タイトル:見張り実装4
ファイル:見張り実装4.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3434 レス数:1
初投稿日時:2006/08/03-01:35:10修正日時:2006/08/03-01:35:10
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ウメに手を引かれ、さつきは商店街に入ってみると、
人がごった返し、想像していた物とは大分違う事に戸惑ってしまう。

呆然と商店街を眺めるさつきの耳に、聞いたことのある声が呼びかけた。

「さつきー!こっちテチ、こっちテチ!」

声のほうを振り向くと、マリモがダンボールから体を精一杯に出して、
さつきに手を振っている。

マリモを見つけて、さつきはやっと知り合いが見つかり、ほっとする。
ウメに連れられ、マリモの所にやってきた。

「マリモお姉ちゃん・・・こんな所で何してるテチ」

「仕事テチ、糞蟲が入ってきたら、ぶち殺すテチ」
「この商店街は、私が守っているテチよ」

商店街で仕事をしている、人間さんの役に立っている実装石、
そんな実装石が自分の姉・・・さつきは、やっぱり姉は凄い実装石だと思った。

「今の時間は丁度お昼時で、人がいっぱいテチ」
「暫くしたら、お客がいなくなるテチ」
「その間に店の人が、お昼を取るテチ」
「その時間まで、さつきも大人しくし待ってるテチ」

さつきは体を、ピンと直立させ答える。

「は・・はいテチ!」
「マリモお姉ちゃんや、人間さんの邪魔にならないようにするテチ」

「マリモも見張りで、その時間まで相手が出来ないテチ」
「その間は、ウメおばちゃんの仕事でも見ているテチ」

ウメに連れられ揚げ物屋まで行くと、お客が列を作って待っていた。
お客に挨拶をして、ウメはさつきを部屋の中に入れた。

『今はここで待っててね、後でマリモの所に一緒に行きましょうね』
『お菓子とジュースは用意してあるから、食べててね』

あげられた部屋の丸いテーブルの上には、串に刺さった3色の団子とジュースが置かれていた。

見た事も無い人間の部屋・・いつものダンボールハウスとは違う大きな部屋。
さつきは不安で、お菓子を食べる気にならなかった。

開いている障子から、ウメの揚げ物売り場が見える。
さつきは身を乗り出して、ウメの仕事振りを見ていた。

ウメは汗だくで、並んでいるお客を次から次へと相手をしている。
この時間と夕方が、揚げ物屋の書き入れ時である。

お昼を暫く過ぎて、商店街にも人が少なくなり、ウメもやっと売り場から出てきた。
身を乗り出して、こちらを見ているさつきを見つけ、ウメは笑顔で答えた。

『なんだか昔を思い出すわ・・』
『私の子供も、いつもそうやって待っていたわね』

「ウメおばちゃん忙しそうテチ・・」
「さつき・・・帰った方がいいテチ」

『バカね子供の癖に、そんな事心配しなくても良いのよ』
『あら!お菓子食べなかったの?』

「ごめんテチ・・・一人じゃおいしくないテチ」

『じゃー帰る時、お土産にしてあげる』

「すみれに・・・すみれに、あげるテチ」

『妹のお土産ね、優しいお姉ちゃんね』

「そ・・そんな恥ずかしいテチ」

さつきは考えていた、自分は場違いな所に、無理に来たのではないか?
ウメおばちゃんやマリモお姉ちゃんの、迷惑になっているのではと。

『さあさつき、マリモの所に行きましょうか』

ウメは売り物から、余っている物を適当に包んで、さつきを連れて行った。
外ではマリモがダンボールから頭半分を出して、こっちをじっと見つめている。
ヤスと魚屋もなぜか、にやけた顔で待っていた。

『ふふふ・・いつもああやって待ってるのよ』
『今日は、さつきがいるから緊張してるみたいね』

「ウメおばちゃん、こんにちはテチ」
「さつきもウメおばちゃんの仕事を、よっく見たテチか」

「ウメおばちゃん、一生懸命だったテチ」
「なんだかさつき・・・邪魔したかもテチ」

さつきの様子に元気が無い・・・マリモはさつきを呼んだ。

「こっちに来るテチ」

マリモは自分の入っている、ダンボールをポンポンと叩いた。

「うん!」

ダンボールにさつきは入り、周りを眺めた。
ここがマリモお姉ちゃんの仕事場・・

マリモは商店街を見ながら話し始める。

「ここに入って良いのは、特別だからテチ」
「さつきは特別テチ、さつき以外は誰も入れないテチ」
「この商店街は、私で持っているテチ」
「その私の特別な妹が、邪魔な訳ないテチ」

聞いていたヤスと魚屋はガクッと腰を落とす。

『この〜居候の分際で・・・』
『飯を食べさせているのは、誰だと思ってんだ・・ああ』

「マリモは商店街の仕事をしてるテチ」
「仕事をしてるから、食べさせて貰ってるテチ」

『お・・おう・・分かってんなら良いんだ』

ウメと魚屋は笑いをこらえている。

『ヤスさん、マリモの言ってる事も、まんざら嘘でも無いんだよな』
『マリモを見に来る客も意外と多いし・・・』
『それに野良実装の件も・・・・マリモ頑張ってるよ』

『チッ!魚屋まで・・たく』


『ヤス!!マリモはさつきと話してんのよ』
『ちょっと黙ってなさい』

「マリモお姉ちゃん・・凄いテチ」
「人間さんとこんなに仲が良いなんて、さつき羨ましいテチ」
「マリモお姉ちゃんは、なんでも前向きテチ」
「すねてた、さつきが恥ずかしいテチ」

聞いていたヤスが、違う違うと手を振って話し始めた。

『ハハハ違うよさつき、今日のマリモは良い子ぶってるだけ』
『気持ち悪いから、いつもみたいに話せってば』
『今日も朝から大変だったんだぜ』
『お昼だから早く帰れ帰れって、うるさかったしな』

『俺なんかもっと酷いぜ』
『妹の前に魚屋は魚臭いから、出てくるなだもん』

「マリモお姉ちゃん・・それは幾らなんでも酷すぎテチ」

『この前おやつに、みりん干あげたら「今回は特別に食べてやる」だって』

「魚屋さん・・・かわいそうテチ」

『怒るとすぐ、すねるしな』

「テチャァァ!うるさいテチィ」
「いい加減にするテチ、早くゴハンに帰れテチ」
「大体いつまで、ここにいるつもりテチ」

『はははじゃーな、さつきちゃん』

『からかうのも、これ位にするかな・・ははは』

「早くいけテチィ!」

ヤスと魚屋は店に帰って行った。

「ははは、お姉ちゃん本当に仲が良いテチ」

『さつき、朝から何も食べてないんでしょ』
『今日は、それ所じゃ無かったかしら』

「笑ったら、お腹ぺこぺこテチ」

『マリモと仲良く食べなさい』

紙袋からまだ暖かいコロッケとメンチカツを出した。

大好きなお姉ちゃんと、ウメおばちゃんに囲まれての食事は、
狭いハウスで食べるゴハンより、数倍おいしく感じた。

『おいしい?さつき』

「おいしい、凄くおいしいテチ」
「さつき、こんなおいしい物、食べた事ないテチ」
「ほっぺが落ちちゃうテチィ」

「ウメおばちゃんの揚げ物は、マリモも大好きテチ」





3人で楽しく食事をしている様子を、わなわなと血涙を流し、
唇を噛み締め、背後からすみれが見ていた。

「やっぱり・・レチ」
「ご馳走を食べてるレチ・・・昨日のご馳走よりおいしそうレチ」
「お姉ちゃん・・・一人でずるいレチ」
「それに昨日の、あいつもいるレチ」
「許せないレチ、許せないレチ」
「すみれだけ、のけ者にして許せないレチ」

「でも・・出て行ったら、また殴られるレチ」
「もう痛いのは嫌レチ」
「大体お姉ちゃんの癖に、妹を何だと思ってるレチ」
「あの嫌な奴とあんなに楽しそうに・・・私といる時は、哀しい顔しかしない癖にレチ」

「もうお姉ちゃんなんか、知らないレチ」
「すみれは勝手にするレチ」

すみれは生唾を飲み込んで、昨日食べたご馳走を思い浮かべた。
さつきやマリモが食べる動作に合わせて、自分も口を動かした。

しかしそんな事をしても、余計にお腹が減るだけである。
すみれは段々と自分が、惨めになって来る。

「何で・・・何で私が、こんな惨めな気持ちになるレチ」
「良く考えたら、ここには食べ物がいっぱいあるレチ」
「お姉ちゃんが食べていいなら、妹の私も食べて良いに決まってるレチ」
「それに・・・いい事を聞いたレチ」




隙を突いて、すみれは商店街に進入に成功する。
いつものマリモなら、こんな隙は作らないのだが、さつきとウメとの楽しい団欒・・・

偶然にもすみれは、その隙を抜けていってしまった。

すみれは商店街に入り驚いた、何だこの世界は・・・
おいしそうな物で溢れ返っている、公園で雑草やコウロギを食べていた自分が、
なんともバカバカしく思えた、そしてママに対しても怒りの思いが、こみ上げてくる。

「ママはこんなに食べ物があるのに、すみれを騙していたレチ」
「今までも、すみれに隠れて食べていたに、違いないレチ」
「すみれはコウロギの屍骸を、おいしいって言ったレチ」
「ママは食べられる雑草を教えたレチ」
「団子虫も食べたレチ」

「ママは嘘つきだったレチ」
「糞蟲はママに違いないレチ」
「もう二度と騙されない・・・・騙されないレチィィィ!!」

すみれが最初に目を付けたのは惣菜屋だった、軒に沢山の惣菜・・・
丁度店主もお昼に行ってしまい、誰も見張っている者はいなかった。

すみれは手当たり次第に、惣菜を食べ散らかし、自分の体重以上の量を平らげてしまう。
満足すると、そのまま寝てしまった。

店主がお昼から帰って来ると、食べ散らかした惣菜と、そこで眠る親指実装の姿があった。

『な・・な・・なんだこりゃぁああ!!』

『店が無茶苦茶だ・・・見張り実装の網を抜けてきたのか』
『実装石が寝てるぞ・・・小さいな親指実装か』

店主は親指実装をつまみあげた。

「ン・・・レチィ・・ニンゲン!もっと旨い物を持って来いレチ・・」 

見ると、すみれのお腹は異様なほど膨れて、パンツからは緑色の糞が、はみ出ていた。

『今日はもう駄目だな・・・はあぁ』

『お前は野良実装だな』
『子供とはいえ、糞蟲の行き先は決まってるんだぜ』

惣菜屋はデスミキサーの方に、目を向けた。

「フン!私のお姉ちゃんは、この商店街の守り神レチ」

『何だって!お前みたいな糞蟲が、マリモの妹の訳あるまい』
『嘘もいい加減にしないとな!お前は俺がぶち殺してから、マシンに入れてやる』

「嘘じゃないレチ、嘘じゃないレチ!」
「嘘だと思うなら、マリモお姉ちゃんを連れてくるレチィ」

『よし!嘘だったら簡単には殺さない、苦しみぬいて殺してやる』

血相変えて惣菜屋は八百屋に来た、そしてマリモとさつき、ウメ、ヤス、魚屋で店の前に来た。

『こりゃあー、ひでーなー見張りの目をかいくぐったのか』

『しかし・・丁寧な事に少しずつ齧って、みんな駄目にしてるな』

マリモは自分の仕事が、完全でなかった事を恥じた、神経を研ぎ澄まし商店街の為にと、
どんな些細な事も見逃さなかった筈なのに、お昼の食事の間を抜かれるとは、
慢心が自分にもあったのか、マリモは言葉も出せずにいた。

『いや・・別にマリモを攻めたいんじゃ、無いんだよ』
『今まで良くやってくれてるし、昔はもっと頻繁にこんな事があったから』

『何が言いたいの?』

『いや・・この犯人がマリモの妹だって言うんだ』

『えっ・・マリモの妹は蛆実装しかいない筈だ』
『蛆実装も死んじまったし・・・』

『ほら・・こいつだよ』

「テッチュゥゥーン・・マリモお姉ちゃん」
「早く助けるレチ、何をしてるレチ」
「ニンゲン!!マリモお姉ちゃんに、捨てられたくなきゃ土下座するレチ」
「マリモお姉ちゃんがいなきゃ、商店街は困るレチ」
「すみれは、みーんな知ってるレチ」

ビニール袋に入れられた実装石はすみれだ、マリモとさつきは愕然とした。

『マリモこいつ・・お前の妹なのか・・』

なんて事だ、すみれは捕まったらマリモの名前を出したのか。
マリモは膝を突いてうな垂れてしまう、そして口を開いた。

「その仔は私の・・い・・いも・・いもうとテチ」

マリモの言葉をさえぎるように、さつきが前に出た。
マリモにさつきは、何かを悟ったように、小さな声で話した。

「マリモお姉ちゃん、ありがとうテチ、楽しかったテチ」



「その仔の名前はすみれ・・」
「私の・・・私の妹テチ!」

ビックリしたのは、すみれだマリモを困らせてやろうと思ったのに、
何でさつきお姉ちゃんが、これじゃ計画が台無しになってしまう。

いつの間にか惣菜屋には、商店街の店主全員が集まって、人だかりが出来た。

すみれを抱いてさつきはガタガタと震え、謝罪の言葉を繰り返した。

「ごめんなさいテチ、ごめんなさいテチ」
「どうか・・・どうかすみれを勘弁して下さいテチ」
「この仔は賢くないテチ・・だから、だから何をやったか分からないテチ」
「お店の品物は、私が働いて返すテチ」

さつきは惣菜屋の店主に泣いてすがった。

『別にさ、品物は良いんだよ・・ただね』
『当の本人は、反省の色は無いみたいだよ』

すみれはさつきの横で、手を頭に組み面白くなさそうに、地面を蹴っている。

「すみれ!何をしてるテチ」
「お前も土下座をするテチ」

「イヤー・・お姉ちゃんが悪いんだもん」
「すみれを置いて、自分一人だけご馳走レチ」
「お姉ちゃんは勝手にやるなら、すみれも勝手にやるレチ」
「お姉ちゃんはすみれの事なんて、どうでも良いレチ」
「マリモとせいぜい仲良くやってるレチ」

「大体ニンゲンになんで謝るレチ」
「可愛い私にニンゲンはメロメロレチィ」
「レチチププププ」

すみれの言動に周りの店主達も怒り出し、その矛先は姉のさつきにもむいた。

『何だこの糞蟲は、ぶち殺しちまえ!!』
『反省のかけらも無いな・・・』
『土下座してる姉も、きっと糞蟲に違いないぜ!!』
『所詮は実装石・・マリモだって分からないよ』
『何とか言えよ、この糞蟲が!!」

店主の一人がさつきの前に来た、怒りが収まらないような顔をしている。

『ふざけんじゃねーぞ!!この!』

ドカッ!

男はさつきに蹴りを入れた、さつきは、すみれを抱えるように倒れる。

「レッチィィ!」
「うっ・・ごめんなさいテチ・・ごめんテチ」

さつきはその場でまた、謝罪を繰り返すだけだった。
その行動が男の怒りをさらに引き上げ、また蹴りを入れようとした時。

「いい加減にするテチ!!」
「さつきを苛める奴は許さないテチ」

さつきの前にマリモは立ちはだかり、店主達を睨み付けた。

「マ・・マリモお姉ちゃん」
「出てきちゃだめテチィ」

「ごめんテチさつき、マリモも一緒テチ」

「さつきは私の妹テチ!」
「だからすみれも妹テチ」

マリモは男を睨みつけているが、足はガタガタと震え、立っているだけでもやっとだった。

『どけ!!マリモ』

「絶対どかないテチ」
  
『お前も一緒に蹴飛ばすぞ!コラァ!!』

マリモは男の迫力に心が折れそうになるが、自分をかばってくれた、さつきの為・・
そして、さつきが庇ってくれた時、自分は声が出なかった・・お姉ちゃんなんて失格だ、
本当の勇気はさつきが教えてくれた、わたしはさつきのお姉ちゃん、私が守らなければ。

『テメー・・・舐めんじゃねーぞ!!』

男の足が振り上げられた時、大きな声が響いた。

『オイッッ!!』

瞬間ビクリと男は動作を止めてしまう。


声の主はヤスだった、男はヤスを見てなぜか、うつむいてしまう。

『もう良いだろう・・マリモ達の事は、ウメ婆さんに任せよう』


男はヤスに恥を掻かせられた、控えめに抗議をする。


『ちょっと待ってくれ・・これじゃ俺がバカみたいじゃないか』

『何だと!お前は子供の頃から弱い奴にだけ、威勢が良かったな』
『大人になっても変らないようだな』
『文句があるなら、相手になってやるぜ』

『オラ!!かかって来いよ』

『わ・・悪かったよヤスさん・・』

男は逃げるように店に帰って行った。

「かっこいいテチ・・ヤスさん」
「やるときはやるテチ」

『フン!あいつは前から、気に入らなかったんだ』
『いつか恥じ書かせてやろうと思ってたから、気にすんな』

『婆さん、惣菜屋・・これで良いだろう』

『ああ俺もこの件は、ウメさんに任せるよ』

『ヤス・・悪ガキが役に立つ時もあるのねー』

「ウメおばちゃん、話があるテチ」

『話?なんだい言ってごらん』

「近くに来るテチ」

マリモとウメは何かを小声で話し合った、そしてうずくまっている、さつきに声を掛ける。

『さつき、さつき・・・顔を上げなさい』

「ウ・・ウメおばちゃん、ごめんテチ、ごめんテチ」
「みんなに迷惑を掛けたテチ・・・」
「ママになんて言えばいいテチ」
「ママ・・ママ、ごめんテチィ」

その顔も泣き腫れ泥も付いて、ぐしゃぐしゃになっていた。

『今日は家に泊まりなさい、ママには私が言っておいてあげるから」

「そんな、だめテチ、だめテチ、また迷惑を掛けるテチ」

『このままじゃあなた、ママに顔向け出来ないでしょ』

「はい・・・テチ」

『私に任せておきなさい!』
『それとも私じゃ信用できない?』

「そそ・・そんな事無いテチ・・でも」

『さあ・・いらっしゃい、まずはその汚れた服と、涙で汚れた顔を洗いましょう』

さつきは泣きながらウメに、連れられ行ってしまう。


すみれも、さつきに置いて行かれてしまうと思い、後を追いかけた。

「待つレチィィ!さつきお姉ちゃん」
「すみれも一緒に、ご馳走食べるレチィィ」

「お前はこっちテチ」

マリモはすみれの襟首を掴んで、引きずり倒した。

「レッチャァァアアァ!!」

「こっちへ来いテチ」

「イヤァァ!イヤァァアア!お姉ちゃん!お姉ちゃん!!」
「殺されるレチ!殺されるレチ!コイツ私を殺そうとするレチャァァアア!!」

マリモは、すみれを引きずって行ってしまった。


残された店主達は、口々に実装石の悪口を始める。

一匹でも混じっていたら糞蟲は糞蟲なんだ。
マリモがあの糞蟲を手引きしたかも、なんせ姉妹だから。
公園の実装石も今は大人しいが、表面だけかも。
実装石なんて、人間には必要ないものだ。
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ウメに連れて行かれたさつきは、お風呂場でシャワーを浴びていた。
汚れた服は洗濯をしている、ウメはさつきの髪にシャンプーを掛け、優しく洗った。

『目はつぶってなさい、それにしても硬い髪ね』

清潔な方とはいえ、石鹸も無い実装社会、結構汚れていて垢も出てくる。

「汚れているテチ・・恥ずかしいテチ」

『恥ずかしいなんて、さつきも女の子ね』
『ほら次はリンスをかけるわよ』

「はいテチ」
「すみれは・・・すみれはどうなるテチ」
「だから・・すみれは連れてこなかったテチ」
「こんな事なら意地悪しないで、連れて来れば良かったテチ」
「そしたらずっと付きっ切りで、悪さをさせなかったテチ」

『どうなるのかしらねぇ・・・連れて行ったのはマリモだから』
『あの仔は厳しいわよ・・・もしかしたら殺されるかもね』

「マリモお姉ちゃんが・・・良かったテチ・・良かったテチ」

『すみれはマリモに任せなさい、あなたは明日からやる事があるわ』

「やる事?・・・」

『明日になったら教えてあげる』
『ほら終わったわ・・・さらさらヘアーよ』

「ウメおばちゃん・・・さつきの事・・嫌いになったテチ」
「さつきのせいで、ウメおばちゃん嫌われるかもテチ」
「さつきは商店街の人間さんに、嫌われたレチ」

『今はそうかもね・・・でもねさつき』
『明日はどうか分からないわ』
『さつきなら大丈夫よ、私には分かる』

「・・・ママと一緒テチ」
「ウメおばちゃんは、ママみたいテチ」










八百屋に入ると、すみれは水槽に放り込まれた。

暫くの間はガラスをペシペシ叩いて、罵声を叫んだが虚しく響くだけだ。
疲れて眠ると、仕事の終わったヤスとマリモが帰ってきた。

「レチャァァ!!レチュァァ!!」
「ここから出せレチィィ!聞いてるレチ!」
「さつきお姉ちゃんはどこレチィ!」

ガラスを叩いたが何の反応も無かった、マリモがヤスに摘まれて、水槽に入れられた。

すみれはマリモが怖くて、隅のほうでガタガタと震えていた。
マリモが近付いてきて命令をする。

「服を脱ぐテチ」

「・・・レチ」

「聞こえなかったテチか、服を脱げテチ」

「なんですみれが、お前の言う事を利かなければ、いけないレチ」
「脱ぎたけらば、お前が脱げばいいレチ」
「バカの相手は、出来ないレチィィ」

ボグゥッ!!

「レジャァァ!!」

すみれの顔面にマリモは、げんこつを叩き込んだ。

すみれの顔は鼻血を出して、少しへこんだ。

「いきなり・・いきなり、なにするレチィ!」

「服を脱げテチ」

「脱ぐレチ、脱ぐレチ」
「痛いことはやめてレチ」

「いいから早く脱げテチ!」

ガスッゥゥ!!

「レッチャァァァア!!」

「脱いだレチ、脱いだレチ、もう殴らないでレチィ!」

すみれは服を脱いでマリモに渡した、それを見たマリモはさらに殴りつける。

「まだパンツが残ってるテチ」

マリモは馬乗りになり、すみれの顔を何度も殴った。

ゴス!

「レチュア!」

ドゴゥッ!

「レジッ!」

ボコ!
ドカッ!
ゴッ!ゴキッ!
ドガン!

「レチィ!レチャア!レジャァ!レジッ!」

「もうやめでレチ、反省じだレチ、反省じだレチ」
「ごれ以上やどぅど死んじゃうレチャゥァァアア!!」

マリモは最後に、思いっきり顔面にぶち込んだ。

「これで思い知れテチィィ」

「ジャッァァァァアアアァア!!」

すみれは体をえびぞり、大きな悲鳴を上げて気絶した。



マリモは、大きく腫れた顔のすみれからパンツを脱がすと、ヤスに渡した。

「ヤスさんこれ・・お願いテチ」

『何だよこれ・・・くせええぇ・・汚いし』
『やりすぎじゃないか・・・マリモ』

「実装石はこれ位、どうって事ないテチ」
「さつきの受けた痛みに比べれば、こんな痛み・・・」

「ヤスさん、これからマリモのやる事は、黙って見てて欲しいテチ」

『死んだり・・・しないだろうな』

「直らなければ、マリモが殺すテチ」
「死ぬか直るか、すみれが決めるテチ」



すみれが起きると裸だった、着ている物は何一つなく、寒さで体を丸める。

前を見るとマリモがゴハンを食べている、いい匂いだ・・・・
自分にも分けてくれるだろう、自分をこんな目に合わせて、罪悪感の一つもあるはず。

すみれはマリモの横に行き、食べている野菜の煮物に手を伸ばした。

グサッ!!

腕には竹串が刺さっていた、実装石の柔らかい腕を、竹串が貫通している。

「レッ・・レッ・・レチャァァァアアアァァァアア!!」
「痛いレッチィ!痛いチャァッァ」

「行儀が悪いテチ」
「お前には一から十まで、教えなきゃいけないテチ」

「ゴハンをくれてもいいレチ」
「お腹が減って死にそうレチィ」

「行儀の悪い仔には、メシ抜きテチ」
「ママに習わなかったテチ」

「ママもよく怒ったレチィ」
「でもメシ抜きは、なかったレチ」

「言う事を利かない、お前が悪いテチ」
「なにを言っても無駄テチ」
「今日はゴハンなしテチ」



すみれの前でゴハンを平らげると、ヤスを呼んだ。

「ヤスさん、ヤスさん、もう食べたテチ」
「片付けして欲しいテチ」

ゴハンが片付けられてしまう・・・すみれは情けない顔をして、泣き始めた。

「酷いレチ、酷いレチ、ゴハン食べたいレチ」
「いい仔になるから、お願いレチ」
「すみれもゴハン食べさせてぇぇぇええ」

「泣いても無駄テチ・・・お前に食べる権利は無いテチ」


とうとう、すみれは怒り出してしまう、さっき殴られ酷い目に会った事も、
ゴハンを食べられない、それだけで忘れてしまっていた。

「お前なんか、さつきお姉ちゃんに言って、酷い目にあわせるレチ」
「ママはお前より体も大きいレチ、ママにも言ってやるレチ」

「忘れてたレチィ・・・レチチチププ」
「お前のママは、いないんだっけレチ」
「いても、もうお前のことなんか、忘れてるレチ」
「お前なんか、ずっと一人ぼっちでいればいいレチィ!!」

「まだ躾が必要テチね」
「お前は糞蟲テチ」




それから一時間以上すみれは殴られ続けた、今度は体中を蹴られ殴られ、
呼吸も弱くなり、水槽に転がっていた。

「ヒュゥゥ・・ヒュゥゥ」
「死んじゃうレチ・・・」
「体中痛いレチィ」
「なんだか体も動かないレチ」

「何でこんな事になったレチ」
「すみれが何をしたレチ」
「ヒュゥゥ・・ヒュゥゥ」
「さつきお姉ちゃん・・・」
「助けて・・・助けてレチ」
「腕に串が刺さったままレチ」
「でも体が動かないレチ」
「ヒュゥゥ・・ヒュゥゥ」

「さつきお姉ちゃん・・・来てくれたレチィ」
「すみれは、良い仔にしてるレチィ」
「お姉ちゃんの可愛い妹レチ」



すみれは幻覚が見え始めている、手をさし伸ばして、さつきに捕まろうとしたが、
どうしても、、さつきに触れない。

「どうしたレチ」
「お姉ちゃん、すみれはここレチ」
「ヒュゥゥ・・・ヒュゥゥ」
「泣いてるレチ・・さつきお姉ちゃん」
「すみれのせいレチ」
「お姉ちゃんの言う事、聞かなかったからレチ」
「すみれは悪い仔レチ」
「今度会えたら、あやまるレチ」
「お姉ちゃんが、あやまってたみたいにレチ」

「会いたいレチ、会いたいレチ」
「さつきお姉ちゃん・・・」

「レッチャァァァアアァァ!!」

悲鳴を上げて、すみれは気絶をした。



「フン!今更おそいテチ」
「明日になったらケロッと忘れてるテチ」

「お前なんか死んだ方が、さつきの為テチ」





その頃公園では、ある事件が起きていた。
夜になると仔実装や、力の弱い実装石がいなくなっていった。

公園の実装石は話し合って、懸命に原因を探したが、
何も掴めずにいた、実装石の自警団を作り、
集団で行動するようになった。

今の所、失踪は少なくなったが、夜になると公園の実装石は、
固まってすごした、子供はとられまいとする、親実装にとって、大問題となった。

さつきの母実装は、ウメから事の成り行きを聞いており、公園にいない事を、
幸運に感じている、今の公園は仔実装にとって危険な場所となった。















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1 Re: Name:匿名石 2023/07/18-22:48:34 No:00007552[申告]
すみれ死んでくれ
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