-------------煎餅------------- 埼玉に住んでいる親戚から荷物が届いていた。 中身は煎餅。 かつて遊びに行った時に茶菓子として出され、 その味が気に入ったので定期的に送って貰っているのだ。 お礼のメールを送り、早速箱から一袋取り出す。 袋を開けると、飼っている仔実装がテッチテッチと走って来た。 「テチーテチーテチュー・・・」 両手をパタパタと上下に振った後、前に差し出す。 どうやら食べたいらしい・・・ 私は暫く考え込む。 以前友人が来た時にこの煎餅を出した事があった。 彼はそれを一口齧ると、慌てて台所に行き 水を十杯近く立て続けに飲んだ。 氷を要求して来たので冷凍庫から取り出し渡すと口の中に放り込んだ。 何の冗談かと聞かれたが、別に何の冗談も無い。 私は普通にその煎餅を食べていた。 仔実装がテチテチとうるさいので一枚渡してやる事にした。 袋一杯に詰められた唐辛子の中に浸かっている煎餅を取り出し 手に持たせる。 「よくこんな辛い物が食べられるな・・・ いや、『辛い』ではなく、『痛い、熱い』だな・・・」 なぜか友人は私を奇異な目で見ていた事を思い出す。 「テッチー♪」 喜んだ仔実装は口を大きく開け・・・ ※この「友人」の言動は作者の経験に基づくものです。
