親実装は考えていた。 この灼熱の夏をどう乗り切るかを。 ひ弱な実装が公園で生き残るには運しかない。 成体だけならば確立も上がるが、五匹の仔を持つ彼女は例外だ。 「ニンゲンさんに頼るしかないデスゥ…」 だが、ニンゲンと関わっても殺されるのオチだ。 ----------------------------------------------------------------------------- ①「テッチューン♪可愛いワタシを飼うことを許すテチィ♪」 媚びることは厳禁。 この前、ニンゲンに媚びて家族丸ごと虐待されるのを見た。 ②「チププ… これぞワタシの叡智を結集した崇高なる作戦テチ」 風の噂で聞いた話。 ニンゲンが家に入る時にはドアを開ける。 その隙を突いてニンゲンの家に侵入した糞蟲が殺された。 ③「ごめんね… ママがミドリちゃんは飼えないって」 数時間前に小さいニンゲンに飼われた実装が、すぐに公園に戻ってきた。 どうやら大きいニンゲンに認められなければ飼い実装にはなれないらしい。 当然その元飼い実装はリンチを受けて死んだ。 ④「行くデスゥ! ワタシの夢を乗せて飛んでけデスゥ!」 コンビニでの託児などもっての他。 袋に上手く入らなければ仔は死ぬし、賢い実装達の間で最も評判の悪い行為だ。 ⑤「ご主人様ー! ウマウマ喰わせろデスー!!」 成り代わりは絶対に失敗する。 ⑥「デェェぇーーーーン!! ご主人様ーーー!! 早く迎えに来てデスゥゥ!!」 「ママーーー!! おなかペコペコテチューーー!!」 「暑いテチィ! アイス食べたいテチューーー!」 「ウ、ウジチャンパキンしちゃうレフーーー!」 飼い実装になっても安泰ではない。 ニンゲンはちょっとの粗相で理不尽に実装を捨てる。 それに上げ落としという虐待法があるらしい。 ----------------------------------------------------------------------------- 「ど、どうしたらいいデスゥ…」 考えれば考える程、頭が痛くなる。 もはや公園で死ぬのを待つしかないのか。 親実装がそう悲観していた時、ニンゲンの話し声が聞こえてきた。 「なぁ敏明、今日お前の家泊めてくれへんか!?」 「えー、どないしたん? つか、お前きったないなー」 「家がのうなってしもうたねん。俺行くとこないんや。あー、これじゃ俺ホームレス高校生やんけ」 「しゃーないなー。そやったら家来いや」 「持つべきもんはやっぱ友達やなー」 二人のニンゲンは自転車を引きながら去っていった。 「デェ… 、、、デス!! ひらめいたデス!」 ----------------------------------------------------------------------------- 実装親子は公園の前に来ていた。 ニンゲンが来るのを待っているのである。 親実装は仔実装にひらめいた名案の説明をしていた。 「…と、いうわけでニンゲンさんの飼い実装になるためには危険がいっぱいデス」 「怖いテチィ…」 「レチュ? なんで奴隷に気を使わなきゃいけないレチ? 可愛いワタシが飼われるのは義務レチュ」 親実装は糞仔蟲には構わず続けた。 「デスが、ニンゲンさんは私達実装より遥かに友情に篤いデス。 困っているお友達には優しくしてくれるデス。 だから、お前達はニンゲンさんに飼われるのではなくお友達になって貰うデス」 ----------------------------------------------------------------------------- ============================================================================= (一匹目) あー! たく! なんで俺が営業なんだよ! 俺は技術者だ! 新入だからって舐めんじゃねぇぞ! 人事ミスだ! 采配 馬鹿か! 絶対に許さないかんな!! 「テチューー! テェテェテッチューーーーー!!」 うわ! なんだこの野郎! せっかく買った御ニューの靴に土まみれの花なんか付けんじゃねぇ!! この糞蟲が! 死ね! 「チュベッ!!」 ----------------------------------------------------------------------------- 一匹目の仔は黒服の男に踏み殺された。 「デゲェェ… 黒ニンゲンは危険なようデス…」 ============================================================================= (二匹目) 「テッチューン♪」 あ… 小人さんだ。 小さいなぁ、手に乗っちゃうなぁ〜 可愛いなぁ〜 「テェェ〜テェ〜、テェェ〜〜〜♪」 歌ってる… 可愛いなぁ、家に連れてこうかなぁ… 「テッテチュ、テチュテッチュ!」 踊ってる、可愛いなぁ… 「テッテチュテテテッチュ! テテ…!」 ポテッ(手の上から落ちた) あ、落ちた。 ま、いっか。 ----------------------------------------------------------------------------- 二匹目の仔は不慮の事故で死んだ。 「あの仔は馬鹿デスゥ! あれじゃ媚と同じデスゥゥ!! オロローーーン!!」 ============================================================================= (三匹目と蛆) 「テテチュー! お友達になるテチュー!」 「ウジチャンもお友達プニフー! プニフー!」 テチュゥ!? なんテチこの汚いのは。 テチャァァァ!! 寄るなテチ! 臭いテチ! 「お友達の印にウジチャンをプニプニして欲しいテチ」 テギャァァァァァ!! キモいテチ! 変なの渡すなテチャァァ!! こんなのこうしてやるテチ!! 「レピャァ!」 「テ、テギョォォォォ!! ウ、ウジチャン!? ウジチャァァーーーン!!」 テェェ… 可愛いお手てが汚れちゃったテチィ。 酷いテチ! あんまりテチィーーーー!! ご主人様に言いつけてぶっ殺してやるテチィィィ!! テ! オバサン誰テチ! 邪魔テチ! そこをどけ… テギャァァァァァァ! ----------------------------------------------------------------------------- 「デスゥ… 飼い実装を介してもニンゲンさんとはお友達になれないデスね。 危うく家族皆殺しにされる所だったデス。 デププ… だけど飼いを一人で散歩させるなんて馬鹿なニンゲンデス」 ============================================================================= (五匹目と親) 糞蟲はっけーーん!! 「デギャァ!」 くけけけけ! 害虫の分際で家族団らんなんて許さねぇぞ! そうだな、一旦上げてから地獄を見せてやる! 「デスデスデェェェ!!」 「テッチ、テッチ!」 あ、親蟲の奴仔を残して逃げやがった! ぶっ殺してやる! 「緊急事態デスゥー!! やっぱり仔は諦めるデスーー!!」 「ママァァーーーーー!! 置いてかないでテチャァァーーーーー!! ワタシを置いてかないでーーーーーー!!」 喰らえ! 必殺の一撃を! プリキュア・シューティングスタァァァーーーーー!! 「チュベッ!」 「デシャァァァァァァァァァァ!!」 おぉ、おお。 派手に吹き飛んだな。 ああ、今日もいいことした〜。 ----------------------------------------------------------------------------- 赤いサクブスでした。 フォルダの中にあった謎ファイルをうpしてみた
