タイトル:【虐】 飼いと野良の話です(?)
ファイル:なりかわる.txt
作者:防災双葉 総投稿数:18 総ダウンロード数:4070 レス数:0
初投稿日時:2009/05/31-20:40:31修正日時:2010/11/21-02:47:28
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---------なりかわる---------


夫人が出掛けるのを電柱の影から見届けると
1匹の野良実装が家に向かい歩き出した。

普通の家のドアは実装石では開けるのが困難だったが、
その横にある実装石ドアから侵入したのだ。
飼い実装用の物だが家人が鍵を掛け忘れたようである。
慌てていたのか、門の扉が開いていたのも実装石には好都合だった。

「何とか入れたデスゥ・・・」

キッチンに向かった実装石は冷蔵庫を開けようとする。が
開かなかった。
並の実装石であれば業を煮やし、糞でも投げていたかも知れない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ニンゲンのオウチに入ったら形跡を残したらダメデス。
 もし見付かったら死ぬよりツラい目に遭うデス」
親実装の言葉が脳裏をよぎる。


「デププ・・・世界一カシコイワタシならうまくやるデスゥ♪」

・・・侵入した家で食材を喰い散らかし、糞を撒き散らす。
更に帰宅し、状況に呆然としている家人にも糞を擦り付け、
「これでこの巣はワタシのオウチデスゥ♪オマエはワタシのドレイデスゥ
ありがたk・・・」

 翌日。

完膚無きまで殴られ蹴られ、禿裸にされ、片目を抉られ、両手両足を切断され、
焼き潰された上、総排泄孔から脳天まで割り箸で串刺しにされ、
公園に捨てられた挙句
寄ってたかって同属に嬲られ、喰われた姉を思い出す。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

辺りを見回しても手の届く範囲に食べられそうなものは無い。
ふと、隣の部屋の光景が目に入る。
タオルケットの上に何かがいる!
純白の実装服に身を包み、横たわっている実装石。どうやら眠っているようだ。

見ているうちに腹が立ってきた。
それは決してこの飼い実装に責があるわけではない。
飼い実装として虐待に近い訓練を受け、愛護派に買われ、贅沢な暮らしをした。
野良実装として同属の野良に親と仔を殺されながらも、ギリギリの生活をして来た。
・・・それだけである。

気付くと、野良実装は飼い実装をボコボコ殴っていた。
しかし反応は無く、その体は冷たかった。

「・・・デェ・・・死んじゃったデス?・・・」
不意に外で車の止まる音が聞こえる。
夫人が帰ってきたようだ。
「マズイデス!」
咄嗟に飼いの服を脱がせ、自分が着る。
動かなくなった飼いを箪笥と壁の隙間に押し込み、その上に自分の服を被せる。

タオルケットの上に仰向けに転がると寝たフリを決め込む。
その瞬間、夫人が入って来た。
後には黒い服を着、白い手袋を付けた男が二人。
実装石の横に正座すると手を合わせる。

『では早速ですが・・・白保君頼む』
背の高い男が夫人に声をかけ、眼鏡の男に合図する。
『お願いします』
夫人は深々と頭を下げ、白保と呼ばれた男と供に部屋の外に出る。
暫くすると、白保が箱を持って入って来た。
男は箱から道具を取り出し、実装石の口を開かせる。
『・・・?』
男の動きが一瞬止まる。
「・・・?」
実装石は驚いていた。何か食べさせてくれるのだろうか?

『年秋先輩、どうかしましたか?』
『いや、何でもない』
何かを一粒口に放り込まれた後、脱脂綿を口の中に押し込まれる。
「!!」
実装石は声が出せなくなった。その後の作業は手早く行われた。
総排泄孔にも脱脂綿が詰め込まれ、腕と足を布で縛られる。
タオルケットの上に寝かせられる。

「苦しいデスゥ・・・」
実装石は呻いた。しかし声も出せず、体も動かない。
年秋が合図をすると白保は夫人を連れてきた。
『終了しました。』
『お疲れ様でした。あちらにお茶の用意をしてございますので』

『では明日』
実装石の横に大きな箱を置くと二人は帰って行った。

その夜、実装石の傍らに夫人が付き添っていた。
『ラルドちゃん・・・こうして見るとまだ生きてるみたい。
 触れてみるとまだ温かい気がする。貴方との想い出が蘇って来るわ・・・』
夫人はハンカチでそっと目元を拭った。
「うるせーデス!触るなデス!ゴハン喰わせろデス!ウンチさせろデス!
 助けろデス!じゃなきゃ、とっとと何処か行けデス!バカニンゲン!」
いくら叫んでも声は出せず、身動きも取れなかった。


 翌日。

実装石は箱に入れられた。
庭では五匹の飼い実装達とその飼い主他二十人ほどの人間が並んでいた。
夫人のとラルドの関係者である。
うち、二匹はラルドの仔であった。
「ママしんじゃったテチ?テェェェン!」
「エメちゃん。泣いちゃダメテス。ママが悲しむテス・・・テスンテスン」

『それでは最後のお別れでございます。』
黒いワゴン車のバックドアが開き棺が納められる。
運転席に白保、助手席に年秋が乗り込み静かに走り出す。
サイドには”双葉ペット葬儀社”の文字が刻まれていた。
乗用車が後に続く。後部座席に遺影を抱いた夫人と、位牌を持った夫。

ペット焼却場に向かう途中、夫人は俯き肩を震わせていた。
ラルドを買ってから自分の子のように厳しく優しく育ててきたのだ。
里子に出した二匹の仔がその遺志を継いでくれるだろう。
そう呟いて夫はそっと夫人の肩を抱く。

ペット焼却場に向かう途中、年秋は俯き肩を震わせていた。
『そんなに悲しかったですか?先輩』
『プッ。ププッ。ダ〜ッハッハッハッ!!こいつぁ堪らん!!』
年秋はバンバンとダッシュボードを叩く。
ギョッとする白保。
『ちょ、先輩!不謹慎ですよ。ご遺族の大切な・・・』
『まぁ待て待て、お前は真面目すぎていかん』

『アレは生きてるよ』
真面目な顔に戻る年秋。
『え?じゃぁラルドはまだ?』

『違う。アレはラルドじゃない。他の・・・多分野良の実装石だ。
 一昨日”死装束”を着せた時はラルドは確実に死んでた。
 割れた偽石をお前も見ただろう?
 でもな、昨日処理をした時に体温があったんだよ。
 いつか知らんが、すり替ったんだ
 まぁ、騒がれても厄介なんで細工をしたんだ。綿を詰める前にコイツをな』
そう行ってポケットから錠剤を取り出す。

『この薬は実装石の動きを封じる働きがあるんだ。成分は・・・まぁ企業秘密
 らしいが、実装シビレに近いものらしい。
 もちろん実装石以外には効果はないけどな。
 これを口に放り込んで綿を詰めたんだ。御婦人はショックで気付かなかった
 みたいだな』
リアウィンドウ越しに後ろの車を見ながら年秋は錠剤をしまう。

唖然とする白保。
『それなら、コロリの方が確実じゃないですか?』
その質問にニヤリと笑って答える。
『あれは作用が強い。体中の穴から体液が噴出す事があるからな。
 クライアントの家を汚すわけにもいかないだろ?それに・・・
 いや、なんでもない』

『じゃあラルドはどこに行ってしまったんでしょうねぇ?』
『答えは簡単だ。古今東西、野良は飼いを喰って成り代わるものだ。
 今頃糞にでもなってるんじゃないか?
 尤も、死んだ実装と成り代わってどうするかは知らないけどな』

『でもやっぱり・・・』
『莫〜迦。そりゃ俺だってお客様の大切なパートナーなら真摯な態度で
 臨むさ。でもな、今運んでるのは全く関係無い。いや、むしろ
 お客様の仇だろ?その仇討ちだよ』

広いロータリーを回り、二台の車が建物の前に横付けされる。
白保は棺を台車に載せ、年秋と供に中に入る。少し遅れて家族が続く。
最後の挨拶を済ませる。

『二十分程で終了致しますので控え室の方にてお待ち下さい。
 尚、誠に恐れ入りますが、実装石様の場合ですと、お骨が残りませんので
 予めお取り置きの”命の石”をお持ち下さい』

係員が指示を伝え、白保が和紙に包んだラルドの割れた偽石を返す。
墓地に埋めるのか。カプセルにでも入れて後生大事に持ち歩くのか。
その判断は遺族に委ねられる。

 ”三号室”と表示された分厚い扉の前。
年秋が棺の蓋を開け、摘み上げた実装石と対面していた。
『よう!野良蟲ちゃん♪よく生きてたなぁ♪』
「・・・!!」
口に脱脂綿を詰め込まれている為、声が出せない。
排泄も出来ない為、妊娠実装よろしく腹が膨れている。

ガンッ!
「!!」
実装石の頭に強い衝撃が走る
意識が遠のきかけたところで、頬が思い切り抓ね上げられる。
棺に入っていたラルドの遺品のリンガルを使い話かける。
『これは俺たちを騙してた事へのご褒美だ
 よくぞお客様を喰ってくれたなぁ。この腹に飼い実装が入ってるのか?
 本当はこの場でグチャグチャに潰してやりたいが床を汚すわけにはいかないからな』

年秋は炉を指差す。
『これはお前を焼き尽くす為の部屋だ。一度入ったら骨まで焼けて何も残らない。
 入りたいか?』
実装石は辛うじて動く首を横に振る。
『そうだよなぁ。生きたいよなぁ。』
今度は首を縦に振る。

敏明はリンガルだけを棺に戻してから蓋を閉め直し、炉に押し込む。
『お願いします』
マイクに向かって一言言うと炉の扉が自動で閉鎖された。
ゴン!という音が炉に火が入った事を示す。

控え室に終了の連絡が入る。
炉から出て来た物は僅かな灰とリンガルの残骸だけだった。
『これでラルドも天国に逝ったのね・・・』
夫人が寂しそうに呟く。
『ええ。きっと(空っぽだけど)』

夫妻を自宅まで送った後、料金を受け取り帰路に着く。
後ろのシートに置かれたダンボール箱の中に実装石が入っているのを
知っているのは敏明だけであった。もちろん拘束はそのままにし、
箱はガムテープで封印してある。

『先輩。何であんな薬持ってたんです?』
『ん?企業秘密だ』


会社から自宅に向かう途中、敏明は公園に入る。
そこで持っていた箱を開け逆さにし、実装石を落とす。
『さて・・・』
足元に転がる実装石の膨らんだ腹を踏み潰す。
「デポォォッ!」
口と排泄孔から大量の糞と供に綿が吐き出された。
デホデホと咽る実装石の顔に蹴りが入る。
「デギャッ!デホッ!」
近くの水道まで蹴り転がし、水で糞や体液を洗い流す。
ついでに口に蛇口を突っ込み最大水流で腹の中身も洗い流す。

『ここに居ろ』
家に着き、グッタリした実装石を裏庭の木にロープで縛りつけておく。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

三ヶ月ほど前、帰宅した年秋が目にしたものは
冷蔵庫を漁り、食料を喰い荒す一匹の実装石だった。
辺りには糞が散乱している。
実装石は呆然と立ち竦む年秋に糞を擦りつけた。

「これでこの巣はワタシのオウチデスゥ♪オマエはワタシのドレイデスゥ
 ありがたk・・・」

その糞蟲を年秋は飼う事にした。
「デギャァァァァ!!」
両手両足を板に釘付けにし、蓋付きポリバケツに放り込んでおいた。
「デボォォォォッ!!」
餌は一番安価なフードを水に溶き、注射器で総排泄孔から胃に直接注入する。
口からは糞蟲の糞を押し込む。

年秋は実装向けの薬品会社に勤める友人に頼った。
そして出来たのがあの薬である。

薬を飲ませ”最後の処置”をした後公園に捨てた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その日は休日だった。
年秋は偽ラルドのロープを解くと後ろ髪を持ち、振り回す。
ブンッ!ブチッ!!
「デェェェッ!」バン!
髪が頭から抜け、体が塀に打ち付けられた。
ピクピクと痙攣する体を持ち上げ服を脱がせ、前髪を引き抜く。
それを地面に置くと偽ラルドを放り投げる。

『ここまで取りに来られたら返してやる』
「デェ・・・」
全身がボロボロになりながら這って来る。
距離20cmに近づいた時
『はい。時間切れ♪』
年秋はロングタイプのライターで服と髪に火を点けた。

『前に莫迦な実装石が来た事があってな』

カッターで手足を切り取りライターで炙る。
「デギャァァァァッ!」
フォークを左目に突き刺し抉り抜く。
「デギィィィィッ!」
最後に総排泄孔から脳天まで割り箸で貫く。

『さて。公園に帰ろうか♪』
年秋は公園の砂場に割り箸を突き立てた。
暫くすると、凶悪な顔をした同属たちが周りを取り囲んでいた・・・
「デギャァァァァァ!!」


「デギャァァァァァ!!」
そう叫んだつもりだったが声が出なかった。
目を開けると、今までの体の痛みが嘘のように引いていく。
拘束されてはいるが、手足の感覚もある。
両目も見えていた。周りは暗く同属の姿は無い。

「・・・あれは・・・オネーチャの夢だったデスゥ?・・・」

ガタンと体が揺れた。
「ワタシ・・・生きてるデスゥ・・・?」

遠くでガチャンと重い音がする。
「良かった。行きてるデスゥ・・・!」

ゴン!という音が聞こえ・・・


その音を聞いて年秋は火の入った”三号室”のドアに目を向ける。

『そろそろネムリの効果が切れてくる頃か。
 どんな夢見てたんだろうな。
 まぁ葬式まで上げて貰えたんだ、シアワセに思え』


 一週間後

自宅にいた夫人は異臭に気付いた。
その発生源はどうやらラルドが居た部屋らしい。
箪笥と壁の間に箒を入れ掻き出すと実装石の腐乱死体が出てきた。

『全く。何処の野良かしら!』
夫人は吐き気を堪えながら。死体をビニル袋に詰め、外の回収箱に放り込んだ。




ーーーあとがきーーー

虐待オチにするか、生きたまま火葬にするか悩んだ挙句こうなりました。
優柔不断なワタシをお許し下さい・・・orz

過去のスクリプト

温泉地の山実装
雪玉
いまどき
いまどき・II
手袋
ショートストーリー
ショートストーリー・II
しゃぼんだま
煎餅
実装石の人間観察
公園の夜
降る
無い

感想を寄せて頂いた方、本当に本当に有難う御座います。
m(__)m




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