「お・・おまえなんか・・嫌いレチ」 「さつきお姉ちゃんは・・・私のお姉ちゃんレチ」 「お姉ちゃんに・・・お姉ちゃんに近づくなレチィィィ!!」 すみれはいきなり罵声をマリモに浴びせ、さつきは固まってしまう。 すぐに振り向き、すみれに注意をする。 「す・・すみれ!何てことを言うテチ」 「マリモお姉ちゃんは、すみれのお姉ちゃんでもあるテチ」 「マリモお姉ちゃんに、謝るテチ」 目を三角にしてすみれは、マリモを睨みつけている、さつきの言葉も耳に入らない。 「すみれのお姉ちゃんは、さつきお姉ちゃんだけレチィー!」 「なんで、すみれが謝るレチ」 「すみれは謝らないレチ!」 「絶対・・・絶対・・謝らないレチィ!!」 すみれにとってマリモは、もはや敵以外の、何者でも無かった。 大好きな姉との間に入る、邪魔者。 自分だけの、優しい姉。 姉を独占できるのは、可愛い自分だけ。 姉の愛情は自分だけが受けられる。 お姉ちゃんが、あいつに取られてしまう・・ すみれは大好きな姉と、親しそうに話している、マリモの存在に我慢できなかった。 「すみれ・・お願いだから・・」 「そんな事・・言っちゃ駄目テチ」 さつきはオロオロとうろたえ、力なくすみれにお願いをする。 さつきのお願いに、すみれは罵声で答えた。 「お姉ちゃんのバカァァ!」 「なんで、あんな奴と話をしてるレチ!」 「お姉ちゃんは、私だけ見てるレチ」 「私だけのお姉ちゃんレチ」 「あんな奴・・・あんな奴・・」 「死ねばいいレチ・・死んじゃえレチィーー!!」 その言葉を聞き、さつきは手を振り上げた、今ここで躾けなければ・・・ すみれも「殴られるっ」と思い、手で顔を隠す。 「お願いテチ・・」 「お願い・・すみれ・・」 顔を隠す手をどけると、姉が自分を抱きしめ、お願いをしている、 やっぱりだ・・お姉ちゃんは自分を殴らない、こんな可愛い妹を殴れるはずが無い。 お姉ちゃんが困っているのは全てあいつのせい、あいつがいなくなれば良いんだ・・ すみれは自分勝手な解釈をして、マリモに対して憎しみの目を向けた。 その様子を見ていた親実装が、前に歩み出ようとした時、 マリモが中に割って入り、さつきに話しかける。 「さつきちゃん・・・ううん、さつき・・」 「さつきも分かっている筈テチ」 「さつきのママは正しいテチ」 「躾ができなければ、ここでは生きていけないテチ」 「糞蟲になって商店街に来れば、マシンに潰されて死ぬだけテチ」 さつきはマリモに言われるまでもなく、分かっていたが、 すみれの顔を見ると、後一歩が踏み出せずにいる。 「すみれ!・・さつきを困らせて、悪い妹テチ」 すみれとマリモに言われ、さらに罵声を続ける。 「おまえに、すみれって言われる憶えは無いレチ」 「お前のせいで、お姉ちゃんが殴ろうとしたレチ」 「私を苛める奴は、みんないらないレチ」 「ママも私を殴るレチ、だから・・だから、いらないレチ」 「ママもいらないレチ・・お姉ちゃんだけいれば良いレチィ!!」 姉に抱かれて、すみれは既に半狂乱になっていた、 今まで溜まっていた物を吐き出すように、奇声をあげる。 「さつき!!可愛い妹だから殴るテチ」 「すみれが、こうなったのはさつきのせいテチ」 マリモはさつきの肩に手を当てて、すみれから引き離し、 すみれの前で腰に手をあて、見下ろした。 マリモを見上げ、すみれは姉の方に逃げようとするが、マリモが前を塞いだ。 「お・・お姉ちゃん!助けてチ!」 「こいつ・・なんだか怖いレチ」 「苛めるレチ・・お姉ちゃん」 マリモは無言で、すみれのお腹を蹴り上げる。 ドスッ!! 「ゲボウッ!!」 すみれは体をくの字に曲げ、うずくまる、さらにマリモは蹴り上げた。 ドゴ!! 「グボッツ!!」 ガス!! 「ブバッー!!」 すみれは蹴られた衝撃で、糞を吹き上げる。 ガスッ! ゴッツ! 「ブリッ!・・ブリリィ・・ブバ!ブバッ!!」 「おえっ!ゲロゥゥウ!・・ゲボボッ!!」 既にパンツは外にはみ出るほど糞で盛り上がり、 口からはゲロを撒き散らし、ゲロと糞まみれになり、さつきまで逃げて行く。 さつきのスカートを掴んで、助けを求めた。 「やめてレチ・・やめてレチィ!!」 「お姉ちゃん!!お姉ちゃん!」 「何で・・なんで助けてくれないレチ」 「何やってるレチ!」 「早く助けるレチィー」 さつきはうつむいて、すみれを見ようとはしない。 そればかりか、厳しい言葉をすみれに言い放つ。 「すみれ・・・お前は言ってはいけない事を言ったテチ」 「ママなんかいらないって・・ママは私の全てテチ」 「すみれが・・・すみれがママをいらないなら、私もすみれなんか・・・」 「すみれなんか、いらないテチ!!」 すみれなんかいらない・・その言葉はすみれにとって、どんな躾けより強烈だった。 お腹を空かせて泣いていた自分に、ゴハンを分けてくれた姉。 一人ぼっちの自分を拾ってくれた姉。 泣いて自分を置いて欲しいと、お願いしてくれた姉。 姉に嫌われたら、自分の居場所が無くなる。 姉がいるから、ママに捨てられずにいる。 色んな感情が、すみれの頭の中を駆け巡る。 すみれはあらん限りの声で、さつきに呼びかける。 「レッチュアー!!」 「捨てちゃ嫌レチ・・お願いレチ!」 「お姉ちゃん!!大好きレチ!大好きレチ」 「ママをいらないって言うのは嘘レチ!本気じゃないレチィ」 「お願いだから、いらないなんて・・言っちゃ駄目レチィ・・グスングス」 さつきにすがって泣いているすみれに、マリモが近づいていく。 すみれはマリモがよほど怖いのか、さつきを挟んで隠れようとする。 「来ちゃだめレチ!痛いのはもう嫌レチィ」 すみれの襟首を掴んで、マリモは引き摺って行こうとする。 「さあこっちへ来るテチ」 「まったく・・駄目な妹テチ」 「イヤー!・・お姉ちゃん!お姉ちゃん!!」 うつむいて見ない振りをしていたさつきが、マリモとすみれの間に入る。 「マリモお姉ちゃん・・すみれも・・すみれも反省したテチ」 「だから・・・すみれ・・マリモお姉ちゃんとママに謝るテチ」 「レチャー!!レチュアー!!」 さつきは腰を下ろして優しく言ったが、すみれは抱きついて泣きじゃくるだけである。 「すみれ!!」 バッシィィン!! さつきはすみれの頬を思いっきり叩いた。 「レッチィィイイィ!!」 さつきは強い口調で一括する。 「謝りなさい!!」 すみれは一瞬ビクリと体を硬直させ、 叩かれた頬をさすり、しゃくりながら謝った。 「ごめんレチィ・・」 「ママ・・ごめんレチィ」 「マリモお姉ちゃん・・ごめんレチイ」 「・・反省するレチ」 「すみれが悪いレチィ・・」 「ごめんレチィ・・ごめん・・ごめんレチィ・・」 やっと分かってくれた・・・さつきはマリモに、何か決心をした目をむける。 そして自分のママに目を移した、親実装はそれに気づき、すみれを抱えあげる。 さつきから離された、すみれは震えながらママを見つめる。 「すみれ・・反省したデスか」 「これからはマリモも、お前のお姉ちゃんデス」 「3人は仲良くするデス」 「我侭は許さないデス」 「我侭を言う仔は、うちの子じゃ無いデス」 「ママ・・ごめんレチ・・」 「すみれがバカだから・・バカな子供だから嫌いレチ」 「ママがお姉ちゃんばっかり、可愛がるから・・・・」 「すみれは・・本当の仔じゃないから・・・すみれの事が嫌いレチ」 「ママがお前を怒るのは、良い仔になって欲しいからデス」 「嫌いだったら・・とっくに捨ててるデス」 「良い仔になるから・・・」 「良い仔にするから捨てちゃいやレチィ」 「もう捨てられるのはいやレチ・・捨てられると、また一人ぼっちレチ」 「素直な仔になるデス、賢く無くても素直な仔なら、ママはずっと一緒デス」 マリモはその様子を羨ましく感じ見ている。 やっぱり親子だ・・自分はその中に入れない・・・ 親実装がマリモに話しかける。 「すみれを躾けてくれて、ありがとデス」 「私でもあそこまでの躾けは、出来なかったデス」 「今日はこれでお別れデスが・・・子供達とまた遊んで下さいデス」 そういうと親実装はウメの方に挨拶をした。 「人間さん・・私達、実装石も人間さんに好かれようと、がんばってるデス」 「今日は色々とありがとデス・・・名残惜しいデスが、さよならデス」 親実装は頭をぺこりと下げる、同じように、さつきとすみれも頭を下げた。 「さあ・・さつき・・すみれ・・帰るデス」 『ちょっと・・・ちょっと待ちなさい』 「はいデス」 親実装が振り返るとウメが手提げ袋から、何かを出している。 『ほら・・これ持っていきなさい』 紙袋に包まれた物は、お昼にマリモと一緒に食べようと思った弁当だ。 『おにぎりと、から揚げが入ってるわ』 『私達は、もう帰るから要らないの」 「そんな悪いデス・・・人間さんのお昼は貰えないデス」 『いいの、私ね・・あなた達親子が気に入ったの』 ウメは袋を親実装に押し付け、無理やり渡す。 その様子をさつきは、じっと見ている。 「あ・・ありがとデス」 「みんなで仲良く食べるデス」 「ほら・・みんなも、お礼を言うデス」 「ウメおばちゃん・・ありがとテチ」 「あ・・ありがとレチ」 何度もお礼をして、実装親子は去って行った。 『ごめんねマリモ・・お弁当あげちゃった』 「マリモは、お腹いっぱいテチ」 「ウメおばちゃん・・・その・・ありがとテチ」 『ふふ・・それじゃ私達も帰ろうか』 帰ろうと立ち上がった時、ガサリと後ろから音がする。 さつきだ、息を切らせ、ウメの近くまで戻ってきた。 『さつきちゃん?・・まだ何か用?』 「ハアハア・・はいテチ・・・お礼が言いたくて戻ってきたテチ・・ハアハア」 「マリもお姉ちゃん、あ・・ありがとうテチ!」 「マリモお姉ちゃんは、私の代わりに殴ってくれたテチ」 「本当は・・・本当は私がやらなければいけない事テチ」 「さつきね・・これから変る!・・すみれに躾をするテチ!」 「すみれの為だから・・・・私がやらなきゃ・・・テチ」 「私がやらなくても・・・さつきなら、やっているテチ」 「今は出来なくても、後で必ずやってるテチ」 「さつきは私の妹テチ・・・だから・・・だから・・」 「うん!分かってるテチ、マリモお姉ちゃん」 さつきは強く賢いマリモに、尊敬に近い感情を持っていた。 何より人間と仲良く生きている事を、羨ましく感じている。 マリモも自分には無い優しさを持ったさつきに、一緒にいるだけで周りを和ませる、 特殊な何かを感じている、ウメの言動にも表れているのが分かった。 そして自分にはいない、優しいママがいる、それが心から羨ましかった。 お互いの足りない所も二人なら埋め合える、二人なら何でも出来る。 さつきとマリモは出会って間もないが、既に固い絆を感じていた。 「あの・・・人間さん・・」 『あら私にも用があるの?』 「ウメおばちゃん・・・ウメおばちゃんって、私も言って良いテチか」 『そんな事位は別にいいわよ、さつきちゃん』 「うれしいテチ、ありがとテチ」 「私の事も、さつきで良いテチ」 『こっちへいらっしゃい・・・さつき』 ウメはまたベンチに腰掛けて、さつきを呼んだ。 さつきを抱き上げると、膝の上に置いて、頭を優しく撫でた。 「テチィ・・ママとおんなじテチ」 「さつきは、ウメおばちゃんが大好きテチィ」 そう言うとさつきは、ウメに抱きついた。 『ふふふ・・こう言う所はマリモと違う所ね』 『マリモもヤスに、こんな事が出来れば良いのにね』 ウメはマリモに、ちょっと意地悪を言ってみたが、答えは思った通りだった。 「考えただけでも、気持ちが悪いテチ!!」 「そんな事、土下座してもやってあげないテチ」 「まーヤスさんが甘えたいって言うなら、少し位は考えてやらんでも無いテチ」 『まったく、ヤスといいマリモといい似たもの同士ね』 『さつきみたいに生きられたら、みんなに好かれるのにねー・・さつき」 「テチ?」 さつきは手を口にあて首を傾けた。 「ウメおばちゃん・・・さつきね・・今度」 「商店街に遊びに行きたいテチ」 「商店街を見てみたいテチ」 「行っても良いテチか」 『うーん・・・休み以外の日は・・忙しくてね』 『あしたなら、お昼は暇になるかな』 『明日のお昼に、いらっしゃい』 『入り口で待っていてあげる』 「やったテチィ、絶対に行くテチ」 『暇な時は、私も公園に言ってあげる』 「本当テチ!またウメおばちゃんに会えるテチ」 『さあ今日はママが心配するから、帰りなさい』 「うん!あした行くテチィ、絶対テチィィ」 さつきを地面に降ろすと、手を振って去っていった。 『さあマリモ!帰るわよ」 「はいテチ」 ウメと別れたさつきは、公園の噴水に走っていった。 糞とゲロで汚れたすみれを、母実装が洗っている。 「さあすみれ、服を脱ぐデス」 「グチャグチャレチ、気持ち悪いレチ」 「すみれもさつきの様に、洗濯くらい出来るようになるデス」 「・・ごめんレチ」 「洗濯はむずかしいレチ」 すみれの服を噴水のプールに漬けると、緑色の糞がゲロが混じって滲み出してくる。 それをジャブジャブと音を立てて洗うと、プール中が緑色に染まった。 「汚いデス、これじゃ中々落ちそうに無いデス」 服を洗う親実装の腕に、緑色の染みが付いてく。 実装服の汚れは、相当に頑固なようだ。 何度も洗っては絞り、緑色の液が出なくなると、すみれに着せた。 「なんだか、まだ濡れてる・・・レチ」 「匂いも残ってる・・・気持ち悪いレチ」 「我慢するデス、明日になったら、また洗うデス」 「・・・レチィ」 「さつきが帰ってきたら、貰ったゴハンを食べるデス」 「凄くいい匂いレチ」 「早く食べるレチ」 「さつきが帰ってくるまで待つデス」 「えー・・待てないレチィィ」 「食べるレチ!食べるレチィ」 「すみれ!いい加減にするデス!!」 「ゴハン抜きがいいデスか」 ゴハン抜き・・どんな躾けの中でも最も厳しく、この言葉を聞けば、すみれも黙るしかない。 「ごめんレチィ」 「大人しく待ってるデス」 さつきが帰ってきた、息を切らせ走って、満面の笑顔で母実装に抱きついた。 「ママ!ママ!明日ねぇ商店街に遊びに行くテチ」 「ウメおばちゃんが遊びに来なさいって、行っていいテチ?」 「別に構わないデス・・・でも」 「人間さんに好かれる様にするデス」 「さつきが嫌われたら、公園の実装石みんなが迷惑するデス」 さつきは軽い気持ちだったが、母実装からの言葉に驚いてしまう。 「商店街の人間さんに嫌われたら、公園の実装石は生きていけないデス」 「さつきは公園の実装石代表だと思って、がんばるデス」 「そんな・・・代表なんて無理テチ」 「さつきには出来ないテチィ!」 「大丈夫デス・・さつきは私の自慢の娘デス」 「自然に振舞うデス、さつきのいい所は媚びたりしない所デス」 「商店街にはマリモがいるデス、マリモが助けてくれるデス」 「マリモお姉ちゃんが・・・分かったテチ」 「さつきはどうしても、商店街にいってみたいテチ」 濡れた服を着て、お腹を空かせているすみれは、 自分を無視して長話をする母と姉に、疎外感を感じていた。 自分は糞の匂いのする服を着て、姉を待っていたのに、 自分に姉は挨拶の一つ所か、こちらを見ようともしない。 糞まみれになったのは、姉が止めてくれなかったから。 酷く殴られた時も、姉は止めてくれなかった。 信用していたのに姉は自分を殴った。 すみれは、殴られて酷い目に合った時は反省していたが、時間が経つとすっかり忘れてしまい、 殴られ蹴られ、糞まみれになり、ゲロまで吐いた辛い思いだけが記憶に残った。 「レチィ・・・」 「いつまで話してるレチ」 「早くハウスに帰ってゴハン食べるレチ」 「あっ・・ごめんテチ」 「さあ・・ハウスに帰るデス」 「今日はご馳走デス」 その日、食べたゴハンは普段、愛護派のくれるパンの耳やゴミ箱の腐った物、 それすらない時は、雑草や虫の屍骸を食べて忍んでいた実装石にとって、 信じられない位、おいしい物だった。 特に食べ物に卑しい、すみれの驚きぶりは異常な物であった。 「おいしい・・おいしいレチ・・」 「味が付いているレチ、こんなに味が付いている物は食べた事無いレチ!」 「もっとよこすレチ!もっと食べたいレチ!」 「ママ!!ママ!!」 「何でもっとあるのに、くれないレチィィ!」 「残りは明日たべるデス」 「明日まで、すみれも我慢するデス」 「レチャアァァー・・」 「いやレチ、いやレチ、すみれはもっと食べたいレチ!!」 「すみれの分は無しでいいデスか」 「食べたければ、我慢するデス」 「・・テッチィィ」 「さあ子供達・・今日は寝るデス」 ハウスでさつきは横になったが、中々寝付けない。 横では、すみれが自分に抱きついて寝ている。 「明日は商店街テチ・・・ウメおばちゃんがいる所テチ・・・」 「マリモお姉ちゃん・・・私を助けてくれるかな・・・」 「でも・・・ウメおばちゃんに嫌われたら・・・」 「ママは大丈夫って・・・ママを信じるテチ」 うとうとと心配事を考えながら、いつしかさつきは眠ってしまう。 朝からさつきは母実装に、色々と人間に対するマナーを聞いていた。 聞いているさつきも、真剣そのものだ。 「人間さんは着ている服で、糞蟲か賢いかを見るデス」 「清潔なら、ボロボロでも気にしないデス」 「自然に甘えるのはいいデス」 「何かを貰いたくての媚びが一番嫌いデス」 小一時間ほど、母実装は話をしたが最後に。 「さつきは、そのままが一番デス」 「普通にしてれば、みんながさつきを好きになるデス」 「自信を持って行けばいいデス」 話が終わると、すみれがさつきに甘えてきた。 「お姉ちゃん・・人間の所に行くレチ?」 「人間じゃないテチ、人間さんテチ」 「商店街に行けば、おいしい物が食べれるレチ」 「分からないテチ・・・それに食べ物は関係ないテチ」 「すみれも、お出かけの用意するレチー」 「・・・何ですみれが?」 「なに言ってるレチィ、商店街に行くからに決まってるレチ」 「お姉ちゃんとすみれは、いつも一緒レチィ」 「・・・今日はだめテチ」 「レッ・・」 「今日はお姉ちゃん、一人で行くテチ」 「レチィ・・・」 「すみれはママと、お留守番してるテチ」 「レチャァァアアァァ!!」 「何言ってるレチ!すみれが行かないで、どうするレチィィ!!」 「大事な日だから、あきらめるテチ」 「ついてくレチ!ついてくレチ!お姉ちゃんが、なんて言っても付いて行くレチィィ!!」 「お姉ちゃん一人に、ご馳走は独り占めさせないレチ!!」 「卑怯レチ!卑怯レチ!お姉ちゃんだけずるいレチィ!」 パシッィィィン!! いきなりさつきは、すみれの頬を叩いた。 「テッチャァァアアァ」 「いい加減にするテチッ!!」 「聞き分けの無いすみれは、お姉ちゃん嫌いテチ」 「お姉ちゃんのバカァァァ・・」 すみれは泣きながらハウスを出て行った。 「まったく、お姉ちゃんの気持ちも知らないでテチ」 「今のすみれを連れて行ったら、人間さんに殺されちゃうテチ」 「ママ!すみれの事は、お願いするテチ」 「分かったデス・・すみれにも困ったもんデスゥ」 商店街までさつきは、不安と緊張で体が硬くなり、 中々前に進まず昼前に、やっと入口が見える所まで着いた。 入口ではウメがさつきを待っていた、ウメを見るとさつきの緊張が、やっとほぐれた。 「ウメおばちゃ−−ん!!さつき来たテチ」 『いらっしゃい、マリモも待ってるわ』 『今日は私の、お仕事でも見て行く?』 ウメに手を引かれ、さつきは商店街に入って行った。 その様子を後ろから見ている、実装石がいた。 すみれだ、姉が一人でご馳走食べるんだと、すっかり勘違いしている。 「お姉ちゃんは一人でずるいレチィ」 「すみれも、ご馳走食べるレチ」 「人間なんかと仲良くして・・・許さないレチ」
