『実装くっきん♪』 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 近所のゴミ捨て場に台所用品が一式、段ボール箱に突っ込んで捨ててあった。 きのう引っ越した向かいの家のものだろうか。 鍋、フライパン、おたま、ざる、おろし金……さすがに包丁はないな。 当たり前か。そのまま捨てたら危ないものな。 せっかくなので箱ごと頂戴して我が家の物置に突っ込んでおく。 そして、おろし金だけ携えて公園に乗り込んだ。 人間の姿を見て、わらわらと集まって来る野良蟲ちゃんたち。 「デッスーン♪」「テチィ♪」「テチュン♪」「レチッ♪」 ゴハンちょうだいお菓子ちょうだいニンゲンさんのおうちで飼ってちょうだい。 人間に依存するばかりのニート蟲どもの言うことなどテンプレもいいところだ。 さて、どの仔を料理してあげようかな♪ リンガルのスイッチをオンにして、無警戒な仔蟲を一匹、片手でつかむ。 「テッチューン♪」 (ニンゲンさん、こんにちわテチ♪ 遊んでくれるテチ? 飼い仔実装ちゃんにしてくれるテチ?) 反対の手につかんだ、おろし金に仔蟲の顔面を押し当て、ゴシゴシすり下ろす! 「テッ…テヂャァァァァァッ!?」 ぶりぶり漏らした糞がパンツの裾から垂れ始めたので、ぽいっと地面に投げ捨てる。 仰向けに転がった仔蟲の頭は前面の三分の一が赤と緑色の入り混じったミンチ状になっている。グロッ! 「テッ…テビェェェェェ…」 (お顔イタイイタイテチ……ママ助けに来テチ……どこにいるテチ……? 何も見えないテチ……) 前頭葉まですり下ろしてやった筈なのに意外とマトモな反応してやがる。 そして周りの汚蟲ちゃんたちといえば、 「デェェェェェッ! デズゥゥゥゥゥッ!!」「テェェェェェン! テェェェェェン!」 (ギャクタイ派のニンゲンだったデズゥゥゥッ!!)(怖いテチィ! ママァァァッ!!) 慌てて逃げ出す連中と、 「デプププ…♪」「チププ…♪」 (ブサイクは気に入られなくて当然デス♪)(ドレイニンゲンの主人になるのはワタチテチィ♪) 思いきり勘違いしている糞蟲が半々だ。 幸せ回路フル回転の勘違い糞蟲を蹴り飛ばし、逃げる仔蟲を一匹、捕まえてやる。 糞蟲をいたぶるのは当然すぎて、つまらないからな。 「テェッ…テッ…………テッチューン♪」 (ニンゲンさん、ひどいことしないでテチ……おあいそするから赦しテチ? テッチューン♪) 媚びポーズで頬に当てた右手もろとも顔面をおろし金に押しつけ、すり下ろす! 「テヂョェェェェェッ!?」 (ママァァァァァァァァッ!?) うーん、一匹目の肉片がこびりついているので、おろし金の切れ味が悪いな。 意外と遊べなかった。もう捨てるか。 仔蟲を地面に投げ捨て、おろし金は燃えないゴミのゴミ箱へ。 肉片がついたままだけど仕方ないよな。もともと生ゴミみたいな蟲どもが放置されてる公園だ。 「テヒィ…テヒィィィィィ……」 (おテテ……お顔……イタイイタイ……ママァ……) ひくひく痙攣している顔無し仔蟲に、よだれを垂らした野良蟲が手を出そうとしたので蹴飛ばした。 「デヂャァァァッ!?」 (ワタシが貰えるゴハンの筈デスッ!?) だが、一匹目の仔蟲の姿はすでにない。もう喰われたらしい。早ッ! つまらないことをしてくれた制裁として残りの糞蟲も蹴り倒す。 そして成体は手足を踏み潰して身動きとれないようにする。仔糞蟲は頭から潰してサヨナラだ。 これで二匹目の顔無し仔蟲は、もうしばらく生きられるだろう。 運が良ければママにおうちに連れ帰ってもらえるかもね♪ そしたらお顔も再生するかも♪ そうでなければ苦しみが長引くだけだけど♪ そっちのほうが可能性大きいかな♪ さて、この次はどの道具を使って蟲ちゃんたちを料理してあげようか。 オラわくわくしてきたぞ♪ つい鼻歌など歌ってしまいながら公園を後にした。 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 【終わり】
