外道紳士
いまから18年前、あちこちで飼い実装を誘拐し、思い付く限りの虐待を行ったのち虐待の一部始終を収録したビデオと一緒に飼い主に送り、
飼い主が介抱してる頃合いを見計らって抜き取っておいた偽石を痛めつけて止めを刺すと言う陰湿な事件が発生した。
最初と思われる事件は金持ち愛誤派ババァの飼っていた実装石だった。
もともとこの家の実装石は、散歩にでれば野良だろうと余所の飼いだろうとお構いなしに護身用のデスゥタンガンで
いじめ殺したりして遊ぶのが日常化している糞蟲で、
飼い主は飼い主で、自分のペットがどれだけ余所様に迷惑かけようと知らん顔し、
誰かが自分のペットにちょっかい出したなら金にものを言わせて徹底的に責め立てるとんでもない糞人間だった。
当初は勇敢な虐待派が天誅を下したのだろう程度で、飼い主のババァ以外マトモに取り合う者はだれもいなかった。
その次に被害にあったのはやはり愛護派の飼っていた実装石の親子だった。
ただ、この家の実装石は躾の行き届いていて近所でも「賢い実装」として評判は良かった。
しかも今回は飼い主家族の7歳の娘(以後Aちゃんと呼ぶ)も被害にあっている。
祝日の昼下がりに実装石の親子とAちゃんは近くの河川敷の道路を散歩中に背後からバールの様なものでAちゃんは
腹部を殴られてそのまま吹き飛ばされて気絶、
そのまま実装石は誘拐されて、無残な姿になって帰ってきて飼い主の目の前で聞いたことのない悲鳴を上げて
のた打ち回り、やがて絶命した。
ちなみにAちゃんはバールで殴られた時、一部内臓破裂をおこし一週間程、生死の境をさまよった。
さすがに殺人未遂に発展した為、警察も本腰を入れて捜査せざるを得なかったが、世間の反応は、
「百害あって一利なしの実装石を飼っていたのが悪い」
「子供がひどい目にあったのも親が悪い」
と、やはり実装石を飼っていたのがネックとなり冷たい反応だった。
だが三軒目の被害にあったのは飼い実蒼石だった。
さすがに役立たずの糞蟲ではなく働き者の実蒼石が犠牲になったのには世間は驚いた。
しかもその事件を皮切りに犯人はすべての実装シリーズを、特に大事に飼われている実装を狙って誘拐していった。
警察も馬鹿じゃない、必死になって犯人の足取りを探した、科学捜査、プロファイリング、人海戦術によるローラー作戦、
思い付く限りの方法を行った。
しかし犯人はそれをあざ笑うかのように常に警察の裏をかき、次々と犯行を重ねた。
手がかりすら掴めない中、世間にはとんでもない噂がたちはじめた。それは
「虐待派の人間が犯人を庇っている」
「虐待派が組織的にやっている」
「警察内部の虐待派が証拠を握り潰している」
こんな根も葉もない噂がたち始めるや否や虐待派だと言うだけで世間から白い目で睨まれるようになった。
虐待派だってたまったものではない、現に虐待派の中にも被害にあっている奴もいる、
やがて虐待派の間で姿なき犯人に「外道紳士」の名前が付けられ、その上賞金まで掛けられる程になった。
外道紳士と自分達が同じ者扱いされている限り未来は暗い。なんとかしなければ、虐待派達の独自の調査が始まった。
そのうちに実装を返す時に犯人は手紙を付けるようになった。
内容は全て同じ、それは
「あなたに恨みを持つ人に頼まれました。」
たったこれだけ、だがこの短い文章を見た家族のなかには、
「クソ親父のせいだ!!テメーが会社の社員を首にしなければイバラはこんな目に遭わなかったのに!!」
「なんで私のせいなんだ!!だいだいお前じゃないのか!!学校で誰かから恨みでも・・・・・」
「二人ともいい加減にしなさい!!とにかく警察に連絡して・・・」
「うるせー!!クソババア!!」
「だいたい原因はお前なんじゃないのか!!いい年こいてイバラと張り合う真似なんかして!!恥をしれ!!」
「なんですってぇ!!」
あんな手紙のせいで家族同士が疑心暗鬼になり最悪離婚、一家離散になる所も多かった。
警察を手玉にとり、闇から闇へと姿を隠し、外道紳士は
3年もの間に481世帯から
685匹の実装シリーズを誘拐して虐待の末に殺し、
誘拐の際に213人の女、子供、老人を病院送り(半数以上が重傷)にして、
その被害総額は3億円以上と言われている。
警察もこの3年間で6千人の捜査員を投入し、疑わしい人間を700人まで絞り込んだが、決定的な目撃証言や証拠品がなく
逮捕には至らなかった。
外道紳士は出現から3年後にある国会議員の飼っていた実装苺を虐待し、それを最後にプッツリと姿を消した。
外道紳士が表社会から消えた後も殺人未遂の罪での捜索が続けられたが無念にも時効が成立し
事件は闇に葬られた。
それから時は経ち現代、もはや人々の記憶からあの忌まわしい事件は風化したはずだった。
そんなある時、虐待派専門の動画サイトに「外道紳士」と銘打った虐待動画が大量に出回り始めた。
当初はただの全虐派の投稿かと思われていたのだが、画面の日付けや過去に被害にあった人達に確認を取ってもらった所、
「間違いありません・・・・家で飼っていたブルーです」
「忘れる訳ありません!!あれは・・・・あたしの友達だったパープル・・・なんで今になって・・・・」
まぎれもなく当時被害者の各家に送られたモノだった。
この動画はインターネットが未発達の頃のものだ、送り付けられた家族以外で持っているのは・・・・・・・・・
程なくして外道紳士を名乗る男がネットの投稿ブログで犯人しか知り得ない情報を書き込みながら犯行動機を暴露した。
しかもその動機と言うのが
「幸せそうな家庭になんかムカついた、だからペット実装を利用してその家庭を崩壊させてやろうと思った。
思ったとおりに家庭崩壊した時にはとてもスカッとした」
全くもって自分中心な動機だった。もちろん当時の被害者達は怒り狂い、復讐を考える者もいた。
だが、既に時効は成立し、法的に裁く事は不可能だった。
しかも外道紳士は時効が成立した直後、さっさと海外に移住し、行方知れず(偽名を使って住所登録、ネット使用時も
海外経由の匿名登録)で復讐もままならない状態になっていた。
その上、当時の事件が動画と一緒に蒸し返される事となり、各サイトで外道紳士を神と賞賛する者や
人間の風上にも置けない奴だと怒る者いたりと反応はさまざまだった。
そんな世間の評価など全く気にもせず、外道紳士は手持ちの虐待ビデオを愛護サイトにまで投稿しだし、
管理人がいくら削除しようとも発信元を変えてしつこく投稿を続け、結果として数多くの愛護サイトは廃板となった。
誰かが不幸になるのが楽しくてしょうがない外道紳士はこれからもありとあらゆる方法で、
法律の網の目を潜り抜けて誰かの幸せをぶち壊し続ける。
それが彼の生きがいであり、唯一の趣味だからだ。
