タイトル:改訂版1
ファイル:「実装姉妹の逃避行・1」.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:5377 レス数:0
初投稿日時:2006/08/01-03:02:10修正日時:2006/08/01-03:02:10
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                 「実装姉妹の逃避行」


「フゥ、フゥ、ここまで来れば、ママも追いかけて来ないレチ」
    
「お姉ちゃん待つレフー、何でお家を出て行くレフー」
蛆実装を頭に抱えて、親指実装が夕方の公園を走っていた。

親指実装にとっては急いでいるが、そのスピードは虫程度の速さ、
4時間かけてやっと公園の入り口に差し掛かった。

「お姉ちゃんここはもう公園の入り口レフ、お家から勝手に出るとママに叱られるレフ」

蛆実装は頭の上で、尻尾や頭をフリフリして抵抗した。

「お前は分かってないレチ、昨日4匹いた妹達がいなくなったのを私は見たレチ」

「レフゥ?」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ダンボールハウスの近くで、親指実装は仲良しの蛆実装と遊んでいたが、
いつも近くで見守ってくれる、母実装の姿が見えないので不安なった。

「蛆チャン、ちょっと待ってて、ママを捜してくるレチ」

大好きなお姉ちゃんといつも一緒の、蛆実装が一匹になってしまう、不安で呼びかける。

「お姉ちゃん待ってレフ、蛆も一緒に行くレフ」

「すぐに戻るから、蛆チャンは待ってるレチ」

「レフゥ」

「すぐ戻るレチィ」そう言って、親指実装は駆けていった

ダンボールハウスの裏まで、親指実装は親実装を捜しにきた、
見つけた!ママだハウス真裏の斜面に、背中を向けている。

親実装のお尻あたりで、何かもぞもぞと動いている。

何だろう?緑色の小さな生き物。

「ママー捜し・た・・レ・・チ?」

変だ!いつものママじゃない、親指実装はダンボールの角から隠れて観察した。

「ママは隠れて、何をしてるレチ」

その時、親実装の足の隙間から這って来る蛆実装を見つける。

「3番目の妹レチ・・・なんだか必死レチ」

その瞬間親実装の、腕が上がり振り下ろされた。

ベチャツ!

「レヒャアー!!」

体の下半分を潰された蛆実装が、口からありったけの声と、緑色の液体を吹き上げる。

「ヒッ」
恐怖ですくみ上がる、親指実装。

「大人しくするデス、お前が最後デス、今楽にするデス」

頭を振って逃げる蛆実装の、潰れた尻尾を掴むと頭から口の中へ

「やめてレフ、やめてレフ、ママ!ママ!痛いレフー!レフゥ!」

ゆっくりと体液を味わった後、ゴリっと一気に頭をすり潰す。
ゴリ、ゴリ咀嚼するたびに、蛆実装の悲鳴は小さくなっていった。

ダンボールの角で見ていた親指は恐怖で震える。

「ママが妹達を食べている、信じられないレチ」

傷だらけになりながら、ゴハンを持って来てくれたママ。
両手を広げると抱き上げて、頬ずりてくれたママ。
眠れずに寄り添えば、子守唄を歌ってくれたママ。

絶対的な信頼を置いた、母親が子供を食べるなんて、
親指実装は、全てが信じられなくなる。

親指実装は恐怖で座り込み、四つん這いで這いずりながら、その場を後にした。

四つん這いで這って行き、蛆実装まで何とかたどり着く。
妹の顔を見つめて抱きつくと、蛆実装は勘違いをする。

「お姉ちゃんはお姉ちゃんの癖に甘えんぼレフ」
「早くママの所に行って、ダッコして貰うレフ」

蛆実装からママと言う言葉を聞いて、親指は決断する。

「ここを出て行くレチ」

「レフ?」

「ママから逃げるレチ」

それを聞いた蛆実装は、ポカンと聞いていたが、頭の上に抱え上げられる。

「高いレフ、高いレフ、お姉ちゃんより背が高くいレフ」

喜んでいる蛆実装を、頭に抱えて親指実装は、公園の外へ走り出した。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



ダンボールハウスに帰った母実装は、子実装達がいない事が気にはなったが、
夕方には戻って来るだろうと、夕飯の餌探しに出かけた。

母実装は夕方になって、餌を持って帰ってくる。

「ただいまデス、今日はお前達の好きな、パンの耳を愛護派の人間に、貰ってきたデス」
「妹と仲良く分けて食べるデス」
「それと今日は、お前達に話すことがある・・デ・・ス・・?」

誰もいない・・おかしい、今まで子供がこの時間に、帰って来なかったことは無い。

ダンボールハウスを出て、公園内をデスゥデスゥーと探し回るが、何処にもいない。

いったい何処に行ったのか、他の実装がダンボールハウスを襲ってきたのか、
そればならば、それらしい形跡があるはずだがそれも無い。

子供達は何処へ、親実装は半狂乱になって捜すが、
大きな声で捜したために、他の実装に気づかれ襲われてしまう。

夜になっても探し回り、ボロボロになってダンボールハウスに帰ってきた、

「どーしてデスゥーあんなに愛して面倒を見てきたのに、いったどこに行ったデスゥゥ」
「こんな事なら夕飯を捜さずに、子供を捜していれば良かったデス」
「やっと生まれた子供なのに、ワタシはバカデス、バカデスゥ」
ダンボ−ルハウスで泣き崩れる、親実装の泣き声がいつまでも、聞こえていた。

母実装は気づいていない、間引きの為に子供の蛆実装を
食べている所を親指実装に見られた事を。

そして親指実装も気づいていない、母実装は近親交配を繰り返し
生まれる子供が、蛆実装ばかりになってしまい、お産の度に悲しい目に会っていた事を。

3度目のお産で、初めて生まれた五体満足の実装が、今の親指実装だ。

親指実装だが、手足がちゃんと付いている、
それ以降、母実装は親指実装を大事に大事に育てていた。

親指実装も母に良く懐き甘え、賢い仔に育っていた。

今回の間引きの時も、親指実装に特に懐いていた、
蛆実装だけは、一人でも淋しくないように間引きはしなかった。

残った子供は、間引かれる事も無いのに、安全な母親から離れていってしまった。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


ここは公園の入り口から、数メートル離れた、人間の家庭の中にある花壇の茂み。

「お姉ちゃん、これからどーするレフ」
「お家に帰りたいレフ、お腹すいたレフ」
蛆実装を抱えて座り込んだ親指実装も、後の事を考えて飛び出した訳では無い。

どーしよーか、妹に不安な返事は出来ないし・・・・。
「ママは良く、人間という物にゴハンを貰ってきたレチ、人間に会えばゴハンを貰えるレチ」
「明日になったら、お姉ちゃんが人間にゴハンを貰って来るレチ」
「だから今夜は、一緒に寝るレチ」

親指実装も、不安で心が押し潰されそうになったが、妹の為にも顔には出せなかった。
「ヤッター、今日はお姉ちゃんと一緒におねむレフ、一緒レフー」

無邪気な妹と不安な夜を迎え、最初は寝付けなかったが、
走り回った疲労で、いつしか眠っていた。




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