タイトル:【虐富豪】 お宅探訪
ファイル:お宅探訪.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3246 レス数:0
初投稿日時:2009/02/18-09:45:12修正日時:2009/02/18-09:45:12
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虐待系実装雑誌の記者である私は、ある富豪の男を取材した。
実装関連事業を成功させて、六年前に満を持して田園調布に豪邸を建てたのだ。
子はいないと聞いていたが、妻はいるという。

彼の豪邸は、門をくぐった時点でその異様さを露にした。
実装石のうめき声が響いているのだ。

玄関に進むと、堀が作られており小さな橋を渡ることになるのだが、そこで異様に気付く。
石でできたアーチ橋。それが渡されているのは、水の無い堀。
そこを、何匹もの実装石が、数メートルの間を空けてノタノタと行進しているのだ。
改めて周りを見ると、堀は屋敷を一周しているのだろうか、
屋敷の角から実装石が現れ、また逆の角に別の実装石が消えていく。

そこに現れたのが屋敷の主である男。

「お気に召しましたかな」

実装石を良く見ると、腹を鉄線が貫通している。
その鉄線は堀に沿って屋敷の周りを一周している。
鉄線には一方向に棘がびっしり生えているので、
実装石が後ろに進もうとすると体の穴をえぐり、激痛を呼ぶ。
だから、自然と前に進むのだ。

「こちらへ」

男に連れられ角に行くと、そこには石でできたアーチが造られていた。
そのアーチは堀の角全てに作られていて、鉄線が堀の軌道から外れることを防いでいるようだ。

「実装石たちにとってはもっと大切な役割があります」

そう言うと男は、アーチの中に自分の腕を通した。
すると電子音が鳴り、アーチのすぐそばにある皿に、ごく少量の栄養ジュースとフードが盛られた。
つまり、実装石たちは、アーチをくぐるごとに食料を得られるのだ。
その量は厳密に計算されていて、行進を怠けると餓死及び出血死してしまうようになっている。
目先の成果に気を取られているので、自壊も不可能という無間地獄である。

「庭園の実装石たちは、修行時代の自分を忘れさせないためにいるのです
 苦しくても一生懸命に歩み続けていた、そんな時代が今の私を作ったのですから」

男の言うことには少し納得もしたのだが、
実装石たちは努力が報われることも無く、死ぬまで行進を続けるのだという。
行き倒れれば、後続の実装石の幸運なご馳走となる。

屋敷を一回りして玄関から中に入ると、テチャテチャと鳴き声が。
左右を見ると花瓶にすっぽりとはまった仔実装が六匹置かれていた。
男は置いてあったじょうろを手に取ると、中のジュースを仔実装たちに掛け始めた。

「テチャッテチャッ」

仔実装たちは顔を一生懸命上に向けて、少しでもジュースを口に入れようとする。
口内が空になると、舌が届く限り顔を嘗め回しながら、その甘みにニヤニヤと笑う。

「玄関の実装石は、私に日課をこなす大切さを教えてくれるのですよ」

一日三回の水やり?を怠れば、仔実装は死に、悪臭を発するだろう。
声変わりが始まったら、花瓶が邪魔をして奇形になってしまうので、
独り立ちさせるという。独り立ちとは何なのか?

怪訝な気持ちで階段を上ると、バシャバシャと水音が聞こえる。
音のする方向を見ると、そこには奇妙な水槽があり、中で実装石がのたうちまわっていた。
その水槽は二つに分かれていて、
片方は60℃の熱湯、もう一方は氷水が、実装石の膝の高さまで入れられている。
どちらも実装石には短時間しか耐えられないもので、懸命に両方の水槽を行き来している。

「デジャッ…デアアァー…」

私の目の前で実装石は氷水の中で力尽き、見る見るうちに青ざめていった。
男は網で実装石を掬い上げて、気付け薬をうつ。
その実装石を抱えて庭園にまた向かった。

泣き喚く実装石の口を私が抑えて、男が腹にポールを突き刺した。
堀に入り、鉄線の繋ぎ目を鍵で開ける。
刺したポールの尖ったほうをはずすと中は空洞になっており、鉄線をその穴に通す。
ポールを外して、鉄線を繋ぐと、行進実装の仲間入りの完了だ。
先ほどの水槽は、実装石に「立ち止まると死」ということを覚えこませる訓練装置なのだ。

「これで独り立ちです これからは自分の足で食っていくのですよ」

私はちょっと踏み出して、
体のいいことを言っているが、結局は虐待大好きなのでしょう?
と問うと、男は邪悪な笑みを浮かべて、

「もちろんですよ 嗜虐心を満たすと同時に、教訓を与えてくれるのです」

と言う。
若い頃から苦労して、一代で巨万の富を築いた男だ。
その経験が、虐待にも実利的なものを求めるのだろうか?

昼には大変豪華な実装料理が供された。
食事後に厨房を覗くと、そこは実装石の叫びと血肉が飛び散る暗黒空間。
今日いるシェフは男の虐待仲間だという。
普段は青山で真っ当なスイーツを作っている。
そんな彼が次々と実装石を捌き、蛆をちぎっては鍋に入れている。
青山の女たちには衝撃的な光景だろう。

奥に進むと、仕切りがあって、タイルの張られた一角が。
そこでは見習い料理人たちが、実装石を清めて、ハゲハダカに加工していた。
何故か知らないが小型エレベーターの中から満面の笑みで出てくる実装石。
それをひっつかんで服を脱がせて、口にホースを突っ込み、糞抜きをする。
並行してたわしで頭をガシガシとこすり、毛をこそぎ落とす。
糞を抜いた実装石は、泣き声をあげる暇も無くホースで湯を浴びせかけられ、
水圧でごろごろと転がり、隅につくころには綺麗なハゲハダカになる。

「デェェ…」 もそもそ 「テチュウ…」 もそもそ

ハゲハダカはキッチンペーパーを敷いた一角に放り込まれて調理を待つ。
なんともいえない表情をして、体を寄せ合って呻いている。
蛆や親指も、個別に待機していた。

「うちの実装は自家製なんですよ」

男はそう言うと、私を連れて階段を上り始めた。
屋上に出るとなんとも見事な空中庭園が作られていた。四方には木が植えられていて、さながら林のようだ。
芝生には定期的に野菜やフードが撒かれ、心地よい木陰にはタオルの敷かれたダンボールのハウス。
湧き続ける泉で実装石たちは服を洗い沐浴をし、溢れた水は水洗便所に利用される。
中央にはよくわからない四角い建物があった。

空中庭園には一見すると実装石の楽園が広がっているのだが、
男は数量限定のプレゼントを与えたり、真夏に日よけを外したり泉を半分枯らせたりして、
巧みに喧嘩や殺し合いが起こるシチュエーションを作り、実装石の気質を見分ける。
糞蟲か否か、仔か成体か。気分に合わせて虐待用・食料用の実装石を選定する。
選ばれた実装石は高級飼い実装として南国の「幸福アイランド」へ行けると信じており、
嬉々として小型エレベーターに入り下へ降りていく。周りには羨ましそうな他の実装石。
そこにドナドナの牛のような悲しさは無い。
楽園の皮を被った実装畑であった。

一度下に下り、別の階段を上がると、そこには豪華な風呂があった。
きらびやかな実装装飾にも驚いたが、さらに驚いたのが男がスイッチを押した時だ。
四方の壁と天井が透けて、空中庭園が見えるのである。
男は気分が乗ったら、空と実装石を眺めながら入浴するのだ。
妻と一緒に入浴する自分たちに羨望と嫉妬のまなざしを送る、実装石たちを見ながらのお酌は格別だという。

小型エレベーターの行き先は厨房ともうひとつある。
それは、地下に広がる虐待ルーム用だ。
一階の大階段の裏にある、まがまがしい実装の顔を模した鉄の扉。その中の階段を下りていく。
広がっていたのは意外にも綺麗で無機質な廊下だった。
一番手前の部屋には更衣室があり、そこで男は虐待用の水洗いできるスーツに着替えて、私はエプロンを借りた。
シャワーもあり、手や顔の汚れを落とせる用意もある。

「デスデスー? デスァッ!」

隣の部屋は、実装石の待機部屋だ。空中庭園から実装石を呼び出して、ストックしておくのだ。
待機室はそれぞれマジックミラーで中を見ることができて、
中では実装石が最低限の設備に、不満そうな顔を浮かべてうろうろしていた。
今回の取材では実装虐待はオーソドックスなものを軽くしか行わなかったが、
虐待部屋は様々な設備や器具が用意されている大変魅力的なものだった。
奥のVIPルームには実装ギャンブルの道具が豊富にあるという。

最後に小ぶりの応接室でインタビューと事務的な話をした。
派手さは少なく、落ち着く空間。窓際にフカフカの座布団が敷いてあり、そこで実装石が絵本を読んでいた。

「デッスン」

実装石は立ち上がって慎ましやかに礼をして、テーブルに置かれたポットと急須を巧みに操って、私と男に茶を注いだ。 
男は、空中庭園から特別に器量のいい実装石を見つけると、それを妻にするのだという。
法的には認められないが、結婚しているのだという。ジックスはするが、実装との子は作らないようだ。
日中、この「妻」はここで日向ぼっこをしているのである。
細かい話が全て終わると、男はささやかなお土産をくれた。

(家に帰って開けると、それは蛆実装をコイン型に押し固めたお菓子だった。
そのまま齧るのもいいが、お湯を注ぐとふやけて体が花のように広がり、美味なカップスープになる。
手違いで水を掛けたところ、シーモンキーのように復活して肝を冷やしたが、
体に染み込んだ塩分に苦しんだらしく、「レフーン」と鳴くと痙攣してすぐに死んでしまった。)

部屋を出るとき、妻実装はまた綺麗にお辞儀をした。
外の廊下で、男は悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。

「私はこの五年で二十回離婚してるんだ 妻には内緒だぞ」

男は門を出るまで私を見送ってくれた。
そこに数匹の実装石がいたので、男はほうきを持ち出してひっぱたいて追い払っていた。



屋敷が記事になると、虐待派の人間が大勢訪れたらしいが、そこは富豪の男。庶民は入れない。
金持ち仲間で集まって、夜な夜な実装虐待を嗜んでいるのだろう。

雑誌が発行されてしばらくして、
男の屋敷は色彩と音の暴力であるとして、近隣住民に訴訟を起こされた。
屋敷から出る大量の実装ゴミに実装石がたかる。洗濯物を干すと、ほのかに実装臭が付いてしまう。
日中、屋敷の壁に施された実装石を示すシンボルを見て、
幸福な飼い実装が沢山いるとでも勘違いしているのか、周辺の道を実装石たちがたむろする。
夜になると窓は妖しく赤と緑に光り、雲にはライトで実装の顔が映し出され、近所中にうめき声が静かに響く。

こればかりは、近隣住民の訴えにも多少の同情を禁じえない私であった。

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