お手伝い実装 最近では身寄りの無い老人や、コミュニケーションの苦手な若者が実装石を飼う傾向がある。 中でも人気なのが、躾け済みのお手伝い実装だ。 指の無い手と貧相な力ではできることは限られているものの、それなりの仕事はこなせるようだった。 ある実装ショップの話。 とある高級お手伝い実装の買い手が見つかった。 人間の中学生並のおつむと、しっかりとされた躾。 長い寿命に、1mを超える身長。 あまりに優れていたため、買い手がつかないほどの値段で売られていたのだ。 「おい、実装。お前の買い手が見つかったぞ。 政治家の「」さんだ。 なんでも息子さんが結婚して家を出るから、来週には迎えに来てくれるってさ」 店長が実装に話しかける。 今まで売れずに残っていた実装はとても喜んだ。 (実装) ========================================================= ・一日目 「デッデロデッデ〜♪ 今日はとっても嬉しいデスー。 私にご主人様ができるデスー」 これはとってもありがたい話デス。 いままでの厳しい教えがようやく役に立つデス。 感激でついつい歌っちゃうデス。 ・二日目 「デェェ… 今のうちに体を鍛えておくデス」 ご主人様は来週迎えに来るデス。 そうしたらいっぱいお仕事して、ご奉仕するデス。 途中で死んでいったお友達の分までニンゲンさんのお役に立つデスー。 これからは毎日腹筋して腕立てするデス。 ・三日目 「デスー。 店長さん、今日からエサは一番安いのにしてデス」 もしかしたらご主人様はおいしいエサをくれないかもしれないデス。 今日から慣れておくデス。 ・四日目 デスー。 今日はお友達が買われていったデスー いじわるそうなニンゲンさんだったから心配デスー。 私のご主人様は優しい人だと良いデスー。 ・五日目 デス… 早くお仕事したいデス。 だけどわがまま言ったら糞蟲になっちゃうデス。 ・六日目 今日から店長さんに頼んで、他のお友達のケースを掃除させて貰うデス。 お仕事できて幸せデスー。 ・七日目 相変わらず、お友達は寿司コンペイトウステーキってうるさかったデス。 ママに胎教で何を習ったデス? ・八日目 今日で一週間目デス。 あと七日の内にはご主人様が迎えに来てくれるはずデスー♪ ・九日目 「デ!? 店長さん本当デス!?」 デッスー! 明日ご主人様が来てくれるデス! ・十日目 「デスデスデスー、デッスーン」 ご主人様、初めましてデス。 今日からお世話になりますデス。 店長さん今までありがとうございましたデス。 私はお友達の分まで幸せになるデス。 ママみたいにニンゲンさんのために、名誉ある過労死するデス。 ====================================================================== (店長) ---------------------------------------------------------------------- ・九日目 「あ、はい… え?キャンセル? あぁ、はい、それはどうも… ご愁傷様です」 政治家の「」さんが死んだ。 話によると、家が急に崩れてそのまま生き埋めになったそうだ。 ぜんぜんTVでやってなかったから知らなかった… あー、あいつどうしようか…? あの値段じゃ買い手はつかないし、 かといって安売りは勿体無さ過ぎるし… こいつの世話は俺がずっと見てきたんだよ、なぁ… 家で引き取… その時だった。 俺が悩んでいると電話が掛かってきた。 「もしもし? 「」さんが予約してたお手伝い実装ですけど、 私に買わせて貰えませんか?」 気持ち悪い声の女が狙い済ましたようにあいつを注文して来た。 明日には引き取りに来るっていってたけど… なんか不気味だな。 ・十日目 俺が食用蛆パックを整理していると、店の空気が急に淀んだ。 恐る恐る入り口の方を見ると、恰幅の良い中年女性がそこに立っていた。 「すみませぇん。 昨日高級お手伝い実装を頼んだものですけど」 妙なババアはポケットから札束を乱暴に出すと、レジに叩けつけた。 「はぁい、お釣りはいらないからね」 ババアは実装を派手なケースに入れると、黒塗りの車に乗って去っていった。 ・三十五日目 俺はあの時の妙なババアの話を友人にしてみた。 そんで、利明の話によるとあのババアは恐らく実食ババアとかいう基地外らしい。 なんでも実装ならなんでも珍味だの美味だの言って喰い殺すそうだ。 あぁ… あいつはもうとっくに死んだんだろうな… ------------------------------------------------------------------------------- 駄文でした。 赤いサクブスでした。
