親指ヒワと蛆実装 「やぁ、よしゆき。」 「ああ、あきとしやっと来たな。」 よしゆきは公園のベンチでくつろいでいる。 こいつ、ほんとに仕事と趣味が一緒だよなぁ。少しうらやましい。 「よしゆき、何だこんなところに呼び出して。」 「少し面白いことを見つけたんだよ。」 そういってよしゆきはにやりと笑った。相変わらず人を食ったような笑い方をする。 「面白いことってなんだ。」 よしゆきは、見ていろと言って実装石たちを集めだした。 群衆の中、一匹の仔実装が抱えあげられている。 「んーと、こいつか。」 ひょいと仔実装を摘み上げる。 「離すテチ!離すテチ!バカニンゲン!さっさとワタチをやさしく下ろすテチ!」 「この公園で珍しいな。糞蟲じゃないか。」 「ああ、だからちょうど良い。」 この公園はよしゆき管轄内の愛護公園だ。糞蟲はよしゆきに淘汰される。 他の実装石たちは糞蟲がいると公園内で生活が出来ないことを理解しているため、 よしゆきの呼びかけに糞蟲を差し出したのだ。 「離すテチ!金平糖をよこせば許してやるテチィ!高貴なワタチに触れるなレチィ!!」 「絵に描いたような糞蟲だな。」 「どっかから引っ越してきたのかもしれんけどな。」 そして、よしゆきは両手で仔実装を挟み込んだ。 「テチ?何するテチ。これは抱っこじゃないテチ。ちゃんと抱っこするテチ。」 そして両方からだんだんと力をかけていく。手の万力である。 「い、痛いテチ!?痛いテチ痛いテチ!さっさと離すテチ!やめるテチ!痛いテチ!」 ぎりぎりと、よしゆきの手が迫る。 「今なら許してやるテチ!やさしく抱っこするテチ!さっさと手をテベェッ!!」 よしゆきの手の中で仔実装は緑と赤の塊となった。よしゆきは手持ちの実装ゴミ袋に死体を詰める。 「これのどこが面白いんだよ。」 「まぁ、それはこれから。」 よしゆきは別の仔実装を捕まえた。 「テッチィ。ニンゲンさんテッチィ。」 「今回のは糞蟲じゃないな。」 よしゆきはハンマーを取り出した。 「それどうするんだ?」 「こうする。」 よしゆきはハンマーで仔実装の手を殴りつけた。 「テッチャアアアアアア!」 仔実装の手が砕け…てない? 仔実装の手が三倍くらいに膨らんでいる。なんだ…これは。 「テッチャァアァ!ワタチのおててがああああ!おっきくなってるテチィィ!!」 「続いて…」 「やめてテチィィ!」 よしゆきが仔実装を踏みつける。 足元には赤と緑の液体が流れて…ない? よしゆきの足元には紙のようにペラペラの仔実装が横たわっていた。 「酷いヘチ!ニンゲンさん酷いヘチィ!」 ペラペラの仔実装が抗議する。 「そういや、昔こんなゲームキャラいなかったっけ。」 「あー、いたいた。パ○ッパ○ッパーだったけか。」 「って、こいつこれでも生きてるのか?」 「ああ、おい、仔実装動けるか。」 「動けるヘチィ。早くもとに戻して欲しいヘチィ…。」 ペラペラの仔実装がペラペライゴイゴ動く。 「分かった。戻してやるよ。」 よしゆきは紙仔実装の頭に口をつけて息を吹き込んだ。 仔実装の体がだんだんと膨らんでいく…。膨らんで…。 「よしゆき、膨らませすぎじゃないか。」 見た目は風船のように膨らんでいる。 「あ、ほんとだ。」 よしゆきが手を離すと「ブブブブブブブ」と風船が飛ぶように仔実装が飛んでいった。 「ヘチャァァァアァァァアァァ…」 「一応回収しておこう。」 「そうだな。」 風船仔実装を追っていくと、木に引っかかっていた。 「テチィ…ワタチ…空を飛んだテチィ…。」 「やぁ、仔実装ちゃん。実験に付き合ってくれてありがとう。」 「テチィ…せめて下ろして欲しいテチィ。」 「ああ、分かってるよ。」 元風船仔実装は地面に下ろしてもらい、金平糖を受け取ると「テッチューン♪」と甘えた声を出して去っていった。 「なぁ、あれなんだったんだ?」 「うん。ちょっと気になってやってみたんだが…前も同じ結果になったんだよ。」 「あれってさ…。」 「ああ。」 「「ギャグマンガ体質…。」」 「そうなんだよ。全部が全部か分からないけどな。潰そうと思うと潰れるし、ペラペラにしようと思うとなる。」 「どういうことだよ。」 「分からん。こんな事、学会なんかにも言えないしな。俺が一つ言えることは。」 「うん。」 「あいつらは多分俺たちと同じ次元の生物じゃないってことだろうな。」 「ハァ?わっけわかんね。」 「それは俺がさっきのを初めて見たとき言ったよ。」 しばらくよしゆきとそんな話をしていると、便所のほうから「デッギャアアアア」と叫び声が聞こえた。 「何だぁ?」 よしゆきが面倒そうにつぶやき、便所へ向かった。 すると、便所の入り口に実装血まみれのバールを持った青年が立っていた。 「ヒャハハハハハハァー!!!実装石は糞蟲だ!ヒャッハァァッァアア!!」 その青年によしゆきが蹴りを入れた。 「何が糞蟲だ、アホウ。昼間から俺の管轄で虐待してる奴のほうがよっぽど糞蟲だ。」 「な、なにをするんだ!僕は糞蟲である実装石を虐待するという崇高な使命を…。」 「黙れ。虐待が崇高だとか、そんなの誰が決めた。」 「だ、第一お前は誰だ!なんで邪魔をする!」 「俺はよしゆき。この公園を管轄している。この公園の実装石は俺の管轄下にある。」 「よ、よしゆき…?クリティカル…。」 「知ってるなら話は早いじゃないか。俺の公園でオイタをしたらどーなるかなぁ?」 青年の肩をぽんぽん叩きながらニヤリと笑うよしゆき。相変わらず、こいつのこの笑顔だけは好きになれないな。 「ヒ、ヒィィィィ!!」 「今回は見逃してやる。次回は無い。世間的になんかされたくなかったらさっさと帰りな。」 自称虐待青年は失禁しながらそさくさ立ち去っていった。 「あんなのじゃ、人間だって糞蟲って言われても仕方ないよなぁ。」 「TPOが大事なんだよねぇ。俺も虐待派だから虐待するなとは言わないけど…節度をもってだねぇ…。」 よしゆきはそう言って便所の中へ入っていった。 「あー、こりゃ酷いわ。」 出産途中の実装石が頭部を破壊されて死んでいる。 周りには生まれたての仔実装の死体が。 「まぁ…今回のは初期段階の間引きということで納得しようかなぁ。」 よしゆきが片付けのために、親実装を引き上げた。 ずるり。総排泄孔から白い目をした蛆ちゃんの死体が落ちる。 「テッテレ〜♪」 すると、もう一匹、落ちてきた。 「生きてるのがいたみたいだな。こいつで打ち止めか。」 「レフーレフー。」 蛆ちゃんが水桶の中で泣き声をあげる。一応歩き回っているので粘膜は少しずつでもとれているのだろう。 この公園には便所のスペースの一つに実装石用のものがある。 実装石用の便所。出産用の水桶も完備されている。 「レフー。ママどこレフ?ベタベタとって欲しいレフゥ。」 「よしゆき、どうするよ。」 「とりあえず粘膜とるか。」 「どうやって?」 よしゆきは近くにいた実装石に金平糖一つで蛆ちゃんの粘膜を取ってもらった。 「ニンゲンさんレフー。ママのところへ返して欲しいレフー。」 「おいおい。糞蟲じゃないぞ、こいつ。」 「とは言っても俺はこれ以上飼いたくないしなぁ。」 よしゆきは遮光袋の中に蛆ちゃんを放り込んだ。 「蛆ちゃん。夜だよー。オネムの時間だよー。」 「オネムレフ?オネムレフー。」 寝たようだ。単純ではあるな。 「で、よしゆき、どうするんだよ。」 「うーん…この公園内のどっかの家族で育ててもらえればいんだけどなぁ。」 「…そうだ。僕が引き取るよ。」 「どう言った風の吹き回しだ。」 「いや、家のヒワに育てさせてみようと思うんだけど。」 「ふーん…まぁ、親指の教育にはいいだろうな。家のリーもいい刺激になってるし。」 「そうか。じゃあ、この蛆ちゃんは僕がもらっていいかな?」 「ああ、別に構わんよ。」 僕は引き取った蛆ちゃんを家へ持って帰った。 「ニンゲンママお帰りなさいレチィ。」 ヒワがレチレチ歩いてくる。今は以前と違ってほぼ放し飼いだ。 「ほぼ」というのは、ヒワの部屋だけ放し飼い。とは言っても、親指には広大な面積だろう。 「ヒワ。今日はお土産があるんだよ。」 「お土産レチィ?何レチ?」 ヒワはうれしいときの鼻ピスピスと耳ピコピコをさせている。 「はい、今日の餌。」 僕はにこにこしながら、袋の中から蛆ちゃんを取り出し、ヒワに持たせてやる。 …ちょっとでかいな、この蛆ちゃん。多分仔実装になる予定だったんだろう。 ヒワも前より大きくなっているが、よく見る光景の「親指と蛆ちゃん」にはアンバランスだ。 「レチ?これは蛆ちゃんレチ。」 「そうだね。」 「ニンゲンママ、何の冗談レチ?蛆ちゃんはおマンマじゃないレチ。」 「今日はそれしか餌は無いって言ったら?」 「ニンゲンママは意地悪レチ。ヒワの反応を見るつもりレチ!」 ヒワがちょっと怒りながらいう。とはいえ、これは僕達にとってはよくある光景だ。 「よくわかったねぇ。今日、公園で拾ったんだよ。 母親は勘違い虐待派に殺されていてね。それでね、ヒワ。面倒を見てもらえるかな?」 「ヒワが蛆ちゃんを育てるレチ?」 「そうだよ。」 「分かったレチィ!蛆ちゃんはヒワの妹レチィ!」 蛆ちゃんが目を覚ましたようだ。 「レフ?ここはどこレフ?朝レフゥ?」 「蛆ちゃん、起きたレチ?」 「レフ?オネチャは誰レフ?ここはどこレフ?ママはどこレフ?」 「よし、ヒワ、任せるぞ。」 「レェ!?」 「これから蛆ちゃんが居れば、昼間僕が居なくてもヒワも寂しくないよな。」 「ママはどこレフゥ!どこレフゥ!」 「う、蛆ちゃん暴れちゃ駄目レチィ!」 「レフゥ!レフゥ!」 「何かあったら呼んでくれよ。」 「ニンゲンママは相変わらず薄情レチィ!」 「あっはっはっは。」 ニンゲンママは笑いながら、アタチの部屋を去っていく。 というか、向こうからこっちの様子を伺っている。手伝ってくれればいいのに、こういうときはいつも見てる。 「ママはどこレフゥ!ここはどこレフゥ!」 蛆ちゃんがアタチの手の中で暴れる。蛆ちゃんを下に下ろした。 「オネチャ!オネチャは、ウジチャのママがどこにいるか知ってるレフ?知ってるなら教えて欲しいレフ。」 「蛆ちゃんのママは…ちんじゃったレチ。」 「ちんじゃった…レフ?ウジチャはママにもう会えないレフ?」 「そうレチ。」 「ママには…もう…会えない…レフ?レフェエエエエエエエン!!」 蛆ちゃんが泣き出しちゃった。どうしたらいいんだろう。こんなとき。 アタチは蛆ちゃんの頭をなでてあげた。アタチもこうされたら落ち着いたからだ。 「レフゥ…レフェエエン…ウジチャもうひとりぼっちレフゥゥ…。」 「蛆ちゃんは一人ぼっちじゃないレチ。」 「レフ?ひとりぼっちじゃないレフ?」 「ヒワが居るレチ。蛆ちゃんは一人ぼっちじゃないレチ。」 「オネチャが居るレフ?オネチャが居てくれるレフ?」 「居るレチ。蛆ちゃんはヒワの妹レチィ。」 「ウジチャはオネチャの妹レフ?ウジチャ、オネチャができたレフー。」 「蛆ちゃんはヒワとこれから、ここで一緒に暮らしていくレチ。」 「ここはどこレフ?」 「ここは、ニンゲンママのお家レチ。」 「ニンゲンママって何レフ?」 「あそこで見てるのがニンゲンママレチ。」 ニンゲンママがアタチ達に向かって手を振る。 「あのニンゲンさんはいい人だったレフ。ウジチャを助けてくれたレフ。オネチャはニンゲンさんの家に住んでるってことは飼い実装レフ?」 「そうレチ。ヒワは飼い実装レチ。蛆ちゃんも飼い蛆ちゃんレチィ♪」 「ウジチャは飼いウジチャレフ?飼いウジチャレフ〜ン♪」 ピュピョピョって蛆ちゃんがウンチを出した。ウンチを出した? 「蛆ちゃんトイレ以外でウンチしちゃ駄目レチィィィ!」 「トイレって何レフ?ウンチ気持ちいいレフ〜ン♪」 「ヒワー。蛆ちゃんの世話は任せるって言ったよなー。糞の世話もだぞー。」 「レピョオオオオ!」 ニンゲンママはこうなることが分かっていたみたい。仕方ないから蛆ちゃんが出したウンチをふき取った。 あれ?蛆ちゃんは?蛆ちゃん何処に行ったの? 「レフレフレーレフレフレー。」 蛆ちゃんは呑気にピョコピョコ歩いている。歩いている…? 「レッピャァア!」 蛆ちゃんはウンチをした後拭いてないから歩くとウンチが床についちゃう。 「蛆ちゃん止まるレチ!」 「レフ?オネチャ、どうしたレフ?」 蛆ちゃんは何が起こってるか分からない顔でアタチを見る。 アタチは床をずっと拭いていく。蛆ちゃんはトイレから教えないと駄目みたい。 …でも、アタチが蛆ちゃんの時は?トイレとかしてたっけ…? 「蛆ちゃん、おまた拭くレチ。お腹見せてレチ。」 「レフ。」 蛆ちゃんがお腹を見せる。おまたは緑色に染まってウンチがいっぱいついてる。 「フキフキ気持ちいいレフ〜ン♪」 蛆ちゃんのおまたも綺麗になったし、床も綺麗になった。バッチリ。 見ると、蛆ちゃんが仰向けのままプルプル震えだした。 「こ…これは…レフ。」 「蛆ちゃんどうしたレチ?」 「プニプニの体制レフ!プニプニの体制レフゥ!蛆ちゃんプニプニして欲しいレフゥ!」 「プニプニレチ?」 プニプニは知ってる。お腹をプニプニされるとアタチが蛆ちゃんのときも気持ちよかった。 今もプニプニされるの気持ちいいけど。 「おーい、ヒワー。蛆ちゃんってプニプニされると糞出すからなー。」 ニンゲンママが言う。…そうだった。アタチが蛆ちゃんのときもウンチ出ちゃってたっけ。 プニプニしてあげたいけど、床がまた汚れちゃう。 「プニフー。プニフー。」 蛆ちゃんはプニプニして欲しくてプルプル震えてる。蛆ちゃん可愛いなあ。 でも床が汚れちゃう。折角綺麗にしたのに。 「プニフー!プニフー!オネチャ、プニプニしてレフゥ〜。」 蛆ちゃんがちょっと怒り気味だ。えーい、仕方ない。 「蛆ちゃん。プニプニしてあげるレチ。」 アタチはテッシュを床に敷いてプニプニすることにした。 プニプニ。 「レヒッ!レヒッ!レピャ!レピャピャ!レフレフー!プニプニレフ〜ン♪」 ピュピョピョピョとウンチが飛び出る。テッシュの上に飛び出たから、片付けやすい。 「おまた拭いてあげるレチ。」 「フキフキ気持ちいいレフ〜ン♪」 アタチが蛆ちゃんのときは全然気が付かなかったけど、いっぱいウンチが出てる。 これじゃあ、お部屋の中を歩かせてあげられない…。 「ニンゲンママ。お願いがあるレチィ。」 「おー、どうした、ヒワ。」 「蛆ちゃんをお家まで運んで欲しいレチ。ヒワがあそこまで運ぶと、落としちゃうかもしれないレチ。」 「おお、分かった。分かった。」 ニンゲンママが蛆ちゃんを運んでくれる。 「ニンゲンママのおてて大きいレフー。あったかいレフー。」 蛆ちゃんがお家の中に入った。 「レフ?また違うところレフ?」 「ニンゲンママ。ヒワ、これからまた、お家にこもるレチ。」 「おお。」 「蛆ちゃんがウンチ一杯しちゃうからお部屋の床を汚しちゃうレチ。だからここで蛆ちゃんを育てるレチ。」 「分かった。そうしてくれると僕も助かるよ。蛆ちゃんが糞を自由に出せるようになったら部屋の中を歩かせるといいよ。」 「分かったレチ。」 「レフー。ウジチャそんなにウンチ出さないレフー!」 蛆ちゃんが怒りながらウンチをプピョピュとする。 「またウンチしたレチィィィ!」 こうしてアタチに妹ができた。 「ヒワー。蛆ちゃん。餌だぞー。食べてもいいぞー。」 「おマンマレチィー♪」 「おマンマレフ?」 ニンゲンママがおマンマを持ってきてくれる。いつもと同じゼリーだけど。 お家の中にゼリーを入れてくれる。あと小さいお皿にゼリーが半分。 「ニンゲンママ、これは何レチ?」 「蛆ちゃんの分。うまく食べれなかったら食べさせてやりなさい。」 「はいレチ。」 「たーべるレフー♪」 蛆ちゃんがゼリーにかぶりつこうとする。 「駄目レチィ!」 「何でレフ!?こっちのプルプルはウジチャのって聞いたレフ!食べちゃ駄目じゃないレフ!」 あー、蛆ちゃん怒りながらまたウンチを出してる…。また拭かなきゃ。 「蛆ちゃん、食べるときは「頂きます」を言わなきゃいけないレチ。」 「頂きまフレフ?」 「そうレチ。蛆ちゃん、頂きますをするレチ。」 「頂きまフレフ。」 「頂きますレチュ。」 アタチはいつもの通り、ゼリーを食べて奥の方のは箆を使って食べた。 蛆ちゃんは顔の周りをべたべたにしながら食べてる。 「プルプル美味しいレフ〜ン♪ウンチ出るレフ〜ン。」 「蛆ちゃん、ご飯食べながらウンチしちゃ駄目レチィ!」 「何でレフ?ウンチ気持ちいいレフ〜ン♪オネチャもウンチするレフ〜ン。」 「ヒワー。蛆ちゃんにそんな事言っても分かり辛いと思うぞ。どれか一個ずつにしなさい。」 「分かったレチ。」 「蛆ちゃん。食べた後は「ご馳走様」を言うレチ。」 「ご馳走様レフ?」 「そうレチ。ご馳走様レチ。」 「ご馳走様レフ。」 その後、アタチは蛆ちゃんの顔とおまたを拭いてあげた。 蛆ちゃんはパンツが無いからウンチはずっと垂れ流し。だからパンツにウンチがたまる気持ち悪さが無いのかも。 「ヒワ、蛆ちゃんには、最初に挨拶を覚えさせたほうがいいと思うよ。」 「…ヒワもそう思うレチ。そうするレチ。」 「後は糞を出しそうなときはどっかにまとめてさせなさい。」 「はいレチ。」 その後、アタチは蛆ちゃん用のベッドを作ってあげた。 とは言っても、ニンゲンママからもらった折り紙を折って、その中にテッシュを入れただけだけど。 アタチは時々自分でこうやってベッドを作って寝るところを変えたりしてる。 蛆ちゃんをベッドの中に入れてあげた。 「これが蛆ちゃんのオネムするところレチ。」 「ウジチャはこれからここで寝るレフ?ふかふかレフゥ。」 蛆ちゃんはベッドに入るとすぐ寝ちゃった。ニンゲンママのお家に来てすぐだし、疲れちゃったのかな。 蛆ちゃんが寝たらニンゲンママが入ってきた。 「ヒワ、今日は日曜だけど、サイコロはどうする?」 「今日はいいレチ。蛆ちゃんがきたレチ。ヒワに妹が出来たレチ。」 「そうだね。」 「ニンゲンママありがとうレチ。」 「いやいや。これからちゃんと蛆ちゃんを育てるんだよ、ヒワ。」 「はいレチィ!」 「ヒワ、風呂はどうする。」 「入るレチ。蛆ちゃんは明日ヒワが綺麗にするレチ!」 「分かったよ。任せる。」 アタチはお風呂に入る。ニンゲンママが用意してくれたお湯に漬かって、体を綺麗にする。 髪の毛は大事。キレイキレイになる。アタチが綺麗になるとニンゲンママも喜んでくれる。 蛆ちゃんはアタチと一緒に入らないと駄目だよね。 寝る前にニンゲンママにおやすみなさいをしてベッドにくるまった。 朝起きると、蛆ちゃんのベッドが緑色になっていた。ウンチまみれだった。 「レチィ…。」 思わずため息が漏れる。でも、きっとアタチが蛆ちゃんだった時もこうだったんだろうなぁ。 「蛆ちゃん起きるレチ。」 「レフ?朝レフ?起きるレフー。」 「そうレチ。蛆ちゃん起きるレチ。」 蛆ちゃんがもそもそベッドから出てくる。下にはテッシュを敷いてあるので大丈夫。 「蛆ちゃんキレイキレイするレチ。」 「レフ?ウジチャ汚くないレフゥ。」 「蛆ちゃんウンチまみれレチ。」 「レフ!?何でウジチャウンチまみれレフ?何でレフー。」 「蛆ちゃん寝ウンチしたレチ。それでコロコロしたらウンチまみれレチ。」 「レフー。ウジチャのオクルミウンチで汚いレフ。キレイにしたいレフー。」 あ、蛆ちゃんは一応「ウンチは汚い」ってことが分かってる。これならトイレも出来るかも。 「蛆ちゃんオクルミ綺麗にするから、脱ぐレチ。」 「レフ?ウジチャオクルミ脱げないレフ。脱がして欲しいレフー。」 アタチは蛆ちゃんのオクルミを脱がしにかかった。頭からスポンって抜ける。後は蛆ちゃんをムキムキするだけ。 これで蛆ちゃんは裸んぼだ。 「後でニンゲンママにオクルミを頼むレチ。」 「オネチャ凄いレフ!ニンゲンママに命令出せるレフ!ニンゲンママはドレイさんレフゥ?」 「蛆ちゃんの馬鹿!!」 アタチは蛆ちゃんを引っぱたいた。ニンゲンママをドレイなんて呼んじゃ駄目なんだ。 …アタチは最初呼んでたんだけど。 「痛いレフ!叩かれたレフ!オネチャが叩いたレフ!痛いレフ!馬鹿って言われたレフ!」 「蛆ちゃん。ニンゲンママはドレイじゃないレチ!」 「で、でもオネチャの言うことを聞くレフ!」 「違うレチ。ヒワ達はニンゲンママの言うことを聞かないといけないレチ。ヒワにもママがいないレチ。」 「レフ?オネチャもママがいないレフ?」 「そうレチ。でも、ママがいなくてもニンゲンママがいるレチ。ニンゲンママがヒワ達のママレチィ♪」 「ニンゲンママがママレフ?ウジチャのママレフ?ウジチャ、オネチャもママもできたレフ!ウジチャ凄いレフ〜ン♪」 ピョピョピュと蛆ちゃんがウンチをする。 「蛆ちゃんウンチはトイレでするレチィ!」 「レフー?」 「トイレは後で教えるレチ。まずはキレキレイするレチ。」 「オネチャ、お願いするレフー。」 アタチは蛆ちゃんをニンゲンママからもらったウェットテッシュで拭く。 蛆ちゃんのお肌はつるつるで拭くとすぐ綺麗になる。つやつやだ。 「おー、ヒワ、蛆ちゃん、起きてたのか。」 「ニンゲンママおはようございますレチ。蛆ちゃんもおはようするレチ。「おはようございます。」はあさの挨拶レチ。」 「おはようございますレフ?」 「そうレチ。」 「おはようございますレフ、ニンゲンママ。」 「おお、おはよう、ヒワ、蛆ちゃん。」 「ママレフ!ニンゲンママがウジチャのママレフ!ママレフ〜ン♪」 「ヒワ、蛆ちゃんどうしたんだ?」 「ニンゲンママがヒワ達のママって教えたレチ。」 「そうか、まぁ…いいけどさ。」 ニンゲンママはちょっと照れくさそうだった。 「お、蛆ちゃん、服はどうしたんだ?」 「レフ?オクルミないレフ。どこ行ったレフ?」 蛆ちゃん、アタチがさっき脱がしたのを忘れちゃったのかな? 「朝起きたらウンチまみれだったから脱がしたレチ。」 「そうか、そうか。」 「だから、ニンゲンママ、蛆ちゃんのオクルミを買ってきて欲しいレチ。」 「あー、そうだな、すっかり忘れてたよ。汚れた蛆ちゃんの服はヒワが洗ってくれるのか?」 「洗うレチ。任せるレチ!」 アタチは自信満々。蛆ちゃんの服だって洗えるよ。 「ニンゲンママ、朝のプニプニをして欲しいレフ〜ン。」 蛆ちゃんがお腹を見せてプニプニをねだる。 「ああ、すまん。お前らの餌を用意してくるから、ヒワにしてもらってくれ。」 「蛆ちゃん、ヒワがプニプニしてあげるレチ。」 「オネチャ、お願いするレフ〜ン♪」 アタチは蛆ちゃんをプニプニしてあげた。とっても気持ちよさそうにレヒレヒ言ってる。可愛いアタチの妹。 「よーし、餌だぞー。」 ニンゲンママがおマンマを持ってきてくれる。昨日と同じようにゼリーがアタチの分と蛆ちゃんの分。 「ウジチャお腹ペコペコレフゥ〜。」 「ヒワ、蛆ちゃん。待て。」 ニンゲンママが「待て」をする。でも蛆ちゃんは構わずおマンマを食べようとする。 「蛆ちゃん、食べちゃだめレチィ!」 アタチは蛆ちゃんの体を抑えてとめる。 「何でレフ!?おマンマが出てきたレフ!食べるレフ!」 「ニンゲンママが「待て」と言ったら食べちゃ駄目レチ!」 「駄目レフ?」 「ヒワ達はニンゲンママが「食べていい。」って言うまで、おマンマは食べちゃ駄目レチ。」 「難しいレフー。おマンマが目の前にあるのに食べれないレフー。」 少し経ってから、ニンゲンママがにこりと笑って、「よし」をしてくれた。 「蛆ちゃん、食べていいレチ。」 「食べるレフゥ〜。」 「蛆ちゃん、食べる前にいうことがあるレチィ。」 「レフ?おはようレフ?」 「違うレチィィィィ!頂きますレチィィィ!」 その後、蛆ちゃんと一緒におマンマを食べた。 アタチはもう一度「頂きます」と「ご馳走様」を教えた。蛆ちゃんの時ってやっぱり色々覚えれないのかな。 後は、蛆ちゃんのオクルミをお洗濯しなきゃいけない。 アタチはお洗濯用のカップの中で蛆ちゃんのオベベを洗った。 ニンゲンママが用意してくれた「せんたくいた」って言うのを使うと、おててで洗うより綺麗になる。 洗った蛆ちゃんのオベベは干しておくだけだ。 お洗濯を終わらせ、お家に戻った。 「レフェフェエエエェェェェン…。」 蛆ちゃんが泣いている。何があったんだろう。 「レフェェェェェェ…ウジチャウンチまみれレフー。いやレフゥ。」 本当にウンチまみれ。ウンチをした後で行ったり来たりしたんじゃないかな。 「レチィ…。蛆ちゃん。ヒワがお風呂にいれてあげるレチィ。」 「お風呂レフ?ウジチャお風呂入ったこと無いレフ!初めてのお風呂レフ!」 蛆ちゃん昨日生まれたばっかりだから、初めてのことばっかりじゃないのかな? アタチは蛆ちゃんをテッシュの上に置いて、お家を綺麗にした。 その間蛆ちゃんは「お風呂レフー。お風呂レフー。」とお鼻をピスピス、しっぽをピコピコさせていた。 お家を綺麗にした後、蛆ちゃんのテッシュで軽く拭いてから、お風呂に連れて行った。 …きっと蛆ちゃんの今までを見てると、お風呂に漬かるとウンチするよね。 とりあえず、蛆ちゃんの体を綺麗にすることにした。 蛆ちゃんの体に、お湯をかける。ニンゲンママからすると凄くぬるいらしいけど。 「レヒ!あったかいレフ!冷たいお水じゃないレフ!」 「そうレチ。これがお湯レチ。あったかいレチィ♪」 蛆ちゃんの体にお湯をかけていく。お顔にお湯をかけたときはちょっと苦しそうだった。 「蛆ちゃん、綺麗にするレチィ♪」 ニンゲンママからもらったゴシゴシにアワアワの素をつけて、蛆ちゃんの体を洗っていく。 「レフ?ヌルヌルするレフ。ヌルヌル気持ちいレフ〜ン♪」 ピュピョピュピョ。やっぱり。でも予想済みだし、そのままおまた以外を洗う。 「レヒ。このヌルヌルアワアワレフ。アワアワレフ〜ン♪」 蛆ちゃんは体を綺麗にされて、おけけを綺麗にされて嬉しそう。後は泡を流した。 「レフ。この後はあったかいお風呂に漬かれるレフ〜ン♪」 何処でそんな事知ったんだろう。でも、蛆ちゃんをお湯に漬けるとウンチを一杯しちゃう。 ニンゲンママならそのままお湯を変えれるけどアタチがやると大変だ。 「蛆ちゃん。今日はお湯に漬かるのは無しにするレチ。」 「何でレフ!?蛆ちゃんお湯に漬かるレフゥ!」 「レチィ…蛆ちゃんお湯に漬かってもウンチしないレチ?」 「しないレフ!ウジチャウンチしないレフ!」 そういってピュピュプとウンチをする蛆ちゃん。アタチのウンチも量が凄いけど蛆ちゃんも負けてないみたい。 「分かったレチ。漬かってみるレチ。蛆ちゃんウンチしたら終わりにするレチ。」 「大丈夫レフ!任せるレフ〜。」 アタチは蛆ちゃんをお湯に漬けてみた。 「あったかいお湯気持ちいレフ〜ン♪う、う、ウジチャ気持ちよすぎるレフ〜ン♪」 プリピリピョピョピョ。ほら、やっぱり…。 「蛆ちゃん、ウンチしてるレチ。」 「してないレフ!してないレフ!ウンチのにおいレフ!?あったかいお湯がウンチのにおいレフ!」 「やっぱりしちゃったレチ。だから蛆ちゃんお湯に漬からないほうがいいって言ったレチ。」 「レフェェェェェ…オネチャ、ごめんなさいレフゥ…。」 アタチは蛆ちゃんをお湯からあげて、もう一度体を綺麗に洗った。 その間中蛆ちゃんはめそめそ泣いていた。どうにかして蛆ちゃんにトイレを覚えさせれないかなあ。 アタチは蛆ちゃんの体を拭いて、お家に戻った。 「オネチャごめんなさいレフ。お風呂汚くなっちゃったレフ。」 「大丈夫レチ。お風呂は洗えばいいレチ。でも、蛆ちゃんはこれからトイレを覚えなきゃいけないレチ。」 「この前も言ってたレフ。トイレって何レフ?」 アタチは蛆ちゃんにトイレを教えてあげた。 ウンチはトイレでするということ。トイレですれば周りは汚れないということ。 トイレですればニンゲンママに褒められるということ。 蛆ちゃんは感心して聞いていた。そして「ウジチャもトイレを覚えるレフ!」と意気込んでいた。 とりあえず、今日はお昼寝をすることにした。 アタチは蛆ちゃんのベッドの隣にベッドを置いて、一緒に寝ることにした。 「蛆ちゃん、寝るときは「おやすみなさい。」レチ。」 「おやすみなさいレフ。」 「そうレチ。よくできましたレチィ♪」 蛆ちゃんの頭をなでてあげた。蛆ちゃんは「なでなでレフ〜ン」と尻尾をピコピコさせていた。 アタチは蛆ちゃんに「おやすみ」を言って、お昼寝することにした。 「いただきまフレフ。」 蛆ちゃん、朝起きたときは「おはようレチ」。そう言おうと思って、体を起こした。 「う、蛆ちゃんウンチ食べちゃ駄目レチィィィ!!」 蛆ちゃんがベッドの中にした自分のウンチを食べようとしている。 「ウジチャお腹へったレフ!何か食べたいレフ!目の前にウンチがあったからウンチ食べるレフ!ウンチはきっと美味しいレフ〜ン♪」 ウンチが美味しいってどこで習ったの? アタチも蛆ちゃんのときは言っていたけど今じゃ絶対美味しくないと思うのに。 「何でレフ?何でウンチ食べちゃ駄目レフ?ウンチを食べるのはウジチャの常識レフ〜ン♪」 蛆ちゃんは頭がいいのか悪いのかよく分からない。 蛆ちゃんの常識って何処で覚えるの? 「駄目レチィ!飼い実装はウンチを食べちゃ駄目レチ!飼い蛆ちゃんも駄目レチィ!」 「駄目レフ?ウンチこんなに美味しそうレフ〜ン。」 「駄目って言ったら駄目レチィ!」 「食べたいレフ。ウジチャお腹すいたレフ。ウンチ食べるレフゥゥゥウゥゥゥゥゥ!」 その台詞、アタチもどこかで聞いたー!と思いながら蛆ちゃんをウンチから引き離した。 「駄目って言ったレチ!言うこと聞かない蛆ちゃんはお仕置きするレチ!」 「いやレフゥ!おしおきいやレフゥ!痛いのいやレフゥ!」 「大丈夫レチ。痛いお仕置きじゃないレチ。でもお仕置きレチィ!」 「レピィィィィィ!!」 「ただいまー。」 「おかえりなさいレチィ♪」 ヒワ部屋から親指実装がレチレチ歩いてくる。あれ、蛆ちゃんがいない。 「ヒワ、蛆ちゃんはどうした?」 「ウンチ食べようとしたからお仕置き中レチ。」 「あー、やっぱりねぇ。蛆ちゃんは糞を食べたがるみたいだからなぁ。 最初からよっぽどしっかり躾けないと駄目らしいしね。あ、それといわれてた蛆ちゃんの服買ってきたよ。」 僕はヒワに蛆ちゃんの代えの服を渡そうとした。 「ニンゲンママ。お願いがあるレチ。蛆ちゃんの、そのオクルミにちょっとした細工をして欲しいレチ。ヒワには出来ないレチ。」 「ああ、僕が出来そうなことなら大丈夫だよ。」 僕はヒワに内容を言ったが、一応出来そうなことなので、OKを出した。 「で、蛆ちゃんはどうなってるんだ?」 ヒワの水槽に蛆ちゃんを見に行く。 「レフェェェェェン…オネチャごめんなさいレフ…。ここから出してほしいレフー。プニプニもないレフー。」 蛆ちゃんはヒワのお得意の箱詰めにされていた。 しかも仰向けになることも、前に行くことも後ろに行くことも出来ない状況だ。 寿司詰め蛆ちゃんとでも言うところか。寿司詰め?あ、寿司食いてーな。 「おー、ヒワ。腕が上がったなぁ。」 「レフ?ニンゲンママレフ?出して欲しいレフー。オネチャに閉じ込められたレフー。レフェフェエエェェ…。」 「ヒワは蛆ちゃんを閉じ込めたんじゃないんだよ。蛆ちゃん、糞食べようとしたんだろ?」 「したレフー。ウンチ美味しそうだったレフー。」 「僕の家では糞を食う蛆ちゃんはいらない仔なんだ。」 「レフ!?いらない仔レフ!?」 「そうだよ。蛆ちゃんが糞を食べたら、捨てられちゃうんだぞ。そうするとヒワも僕も居なくなっちゃうんだ。」 「レヒ!?いやレフゥ!ウジチャ一人ぼっちいやレフゥ!」 「嫌だね?一人ぼっちは嫌だね?」 「嫌レフゥ!嫌レフゥ!オネチャとニンゲンママと一緒にいるレフゥ!」 「じゃあウンチ食べないレチ?」 「食べないレフゥ!ウジチャウンチ食べないレフゥ!!だから一緒にいたいレフゥ!」 「分かったみたいだね。ヒワ。今日から蛆ちゃんの餌を少し増やすことにするよ。」 「分かったレチ。お願いしますレチ。」 次の日。 アタチは蛆ちゃんにニンゲンママに細工してもらった特製蛆ちゃんオベベを着せた。 蛆ちゃんは「新しいオクルミレフー♪」と喜んでいた。でも、きっとそのうち気が付く。 蛆ちゃんと一緒にボール遊びをする。一番最初にニンゲンママにもらったおもちゃ。 いつもはアタチが転がして遊ぶけど、今日は蛆ちゃんとキャッチボールをする。 アタチが蛆ちゃんに向けてボールを転がす。蛆ちゃんが頭でボールを返す。 「ボール遊び楽しいレフー。コロコロレフー。」 「コロコロレチ!コロコロ…コロコロレチ!蛆ちゃん、コロコロするレチ?」 「コロコロって何レフ?」 アタチは蛆ちゃんにコロコロを教えてあげた。 ボールじゃなくて蛆ちゃんをコロコロ転がすの。蛆ちゃんは楽しそうだと喜んでくれた。 「コロコロレチ〜。」 コロコロと蛆ちゃんが転がる。コロコロはお腹も刺激されて楽しい。 今だってアタチもコロコロすると楽しいんだけど。 「コロコロ楽しいレフ!しかも気持ちいいレフ〜ン♪」 あっちへコロコロ、こっちへコロコロ。もうじきかな? ピュピョピョプと蛆ちゃんのウンチの音が聞こえる。 「レフ?レピ!レッピィィ!ウンチが外に出ないレフ!オクルミの中に入ってるレフゥ!」 アタチはニンゲンママにオクルミのおまたの部分を縫い止めてもらった。 こうすればウンチがオクルミの中にたまる。蛆ちゃんはウンチが気持ち悪いって言ってたから効果があるはず。 とりあえず五枚だけ、とめてもらった(十枚入りだって)。元に戻すのは簡単だって言ってた。 「なんでレフ!ウンチオクルミの外にでないレフゥ。ベチョベチョするレフ。気持ち悪いレフゥ〜。レフェエエエエン…。」 「蛆ちゃん。ウンチはトイレでしないとそうやって気持ち悪くなるレチ。」 狙い通りだった。 「レフェエエエエ…ウンチ気持ち悪いレフゥ…。」 「蛆ちゃんこれから、ウンチが出るときは我慢するレチ。」 「そしたらウジチャパキンしちゃうかもしれないレフ。」 「パキンするときはわかるレチ?そしたらその少し前にオネチャに言うレチ。」 「…やってみるレフゥ。」 「蛆ちゃん。オクルミを代えるレチ。もし、またウンチを漏らしたらオクルミの中にウンチをためちゃうレチ!」 「レピィィィィ!いやレフゥ!気持ち悪いのいやレフゥ!ウジチャがんばるレフゥ!」 その後、アタチは蛆ちゃんの縫い止めたオクルミを洗ったときに、自分の計算の甘さを思い知った。 オクルミの中はウンチまみれで洗うのに凄く苦労をしたからだ。 でも、蛆ちゃんがトイレできるようになればいいのだと、自分に言い聞かせた。 ヒワが蛆ちゃんの服に細工をしてからしばらくたった。 最初は上手く糞のコントロールができなかった蛆ちゃんだったが。最近はだいぶマシになってきたようだ。 「ただいまー。」 「おかえりなさいレチィ。」「ニンゲンママお帰りなさいレフ〜。」 水槽の中で二匹が僕にお帰りをする。随分ほほえましい光景だ。 「ニンゲンママ、見て欲しいことがあるレチ♪」 「ほぅ。どうしたんだい?」 「レフ〜ン♪ウジチャニンゲンママにプニプニして欲しいレフ〜ン♪」 「いいよ。」 僕がプニプニしようと水槽に近づいたときだった。 「ニンゲンママ。ちょっとまってレフ。」 蛆ちゃんがぴこぴこ歩いていく。その先にはヒワが作った糞箱…蛆ちゃん用のトイレがある。 その前で蛆ちゃんが仰向けになって、お腹を見せた。 「お腹プニプニしてレフー。」 「おっけー。」 プニプニ。僕が蛆ちゃんのお腹をプニプニすると、プピョピョピュプと糞を撒き散らした。 その糞は糞箱の中に注がれていく。 「おー。」 僕は素直に感心した。二匹で知恵を出し合ったんだろう。 「もう少ししたら蛆ちゃんも外に出てもいいくらいかな。」 「ほんとレチ?蛆ちゃんも一緒にお部屋で遊べるレチィ♪」 ヒワの鼻ピスピスと耳ピコピコ。蛆ちゃんもよく分からないけど楽しみらしく鼻ピスピスと尻尾ピコピコをしている。 「うーん…何時までも蛆ちゃんじゃない方がいいか。蛆ちゃんにも名前をつけるかな。」 「蛆ちゃんも名前もらえるレチ?」 「そうだね…蛆ちゃん。蛆ちゃん…クルミ。クルミにしよう。」 「蛆ちゃんはクルミレチ?クルミレチィ♪」 「ウジチャはクルミレフ?ウジチャはクルミレフー♪」 それから蛆ちゃんは…クルミは名前をもらったけど、自分のことは「ウジチャ」と何時までも呼んでいた。 まぁ、蛆ちゃんだから仕方ないか。 それから三年が過ぎた。 僕は庭先で石に座っている。そこには野良実装が入り込まないように丁寧に網で囲まれている家庭菜園があった。 そこ家庭菜園の隅には土が盛られ、そこに木が刺さっている。 僕の足元には少し大きめの…少し?ええと、30cmほどの大きさの蛆ちゃんがいる。 「レフー。もう一年レフー。」 「そうだね…。」 蛆ちゃん…クルミに名前をつけてから二年後。 ヒワは突然病気になった。 というか、食べても食べても痩せていくのだ。 どんなに栄養剤を飲ませても駄目だった。 僕はよしゆきに相談した。よしゆきならば、下手な実装医師よりよっぽど信用できるからだ。 しかし、よしゆきの答えは残酷なものだった。 「これは、俺には無理だ。いや、どんな奴もまだ治せない。」 実装癌。それがよしゆきが言った病名だった。 ヒワの体の中には大きな腫瘍状のものが存在していた。 実装石の再生能力は高い。それは偽石があってこそだ。 しかし、偽石のシステムの解明はされていない。 ただ、実装石にとって必要であり、生命の源とされている。その程度しか分かっていない。 その偽石にその「腫瘍状」のモノの「存在が書き込まれている」というものだった。 よって、体内の腫瘍を取り除いても、腫瘍ごと再生してしまう。 よしゆきに頼んで、数回除去してもらったが、無駄だった。 よしゆきが言うにはこの症例は、世界でも数が少なく、治る確率はゼロだということだった。 それからは早かった。ヒワは見る見るうちにやせていき、動けなくなった。 場所を動くときはクルミの上に乗って移動した。それくらい動けなかった。 数ヶ月後、ヒワは全く動けなくなっていた。寝たきりの状態だった。 「ヒワは…ニンゲンママとクルミと一緒に暮らせて幸せだったレチィ…。」 といって、ヒワは息を引き取った。 僕とクルミは一緒になって泣いた。 あれから仲良くしてくれたマカ達も一緒になって泣いていた。 これじゃ、僕はもう本当に愛護派の仲間入りだ…。そう思ったけど、ヒワが死んだことはやっぱり悲しかった。 よしゆきはずっと下を向いて歯を食いしばっていた。 「こんなときに何も出来ずに、虐待派をしている意味があるのか。 親友の飼い実装一匹救えずに何が虐待派か。」 そんな一言でよしゆきの友情を感じた。 その時、よしゆきが言っていた台詞。 「実装石には、人の数だけ世界がある。」 実装石そのものの生態は一定ではない。 どうやって成長するかもよく分かっていない。 数多くの「世界」が存在している。 実装癌がない世界も、愛護派が弾圧されている世界も、虐待派が弾圧されている世界も、 リンガルが無い世界も、食用で使われている世界も、 実装シリーズと呼ばれ、実装石とは別の実装生物が居る。 そんな世界もあると。 よしゆきは時々電波がかっているが、なんとなく、その台詞に納得した記憶がある。 「なあクルミ。」 「何レフ?ニンゲンママ。」 「ヒワは…この世界で幸せだったのかな。」 「オネチャは幸せだったと思うレフ。クルミも幸せレフ。レフレフ〜ン♪」 「そっか。そうだよな。ヒワは幸せだったよな。妹のお前が言うなら間違いないか。」 「レッフー♪」 クルミは尻尾をピコピコ振っている。 ヒワ、もし違う世界で僕と出会って、一緒に暮らしていったとしても… そこでもヒワとクルミ幸せに暮らしていこうな----------------。 「よーし、クルミ。今日はトマトでも収穫するか。」 「クルミは甘いトマトが食べたいレフーン♪」 庭木にとまっていた緑色の鳥が「チィ」と鳴いて飛び去っていった。

| 1 Re: Name:匿名石 2024/02/01-12:40:03 No:00008668[申告] |
| 時々仔実装よりも長生きする蛆実装、この作品だと3年間以上生きてる蛆実装を見ると何か違和感がすごい |