの騒ぎでは済まない。 彼を止めなければ、公園中が大パニックになってしまうだろう。 現に、既に各所から逃げまどう実装石達の悲鳴が響いている。 そして、例の奇声も、複数箇所から聞こえてきた。 ——複数?! ヒャアァァァァッッッハアァァァァァ!!! 死ね死ね! 死ね死ね死ね死ね、死んじまえ——!! 緑の蟲めをやっつけろー♪ バールで頭を砕いてしまえ! 死ね、死ね! 死ね死ね〜〜!! 実装石は、邪魔っけだあぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!! 緑の害獣ぶっ潰せ、死ね死ね死ね——ッッ!! 世界の地図から、消しちまええぇぇぇぇぇぇエエエっっっ!!!! いたるところから、まるで合図でもしたかのように、一斉にかん高い奇声が轟く。 そして、悲鳴、打撃音、潰れる音、圧迫音が、地獄のようにこだまする。 彼らは、正気じゃない! 理由はわからないが、実装石を屠殺することに没頭し、酔っているのだ。 としあきは、先ほどの怪人物が言った意味を、ようやく把握した。 「なんなんだ、なんなんだよコレ?! なんかの冗談なのかよ?!」 “冗談ではないデス——” 突然、携帯から音声が響き、ギクリとさせられる。 ミドリではない……彼女は、リュックの中でおびえ続けている。 振り返ると、そこにはいつの間にか、一匹の成体実装が佇んでいた。 弱い街灯に照らし出され、妙に目に付く赤い首輪をはめているのがわかる。 あの時、としあきに託児しようとした実装石だ。 「良かった、ここに逃げてきてたのか!! 心配したんだぞ!」 “ニンゲンさん、ごめんなさいデス” 首輪実装は、今にも泣き出しそうな顔を上げる。 足はがくがく震え、顔も青ざめているようだ。 明らかに様子がおかしいが、としあきはその理由を曲解した。 「早く逃げるんだ! ここに居たら危ない!」 “デェッ?!” 「こっちに来るんだ、早く!」 としあきが首輪実装を抱きかかえた瞬間、耳元にミドリの叫び声が届く。 デスデスデスデス——!! “クソドレイ! 後ろデス——!!” 「えっ?!」 肩越しに振り返った瞬間、何かが顔の前を横切った。 ブォン、という風を切る音が聞こえた。 咄嗟に横に転がり衝突を避けたが、としあきはその直後背中に冷水を浴びせかけられたような気分に陥った。 背後に立っていたのは、推定体重100キロは越えているだろう巨漢。 勿論、メタボ的な意味で。 その手には、先ほどの怪人物が持っていたのと同じ「得物」がある。 よりによって、こいつは人間相手にバールを振るったのだ! どうやら、冷静な判断を一時的に失うほど激昂しているらしい。 「ヒュー、ヒュー、お、オレのじ、実装、勝手に持っていくなよ、ヒュー」 「な、なんだこいつ?! って、お前の?!」 やたら耳障りな呼吸音を交えながら、男はドモり口調でたどたどしく喋る。 なぜか、こいつも見た目の印象に反して声がカン高い。 まだ興奮が続いているようで、肩が激しく上下している。 としあきは、抱きかかえた首輪実装の顔を見つめた。 微かな鳴き声と共に、携帯から首輪実装の声がする。 “ご主人様……デス” 「へ?」 “ワタシは、ご主人様の命令でここに来たデス。 そして、みんなに駆除のことを教えたデス” 「な、な、なんで? だってこの前は——」 「な、な、何つ、つべこべい、い、言ってるんだ? ヒュー」 ガツッ!! 威嚇するようにバールで地面を叩き、男が迫る。 相手に重傷を負わしかねないような行為を平気でやるような相手に、まともにとりあっても無意味だ。 としあきは、立ち上がるタイミングを見計らいながら、ずりずりと後退するしかない。 相手に隙を作らせるため、咄嗟に思いついた質問をぶつけた。 「お前、この子に何をしたんだ? つーか、何させようとしたんだよ!?」 「お、お、おま、し、し、初心者だな。ヒュー、ヒュー。 ヒュー、じ、実装甚振りにき、き、来たんなら、る、る、ルールくらいわかれよ」 「ルールだぁ?」 ドモり男の説明によると、駆除活動期間中、この公園は事実上の無法地帯になるという。 実装石の自滅を狙っている市や保健所は、この間園内でどんなことが起きても、それが人的被害に繋がらない限り見て 見ぬふりを決め込む。 それを利用して、実装石に対する虐待嗜好を持つ者達が、閉鎖された園内に忍び込み饗宴に酔いしれる。 としあきは、図らずもその宴の中にうっかり飛び込んでしまったのだ。 「でも、この子はお前が飼ってるんだ? じゃあなんで、この子をここに連れて来た?!」 「く、駆除なんかもう絶対ない、って、お、お、教えさせるためだな」 「は?」 「だ、だって、く、糞蟲共がこ、ここからに、逃げたらつまんねぇだろ?」 ドモり男の言っている意味が、まるでわからない。 戸惑っていると、また首輪実装が携帯越しに話しかけてきた。 “ワタシは、ここのみんなに「ホケンジョのクジョはもう二度と起こらない、もしクジョが始まるという奴が来ても信じるな」って、 伝えたデス” 「な、なんそんなことを……君が?!」 “そ、それは……” “そいつの言ってることは本当デス! みんな、駆除なんかありえないと信じ込んで、誰もここから逃げようとしなかったデス!” 「なに?!」 続いて、ミドリの翻訳音声が響く。 情報が整理し切れず混乱していると、ドモり男が不思議そうに尋ねてきた。 「お、お前じ、じ、じ、実装石のこ、言葉わかるんか?」 「え?」 不思議なことに、携帯の声はドモり男にはまったく聞こえていないらしい。 続けて、首輪実装の声が聞こえる。 理屈はわからないが、どうやらこれは想像を超えるトンデモアイテムになってしまったようだ。 “ご主人様は、ワタシに命令されたデス。 公園に行ってみんなを足止めしろと。 ワタシ、本当は皆に逃げて欲しかったデス! けど、言う事を聞くしかなかったデス……一度逃げたから、「大事な物」を取られたから…” 首輪実装の囁きを遮るように、としあきはため息を吐く。 「だいたい、わかった」 としあきは、大きなため息をつくと、小声でミドリに話しかけた。 「おい、腹具合はどうだ」 “デ?” 「さっき食った実装フード、腹の中でどうなってる?」 “うーん、油断すると目一杯漏れそうなくらいには消化されたデス” 「消化、早っ」 そこまで聞くと、としあきはドモり男にタンマをかけて、立ち上がった。 そして首輪実装を開放し、悪意はない事を示す。 警戒していたドモり男も、素直に言う事を聞いたせいか、いくらかとしあきへの警戒心を解いたようだ。 「悪かった、次から気をつけるからさ、勘弁してくれよ」 「わ、わ、わかればいいんだな」 「でさ、こいつも献上すっから、好きにしてやってくれ」 といいつつ、としあきはリュックを下ろし、ミドリを引っ張り出した。 禿でボロボロの服をまとった、いかにもな実装石が、ドモり男の眼前に晒される。 しばしキョトンとしていたミドリは、突然ジタバタし始めた。 “デ、デェッ?! ク、クソドレイ! ちょっと待てデス!” 「うほ♪ い、い、いかにも殺し甲斐あ、ありそうなく、糞蟲〜♪」 どうやら、ミドリはドモり男のお眼鏡に叶ったようだ。 一瞬安堵の表情を浮かべ、更に相手を油断させたとしあきは、次の瞬間思い切り振り被った。 まるで、砲丸投げでもするかのように。 「ミドリ、たっぷりぶちかまして来い!」 “デェ? デ、デギャアァァ?!” 「うおおおお、受け取り〜〜やがれぇっ!!」 ぶぉん!! としあきは、ドモり男の顔面に向かって、ミドリを思い切り投げつけた。 見事、命中! 「ムギュッ!」 体重のせいかドモり男はさすがに倒れはしなかったが、相当よろめいている。 男の顔面にヘバりついたミドリは、ようやくとしあきの意図を理解した。 ベロリと、舌なめずりをする。 “な〜るほど、そーいう事なら……デ、デエェェェェェェッッッ!!!” 「む、むが?」 ぶりっ ぶりぶり ぶりぶりぶりぶりぶりぶり ミドリは、下半身を男の口に押し付けるようにしながら、全力で力んだ。 体内を、出来立ての汚物が駆け巡る! ドモり男が自分の置かれた状況を理解するのに、たっぷり十数秒の時間を要した。 「む、むごぅわあぁぁぁぁぁああああ?!?!?!」 屈辱技・フライング顔面パンコンアタックを食らったドモり男は、しばらく発狂したかのように手足を振るい、そのまま後ろに ドサッと倒れ、動かなくなった。 それでも離れないミドリは、ありったけのストリームを更に流し込む。 再び、悲鳴が上がる。 「もういい、行くぞ!」 “デェッ?!” 排便の快感に酔いしれていたミドリの襟首を鷲づかみにすると、としあきは全力で公園を脱出した。 もう一方の腕では、当然首輪実装を抱えている。 二体の成体実装を抱えたまま全力疾走するのは相当骨が折れたが、幸いにも追っ手はやって来ず、比較的余裕で脱出に 成功した。 公園を出て、二匹を下ろした後、としあきは別な場所に移動し、何箇所かのバリケードに隙間を作った。 なんとかすれば、成体実装が一匹ずつ抜け出せる程度のものだ。 こうしておけば、何匹かは無事公園を脱出出来るかもしれないと思ったのだ。 残念ながら、あれだけ人間が潜り込み虐殺行為を繰り広げている以上、これ以上怪人の子供を捜し出すことは不可能だ。 残り時間は、既に5時間を割っている以上、もう諦めるしかない。 非常に心残りだったが、としあきにはこの公園の安全を守ってやることも出来ない。 としあきは、自分の罪を悔いて途方に暮れている首輪実装を見下ろした。 “みんな、ワタシのせいで、殺されていくデス… ごめんなさいデス、ごめんなさいデス! ああ…” 「いや、あんなに大勢の虐待派が狙ってたんだ。 多分俺が君の伝言を伝えられたとしても、あまり変わらなかったかもしれん」 “デ……でも” 「仕方ないさ。 君も、大事な物をあのデブに取られていたんだろう? なら、言いなりになるしかないさ——もう、気にしても仕方ない」 そう言いながら、としあきはゆっくり腰を下ろし、首輪実装に目線を合わせる。 大粒の涙を溜め、今にも溢れてしまいそうな目を見つめながら、そっと頭を撫でる。 少しだけ考えた後、としあきは、ありったけの優しい声で呟いた。 「一緒に、行かないか?」 “デ?” 「ここにいたら、またあのデブに見つけられちまうだろう。 それなら、俺と一緒に行けばいい。 こことは違う、別な世界に」 “デェェ……でも” “待つデスクソドレイ! なんでワタシにも同じことを言ってくれないデス?!” 「お前には言うまでもねーから」 “デ、デギャアッ!! こんな格好で置き去りにされたら地獄の運命しか待ってないデス!! 責任とって連れてけデスっっ!” 「ったく、しゃあねーなぁ。 で、どうする?」 としあきは、しゃがんで首輪実装に手を差し伸べ、反応を待った。 無理やり連れて行くことも可能だったが、としあきはそうはしたくなかった。 “デェェ…” 「俺と行くことは絶対安全とは限らない。 どんなところに行って、どんな目に遭うかは、俺にも全くわからないんだ。 だけど、君は今のこの世界と、これから行くかもしれない世界を比べられる。 今を取るか未来を見るか、君が自分で決めるんだ。 それを——決意というんだ」 “決意、デス?” 首輪実装の呟きに、としあきは大きく頷く。 しばらく悩んだ後、首輪実装は、ゆっくりと手を伸ばし、としあきに触れた。 「——よし」 “お願いしますデス、ニンゲンさん。 もう、虐められるのはイヤデス。 ここじゃないところで、普通に暮らしたいデス。 ワタシ、決意するデス” 「ああ、わかった。立派だよ」 としあきは、首輪実装の頭を優しく撫でた。 ようやく、彼女は微笑みを浮かべる。 思わず、つられて微笑んでしまった。 その後、わめき立てるミドリを再びリュックに押し込めると、としあきは首輪実装を抱いてアパートへ帰還した。 公園から響いてくる悲鳴、奇声は、明け方まで延々と続いた。 ※ ※ ※ 時計が、午前4時55分を指す。 としあきのおぼろな記憶が正しければ、五日前に部屋に戻った時間はだいたいこれくらいの時間。 眠りに就く直前まで世界移動は起こらなかったから、だいたい午前5時辺りが移動のタイミングになるだろうと判断した。 としあきは、ミドリと首輪実装に自分の事情を説明し、これからこことは違う別世界へ渡ることを教えた。 ミドリはイマイチ理解が及ばないらしく何度も首を捻っているが、首輪実装はだいたい把握したようだ。 というより、とにかくこの世界とは違う場所にいけるという事だけ吸収したようにも見える。 五時まで、あと3分。 「もうすぐ移動だ。——そうだ、君の名前は?」 “ワタシの名前は、ルミというデス。 前に飼われていたご主人様が付けてくれた、大事なお名前デス” 聞けば、ルミは仔実装の時にあのドモり男に誘拐され、虐待の限りを尽くされて育ってきたという。 生まれた子供もすべて虐待の犠牲にされ、ついに限界に達した彼女は、最後の娘を連れて男の許から脱走した。 そして、一番最初に出会ったのがとしあきだった。 五時まで、あと1分。 「そうだったのか…あの後、また捕まったのか」 “はいデス。それで「大事な石」を取られてしまって——” 「石?」 “はい、ワタシ達の身体にはに” そこまで呟いたところで、ルミは、パタンと横に倒れた。 何の前触れもなく、突然、両目をグレーに染めて。 糸の切れたマリオネットのように、唐突に。 「ルミ? おい、どうしたんだ、ルミ?!」 “デェェ……” 時計は、午前五時ちょうどを示している。 そして、気がつくと部屋の様子がいつの間にか様変わりしていた。 部屋の構造そのものは今までと変わらないが、いかにもだらしない住人が住んでいたかのような雰囲気は消え去り、 それどころか、ピンク色のカーペットとレモンイエローのカーテンが張られ、壁や柱もシミが消え、幾分か新しくなったように 感じられる。 そう、午前五時を示した時点で、としあきの部屋がリニューアルしたのだ。 まるで、若い女性が住んでいる部屋のように…… だが、ルミに起きた変化だけは、意味が全くわからない。 身体も冷たくなりはじめている。 「ルミ、ルミ! おい、どうしたんだってば! おい!!」 まるで、死んでしまったようだった。 だが、彼女が死ぬ理由など、としあきにはまったく思いつかない。 「どうなってるんだミドリ、説明してくれ!」 ルミの身体を悲しそうに摩っていたミドリは、悲しげな顔を上げてボソボソと話し出した。 “この子は、偽石を抜き取られていたデス” 「に、偽石? なんだそれ」 “ワタシ達の命デス。 実装石は、偽石がないと生きていけないデス。 けどこの子は、それを別な世界に置いてきてしまったデス。 だからきっと、あの世界を出た途端に、死んじゃったデス……デェェェェン” 「石? 石ってなんだよ?! なんでそんなものがあるんだよ?」 “知らないデス! でも、偽石がないとダメなんデス! あの子は飼い主に偽石を身体から取り出されていたデス!” 「なんだよそれ…訳わかんねーよ! せっかく助かったのに、なんで…なんで死ななきゃならないんだよ!!」 としあきは、まだ実装石の特殊な生態を理解していない。 もし理解していたなら、あの状況でルミを連れて行くという選択は行わなかった筈だ。 だが、もう何もかも遅い。 としあきは、ルミの亡骸を抱きしめ、声を殺して泣いた。 ※ ※ ※ その後、ルミはミドリと相談して、どこかで焼却した後に川へ流すことにした。 埋葬しても掘り返される以上、それが一番だと考えたのだ。 ルミは毛布に包まれ、部屋の隅に静かに置かれた。 つらい別れだったが、いつまでも悲しんではいられない。 ルミから学んだことは、とても大きい。 としあきは静かに立ち上がると、あらためて環境の確認を始めることにした。 そうしなければ、無念さに押し潰されそうな気がしたのだ。 時計は、いつのまにか午後4時を示している。 そして、カレンダーの日付は、1971年3月——18年も遡っている! 「マジかよ…俺、マイナス17歳だぜ」 自分が生まれるより遥か昔の時代に来てしまった事に愕然とするとしあきの後ろで、なぜかミドリはご機嫌な声を上げている。 振り返ると、なぜか、ミドリの服と髪の毛が完全に復元されていた。 「ミドリ、それどうしたんだ?」 “わからんデス、いつのまにか戻ってたデスー! ウキキキ、なんというラッキーなワタシデス! きっとワタシは、神に選ばれた特別な存在なんデスー♪” ミドリの変化だけでなく、部屋の臭いも解消され、あらゆるものが元に戻っている。 どうやら、世界移動のタイミングで、ある程度のリセットがかかるようだ。 としあきは、咄嗟に財布を取り出して中身を確認したが、お金だけは、元のままだった。 この時代には明らかにない、夏目漱石の千円札が四枚と、小銭が少々…… 「まてよオイ。俺ってまさか、この時代じゃ限りなく無一文に近いってことか?!」 “知ったこっちゃねーデス。 ワタシはこの実装フードがあればいいデス。 ぼりぼり、むしゃむしゃ” 「それ、三日分しかないんだぜ」 “デデデデ?!?!” → To Be Continue NEXT WORLD −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 次回 【 虐待正義の世界 】
