あら、ごめんなさいね。起こしちゃったかしら。 暴れない方がいいわよ。よけいテグスが食い込むから。 ……偶然だったのよ。 たまたま操作を間違えただけ。 リンガルアプリを立ち上げようなんてしてなかった。 知らなかったのよ。 実装石専用だとばかり。 クーの言葉も翻訳してくれるなんて、思いもよらなかった。 でも、しかたないよね。 知っちゃったんだもん、クーの思い。 『おまえにとしあきはもったいないのダワ』 目を疑った。 最初は誤訳だと思ったわ。 でも違った。 説明書読んだらちゃんと書いてあったんだもの。 すべての実装シリーズの翻訳ができるって。 鳴き声で自動判断してくれるんだって。 そっか。 あなたも彼のこと好きなんだ 彼の膝が好きだったのは、甘えんぼさんだったんじゃなく私から彼を奪おうとしてたのね。 夜になると彼のお布団に潜り込んでたのは、人肌恋しかったんじゃなく寝取ろうとしてたんだ。 そっかそっか。 でもね、私も、彼のこと好きなのよ。 あなたがこの世に生まれる前から、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、好きなのよ。 高校の時、黒板の裏に相合傘書いて。見つかって。 でも、おまじないは失敗したのに、一緒に映画見に行かないかって。 三年になったら、同じ大学行くために、会いたいの我慢してたくさん勉強して。 一緒に合格して、一緒にうれし泣きして、大事に大事に育ててきたのに。 なのに、そんな大事なものを、奪おうとするなんて……許されると思う? …… ……ねえ、答えなさいよ。 …… ……答えろ。 答えろ、この紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅 蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲 紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅 蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲 紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅 蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲紅蟲!! ……ふぅ。 いけない、興奮しちゃった。 そうね。あなたにはステキなお化粧してあげましょう。 頭を動かされるとやりにくいから万力で固定して、と。 クレンジングはあなたの好きなダージリンで。 きちんと沸かしたてのお湯で淹れたから、茶葉の開きも最高よ。 ティーポットから直接あなたのカンバセへ。 六人分くらいあるけれど、全てあなたに注ぐわ。 クレンジングがなじんだら、しっかり顔を洗いましょう。 火傷で出来た水ぶくれが全て破れるまで、サンドペーパーであなたのお肌を磨いてあげる。 すすぎはしっかりしなきゃね。 ダージリンを淹れた余りのお湯があるからそれを使いましょう。 さっきまでコンロにかけてたから、まだしゅんしゅん言ってるわ。 クレンジングが終わったら、化粧水。 肌を白くする為に漂白剤を使いましょう。 もちろん効果の強い塩素系。 惜しみなくバシャバシャ使うのがポイント。 ゴム手袋填めて、コットンにたっぷり含ませて。 顔の中心から外側へ。 頬や額などの広いところから、鼻や顎まで丁寧に拭くように。 首にも忘れずつけましょう。 下から上に向かって、しっかりなじませて。 ファンデーションは生石灰。 あなたにせがまれて買ったクッキーに入っていた乾燥剤。 中身を開けて乳鉢ですりつぶす。 細かくなったら水を加えて。 普通はパフに取るけれど、私が火傷しちゃうから、化粧筆を使いましょう。 顔全面をなめらかに、白く分厚く塗ってあげる。 ベースが出来たら部分をメイク。 ポイントは目と口。 パッチリとした瞳は魅力的だから、まぶたを切りとってキリッとした目元に。 眉毛も重要ね。 眉頭は目頭の真上に、眉尻は小鼻と目尻の延長上に。 半田ごてでアウトラインを引いて、それにそって黒く均一に焼き焦がす。 唇は艶かしくふっくらと。 生漆をリップブラシに取ったら、まずは口角から中央に向かって輪郭を取って。 あとはラインの内側にたっぷり乗せて、中から外へ伸ばしましょう。 さあ、できた。はい、鏡をどうぞ。 「ダヴァァァァァァ!!」 あら、気に入らなかったかしら? せっかくあなたにふさわしい顔にしてあげたのに。 仕方ない。 いらないものなら壊しましょう。 このカミソリで刻んであげる。 一ミリ角に刻んであげる。 ざくざくざくざくざくざくざくざくざくざくざくざくざくざくざくざく。 大丈夫よ、万が一にも死にはしないわ。 偽石はしっかりシーリングしてあるから。 くすっ。 (Fin) ===================================================== 虐待味大幅追加と共に気になった部分を修正してみました。
