rosa rossa (1) それは、どこにでもあって、何の変哲もない公園。 実装石がいて、虐待派がいて、愛護派もいて、観察派もいる公園。 それは、いつでもなくて、いつでもあるような平凡な日。 でも、今日は違った。 何かの起こりそうな日だった。 「デッスーン!今日は当たり日デッスー!我が家の布団にするデスゥ〜♪」 1匹の成体実装が重そうな紙束を引きずって、公園へ戻ってきた。 今日は燃えるごみ漁りの予定だったが、食べ物に加えて雑誌を見つけたのだ。 「ママが言ってたデスゥ。紙をいっぱいグシャグシャすれば、あったかいんデッス〜」 この実装はここに住み着いてもう半年になる。 ダンボールハウスの材料から餌まで、この近辺は一通り開拓していた。 それでも、共喰いも駆除も虐待も逃れて生き続けるのは、至難の業だ。 1人ならば何とかなる。でも、子供が生まれれば状況は厳しくなる。 「ただいまデス〜。」 「ママお帰りテスゥ!いい子にしてたテスゥン♪」 「レフレフー♪おもらししなかったレフー」 ダンボールハウスでは、仔実装と蛆実装がおとなしく待っていた。 先日数度目の出産をしたが、無事に生きながらえているのはこの子達だけ・・・。 「さぁ朝ごはんにするデスー。今日は真っ黒バナナがあったデス〜」 袈裟に掛けていたビニール袋をはずし、熟れて真っ黒になったバナナを取り出した。 「テチャー!アマアマテスゥン♪ママ、ありがとテスゥ」 仔実装は丁寧に皮をむき、妹の蛆実装に口移しでバナナを食べさせてやる。 「オネイチャ、ネトネトアマアマレフー」 その様を見て、親実装は目を細めた。 口移しでの食餌。 それは、仔の中の、母性の目覚めを示していた。 言葉ももう中実装の言葉に近づいている。 この仔には、そろそろ来るのかもしれない……。 あの甘酸っぱいキモチの訪れが……。 親実装は子供たちの朝食を見届け、外に一旦置いてきた雑誌を取りに出た。 が、そこには大事な獲物を勝手に広げる禿裸がいた。 「デスゥ〜、デデデ、デッスゥ〜ン。デゥー」 ・・・・・・しかも、あえぎながら、本にシミをつけていやがる。 「デシャァアァ!!勝手にナニヤッテルデスー!!」 「デギャー!済みませんデス済みませんデスー!!懐かしかったんデズゥー」 突然の抗議に慌てて、禿裸は本の上に平身低頭して謝りはじめた。 「これはウチの布団にするデス!ウンコで汚すなデスっ!」 「済みません済みませんデスゥ……ご主人様もこの本を持ってたんデスー懐かしかったんデスゥ」 「デ、デデ?オマエ、コレに書いてあることわかるんデス?」 この禿裸、つい先日捨てられた飼い実装だ。自然の摂理に従って、その日のうちにこの姿になった。 飼い実装の中には、文字が読める者もいる。 飼い主とのコミュニケーションやテレビなどの情報によって訓練されるという。 「デスゥ〜ゴシュジンサマがいない時に、こっそり読んでた『てぃーんずこみっく』デッスーン」 「な、何デス?『てぃー…何とかって……?」 親実装にとって、今まで紙の束としての認識しかなかったものが、禿裸には別の意味をもたらしている。 彼女は嫉妬と憤懣に満ちた眼で禿裸をにらみつけた。 「『てぃーんずこみっく』は、ニンゲンの発情期と交尾の本デスゥ(はあと)」 禿裸はいつの間にか体をくねらせ、本のシミをさらに拡大しはじめた。 「デギャ!発情期と交尾のことが書いてあるデス!?ちょ、ちょっとオマエ顔貸すデス!」 親実装は『てぃーんずこみっく』と禿裸を引きずって、 自宅の隣に放り出しておいた、古いダンボールハウスへ飛び込んでいった。 この異常な筋力、母の愛であった…。 「こ、コレを読んだら発情期のことがわかるデス?」 「デッスゥ〜ン(はあと)」 「……っ静かにするデス!他のヤツラに気づかれたら殺すデスゥ!」 「デ、デゥ…」 古いダンボールハウスの暗がりの中で、親実装と禿裸は頭を寄せ合っていた。 「うちのムスメがそろそろ“時期”なんデスゥ。でもウチには蛆ちゃんもいて、手が離せないデッスン」 「デー、子供が多いと大変デッスン〜。」 禿裸は腕を組み、うんうんとうなずく。 「そうなんデッスーン。お宅みたいに1人だと楽デスゥ…そ、そういう話じゃないデス! オマエがその本を娘に読み聞かせてくれたら、読み終わるまでの間、ごはんと寝床をやるデス」 「デデッ!?ホントデス…?ウチの仔も養ってくれるデスゥ…?」 「ハハに二言は無いデス!」 親実装は胸をぽすぽすと叩いてみせた。 「でもオマエの仔は人質にもらうデス。ウチの仔を喰ったら喰い返すデス!!」 「デェェ選ぶ余地がないデッスン…」 「じゃ、早速今日から始めるデス〜!」 禿裸の都合など関係ない。それが実装石の掟だった。 親実装は脅威の速さでダンボールハウスを飛び出して行き、そこには呆然とした禿裸が残された……。 ============================================== 初スクです。 まだエロくなくてすいません。 待ってて欲しいレフー byひ乃字
