『打ち上げ落とし』 ※ジックスもどき「上げ」で糞蟲がアヘアヘする微妙に不快かもしれない描写がありますスマソ…… ------------------------------------------------------------------------------------------------ 「——たこ焼きおいしそうテチィ……」 「チョコバナナもおいしそうテチィ……」 「テプププ、実装焼きはみじめに焼け焦げてるテチィ♪」 縁日の屋台でテチテチ可愛らしく鳴いているのは定番のカラー実装ちゃんです。 生まれつきの緑色ではなく赤や黄色、ピンクやオレンジなど色とりどりの実装服を着たお洒落さんたちです。 「店番のオジサン、ワタチにふわふわの綿アメを貢ぐことを許すテチ♪ 早く買って来るテチ♪」 「ワタチにはアマアマ水アメ寄越せテチ♪ ジャンケンで勝つと貰えるもう一本はお駄賃にくれてやるテチ♪」 カラー実装ちゃんの中には店番のおじさんに、おねだりしている仔もいます。 縁日で売られているご馳走は実装ちゃんたちにとっても、よだれが出るほど魅力的です。 でもリンガルを使っていないおじさんには実装ちゃんたちの可愛らしいおねだりは通じません。 それどころかラジオのナイター中継を聴きながら週刊誌を読みふけり、実装ちゃんたちには眼もくれません。 おじさんは実装ちゃんたちを商売のタネとしか思っていないのです。愛情は欠片もありません。 そこに通りがかったニンゲンさんが、屋台の前で足を止めました。 それに気づいた実装ちゃんたちは、さっそく、 「「「……テッチューン♪」」」 お得意のおあいそで自分たちの可愛らしさをアピールします。 「……キモッ!(笑)」 ニンゲンさんは薄笑いを浮かべて、あっさり立ち去ってしまいました。 おあいそのポーズのまま呆然とニンゲンさんを見送る実装ちゃんたち。 オレンジ色の実装服を着た一匹の仔が、その場でぴょんぴょん飛び跳ねながら怒り出します。 「テヂャァァァッ! キモイのはオマエのほうテチ! メタボがTシャツ姿で出歩くなテチ見苦しいテチッ!」 ずんぐりむっくりな体型は似たようなものですが自分のことは棚に上げるのが実装ちゃん的な正義です。 「誰がオマエごときに飼われるかテチッ! ワタチの御主人様は関ジャニかそれ以上の美形に決まっテ……!」 テチテチ騒ぎ立てていたオレンジ実装ちゃんが、むんずと店番のおじさんにつかみ上げられました。 そして、おじさんの足元の地面に叩きつけられると、 「チベッ!? ……イタイテチッ! オマエ何するテッ……テビャァァァァァッ!?」 無造作に靴の裏で踏みにじられてしまいました。 実装ちゃんの悲鳴はラジオの音で掻き消され、周りの通行人さんたちは気づいていません。 気づいたとしても誰も何とも思わないでしょうけど。 「……テッ……テピェェェ……」 赤い血と緑の体液&糞まみれでになった元オレンジ実装ちゃんを、おじさんは屋台の下に蹴り込みます。 縁日が終わるまで、そのまま放置プレイ確定でしょう。 そして縁日が終わってまだ生きていたときは生ゴミとして捨てられることになるでしょう。 カラー実装ちゃんたちの原価は格安です。 もともと実装石ブリーダーが大量に生産する仔実装の中で躾けに不向きとしてハネられた仔たちです。 だから実装ちゃん自身はタダみたいなもの。 あとのコストは国外製の安物のカラー実装服と、屋台で糞を漏らさないよう事前に与えるドドンパだけです。 元気がなくなったら捨てる、露骨に糞蟲化したら捨てる、売れ残って中実装になったらやっぱり捨てる。 それがカラー実装ちゃんの取扱いに関するテキ屋業界的な正義なのです。 「テプププ……あのオレンジはバカテチ♪ 騒ぎすぎて店番オヤジの機嫌を損ねたテチ♪」 「お利口なワタチは晴れて飼い実装になるまでオヤジにはせいぜい媚を売っておくテチ♪」 「テッチューン♪ オジサン、ワタチはいい仔テチよ? お隣で売ってる焼きそば食べたいテチ♪」 懲りずに糞蟲みたいなことを言ったり媚びている実装ちゃんは無視して、おじさんは週刊誌に眼を戻します。 リンガルがないので実装ちゃんたちの言葉が通じていないのは、お互いにとって幸いだったでしょう。 おじさんもその筋ではベテランで若い頃には因縁をつけてきた地回りヤクザを半殺しの目に遭わせています。 双方の大親分がラバウルの戦友という仲でなければ、ちょっとした抗争に発展していたでしょう。 結果的には、おじさんの小指一本で手打ちとなりましたが、血の気の多さはいまも衰えていません。 おじさんを怒らせたら実装ちゃんたちは、あしたのお天道様を拝めないでしょう。 とはいえ、おじさんも売り物を潰しすぎたら商売上がったりです。 お互いにとって幸いとは、そういう意味です。 「——あの、おじさーん」 おやおや? 屋台に別のお客さんが来たようですよ。 小学五、六年生くらいの男の子三人組です。 「ジッソーセキ、ほしいんですけど」 「へい、らっしゃい」 途端に相好を崩すおじさん。お客への愛想はよかったようです。 「うちの仔はみんな元気だよ、おあいそ振りまいて可愛いだろ?」 「「「「テッチューン♪」」」」 おじさんの売り文句に応えるように、おあいそしてみせる実装ちゃんたち。 すると男の子たち、なんだかませた冷ややかな笑いを浮かべながら、 「オレ、そっちの赤いのと黄色いの」 「俺は青とピンク」 「じゃあ、僕は白黒の牛みたいな模様のヤツ二匹」 それぞれ実装ちゃんを選びます。 おじさんは愛想良く笑いながら、 「みんな二匹ずつ飼ってくれるのかい? 仔実装といっても二匹だと世話は大変だぞ」 「いや、いいんですべつに、なあ?」 「そうそう」 薄笑いで頷き合う男の子たちに、おじさんにも何だか通じたようで笑いながら、 「ハッハッハ、そうか、あんまり悪さするんじゃないぞ、よそ様に迷惑かかるようなことは」 「しねーよ、なあ?」 「しないですよ、ただ川に……」 「シッ! クソムシどもに聞かれたらマズいだろ」 「そっか、まだ『上げ』の段階だから……」 男の子たちが心配しなくても、すでに実装ちゃんたちは話を全く聞いていません。 「わーいわーいテチ! これでワタチも飼い実装テチィ!」 「テプププ、可愛いって罪テチ♪ 選ばれたのはブサイクなオマエたちじゃなくワタチテチ♪」 「テヂャァァァッ!? なんでワタチが選ばれないんテチィ!」 「オマエそのウシみたいな柄の実装服を寄越せテチッ! ブタみたいなオマエには似合わないテチッ!」 「ふざけるなテチッ! これは牛肉が主食の高級飼い実装確定のワタチにこそぴったりフィットテチッ!」 テチテチにぎやかな実装ちゃんたちの中から、おじさんは売れた仔をつかみ上げます。 そしてビニールの手提げ袋に二匹ずつ入れて男の子たちに渡しました。 あまり丁寧とはいえない扱いに実装ちゃんたちは抗議の叫びを上げます。 「テヂャァァァッ!? 何で袋に入れるテチッ! これじゃ貧乏くさい託児野良と一緒テチッ!」 「こんな扱いふざけるなテチッ! 飼い実装はドレイニンゲンが両手で大事に捧げ持つべきテチッ!」 でも男の子たちもリンガルを持っていないので実装ちゃんたちのお願いは聞いてもらえません。 おじさんにお金を払い終えると、男の子たちは袋を振り回しながら駆け出します。 「テギャァァァッ!? 眼が回るテチィッ!?」 「振り回すなテチッ! 空きっ腹に響くテチッ! せめて広島風お好み焼き喰わせろテチィッ……!」 男の子たちは、そのまま縁日会場の外へ出て行きました。 縁日よりもドキドキするお楽しみが待っているからです。 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 男の子たちが向かった先は川を見下ろす土手の上でした。 縁日のざわめきが遠くに聞こえています。 そこに自転車を止めて中学生くらいの少年が二人、待っていました。 一人は(中坊のくせに)茶髪で煙草をくわえ、もう一人は坊主頭ですが、やっぱり煙草を吸っています。 自転車の前カゴには何やらスーパーの買い物袋が載せてあります。 「センパーイ、クソムシ買って来ましたー!」 「おうっ、ご苦労!」 先輩と呼ばれた少年たちは袋を受け取って、中の実装ちゃんたちを覗き込みました。 「……テベェェェ……おメメがグルグルテチィ……」 「……吐いちゃいそうテチ……でもおなか空っぽで吐けないテチィ……」 「ばーか、オマエら袋を振り回したろ」 茶髪の少年が、後輩の男の子の頭を軽く小突きます。 坊主頭のほうの少年が笑って、 「あまり弱らせたら反応が薄くてつまんねーんだよ。飼い実装になれるってことは吹き込んだのか?」 「あっ、忘れてましたー」 後輩たちが答えると、茶髪の少年が口をとがらせ、 「ばーか、おまえらホントばーか、それじゃ『上げ落とし』になんねーじゃん」 「ここに連れて来る間だけでも飼い実装になれると思わせれば、騙されたと知ったときの反応が楽しいんだよ」 坊主頭の少年に説明されて、後輩たちは素直に謝りました。 「そうだったんすかー、すいませーん」 「まあ、しょうがねーよな。クソムシの金を出してるのは、こいつらだし」 「でもオレらだってロケット花火の金、出してるぜ……」 少年と男の子たちはそんなことを言い合いながら、川岸へ向かって土手を下りて行きます。 自転車のカゴに入れていた買い物袋は坊主頭の少年が提げています。 彼らが心配しなくても実装ちゃんたちは、しっかり飼い実装になれると思い込んでいるのですけど。 「……テェェェ……せっかく飼われたのに、こいつらひどい飼い主テチィ……」 「……なんたる無礼な扱いテチィ、可愛いワタチを迎える心得を教育してやらないといけないテチィ……」 隣町との境界を流れる川は、ロケット花火を飛ばしても対岸に届かないほど充分な幅がありました。 石ころの転がる川岸へ下りた少年たちは、そこでそれぞれの荷物を広げました。 先輩の少年たちはロケット花火を。 後輩の男の子たちは、それぞれカラー実装ちゃんを。 もっとも川岸は月明かりでしか照らされていないので、実装ちゃんたちの綺麗な服の色は、よく見えません。 茶髪の少年が後輩たちに命じました。 「じゃあ、オマエらクソムシのパンツ脱がせろ」 「えーっ、マジっすか」 「なんかキモチわるー」 男の子たちは笑いながら、実装ちゃんを一匹ずつつかんでスカートをめくり、パンツを脱がせにかかります。 それでようやく実装ちゃんたち、正気に戻ったみたいですよ。 「テチャァァァッ!? 何するテチッ!? オマエたちコドモのくせにスケベテチッ!」 「ジックスするテチ? でもここお外テチ? 野外ジックスなんてダイタンすぎるテチ♪」 「テェェェン、初めては飼い主さんのおうちでしたかったテチィ、それが飼い実装の醍醐味テチのにィ……」 「なんかテチテチ騒いでますけど、センパイの携帯にリンガルアプリ入ってないですか?」 男の子の一人が言って、坊主頭の少年が苦笑いで、 「どうせロクでもないキモいことしか言ってねーから、聞かねーほうがいいよ」 どうやら実装ちゃんたち、最後までニンゲンさんとは意思疎通できないようです。 もっともリンガルを使ったところで、人間と実装石がお互い理解し合えないのは変わらないでしょう。 「よし、じゃあ脱がせたクソムシ、一匹ずつ寄越せ」 茶髪の少年と坊主頭の少年が、それぞれ実装ちゃんを受け取りました。 「初めてのジックステチ♪ やさしくしてほしいテッチュン♪」 下半身裸で、おあいそしてみせた実装ちゃんの大事なところにロケット花火が突き当てられます。 すでにジックスへの期待で幸せ回路フル回転の実装ちゃんたち、もう濡れ濡れです♪ 「テッ……? いきなり道具テチ? いやーんテチ♪ 恥ずかしいテチ乱れちゃいそうテチィ♪」 ぬぷり……と、あっさりロケット花火の本体部分が実装ちゃんの大事なところに呑み込まれました。 「あんっテチッ♪ もっとゆっくり動いてぇんテチィ♪」 「あんあんっテチィ♪ 硬いの入ってくるテチィ♪」 うっとりしている実装ちゃんたちに、少年たちは苦笑いです。 「なんかこいつら、よがってるみてー、キモすぎー!」 「いいじゃん、それが上げ落としと思えばさ、どうせすぐ地獄を見せてやるんだ」 少年たちはロケット花火の軸の部分を川岸の石ころの間に立てました。 そして、ある程度の仰角をとって花火の先——実装ちゃんの頭を川の方向に向けます。 「いやぁん挿れただけじゃダメテチィ♪ 早く動いテチィん♪」 と、世迷い言を口にしていられたのも、実装ちゃんたちの身体から少年たちが手を離すまででした。 手が離れた途端、 ——ずぶりっ! 何も支えがなくなった実装ちゃん自身の体重で、ロケット花火は深く胎内に突き刺さったのです。 「テヂャァァァァァッ!? 長すぎテチ大きすぎテチ! こんなの無理テチィッ!」 「イタイイタイイタイ! やめるテチ抜くテチバカニンゲン! オマエらケダモノかテチッ!」 「こいつら、テチテチうっせーな」 「すぐ全部セット終わるから我慢しろよ」 残りの実装ちゃんたちも、次々とロケット花火を大事なところに刺されて河原に並べられました。 「テピィィィッ!? おまたがイタイイタイテチッ! お嫁にいけなくなるテチィッ!!」 「飼い実装へのセクハラテチDVテチッ! ジソケン派弁護士を雇って謝罪と賠償を要求するテチィッ!」 「テピェェェェェ……ホントにイタイイタイテチ……お願いテチやめテチ赦しテチィ……」 串刺し状態の実装ちゃんたちを眺めて、満足そうな様子の少年と男の子たち。 「センパイ、オレたちにも一匹ずつ、火をつけさせてもらっていいですか?」 「いいぜ、ライター貸してやるよ」 先輩の少年からライターを受けとって、男の子の一人がロケット花火に火をつけました。 導火線は実装ちゃんたちのお股の間から、ちょろりと覗いています。 ——パチパチパチパチッ……! 火のついた導火線は鮮やかなオレンジの火の粉を吹きながら、たちまち短くなっていきました。 「アチュイ! アチュイ! 実装ちゃんは火気厳禁テチッ! そんなことも知らないオマエらはバカかテチ!」 脚に火の粉が飛んで、実装ちゃんは、ばたばたともがきます。 そして、 「……テビャァァァァァァァァッ!?」 導火線が実装ちゃんの大事なところを焦がした——と同時に、そこから火柱が噴き出して。 実装ちゃんは川に向かって勢いよく飛んで、 「ピギャァァァァァッ!?」 ——パァァァァァンッ! 川の真ん中付近で花火のように赤と緑の光を散らして炸裂しました。 「わーっ、すげー」 「マジ花火みてー、ほかのも全部飛ばそうぜー」 「ヂャギャァァァッ!? ヤメるテチ! いまならまだ赦すテチ! 黙って飼い実装になってやるテチから!」 「ママァァァァァッ! 助けテチィィィィィッ! もう蛆チャ食べたりしないテチからァァァァァッ!」 「中で出していいテチ! オシッコも飲ませてやるテチ! 変態プレイも許すテチから命だけはァァァッ!?」 実装ちゃんたちがいくら泣こうと叫ぼうと、男の子と少年たちは容赦ありません。 「ヂェピィィィィィッ!?」 ——パァァァァァンッ! 「ヂョェェェェェッ!?」 ——パァァァァァンッ! 「テピェェェェェッ!?」 ——パァァァァァンッ! 「ヂョアッ!? ヂョエッ!?」 ——パァァァァァンッ! 「テヒョォォォォォッ!?」 ——パァァァァァンッ! たちまち残る五匹の実装ちゃんも、綺麗な花火となって川面に散ったのでした。 「あー、おもしろかった」 「でもなんか、あっけねーな」 「もっとクソムシ買って来ましょうか、センパイ?」 「今度はオレら金出すからさ、まとめて二十匹くらい買って来いよ」 「縁日のカラー実装なんて安いしな」 「でも糞抜きしてあるのは、ありがてーよ。野良だとすぐウンコ垂れて汚ねーから……」 少年と男の子たちは楽しそうに語らいながら、その場を立ち去っていきました。 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 【終わり】
