実装グルミの使い様 【A子ちゃん(6歳)の場合】 お母さんに頑張ってお願いして買ってもらった実装グルミ。 赤と緑の円らな瞳と、ちょこっと微笑むように開いた猫口。 頬をピンクに染めた丸い頭の額にはフサフサした茶色い髪が乗っている。 寸胴な体には緑色のお洋服が着せられて、後ろに伸びた長い髪は良い匂いがする。 出来る限り愛らしく造形された子供用実装グルミは、A子ちゃんの新しいお友達になった。 【B男さん(29歳)の場合】 先日、友人から要らなくなって捨てるつもりだと聞いて、実装グルミを貰ってきた。 今日まで部屋の隅っこに放置したままだったが、ようやく使うときがやってきた。 ついさっきコンビニへ行って託児された仔実装を中へ残したまま他の商品を取り出してコ ンビニ袋の口を縛り、成体実装石サイズの実装グルミへ背中から押し込んでやる。 実装グルミの中は仔実装でも狭く、悲鳴を上げているが構わず入れてチャックを絞めた。 その脳天から踏みつけ、背中を蹴り飛ばし、壁に衝突しうつ伏せに倒れた胸へ踵を落とす。 心配しなくても頑丈な実装グルミは中の仔実装が死なない程度に守ってくれる。 部屋も体も汚さないし、道具も用意しなくて良く、長時間遊べるのが良いところだ。 あとで仔実装の親が来たら、袋に入れたまま仔実装を投げ返してやろう。 【C美さん(21歳)の場合】 バラエティ番組を見ながら実装グルミを胸に抱く。 好きなお笑い芸人の発言に度々笑い声をあげながら、実装グルミを抱く腕に力を入れる。 まるで腹を抱えて笑うみたいに実装グルミを強く抱き締め続ける。 タオルを詰め込まれた実装グルミの口の奥から、ずっと苦しげな悲鳴が漏れてくるのも気 付かない様子で。 番組が終わるとTVの電源を切り、深い溜息をついてから両方の拳で実装グルミの腹を挟 むと、その拳をグリグリと捻じり込みながら愚痴を吐き始めるのが、彼女の日課だ。 あと一時間ほどしたら中の仔実装を出して、金平糖を抱かせて水槽に戻してやる予定。 【Dリコ(1歳)の場合】 今日も何とかアイゴハのニンゲンから御飯を貰ってこれたデス。 私の言いつけを守ってお家で大人しく待ってる仔供達に、早く食べさせてやるデス。 泣き虫の親指二匹が寂しがって大変だと姉の仔が言ってたデスが、それもこの前お人形を 拾ってきてから、私のいない間はお人形に抱きついて静かにしてるというデス。 あの私たちにそっくりなお人形は、私が留守のときには他の実装石に私がいるように見せ ることもできて、本当に便利デス。 ただいまデスー……デデ?仔供達の姿が見えないデス? みんな遊びに行ったデス?って、お人形のお前に聞いてもわかるわけがなかったデス。 「私は知ってるデス!!」 デゲェェェェェェェッ!!!に、人形に、ぐびをじめられでるデズゥッ!? 「お前の仔達は二匹とも、私のお家につれていったデス。今頃は私の仔達がいっぱい遊ん でやってるデス」 ぐるじぃデズゥゥゥッ……おまえはぁ、お人形じゃ、ないデズゥゥ? 「もちろんデス!賢い私は、お前の人形の正体なんか簡単に見破ってやったデス!なのに お前は人形のマネをしていた私にまんまと騙されやがったデス。馬鹿な糞蟲デス!!」 デギュゥゥゥゥゥ〜〜〜〜ッ!!!! 「お前はこのまま死ぬデス!!重いお前をここで食っていくデス!さぁ、死ぬデス!!」 いやデズッ…しに、たく、ない、デ、ズゥ…… 「デプププププ♪惨めデス♪小賢しいマネをしたお前の自業自得デス〜〜♪」 こ……こぉ…………こぉ……・・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 【Eコ(0歳)の場合】 おにんぎょうさんのなかは、あったかくってやわらかくって、とってもきもちいいレチ。 でもワタチはママのにおいのほうが、きもちよくてだいすきレチ。 はやくかえってこないかな、ママ……… 「……も〜う一匹見つけたデッス〜ン♪」 レチ? 【F夫さん(52歳)の場合】 実装グルミ開発スタッフのF夫さんは開発中の思い出をこう語る。 「実装グルミだと思って雑巾絞りの耐久テストをやったら本物の実装石でした。あはは」 END
