タイトル:【託超馬】 合体!ゴジッソウ
ファイル:004合体!ゴジッソウ.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3737 レス数:0
初投稿日時:2009/02/21-04:40:28修正日時:2009/02/21-04:40:28
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−はじめに−
 このスクの中には一部異様にマニアックな単語が出てきますがこの保管庫の紳士諸氏ならば理解して頂けると判断し、
掲載致しました。ダラダラと長い作品ですが、週末の余った時間にでもお楽しみ下さい。

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 珍しく仕事中にメールの着信音が鳴ったので何事かと見てみると画像が添付されている。差出人は・・・
「へーアイツまだ生きてたんだ」と苦笑いをしながらそのメールを見ていると横から見ていたロッソがゴミを
見るような視線を僕に向けてきた。コラコラ、他人のメール覗いちゃイカンよ・・・・・


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「俊さーん、ツナマヨ売切れだわ。」
 コンビニの前でドコゾのDQNのような発言を携帯に吐きかける。向こうからは“じゃ、テキトーに脂っこいモノ”
と返事が返ってきた。そんなモンばっか喰うから太るんだよ。


 先日僕の愛車、“走るキセキ号”がもう何回目かも思い出せない車検を向かえ、親の代から世話になっている双葉モータース
に車検を依頼しその完了の知らせを受けたのが昨日の夕方。代車を返しがてら車を取りに行くことにしたのだが、その際に
双葉モータース三代目にして姉貴の元・同級生の俊さんから「飲・ま・な・い・か?」と誘われたのだ。

 どちらかと言えば左利きで、且つ最近は友人連中も所帯を持ってしまったためにメッキリ遊んでくれなくなり、飲むとしても
近所の赤提灯で一人酒のパターン(これも好きなんだけどね)が多い僕としてはこれを断る理由などあるはずも無く、
二つ返事でOKし、その支度をしていたのだが・・・気付かれちゃったのよねウチの凸凹コンビに。


『「」、車を取りに行くだけにどうしてお酒持ってるの?ダワ』

「いや、これは俊さんにお礼がてら・・・」

『さっきお母様(僕のお袋)に電話してたワよね?』

「いや〜久しぶりにロッソ達の顔見たいかなって思ってさぁ・・・ハハハHAHAHA・・・」

『・・・お酒飲むつもりでしょ。ついて行くのダワ。』

「いや・・、あの・・ロッソさん・・・・」

『また洗濯機の中で寝られたら恥ずかしいのダワ!私がチャント見張るのダワ!」

 そんな昔のこと覚えて無くてもいいのに・・・確かに昔酔い潰れてコインランドリーで(しかも御丁寧に乾燥機
の中に入って)爆睡してたことがあるけど、あれは勤めてた時でいろいろストレスが溜まった悪いお酒に飲まれた
結果であってこの歳になってあんなヘマしないから・・・と言っても納得してくれるハズも無く、更にやりとりから
空気を読んだパルタは“俺はいつでも準備OKだぜ”とばかりにベランダの排水溝で用をたしてロッソの脇で尻尾を
振っている。結局いつものパターンなのね・・・


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「よっ、赤黒コンビ。元気だったかー?」
 酒飲んでバカ騒ぎしようとする場所にペット(未成年?)連れで顔を出すのは正直気が引けたが当の俊さんは賑やかな
ほうがいいらしくパルタをひっくり返して遊び始めた。そういや奥さん出産準備で実家に帰ってるって言ってたっけ。

「まっ、家族は一緒が一番だって。」
 近々二人目の子供が生まれる俊さんが僕が申し訳なさそうな顔をしているのに気付いて書類とキーを渡しながら笑った。

「そんなモンすか?」
 ここ数年御袋や近所のオバチャン連中に顔を見る度に見合の話をされるのに食傷気味の僕が返すと“そのうち分かるよ”
と手土産代わりに持ってきたブランデーの瓶(貰い物)をひったくりながら家の中へ入って行った。
 毎度のことだが豪快かつイマイチ要領を得ん人である。


 それから“タダ酒に文句はつけまい”精神でロッソの冷たい視線で酔いに火照った体を冷やしながら、飲むこと飲むこと
・・・約2時間後

「む、いかん!大変だぞこりゃ。」
 いきなり俊さんが言ったもんで、何か仕事絡みで忘れていたのかと慌てて訊ねたら。

“酒が残り少ない。これでは夜を越せん。”ってまだ飲むのかよ。

「んじゃ、僕何か買って来ますんで。」
 と酔い覚ましも兼ねてお店が閉まらないうちにと酒屋、スーパー、コンビニとハシゴしてアルコールの追加分と
お腹に溜まる物を買い、ラストのコンビニから電話をしたのコレだったのだが脂っこいモノねぇ・・・

「店入って考えよっと。」
 と考えて自転車のカゴとハンドルに袋をぶら下げ再度店の中に入った。そんな僕を物陰から見つめる小汚い視線に
気付かぬまま・・



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『デプププ・・・・』
 見るからに頭悪そうな顔で笑う実装石。彼女は見たままの所謂“馬鹿な個体”だったのだが、非常に多産な体質で
春・秋と10体以上の仔を産み、数にモノを言わせて他の家族の食料や仔を奪い、更に蛆を中心に我が仔も非常食に
することで今迄何の冬支度もせずに暮らしてきたのだが、ここに来てさすがに自分の置かれている状況が芳しくない
ことに気付き少ない脳ミソでテンプレどうり“託児”という自殺フラグを導き出しこのコンビニにやって来たのだった。


       (OUT SIDE)                       (IN SIDE)
                                                      ll
『あのニンゲンがよさそうデス。アイツに5女チャンを  ll 「脂っこい御飯物・・・カルビ丼でいいか。」
 託児するデス。用意はいいデス?』                    ll  
                                                      ll
『準備オーケーテチ!あのバカニンゲンを                ll 「えーっと、他買い忘れ無いかな?」
  メロメロにしちゃうテチ。』                          ll
                                                      ll
『お前は姉妹の中で踊りもオアイソも一番上手デスから    ll 
 きっとうまくいくデス。ママ達もすぐに後から追いかける ll 「おでんも買っとくか。」
 デス。明日から家族ミンナでヌクヌクな飼実装ライフデス ll
 これでフユもへっちゃらデッスゥーン♪』               ll
                                                      ll
『でもママ、どうしてあのニンゲンに託児するテス?』    ll 「おっ、スウィーツコーナーか。」
                                                      ll
『他のニンゲンは1個しか袋を持ってないデスが、        ll 
  あのニンゲンはイッパイ袋持ってるデス。きっと家族が  ll 「おとなのプリン・・・毛でも生えてるのか?」
  たくさんいるデス。ソイツ等ミンナメロメロにして      ll
  ワタシ達に一人ずつ奴隷として仕えさせるデス♪』      ll
                           ll
『さすがママテチ!これでフユも怖くないテチ!・・・    ll 「紅茶のシフォンケーキまであるよ。英〇屋のやつ
でも、フユって何テチ?』                              ll  ロッソが大好きなんだよなぁ。買っといてやろ♪」            
                                                      ll
『ママのママから聞いたデス。フユが来ると空もお水も    ll
冷たくなってバカなヤツはミンナ冷たくなって死んじゃう  ll 「久しぶりだからロッソも喜ぶだろ。」
デス。」                                              ll
                                                      ll
『テエェェェ・・怖いテチ』                            ll 「初めてお土産に買ってきた時のリアクション可愛かったよな。」
                                                      ll
『デププ、だからニンゲンに託児して皆で飼実装になるデスll
ママのママが言ってたデス。“フユになって白いモノが空  ll
から降るとミンナ冷たくなっちゃうデス。その前にヌクヌクll  「晩飯の後でデザートに出したら、もっと食べるって聞かなくて
のお家に住むデス”って。だからママは考えたんデス。    ll  “食べ過ぎるとお腹壊すからまた明日ね”って言い聞かせたら次の日
ドングリや葉ッパなんか集めたってミジメにしかフユは    ll   日の出と同時に“アサなのチャワ!ケーキ食べるのチャワ!”
越せないデス。それよりイッパイ家族のいるニンゲンを    ll  って僕だけじゃなく御袋達まで起してまわったっけ。」
メロメロにして奴隷にしてしまえば簡単なんデス♪毎日    ll
ヌクヌクなセレブライフが待ってるデス♪他のヤツ等は    ll
ミンナバカなんデスよ。こんな簡単なことも思いつかないんll
デスから。』                                          ll
                                                      ll
『テチューン♪ヌクヌクライフテチ。山盛りの            ll  「いつからああいう小姑みたいな発言するようになったん
コンペイトウテチ♪』                                  ll   だろうなぁ・・・・」
                                                      ll
『じゃ、いくデスよ。何度も言ったけどゼッタイに袋の中  ll
の食べ物はニンゲンがいいと言うまで食べちゃダメデス。  ll  「−−−−円です。」
ニンゲンはバカだからちょっとオアイソすれば簡単に貢いでll  「あっ、ちょっと待って。細かいのあります。」
くれるからほんの少しの辛抱デス。ママ達が着くまでに    ll
バカニンゲンをメロメロにしておくデスよ。』            ll
                                                      ll
『ドゥオッセイィィィ!デスゥ!』                     ll   “ありがとうございましたー。”                               
『チュゥゥゥゥゥゥンン』        ・・・ポトッ。       ll


        『デププ、うまくいったデス。後はあのニンゲンの家でセレブライフデッスーン♪』




「よっこらせっと。」
 カゴに袋を押し込むと自転車を押して走り出す。酒気帯び状態だから自転車とはいえ“運転”してはいけない。
えっ?跨ってるように見える?気のせい、気のせいw


「ただいまーっ。」
 一人で酔っ払いの相手をさされ、かなりご機嫌斜めなロッソに迎えられたが、シフォンケーキを手渡すと少しだけ
(ホントにほんの少しだけ)機嫌が直ったみたいだった。(あぁ買って来て良かった。)
 パルタを枕に一眠りしていた俊さんも起きてきたので早速飲み直すべく中に入ろうとすると、

『待つのダワ。おかしな臭いがするのダワ。』
 とロッソに腕を掴まれた。



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『テェェェェ・・・・・・』
 袋の中で仔実装が大量の糞にまみれ蹲っていた。すぐに戻るからと油断して自転車に袋を残したまま店内に入った
のがマズかった。不幸中の幸いは食い物を入れていた前カゴではなく、ハンドルにぶら下げてあった缶ビールの袋
に託児されたことだ。まぁ前カゴは引ったくり(&託児)防止カバーがかけてあったからそれはそれですぐに気付いた
と思うけど。

『チュゥゥゥ・・・・。チュアア!。テチュゥ♪』
 日が暮れると肌寒いこの時期に冷え冷えの缶ビールの上で腹を下していた仔実装は僕達の視線に気付くと早速媚始める。
コイツ自分が糞まみれだって分かってるのかね?

『テチー、テチテチュ、テチュゥーン♪(ニンゲンサン初めましてテチ。今日からこのお家に住んでやるテチ♪毎日
ワタチを可愛がらせてやるから感謝するテチ。もうすぐママ達も来るからお前等みんなにワタチ達家族に仕える栄誉
を与えてやるテチ。感謝してひれ伏すテチ♪)』

 どうやら親蟲から人間に媚びることは教えられていても言葉の使い方までは覚えられないアホ蟲らしい。いや、
この程度の教育しかできない親蟲からしてアホなのか・・・



『テヂャッ!』
 全く空気を読めていない仔蟲をバケツに放り込むと被害状況を調べる。一番上の6缶は帯紙と飲み口が歯型と糞で
デロデロだが幸いそれ以外の被害は無い。

「ビール6缶分ね・・・」
 さっさと仔蟲を〆て親蟲は禿裸に引ん剥いて公園に送り届けようとドス黒いオーラをあげる僕を見てこれまた空気を
読んでいるのか読んでいないのか分からない俊さんが、

「まぁまぁ、折角だからビール6缶分楽しもうぜ。」
 と声をかけてきた。

「楽しむって、どうするの?」
 厳重に洗った上で缶の底に穴を開けてビールを救出しながら(ええ、そうです。意地汚いです。)僕が聞くと、

「そりゃ、実装石で楽しむって言や一つだろ。とりあえず酒肴全部持って工場へ引越しーっ♪」
 と先に行ってしまった。溜息混じりでロッソと顔を見合わせてたら、

「早く来ーい。作戦説明するから♪」
 と異様なまでにご機嫌な声が工場から響いた。ねぇロッソさん。あのオッチャンもしかして僕が買物行ってる間も
ずっと飲んでたの?


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“デッス、デッス!デプププ・・・”  “テッチ、テッチ!チプププ・・・”
 人通りの絶えた夜の道に実装家族の声が響く。
『5女チャンの臭いがするデス、この近くデス。今頃バカニンゲンがワタシ達を迎える準備をしているデス。』

『テエェェ、やっとテチ?こんな遠くまでワタチを歩かせるなんて無礼なニンゲンテチ。まずはアワアワのお風呂
を用意させて全身マッサージさせるテチ♪』

『お風呂もいいけどまずはゴチソウテチ♪5女チャンは今頃ニンゲンにアマアマを山ほど献上させているテチ♪
ワタチもコンペイトウ山ほど献上させるテチ』

『デププ、焦らなくてもいいデスよ。今日からワタシ達はセレブファミリーなんデスから欲しいモノは何でもバカな
ニンゲンに貢がせてやればいいんデス♪家族は一緒が一番デス、バカなニンゲンをメロメロにして家族ミンナで幸せ
ヌクヌクライフデッス〜ン♪』


 どこをどう解釈すればそこまで都合よく思えるのか幸せ回路だけでは説明できないほどのバカ丸出しの会話を
しながら実装家族がたどり着いたのは無機質なシャッターの前。

『テェ・・ここがワタチ達のお家テチ?大きな扉だけど、あんまりキレイじゃないテチ。』

『デェ、今日はこれでガマンするデス。明日にでも奴隷に命じてもっと豪華なワタシ達にふさわしいお家に引越し
させるデス。』

 そう言って親実装がシャッターを叩くと程なく脇の扉から人影が現れ、したりとばかりに笑うと実装家族は一斉に
そちらに走って行った。




『ニンゲンサン初めましてデス。ワタシのムスメがここにいるはずデス。可愛い可愛いムスメデスからオ前も気に
入ったはずデス。』

『・・・・』

『5女チャンのオアイソは絶品デスが、ワタシ達家族は皆オアイソ上手デスからオ前はミンナ気に入るはずデス。
家族は一緒が一番デスから今日から家族ミンナで世話になってやるからよろこぶデス♪』
 そう言うと親実装に続いて仔蟲も一斉に小汚い顔を崩して媚びポーズをとった。
 デスゥ〜ン♪ テチュゥ〜テチュ〜ン♪

『・・・・・・・・・』

『デププ、あまりの可愛らしさに声も出ないデス?まぁ無理ないデス。今日のところはこれくらいにして明日から
もっとメロメロにしてやるデスからとりあえずはワタシ達をもてなすデス。まずは香水風呂とステー・・・』

 ・・・・ビシッ!  “デギャアアアアアアァァァ!” いきなり顔面を襲った激痛に親蟲は引っくり返った。


『この糞ドレイ!主人に対して何するデス!?謝罪ぐらいでは済まさんデス!この場で禿裸に引ん剥いてやるデズゥ!!』

『・・・ハァ・・・袋にゴミ蟲を入れたのはアナタなのね ダワ。』

『デ?デジャァァァッ!ワタシのムスメがゴミな訳ないデス。5女チャンの可愛さが分からないお前の頭がゴミデス!』

 ビシッ!ビシッ!  デギャァァァ!デギャァァァ!

『全く・・・仔は粗相するだけのゴミ、親は立場をわきまえないゴミ。存在自体が認められない醜いだけの糞蟲ね ダワ。』

『デジャアアッ!!!!ワタシの美しさが分からないなんてお前の目は節穴デスゥ?それに5女チャンの可愛さも分からん
とはオ前の頭は白〇ソノモノ・・・・』

 ビシッ!ビシッ!ビシッ!! デギャァァァ!デギャァァァ!デギャアアアアアアァァァ!!

『・・さっきから黙って聞いていれば好き放題。今、私の目の前に有る生ゴミのどこが美しいの? ダワ。』

『ママ、このニンゲンなんかヘンテス。』
『デゲェェェ・・、ヘンなのは当然デス。ワタシの美しさが分からんなんて・・・』
『そうじゃないテス。このニンゲンさっきから普通にママと話してるテス。それにママをぶってるアレも赤と青の棒じゃ
ないテス。』
(親よりは)多少知恵の回る中実装が親に駆け寄りながら様子がおかしいことに気付いた。

『さて・・・アナタがさっきから“可愛い”と形容してるのはこれのことかしら ナノダワ。』
 そう言うと親蟲の前にトングで摘まれた何かが突き出された。

『テェェェェ・・・・・』

『デ?何デスこのうまそうなモノは?デププ・・・やっとワタシをもてなす気に・・・』

『ママァァァ・・・』
 真っ赤な肉塊が弱弱しくうめいた。

『デデ?クンクンクン・・・・こ、これは5女チャンデスゥゥゥ?!』
 驚いて腰を抜かした親蟲の眼前で『ゴチソウテチィ!』と肉塊に跳びつこうとしたアホ仔蟲が叩き潰され更に肉塊となる。

『私のところにゴミ蟲を託児するなんて・・・覚悟はできてるんでしょうねナノダワ!』
 その声と同時に親蟲の左腕が吹き飛び、シャッターの前の照明に灯が入った。その瞬間親蟲の目に見えたのは・・・・

『デ・・・デギャアアアアアアアアアア!!!!赤いヤツデス!!それも無茶苦茶デカイデス!!バケモノデス?!』
 先程からの痛み分に更に恐怖分が追加されたパンコンを引きずりながら親蟲が逃走を始める。つられて仔蟲達
も逃げようとしたが完全にパニックになっているらしく同じ所を回っているヤツがいたり、糞蟲にバケモノ呼ばわり
されたことを不快に感じたロッソが親蟲の耳を吹き飛ばしたのを見て引っくり返ってるヤツがいたりで親に連いて
行けたのは半分くらいか。


『テチャアァァァ!ママァ!助けてテヂィ!』
 パンコンのあまり脚が地面につかなくなった仔蟲が必死で親に助けを求める。

『ママッ!!イモウトチャン達が捕まっちゃうテス!それに5女チャンも助けてあげてテス!』
『ウッサイデス!!仔なんてまた産めばイイデス!高貴なワタシが生き延びることが最優先デス!!ワシが生き残れば
いいんジャー デズゥ!!』

 おいおい、さっき“家族は一緒が一番デス”とか言ってなかったか?せめて〇馬ぐらい助けてやれよ。そう思いながら
公園の方へ全速力(実装基準)で走る親蟲を眺めていると、その目の前に更に大きな影が立ち塞がった。

「ボグウゥゥーーーッ!」

『デギュオアアアアアアアアア!!!!!』
 どこかで見たようなシルエットの大きな生物がハサミをジャッキンジャッキン鳴らすと近所迷惑なほどデカイ悲鳴を
あげて親蟲がユーターンする。その際仔蟲を一匹踏み潰し、更にパキンが幾つか聞こえたがどうやら我が身可愛さの
あまりに気付いていないようだ。

『モウイヤデス。今度は蒼いヤツのバケモノデス。ここはバケモノ屋敷デス!5女のバカはとんでもない所に託児
されやがったデス!あんな糞蟲は許さんデスゥ!』

 もともとそういう性格なのか、単にパニクッてるのかは分からんが自分の責任を全て託児仔蟲に転嫁した親蟲が公園
とは反対の道に逃げ込んで来る。何匹かの仔蟲がその後を必死に追っているがどうやらそれにも気付いていないらしい。

『デェ、ここまで来れば・・・・』

『ワン!!』

『デギャアアアアアアアアアア!!ガウガウのオバケデス!?デッカイデス!頭も2個有るデス!喰われるデス?!!』
 そう叫んで腰を抜かした親蟲の鼻先に下の頭が近づきフンと鼻息を吹きかけた。

『デッ・・・』
 それだけで泡をふいて気絶してしまった。案外肝の小さい奴だ。



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「「」−!そっち行っただろー!?回収ヨロシクー。」
 ズルズルと籠を引きずる音に重なって俊さんの声がした。悪いが親蟲をオモチャにすべく飛びかかろうとしているパルタを
抑えるだけで手一杯だ。そんな余裕はないが仔蟲も含め意識のある奴は総て腰を抜かしているから逃亡の心配はないだろう。

 因みに、僕は何もしていない。一昨日洗濯したばかりのパルタが汚れると悲しいから脇の路地でパルタに跨って必死に
抑えていただけだ。


「ハッハッハー♪なっ、簡単に引っかかっただろ?コイツ等底無しのアホなんだから♪まっ俺の演技力のお陰の部分も
結構あるけどね♪」

 短パンにカッターシャツ、手には植木バサミを持ちパーティグッズによくあるプラスチック製のシルクハットを
頭にのせた俊さんが御機嫌そうに言った。糞蟲共に公園への逃亡を諦めさせた巨大実蒼石の正体はこの俊さんだった
のだが・・・醜い、実に醜い!!“ホントにそれを売ってたヤツがいるのか?”と聞きたくなるようなパッチワーク
柄の短パンからハミ出す脚は毛深さ、太さともギャー〇ルズに出てくるマンモスの肉といい勝負。いつも会う度に
「その腹でよく車の下に入れるなぁ」と感心している3ケタ腹を無理に押さえつけているカッターシャツのボタンは
悲鳴をあげている。幾ら実装石がアホとはいえ普通ならこんなモノを実蒼石とは思わんだろう。

 こいつ等が簡単に引っかかったのは先にロッソを見たからだ。玄関先に現れた巨大実装紅を見て完全にパニックに
なっていたからこそ僕とパルタが“バケモノ”に見え、あの不気味な生物が実蒼石に見えたのだ。それに気付いて
いないのはヘベレケの俊さんだけだよ・・・

 僕達の冷たい視線に気付いていない俊さんは自分にも酔いだしボックーボックゥー♪と御機嫌そうにハサミを
もって踊って(?)いる。ありゃ、100歩譲っても“ルネッ〇ーンス”の人だ。重ね重ね醜い・・・・・・・否、
醜いを通り越して見苦しい。謝れ!蒼い子に謝れ!!


「で、コイツ等どうするの?」

「いや、そりゃ善良な市民としては然るべき措置をとらないとねぇ♪」
 糞蟲一家を入れた籠を工場の中に入れる間も一升瓶を放さないまま俊さんが豪快に笑った。あぁ、そうですか・・・


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 どこの町でも同じだろうが実装石に託児された場合、仔はブチ殺してもかまわないが親蟲は原則として半殺しで公園
にお帰り頂くのが一応の決まりとなっている。そうしないと託児の被害が減らないとされているからなのだが。

 しかし、大抵の人はこんな不気味なナマモノには触れたくもないという心理が働くので託児に気付いた時点で仔蟲
をその場で潰して捨てるか、マナーの悪い人なら袋の口を縛っただけで自販機の横のゴミ箱の上にのせて終わりという
パターンがほとんどだ。
 この場合親蟲は『あんなブサイクを託児したのが失敗だったデス。次はもっと可愛いのを生んでニンゲンをメロメロ
にさせるデス』と勝手な判断をして託児をやめることは決して無い。

 また、運悪く家に帰ってから託児に気付いてしまうと更に厄介なことになる。
 普通の人は(女性は特に)成体サイズをとっ捕まえて禿裸&リリースなんてことを進んでするはずも無く、コロリスプレー
噴射の後、親仔共々処理袋にゴーがほとんどで、こうなると他の野良蟲達が『アイツは帰ってこない→託児が成功して
飼いになった。』と更に悪い判断をするため託児の被害が減ることは無い。

 厄介なことに人間側にも根本からモラルを勘違いしている輩がいて、無傷で仔蟲を親に返してしまう場合がある。
これをやってしまうと野良蟲共は“仮に託児に失敗してもニンゲンは危害を加えない”と完全に図に乗り、仔蟲を
投げつけて来たり最悪の場合車の前に飛出し、甚大な事故の原因になった例もあると聞く。尤もこれは昨今託児被害を
防止するためにどこのスーパーやコンビニでも知恵を絞った結果、被害がほとんどなくなり実装石に直接恨みを抱く
ことが少なくなったからだとする説もあることを考えれば皮肉なコトであるのだが・・・

 結果、行政が推奨する“実装石の託児被害を減らす為の正しい処置”をやる人間は一部の虐待派とこれまたごくごく
一部の真面目な市民だけである。

 かく言う僕も、以前本屋の紙袋に託児され、食べ物が何も入っていないことに対する腹いせに脱糞しようとしている
仔蟲を慌てて摘み出して車道に捨て、しばらくたって後を追って来た親蟲の服に本のカバーを捻じ込んで火をつけて
追い返してしまったことがある。
 高価な本を汚されかかった怒りから思わずやってしまったのだが、後で考えれば鎮火ぐらいは確認すべきだったと
今では(一応)反省している。

 要は実装石なんてモノには関りあいたくないというのが多くの人の(普通の)心理なのだが、完全にアルコールの周った
俊さんはこの大(糞蟲)家族を相手に敢えて“善良な市民として”“然るべき措置”をやると言っているのだ。


   ・・・死んだばぁちゃんが昔よく言ってたよな“タダ酒ほど怖いものは無い”って・・・・・



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「まあまぁ、そんな顔しない。人間切れる時はちゃんと切れないと♪」
 完全に白目を剥いた仔蟲の屍骸を回収し、その屍骸を見るのと同じ眼つきを“ル〇ッサーンス”モドキのオッサンに
向ける僕に当人が笑いかける。まぁ、確かにこの状況で真面目くさってもしょうがないのかも知れんが・・・

「ロッソちゃんにもかなり失礼なこと言ったみたいだしここはキッツイお仕置きが必要だよキミィw」
 ダメだこりゃ、俊さん完全に酔ってるよ。ハァ、仕方ないか・・・



 グダグダ言っても始まらないので諦めて俊さんの作業を手伝う。かなりの屍骸を拾ったつもりでいたが(一応形が
残っている物だけでも3〜4体あったが)今籠の中では親蟲を除いても中、仔、親指込みで10体以上の糞蟲が泡を
吹いて目を回している。もしかしたら実装石の世界でも人間同様、頭悪いヤツほど無計画に子供を作るのかも知れんな。

 溜息混じりにロッソと顔を見合わせながら実装家族を車の底を調べる際に使う窪みにぶちまけた。ここならどう足掻いても
コイツ等が逃げる術はない。

『テチャアァァァ!』 『テギャアァァァァ!!』
 ん?親蟲が動かない。だが良く見ると腹が波打っている。あれで死んだフリのつもりか。

「待て待て、それじゃ面白くないぜ。」
 親蟲にプレゼントしてやろうとバケツに水を汲んでいると俊さんに止められた。

「ずいぶんお疲れみたいだからもっと確実に起こしてあげんとね♪」
 そう言ってニンマリ笑う俊さんの手にはバッテリーから伸びたケーブルが・・・それ、即死コースじゃね?


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「ぐっもーにん、糞蟲ちゅわーーん♪」
 眉間と足に電極が押し付けられると親蟲が文字どうり跳ね上がった。どうやら死なない程度に電流が調整されているらしい。

『デギャギャギャギャアアアアアーーーー』

 おっ、糞蟲母さんお目覚めみたいね。一しきり辺りを見回しルネッ〇ーンスもどきのオジサンがニヤついてるのを
見てバカなりに状況が飲み込めたらしくこちらに向かって威嚇を始めた。

『デズゥッ!デギャデジャアァァ!(クソニンゲンよくも騙したデスね!おまけに高貴なワタシ達家族をこんなメに
あわすなんて覚悟するデスッ!)』
 そう叫ぶと俊さんの脚に例によってポフポフパンチを打ち込んでるけど・・・当然効くわけないよな。おまけに
片腕だし。殴られてる俊さんも気にするでもなく次の工具を用意するとリンガルのスイッチを入れながら振り向きざまに
親蟲の顔に爪先を打ち込んだ。

「えー糞蟲諸君。君達は汚物以下のモノでしかない仔蟲を託児することで貴重な我々の夜のお楽しみを台無しに
した上、自分達も厄介になろうなどとド厚かましい考えで当方宅にまで押し掛けてきた。これは弁明の余地が一切
無いことは法的にも明らかである。そうですね「」先生。」

 おいおい、こっちに振らないでよ。それにコイツ等は法律上は“物”なんだから誰かの“所有物”じゃないかぎり
法律も何もあったもんじゃないよ。

「人間様の領域及び楽しみを犯した罪で糞蟲諸君をギャクタイの刑に処する。以上閉廷並びに執行開始♪」
 そういうが早いか手にした工具のスイッチをいれてジリジリと親蟲を追い詰めて行った。


『デ・デ・デスデスゥ・・・(デ、ヤメルデス。今すぐその物騒な物を引っ込めたらステーキとコンペイトウだけで
許してやらんでも無いデスゥ・・・)』
 さすがに目の前のオッサンと工具がかなり危険なモノであることは少ない脳ミソでも理解できたようだ。それでも
態度がデカイあたりはさすがは実装石である。

『デズゥ?!デシャアデギャアア!(そこのニンゲン!オ前さっきから何突っ立てるデス?!高貴なワタシがピンチデス!
さっさと助けろデス。今ならオ前だけでも許してやらんこともないデス!何ならこの美しいカラダを好きにさせて
やってもいいデスッ!』

 あー、はいはい、どうしてコイツ等おんなじような科白しか吐けんのかね・・それに僕は別に突っ立てる訳じゃないのよ。
今まさに君達に飛び掛って一昨日の僕の努力を無駄にせんとしている黒毛玉を抑えるのに手一杯なんだ。これだけでも感謝
して欲しいんだけどねぇ。

『デ・デ・・デッスーーン♪デギャアアアア!!!』
 切羽詰まった糞蟲が工具の先端に媚びた直後、顔を削られ始めた。最後にとる手段がそれかよ・・・

「はははーっ♪どうだ糞蟲ちゃん、ベルトサンダーは気持ちよかろう?ついでにその汚い面の皮綺麗にピーリングできるぞ♪」
 俊さんはそう言うと親蟲を踏みつけたまま高速回転する紙ヤスリで巧みに左半分だけ禿裸、否、皮膚までズル剥けの
グロ裸にしてしまった。

「ほら見ろ「」。巧いもんだろ、キカ〇ダー実装だW」
 託児仔蟲は全身ピーリングの刑だったが、親は半分で許すつもりなのかね?しかし、確かにその腕は認めるけど
はっきり言って気持ち悪いよそれ。どっちかって言うと理科室に置いてあったアレに近いような気がするけど。
 “何ならキカ〇ダーっぽくちぎれた腕に電気ウナギでもくっつける?”とでも言ってやろうかとも思ったが俊さんが
ニヤついた顔のまま工具箱に手を突っ込んだのを見てあえてツッコマないことにした。

『デ?デププ・・デギャ!?・・・デギャアァァァーーーッ!』
 最初は鏡を見せられてもそれが自分とは理解できず嘲笑っていた親蟲だったが偽石を捜すために俊さんが全身に
ドライバーを突きたて始めるとようやくそれが自分だと理解したらしく血涙を流し絶叫した。その叫びは痛みから
くるものなのか、それとも精神的なものなのか・・・


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『ワォン!ウォン!!』

「あー分かった、分かった。一寸待ってな。」
 俊さんが一人で遊んでるのを見て辛抱たまらんとばかりにパルタが吠えたてる。なしてコイツは僕の努力を無視
するのが好きなのかね。

「大丈夫、なるべく汚れないように遊ばせるから。」
 あからさまにゲンナリした僕の顔を見て俊さんが慰めにもならない言葉を口にする。

「まぁ見てろ。結構面白いぞW」
 そう言うと仔蟲を3匹ばかりつまみ出し、そいつ等の首に紐をかけると金網でできたカゴの中に放り込んだ。

「じゃーん!スチームクリーナーッ♪!」の〇代バージョンぽく叫びながら車のエンジンルームなんかを洗う馬鹿でかい
ノズルを振りかざすとカゴの中を覗き込んだ。

『テェッ!?テチャァァァッ!!』
 何やら訳の分からない物を持ったニンゲンに覗き込まれ仔蟲達がパニックになる。ここにきて糞投げも威嚇もしないのは
それなりに賢いのか、それともただ単に体がすくんでいるのか。

『テ・・・テチ・・・テテテ・・・』
 恐怖に歯を鳴らしながら固まっている仔蟲を見下ろしながら俊さんは何もせずにただニヤニヤと笑っている。

『テェェ・・・。チュゥゥゥゥゥ・・・・・。チュアア、チュチュゥゥ、・・・・・・・・テチュゥ・・。』

「はい、アウトー♪」
 全身の穴という穴から液体を垂れ流しながら仔蟲が必死で媚ポーズをとった瞬間カゴの中が蒸気で覆われた。

『チュアアアアアアアアアアアッ!チャウウウウウウウウウウウウッ!!!』
『チャガガガガガァァッ!!!チィィィィィイイイイィッ!!!』
 カゴの中から仔蟲とは思えないほど大きな悲鳴が聞こえる。そりゃあんなモン直撃したら人間でも火傷するよな。

「「」ーっ!ちょっと来てみ。こうなるんだぜW」
 やたらテンションの高い俊さんの声にパルタに跨ったままズルズルと近付いて行く。好奇心に負けて顔を突き出した
パルタがその強烈な臭いにオモイッキリくしゃみをした。


『テェェェェ・・』
 そこにはかろうじて服の切れ端とわかるボロ布を体に貼り付けた仔蟲共が全身真っ赤になって蹲っていた。

「え?!これって服が溶けたの?」
「さすが、いいカンしてるね。見てろよ。」
 俊さんはそう言うと仔蟲の服の残りにスチームをあて始めた。

『テチィィィ、テチィィィィッ!!』
 再度我が身を襲う痛みにのたうつ仔蟲の服が通販番組でやってる油汚れのようにみるみる溶けていく。

「実装石の服ってのは体毛の一部が体液と絡まってできてるから言ってみりゃハナクソのついた鼻毛みたいな物なんだ。
そこに高温のスチームを当てりゃハナクソは溶けて鼻毛は落ちていくってワケwこの方法だと実装石は訳の分からんうちに
服を無くすからより楽しいリアクションをするんだぜ♪それにホラ。」
 小学生レベルの尾篭な例えをしながら俊さんが一匹の後髪を片方摘むと何の抵抗もなく髪が取れてしまった。

「これは食用の実装石にも使う方法だけど毛穴が広がるから面白いほど簡単に髪が抜けるのさ。よくそこのゴミ捨て場荒らし
に来る糞蟲にいつもこれでお仕置きするんだけど、どいつも最高に面白い反応するんだぜ♪」

 そこのゴミ捨て場って確か50m以上離れてるよね・・・わざわざその為だけにこんなデカイ機械引っ張って行くのか
このオッサン・・・。そういや昔っからイタズラと買い喰いだけには労力を惜しまん人だったな・・・


『テエエエェェ・・・テ?テチャアアアアァァッーーーーーー!!!』
 高温地獄からやっと開放されたと安心した刹那、自分達の服が無くなっていることに仔蟲共は糞を漏らしながらパニック
になって叫んでいる。大方『ワタチのキレイなオベベが無くなったテチ!ワケわからんテチ!』とか言ってるのだろう。

『テヂャァアァァァァアァヂャァァァァァァァ!!!テヂュムムウウゥゥゥ・・・』
 仔蟲ちゃん達の抗議を完全に無視し、口にホースを突っ込んで糞抜きを済ませると首に結わえた紐の端にコンクリートブロック
をのせ、あれこれ下準備をして、ここで初めて俊さんがリンガルのスイッチを入れた。

「よう仔蟲共。さっぱりしたろ?」

『デギャアアア!!テヂァヤアア!!!(クソニンゲン!カワイイワタチにこんなことをして只で済むと思っているテチか?
今すぐ新しいオ洋服とゴチソウを持って来てワタチに詫び・・)』

 テンプレどうりの返答を最期まで言うことも許されず、順番にデコピンを打ち込まれた仔蟲達がひっくり返る。慌てて
逃げようとしたが首につけられた紐の端はコンクリートブロックにはさまれているのだからどうやったって仔蟲共の力で
動く物ではない。

「まぁそう慌てるな。お前らは特別に逃げてもいいぜ。」
 “特別に”“逃げてもいい”というキーワードに反応した仔蟲が一斉に期待に満ちた視線を俊さんに向けた。

「今からこのブロックどけてやるからあそこの出口まで行けりゃお前たちは無罪放免にしてやるよ。途中にあのデカイ
のがいるけど、ほれブロック3つもつけてるんだ。問題無いだろ。」
 そう言ってパルタと僕のほうを指差した。パルタは今から始まるお楽しみに顔を輝かせ、僕は今までの努力が水泡に
帰すことに顔を曇らせているが、出口とコンクリートブロックしか目に入っていない仔蟲共には関係ないようだ。

『テチュア!テチテチ、テチュチュ♪チププ・・・(重イのが3つもついてるテチ!動けるワケないテチ。動けない
ガウガウなんて怖くないテチュ♪逃げる前にウンチつけてやるテチ・・・)』

 俊さんの横に置いてあるリンガルのスピーカーからは分のかけらもわきまえない糞蟲発言が聞こえる。どうやら、
コイツ等の頭の中では一しきりパルタをからかって糞の一つも投げつけた後悠々と外の世界に旅立つ自分達の姿が
描かれているみたいだ。分かってはいるが、マジでアホ丸出しのナマモノだ・・・

「じゃ、いくぞ。3・2・1!」

『テチャアァ!テッチ、テッチ!』
 俊さんがブロックをどけると一呼吸遅れて仔蟲共が走りだす。亀よりもトロいが一応本石達にとっては全力疾走らしい。
そのまま一直線に出口に向かうならまだ救いようがあるが、動けないと勝手に思い込んでいる相手をからかおうとこちら
にやってくるのだから(僕も)救われない。これ以上パルタを抑えていると僕が明日病院に行く羽目になるので諦めて
抑えている手(&脚)を放した。



『テ?テチャ!?・・・テッヂャアアアアアアァァッ!!!』
 絶対に動かないと勝手に思い込んでいた黒鉄(毛)の城が自分達に突っ込んできたのを見て仔蟲共の動きが止まった。
それが幸いしたようで歩幅があわなくなったパルタは仔蟲を飛び越して俊さんの手前にまで走って行ってしまったが、
運悪く一匹が引きずっていたブロックに体を半分擂り潰された。

『テチャァッ!?テテ・・テチィ・・・(何で動けるテチ!?ア、アイツ・・バケモノテチィ・・・)』
『テチャァァァ・・・テエェェェ・・・(オテテとアンヨがなくなっちゃったテチ・・痛いなんてモンじゃないテチ・・)』

 お前らアホか?パルタの御先祖様は橇は言うに及ばず材木や船まで引っぱる仕事をしていた一族なんだぞ。非力の権化
ともいうべきお前らの基準で判断した時点で大間違いなんだよ。それにそいつは普段は“無芸大食のバカ犬”だが、お前ら
みたいなオモチャを見せると“無芸怪力の大バカ犬”になるんだ。そうなると飼主の僕が踏ん張って抑えながら手近な
電柱なり何なりにリードを縛り付けないと止められないくらいなんだ。コンクリートブロック×3なんて正直重いコン〇ラ
(正式名称ではない)ほどにも感じていないんだよそいつは。

 一撃で死んでくれればパルタもそれで納得しただろうが恐怖のあまり走ることもできずイゴイゴと這い回る仔蟲が逆に
面白いらしく、今度はゆっくりと近付くと鼻先や前足で転がし始めた。

『テチャァァァ!テチャァァァ!!(痛いテチ!モウやめてテチ!)』
『テチャアアアアアアアアアアアアアアア!!テチェェェン!(嫌テチ、ヤメルテチ!!ワタチの美しい髪引っ張らないでテチ!)』
『テェェ・・・テチャッ!(翻訳不能)』
 狩猟本能の命ずるままに遊ぶパルタに爪で弄られ、髪を咥えて振り回され、心身ともに削られていく仔蟲共。パルタが
一匹にかまっている間になんとか逃げようと脇にまわってもブロックにすり潰されることになるためコイツ等に逃げ場は
無い。そこにあるのは絶望に満ちた悲鳴とゴリゴリとコンクリートが擦れる音、血ダルマになりながらも今だ生に固執し
這い回る肉塊とその返り血に身を染め走り回る黒毛玉。そして仔蟲共以上に絶望に満ちた顔でバカ犬を見る僕。

「終った・・何もかも・・・・」
 毛が黒いので傍目には分り難いだろうが僕にはパルタの毛に染み付く仔蟲の血の一滴までがはっきりと見えた。そして
明日待っている大仕事も・・・

「また明日半日アイツと混浴かよ。」と水泡に帰した努力を嘆きながらヤケ酒をあおっていると後ろから肩を叩かれた。



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『バカなことに付き合っていられないから先に休ませてもらうのダワ。』
 何時の間にかパジャマに着替えたロッソが半ば呆れ返った顔のまま僕に言った。コノ裏切り者・・・。

 しかも体からはほのかに湯気と石鹸の香りを漂わせ、髪は両サイドでシニヨンに纏めている。“私がチャント見張るのダワ!”
とか言ってたくせに、ほんとロッソさんマイペースな娘。

『じゃ、オフロ沸いてるから冷めないうちに入るのダワ。』
 そう言って首にかけていたタオルで僕の冷や汗を拭うとおでこをコツンとあわせ部屋の方へ歩いて行った。因みにコレ
は僕とロッソの挨拶。まだノーマルサイズだった頃のロッソが男同士(?)でパルタと濃厚なコトをしている僕にキスを
せがんできた時、咄嗟にやって以来の習慣だ(どーせヘタレですよ)。
 お気に入りのマクラ(パルタ)が糞緑に染まっていくのを見てダワダワと溜息をつきながら去っていくロッソを見送りながら
僕もさっさと仔蟲を〆て寝ようと思った矢先、
『チププ・・・・』
 地獄の門を開く音がリンガルを通して聞こえた。

『テチテチュ、テチュ。チププププ・・・(あのニンゲンバカテチ、悪趣味テチ、目ク〇レテチ。あんなブサイクとチューしたテチ。)』



 ・・・・・・何かのスイッチが入る音と、何かが切れる音、そして某バラエティでお馴染みの“シャ〇〜ン”系の音が
同時に僕の中で鳴り響いた。

「おい・・。」
 テチテチ囁きあっていた仔蟲だったが、完全に目の据わった僕に見下ろされ、さすがにヤバイものを感じたのか気色を
失い僕を見上げた。

「お前等か?ロッソを不細工とぬかした汚物は。」

『テ・・・テチュ、テチャテチャテ・・テジャァァァァッ!(ブ、ブサイクにブサイクと言って何が・・悪い・・テチ?
それが分からないオマエもオカシイ・・・テジャァァァァッ!)』
 完全に別人格モードの僕にビビリながらも糞蟲発言をやめない二匹の前髪を摘んで手近にあった鏡の前に放り出して
やると案の定『チププ』とやりだした。コイツ等お互いの顔は見てるんだからそこから自分も同程度の汚物だと認識できん
のかね?否、それとも自分だけは“トクベツ”と根本的に勘違いをしているのか。

 気を取り直して鏡の中の薄汚い仔蟲を嘲笑し、嘲笑され返したことに腹を立てているアホ二匹の鼻先に爪楊枝を突き刺し、
3回ほど出し入れしてやるとようやく己が真影を見たらしく絶叫と共にパンコンし更なる汚物へと進化した。

「わーったか!?これがオマエ等。不潔とブサイクの権化。サイテーのナマモノ、そして、」
 必死に目を背ける仔蟲を鏡で追い回しながら携帯を取り出すと、
「これがロッソ。テメー等がブサイクと宣ったお姫様だ。」


『テエエエエェェ・・・』
 携帯の画面を見つめる仔蟲共はそれ以外の声が出せない。文字どうり愚ぅの音も出ないのだろう。

 バ飼い主と言われればそれまでだが僕の携帯のメモリーのほとんどがロッソとパルタの写真だ。その中からランダムに
ロッソの画像を見せてやったのだが、正月の振袖に始まり、春の商店街のイベントのときの笑顔、夏祭りの浴衣姿、秋の
商工祭りの写真etc.、自慢じゃないがロッソはただデカイだけの実装紅ではない。親元のブリーダーさん曰く「標準サイズ
なら充分ショーに出せるルックス」の持主でもあるのだ。まぁ人間基準の実装シリーズの可愛さと、実装シリーズ同士の
価値基準には違いがあるかも知れんが。
 だが、仔蟲共の嫉妬混じりの呆け顔を見る限りコイツ等の目にもロッソは美形に映っているのだろう。そう解釈しておく。

「どうだ、ロッソとオマエ等糞蟲じゃ月とスッポン、否、月と使用済み便所スッポンくらい差があるのがよく分かっただろ?
己が分をわきまえん発言をした以上たっぷり死んでもらうぞ。」
 どうやるかはともかく“楽には死なさんぞゴルァッ!!”オーラを全身から噴き上げる僕に慄きお互いを盾にしながら糞を
漏らす二匹だったがそれでも糞蟲発言はとめることができないようで、

『テ・テチュ!テチュ!テチャァ!!(ワ・ワタチ達だってキレイにすればあんなブサイク目じゃないテチ!それに気づけない
オマエはやっぱり目ク〇レ・・・)』

 発言を終える前に二匹の髪をつかんで死なない程度にアメリカンクラッカーの刑にしてやった。そもそも僕はオマエ等に
発言を許可した覚えは無い。

「つ・ま・り・テメー等は身にまとうその産廃を何とかすりゃ少しは見栄えがマシになると言いたい訳か?よござんしょ。」
 ラ〇ウ様かフ〇ーザ様かというくらいの気を噴き上げながら仔蟲を抑えつける。リンガルからはようやく己の立場を理解
したアホ蟲の命乞いの媚が響くが知ったこっちゃない。地獄の門の門番に唾吐いたのはテメー等だ。


「ま・ず・は・その小学校の牛乳雑巾より臭い服は処分じゃ!」
 そう言うと一気に服を引き千切る。誰が“脱がす”なんて丁寧なことするかい。ジタバタと無駄にあがく仔蟲の目の前で
ゆっくりと燃やしてやる。

『テチャァァァ!(ワタチのオヨウフクが!)』

「うっせーぞ!汚ねーボロ布ごときで喚くんじゃねーよ!!」
 テチテチ喚く二匹が鬱陶しかったのでライターの火花を1発ずつプレゼントしてやった後ふとこのまま死なれると面白くない
と気付き偽石を取り出すことにした。但しカッターなんて文明の利器は使わない。

『デチイイイイイイイイイイイイイイーー!!(翻訳不可)』

「ふほほほぉ♪どうかしら仔蟲ちゃん。ねぇ爪って痛い?」
 二匹共腹に偽石があったので甘栗を剥く要領で腹に爪を立てて素手で取り出してやることにした。いや〜しかし痛みに
歪んだ顔が更に見苦しいぜ。そのまま取り出した偽石を俊さんが用意しておいた栄養ドリンクの瓶に放り込む。

「つ・ぎ・に・1週間風呂入ってねーヒッキーの陰毛より汚ネー毛の除去じゃ!」
 仔蟲の腹にドライバーを突き刺して動きを封じ、ラジオペンチで“少しずつ”“丁寧に”むしってやると鏡に写った
自分達の惨状に魂千切る声で叫び続ける。

『テチャァァァ!テチェェェン!(髪が!ワタチのキレイな髪が!)』
 僕からすれば排水管に絡まった抜け毛より汚いブツにしか見えないがコイツ等にとっては貴重品なのだろう。だが、しかし、
ロッソをブサイク呼ばわりした罪はこれくらいではあがなえんぞ。

「さぁー仔蟲ちゃん、キレイキレイの時間だぜー♪」
 完全にイッちゃった目の僕が先刻のスチームクリーナーを用意すると絶望に歪んだ顔で糞を漏らし続ける。しかぁし、
“絶対にゆ・る・さ・な・い・よ”


『デギャアアアアアアアア!!!!!』

「ほ〜ら、奥さん見て見て。このスゴイ汚れの落ち方♪」
 某通販社長の口真似をしながら仔蟲にスチームを当てると凄まじい悪臭とともに何とも言えないヘドロ状の汚れが流れ
落ちていく。コイツ等マジ汚ネーw

『テ・・テ?・・・テチャアアアアアアアアアアアアアアア!!』
 スチーム洗浄が終わったところでサービスで冷水をぶっかけてから開放してやる。本石達が主張したとおり“キレイ”に
してやったのだが・・・

「んー、やっぱオマエ等醜い。」
 まっ当たり前だわな。どんなにキレイにしても元が元なんだから。

 僕の嘲笑にいっちょ前に怒りを示し、糞投げの体制に入った二匹をデコピンでひっくり返しながらふと、更なる悪戯心に
火が点いてしまった。



「まぁそう怒るな。ちょっと“整形”すればロッソの髪くらいの可愛さはでるかも知れんぞw」
“整形”の意味は理解できずとも僕の目の尋常ならざる輝きに本能的な危険を感じ取った仔蟲共は慌てて逃げようとするが
逃げ場所などあるはずもなくあっさり掴まってしまう。

「まず、骨が邪魔。」
 雑巾絞りで軽く全身の骨を砕く。

「目つき悪いぞオマエ等。」
 瞼を焼いてタレ目ぎみに調整。

「手の形がおかしい。」
 平べったく潰してからヒレ状に焼いて形にする。

「ポーズはこう・・・」
 顎の下に切れ込みを入れてそこからL字状の金具をつっこみシャチホコのポーズをとらせる。

「仕上げはコレ。」
 足の裏に針金を突き刺してムチのようなかざりをつけると・・・

「よしっ、ツインテール実装の完成だ♪」
 文字どうり、“ツイン”で“ツインテール”を作ったのだが・・・

「うーん、やっぱロッソの髪1本ほどの可愛さもネェなオマエ等。それにエビの味もしないし。やっぱ、失格w」

『テエエエエエエェェェ・・・・・・・・・』
 ツインテール実装達は血涙を流すだけのおとなしい仔になってくれた。


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「さてと、つ〜ぎ〜は〜♪」
 糞蟲の発言を切欠に完全に理性を無くした僕が酒を煽りながらまだ無傷の仔蟲達に目をやると・・・

『テシャァァァァァァーーーー』
 1匹の中実装が親指実装を脇に抱えて逃げ始めた。

「お〜いお姉ちゃん。妹見捨てて逃げちゃいかんよw」
 ツインテール実装で小突いてやると思いっきりすっ転んだ後情けない顔のまま精一杯の威嚇をしてくれた。

『テシャア!!テス!テスゥッッ!!(オマエをバカにした糞イモウトはくれてやるから好きにすればイイテス!ワタシと
ムスメは幸せに生きる義務があるんテス!オマエなんかにかまっていられないんテス!!)』
 ほー、その親指は妹じゃなく娘か。それならば・・・・


『レチャァァァァーー!!(高いレチー。ママァ助けてレチィ!!)』
 中実装の後に隠れていた親指を摘み上げると上に吊り上げてやった。

『テシャアアァァァ!テステス!(親指チャン、今助けるテス!助けてあげるテスからウンチ漏らすのヤメルテス!!)』
 恐怖に漏らす我が仔の糞にエズきながら何とか足の先を掴むことに成功する。ていうか掴める高さまで降ろしてやった
んだけどね。

『レチィィィ、レチャアアア!!(痛いレチィ、アンヨ取れちゃうレチィ!!)』
『テジャァァァ!テスゥ、テシャアッ!(クソニンゲン!観念して親指チャンを放すテス!今なら・・(以下略))』

「おいおい、仔が泣き叫んでるぞ。ここは放してやるのが親ってもんじゃないの?」
 絶望的な体力差にもめげず(気付かず?)僕と綱引きをする中実装に某岡様のパクリ科白を向けてやると、

『テス、テスウゥ!!テシャアアァァァァ!(ウルサイテス!仔がいないとバカニンゲンから貢物を分捕れないテスウゥ!!
コイツを連れていればあのバカドモは“カシコイ”とか“ケナゲ”とか言いながら貢物をたくさんよこすテス。たまたま
コイツを生んでからワタシの黄金期が来たテス。だから仔は大事なんテスッ。オマエこそ放せクソニンゲン!)』

 ・・・あーそうですかい、つまりこの中実装にとって我が仔は成体より体力が劣り且つ仔蟲ほどの可愛げも無い自分が
優先的に愛護派から餌をもらうためのダシに過ぎない訳だ。無計画に仔供生んで、しかもそれを自分のステータス上げる
(と勝手に思ってるだけの)道具にしてるって・・・まんまD〇Nじゃねーの。

「あー、わーったわーった。んじゃこうしよう、半分コ♪」

『リュベッ?!!!』 『テジャッッ?!!』
 間の抜けた声を出して中実装がシリモチをついたところに親指の顔を近付けてやる。

『レチュアアア・・・・(ママァ・・・)』
『テスウッ。テステス♪(オヤユビチャン。無事だったテス♪)』

『レチュアアア・・・・(ママァ・・・)』
『テ?テステスウ?(オヤユビチャン?どうしたテス?)』

『レチィィ・・・(スッゴク・・痛いレヂィィィ・・・)』
 そう言うと親指は天高く(僕の胸元まで)昇って逝ってしまった。ただしAパーツのみ。

「じゃ、コレは貰っとくね。せいぜいBパーツだけで頑張って愛誤派に媚売りなw」
 僕が親指の胴体を引き千切ってあげたので愛しい我が仔を(半分)取り返せたのだが、どうやらこのアホ蟲にはそれが
理解できなかったらしいw。愛しい我が仔(のBパーツ)を振り回して僕の足に叩き付け始めた。

『テズォォォォアアアアアアアアア!!!!!テズゥゥッ!!!(クソニンゲン、ワタシの大事な黄金期を、仔を返せテスゥッ!!)』
 当然痛くも痒くもないがいいかげんウザイ。

「うるさいよ。近所迷惑でしょ。」
 そう言いながら頭を180°回転させる。“テッ”とだけ鳴いて静かになったが念の為にともう180°回転させると
そのまま首が捻じ切れてしまった。

「ありゃりゃりゃ・・・」
 足元で首なしがピクピク動いている。手にした頭に目をやると血涙を流しながら僕の方を見て口をパクパクさせている。
どうやらコイツは頭に偽石があるらしい。

『レエエエェェェェ・・・』
 文字通り蟲の息の我が仔のAパーツの横に頭を置いてやったが、どうも興味は無いらしい。必死で僕が拾い上げた自ら
の胴体と僕を見つめて血涙を流し続けている。まっ、何を訴えたいのかはだいたい分かるけど♪

「うん、うん、そうだよね。」
 ぼくが大袈裟に“あい、分かり申した”というふうに頷いたのを見て首実装の顔がホコロブ。
「たとえ自分はどうなっても仔は助けたいよね。ワッカルなー、チミの親心w」
 そう言いながら親指の上半身を摘み上げると首実装の顔が某名画も真っ青の叫びの表情に変わった。




「おーい、俊さーん。」
 どうやら俊さんは今だ親蟲に御執心らしい。そのデカイ体が揺れる度、親蟲の悲鳴が響いて来る。

『デスゥ〜ン♪デギャアア!! デスゥ〜ン♪デギャアアアアァ!!』
 親蟲の眼前にチョコレートをちらつかせ、その匂いに媚びたらすかさず折れた歯の穴に包紙のアルミホイルを捻じ込んで
その反応を楽しんでいる。よくあんなこと思いつくよな・・・

「俊さんてばさっ♪」
 こちらを見向きもしない肉ダルマに飲みかけのビールを頭からかける。ダメダ・・僕も完全に酔ってるよ♪・・・

「アニすんだ?コラアッ!!」

「ジャーン。ピグ〇ン子爵風実装ーッ!!」
 完全に理性を無くしヘラヘラ笑う僕が抗議を一切無視したままガンプラの改造に成功した小学生のような笑顔で
突き出したのは・・・



『レエエエェェェェン・・(モウ、チンダホウガマシレチ・・・)』
 下半身の代わりに我が親の胴体をつけられた親指が自由にならない体で嘆いていた。
 ほんの思いつきだったのだがここまでうまくいくとは正直思わなかった。親指の上半身を首なしの胴体にのせて只
栄養ドリンクを流し込んだだけなのだが、ものの5分もしないうちに完全にくっ付いてしまった。ホント、デタラメ♪
この親指はそれなりに知恵があったのか、単に違和感から気付いたのかは分からないが“改造”中ずっと鏡に写る己の
姿に絶叫し続けていた。しかもその大きすぎる体はうまくコントロールできないらしく苦痛に満ちた表情のままで
モゾモゾと蠢いている。まぁ怨むならアホな親とオバチャン達を怨め。

「… … …ブゥワハハハハHAHAHA!」
 しばらく記憶の深淵を彷徨った後、コチラに還ってきた俊さんが大声で笑い出す。
「なんちゅーマイナーなブツを造るんだよ、お前はw」

「なかなかにモンでしょうが。もっと褒めていいっすヨw」
 酔っ払い二人のかみ合わない会話が響く。俊さんは案外気に入ったらしく僕から受け取ったピグ〇ン実装に槍と盾を
くっ付け(突刺し)て遊んでいる。

「そう言や、これの残りは?」
 と尋ねてきた俊さんと一緒に首実装の所に行くとまだ生きていた。ピグ〇ン実装を絶望的な顔で見たのはどちらの
意味からだろうかw

 ニヤニヤと笑いながら僕から製造過程を聞いていた俊さんだったが、いきなり「残り物もちゃんと使わんと」と言って
首実装に親指の下半身をくっ付けて栄養ドリンクを流し込み始めた。

「作業中に出る残存パーツってのは案外お宝なんだぞ。まぁ、ソッチ方面においては素人のお前には関係ないだろうけど。」
 一応プロっぽい発言をしている間にその“残り物”が完全に融着した。一刻も早く逃げ出したいらしいのだが生憎脚に
頭を支えるだけの筋力が無いらしく立ち上がろうとしてはひっくり返っている。

「うーん、昔何かのマンガでこんなの見たと思って作ったんだけど失敗だなコリャ。」

「あ、サイ〇ジェニーね。デ〇ルマンに出てきたやつ。あれにするならチッチャイ腕が・・・」

「あっ、もういい、もういいから!」

 70年・80年代ヒーローオタの僕が酔うと一晩でもその話をする悪癖があるのを思い出した俊さんがあわてて話を中断する。
一応親仔仲良く逝かせてやろうとゴミ箱に一緒の捨てたらサイ〇ジェニーがピグ〇ンの繋ぎ目に噛り付いたので慌てて摘み
出した。このド畜生が・・・

 サイ〇ジェニーを床に放り捨てて“次何して遊ぶーぅ?”とオッサン二人が気持ちの悪い会話をしていると、

『テチーーーーーーーーーーッッ!!』
 と仔蟲の悲鳴が僕達の背後から響いた。


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『テチィィィッ! テチャアアアアアッ!(痛いテチ!オマタ裂けちゃうテチ! オネーチャ、ヤメテテチ!)』
『テチャァァァ!テチャァァァ!!(ウルサイテチ!どうせここでニンゲンに殺されるなら最後にもう1回くらいキモチイイ
ことするテチ! オマエも死ぬ前にゴクラク見られることに感謝しろテチ!!)』
 1匹の仔蟲が姉妹を抑え込んで腰を振っている。


「あれ、マラ蟲なんかいたっけ?」

「多分隠れマラだったんだろう。普段は体の中にブツを隠せるんだ、マラ蟲の中でも珍種だよ。」

「へ〜、俊さんみたいなの実装石にもいる…」
 僕がセリフを言い切る前に一升瓶でラリアットを打ち込みながら俊さんが繋がったままの二匹を摘み上げた。そのまま
しばらく様子を見ていると、犯されているほうの仔蟲の口からマラの先が飛び出し仔蟲は完全に事切れた。やがて・・・

『テ、テチュッ!(イ、イクテチュ!)』
 とマラ仔蟲が一層激しく腰を振り始めた刹那、俊さんがオナホと化した仔蟲を引き抜くと床に叩き捨てた。ああなるほど、
寸止めの刑ね。

『テチィ!?テチャアァァーッ!!(クソニンゲン、何するテチィ!?邪魔するなテチー!!)』
 お楽しみを邪魔されたマラ仔蟲はいきり立つブツを振り回し絶叫する。同様の物を持つ身から見ても実に醜悪だ。

「小汚い物振り回しおって。お前ねぇ“公然猥褻罪”って知ってる?」
 仔蟲を1匹楽に(?)死なせたコイツにちょっとお灸をすえてやろうとマラ仔を机の上におきながら僕が声をかける。

「それにね、“13歳未満”が相手なら同意あっても強姦罪が成立するの。」
 机の上に大の字に固定したマラ仔のブツを割り箸で叩きながら意味のない説教をする。当のマラ仔は当然聞いている訳
もなく、只、痛みと共にわずかに感じる快感に絶頂を向かえかけている。

『テ、テ、テチュウッ!(イ、痛イ、イグゥテチュウ!)』

「聞いてんのか?コラァ?!」

『テギャアアァァァァッ!!!!(翻訳不能)』
 射精をしようとした瞬間割り箸でマラの根元をはさみもう一度寸止めの刑にしてやる。噂には聞いていたがスンゲー
フニャチン。何かゴムホースみたいに変形している。

『テ・テ・テ・・・』
 青黒い色にマラを変色させながら泡を吹くマラ仔蟲。いやー、自分でやったとはいえちょっと同情してしまいそうだ。

「まぁしかし何だ、お前も未成年だろうし一応減刑の余地はあるかな?尤もオマエ等糞蟲に法もヘッタクレも無いが。」
 酔っているせいで自分でも訳のわからないことを言っている。だが、これから更なる地獄が待っていることを感じ取った
マラ仔にとってはどうでもいいことだろう。血涙に浮かぶ双眸が必死に命乞いをしている。

「安心せい、殺しゃせんよ。ただぁし、やっぱあんまり若い頃からチン〇ンいじりすぎるとアホになるからねw」
 そう言って長い目のボルトとインパクトレンチを構えそれをマラの先に当てる僕。傍目にはどう見えたんだろう・・・


「はーい、じゃ封印しまーす♪」

『チギャアアアァァァァァァァァッーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!(翻訳不能)』
 一気に入るかと思ったがあまりのフニャチン故、数センチ入ってはマラが折れを繰り返したがマラ仔が5回目に血の塊
と共に絶叫を吐き出した時ようやくボルトが完全に収まった。

「おぉーすげえ。文字どうり“筋金入り”のチ〇コだぞ、自慢できるなぁ。いや何、礼には及ばんヨw」

『チェェェ・・・・・・・・』
 先端に六角形の飾りを新たに装備したマラ仔蟲は礼を言うでもなく、最早決して萎えることのなくなった一物を天に向け
歓喜にふるえているように見えた。



「うわっ、えげつねーw」
 いつの間にか僕の横にいた俊さんが下に手をやりながら正直な感想を漏らす。その傍らにはベニア板に固定されより一層
“理科室のアレ”っぽくなった親蟲と全身ズル剥けの託児仔蟲が並べられ家族の惨状を見学している。“ママが助けに来て
くれる”“ママは強いからこんなニンゲンやっつけてくれる”と勝手な妄想をしていた今だ無事な仔蟲達はそのママの姿を
見て更なる汚塊を生成している。親蟲も仔蟲達を見て何やら砕けた顎でモガモガ呻いているのでリンガルで拾ってみると

“仔・・無事”“ワタシ・・ヒドイ”“仔ヤル・・ワタシタスケロ”とどうやら無事な仔蟲と引き換えに自分を解放しろと
言っているらしいことが分かった。更に、

“オマエタチ・・ギャクタイハ・・”“コンナ家・・スミタクナイ・・公園・・カエセ”とさっきとは逆の発言をしている。


「おいおい“今日から世話になってやる”って言ったのはお前だぜ。今日くらいゆっくりしていけよ。お前の言うとおり
仔は全部もらってやるし、お前はちゃんと公園まで送ってやるからよ。」
 分かるようにゆっくりと説明したら一瞬嬉しそうな顔をしたのがムカついたのでこめかみに長いボルトを貫通させてやった。
何か勘違いしてないか?僕は一応約束は守ってやるが“無傷で帰す”とは一言も言ってないぞ。


「そう言や君、家のロッソのこと“バケモノ”と呼んだよねぇ。キチンと覚えてますよ。」
 脳(有るのか)を抉られる痛みとともに現実に帰ってきた親蟲にこの後おこるであろうことを分からせてやるためその
恐怖に凍った顔のズル剥け部分を焼酎で消毒しながら囁いてやった。



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 それからのことはハッキリ言ってあんまり覚えていない。買い込んだ酒を片っ端から流し込み、いくら町外れの工場とは
言え、後々苦情が来たであろう大声で騒ぎながらいい年こいたオッサン二人が“ギャクタイ”遊びをしていたことだけは
事実だ。

 更なるオモチャを欲しがったパルタに再び“洗浄”を済ませた後、上下の口から唐辛子を詰め込んだ仔蟲を放り投げ、
辛さから来る痛みと追われる恐怖に悶える仔蟲と黒毛玉の追いかけっこを眺めながら仔蟲が何分もつか俊さんと“賭けっこ”
したのはおぼえている。弱ってきた託児仔蟲に日本書紀以来の伝統的な治療法(塩水漬け)を施して感謝の血涙を流して
もらったのも何となく覚えている。その後は何があったのか・・・ガソリンの臭いがする肉塊を鉄片とグラインダーを
持って追いかけてたような気もするが・・・・・

 ふと気がつくと俊さんは作業台の上で爆睡しており、パルタも遊び疲れたのかひっくり返っている。糞蟲家族で生きて
いるのは親蟲と託児蟲、ツインテールが2匹とピグ〇ン、それに筋金マラ仔蟲だけになっていた。

「あら〜、やっちまったなぁ。」
 二日酔いに痛む頭をさすりながらぼんやりと明るくなりかけている窓を見上げる。人間は酒でダウン、糞蟲は虐待で
ダウン。ある意味痛み分けかな。

 とは言え糞蟲一家の生存者に無事な奴は1匹もいない。特に親蟲はあれから更に俊さんの“お接待”を受けたらしく
皮膚が残っているほうの半身も服も髪も無くなり傷だか痣だか分からない物に覆われている。このまま死なれると当初の
目的が果たせないではないか。


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「俊・さ・ん・起きろッ!」
 横にあったT字レンチで“カンチョー”おみまいして起こしてあげる。“ウホーッ”って叫んだけどアレ?そういう趣味なの?

「こりゃさすがにやりすぎじゃないの?当初の目的忘れちゃダメだよ。」

「え゛?誰だよコンナ無茶したの・・・・」
 って覚えてねぇのかこのオッサンはよ・・・。気を取り直して今思いついたことを提案してみる。

「ねぇ俊さん、コイツ等もこれで懲りただろうしどうだろ?今生きてるヤツは全部生かして帰してやったら。」
 僕の発言に一瞬親蟲の顔が綻んだように見えた。

「おっ、スゴイ愛護精神だな。どういう風の吹き回しだ?」

「いやさ、コイツ等最初に言ってたでしょ、“家族は一緒がイチバン”ってさ。だからねw」
 そう言う僕の目に真意を見た俊さんがニンマリと笑う。

「で、どう“一緒に”帰してやるんだ?」

「昔さ、両手足の先にライオンの顔ついてたロボット覚えてない?」

「おぉ、そういやいたね。名前忘れたけどw」

「まず、脚はこんな感じで・・・」
 僕の腕の中で最後の悪あがきをする親蟲を抑え込んでからツインテール実装を拾い上げる。

『チャ・・・チャァァァァアアァ!!?チィィ!!チィィィィ!!』(×2)
 ツインテール実装の総排泄口にペンチを突っ込んでから押し広げ親蟲の脚を捻じ込む。一瞬気持ちの悪い声を出したが
今回は大目に見てやることにした。

「なるほど、じゃ腕はこんな感じか。」
 そう言って俊さんが託児仔蟲の総排泄口に親の右腕を突っ込んだ。同様に一瞬気持ちの悪い(以下略)

「あ゛〜俊さんそれ違う。」

「えっ?こうじゃないの?」

「ゴラ〇オンの腕はこう合体するの。俊さん説明書読まないでプラモ作るタイプだったでしょ。」
 不平をもらしながら僕がマラ仔蟲のマラを親蟲の左の肩口に差し込んでいく。同様に一瞬気持ちの悪い(以下略)

「こんなふうに尻尾をジョイントにして合体するんだよ。まぁソイツには尻尾無いからしゃーねーのかも知んないけど。」
 そう言いながら親蟲の左腕と化したマラ仔蟲をグリグリ動かすと口から血の混じった白濁液を吐き出した。スンゲー
気持ち悪そうな顔しながら。

「で、ライオンの口が開いて中から人の顔が・・・」
 親蟲の顎をはずしてから未だに自分の体(?)をコントロールできないでいたピグ〇ン実装を元の親指Aパーツに戻して
から両腕を切断、ついでに服と後髪をむしってから全身に接着剤を塗りつけてその中に捻じ込む。

「それから、ツノとハネが開くんだよね。」
 頭に刺さったままのボルトをL字型に曲げ、板で作ったV字ハネを背中に打ち付ける。

「最後に両手足の顔が吼えて・・・」
 補強も兼ねてそれぞれの接合部分に熱々に焼いたネジを差し込むと・・・

『テジャッ!』
『テビャアッッ!』
『テジイィィッ!』
『チャガアアァァッ!!』

「完成!“ゴジッソウ”だー♪」
 異様にテンションの高い僕の声に少々引きながら俊さんがその完成品に目を向ける。当のゴジッソウは自分達に起きた
事実を認識できないのか、したくないのか無言でそれぞれの目から血涙を流すだけだ。

「うわぁぁ・・気持ち悪いなコレ。」

「うん。自分でやっといて言うのもアレだけどこれは人前に出せないね。」

「うーん、じゃ、色塗ってみるか?少しはマシになるかも。」
 そう言うとすぐに塗装道具を持ってきてくれた。

「胴体はー?」

「黒ー。右脚が青で左が黄色。腕は右が赤で左は緑ねー。」
 僕が指示するとうりに色が吹き付けられていく。ただしかなりテキトー。当然マスキングなんかやってない。糞蟲ごとき
に余計な銭は使う気は無い。で完成したのだが・・・・・・・

「ひやー、生々しくは無くなったが・・・やっぱり気持ち悪いな。」

「うん。人が来る前にさっさと公園に捨てに行こうよ。」
 2人でそう相談しているとゴジッソウから“テッテロケー”という歌声とくもぐった“テッテレー”という声が響いていることに
気付いた。

「ウワッ、しまった!」
 慌てて俊さんが駆け寄ると右腕の託児仔蟲の腹は某宇宙生物が飛び出す瞬間のようにボコボコ蠢き、左腕のマラ蟲は
どこか陶酔したように調子はずれに歌っている。このまま置いといても面白いかも知れないが折角作った物が壊れるのは
やはり御免被りたい。

「えーとっ、右目が赤?緑?」

「どっちでもいいだろ、この際。」

「いや、アレ間違えると大変なことになるらしいですよ。」

「ああ、もういいよ。こうしちまえ!!」

『テジャッ!!』『テギャッ!』
 それぞれの片目をペンチで潰してようやく事なきを得た。

「さて、それじゃ・・」       “ポテッ”
 おかしな音がした方を見るともう1匹生き残りがいた。サイ〇ジェニーだ。どうやら僕達がゴジッソウにかまっている
間に逃げるつもりだったらしい。死骸を喰って体力をつけたらしく妙に血色が良い。

「おっ、まだ生き残りがいたか。」
 そう言いながら俊さんに摘み上げられた元首実装は必死に口をパクパクさせて何かを訴えているが、残念なことに肺が
無いため声が出せないらしい。でもそれなら何でコイツ生きてんだ?

「どうやら家族見捨てて自分だけ逃げるつもりだったみたいッスねー。どうします?こいつ1匹ぐらいここで“飼い”ます?」
 僕の発言にサイ〇ジェニーの表情が凍りつく。結構想像力豊かみたいね。

「まあまあ、生き残ったヤツは皆“一緒に”解放してやるって決めたんだし。ホレ確かいただろ?アレ・・・胸にデッカイ
ライオンの顔ついたロボット・・・」

「ああー、ダルタ〇アス!アレが先ですよ。あれでライオンロボのベラリオ・・・」

「あっ、もういい、もういいから!」
 僕の薀蓄を遮りながら最後の仕上げにとりかかる俊さん。クソッ、もうちょっと説明するつもりだったのにィw




 それから胸に中実装の顔をつけ更にパワーアップした“ダルタニゴジッソウ”の背中に全員の偽石を入れた栄養ドリンク
の瓶を電池を入れるように押し込み、公園の入り口で解放。一昔前の特撮ロボのような動きだったがなんとか歩いて行った。


                      達者でなーーーーーっww



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 その後のことは思い出したくもない。帰りの道すがらコンビニで更に酒を買い込み、飲み直したまでの記憶はあるが・・・・
次に気がついたのは夕方近く。そこで見たものは二日酔いに呻くトド男と明らかに喰ってはいけない物を喰ったらしく辺り
にゲ〇を撒き散らすパルタ、そして僕達を糞蟲を見る時よりも冷たい目で見下ろすロッソの姿だった。


 それから慌ててパルタを病院に運び込んで胃&全身の洗浄(体はスタッフの皆さんの温情)。それが終わるまでの間
延々と続く逆代先生の“たまにハメはずすのもいいけどね・・・”というお説教。それらからやっと解放されたと思ったら
どうやら実装石を触った手で物を喰ったらしく今度は僕の腹の具合がおかしくなり病院に駆け込んで・・・と結局まともな
生活に戻るまで3日、ロッソの機嫌が直るのには1週間近くかかってしまった。まったく、死んだ婆ちゃんが言ったとおり
“タダ酒ほど怖いものは無く”、多くの人が言うように“実装石にかかわるとろくなことにならない”ってコトを文字どうり
体に刻む結果になってしまった。


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 とコレが3ヶ月前の話。どうやらダルタニゴジッソウはあまりの気持ち悪さ故に同属から襲われることもなく、鈍い動き
ながらも両脚の口で落ちている物を片っ端から喰って生き永らえているらしい。さすがに託児蟲と親指は年を越せなかった
ようで腐っているらしいがそれ以外の動く4つの口は日々『アソコはジゴクテジー』『ニンゲンは悪魔テスゥー」と広報活動
に精を出してくれているらしい。願わくばコイツを見て公園の糞蟲共が少しはオトナシクなってくれればいいのだが。

「結果的には当初の目的は果たせたみたいだぜ。それに虐待派のウケもいいみたいでサイトに写真も載ってるし・・・」
 メールの文面からは俊さんの嬉しそうな様子が感じ取れるが、僕としてはもうアレには関わりたくない。できればさっさと
野良の胃袋に消えて欲しいというのがホンネだ。
「ところで今日暇か?じつは女房が法事で実家に・・・」
 
・・・最後までメールを読まずに返信した

           “悪いが金輪際アンタとは飲まねーよ!!”と



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 以前にも増してダラダラと長い駄文で失礼します。実はこれでも3割位減量したのですが・・・
減量に手間取って投稿が遅れたというのが恥ずかしながら事実デス。アレコレ思いつくと何も
考えずに書いていく悪癖がありまして・・・更に切処が見つからず1本のままお見せしますこと
ご容赦下さい。
 今後も精進して読みやすい文章をお届けできますよう努力しますので、いましばらく見守って
やって下さい。

 最後になりましたが、過去の拙スクにご感想を下さった皆さんにこの場を借りて御礼申し上げます。
「毎度当方の駄文をお読みいただき真にありがとうございます」


過去スク

sc1612. 二種混合 
sc1630. カラーマジック
sc1635. ドレスコード(前編)
sc1636. ドレスコード(後編)



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