■月下の宴05 うしろ暗き若人集いて 宴を約すこと 上滑るロジックに 竹は黒光りすること バールは迷わないこと さくらではなく梅だったこと 指の腹に糸を押しつけて波を拾う ときに我が身も切ること −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 自分から審判を言い出したわけだが 実質的には「ギャラリー」のつもりで来た ウチは 虐待派でもないし愛護派でもない たぶん 強引に分別されたら虐殺派の袋に入れられる とは云え 積極的に公園を廻って 実装石を潰して廻ったりするコトもしたこと無いし(おとといが初めて いやホンマに) 茂みで見かけた実装石を(誰も見てなければ)カタチが無くなるまで 踏みつけるくらいのどこにもいる普通のオンナノコだ 靴が汚れるので コンビニ袋の携帯も忘れない 外側から履くのだけれど あれは踏んだ感じが滑るのが面白くない だから 今日は運動靴 って 審判してんだっけ しょうがないので 見物しながら 足の下で1匹 こねて回す 最初こそ耳障りに鳴いているが すぐにソレも聞こえなくなる 時々 肺でも圧迫されて空気が漏れるのか デとかプピとか そんな音が出ることもある ごうりごうり プ ピ ごうりごうり デ ベ なにしてたんだっけ あ 審判だ 審判 なんか 始まってるのか いや まだまだ 理科の先生みたいなノが なんか むつかしいコトを云ってるの か? 「ゴン」とか聞こえるから 「ごんぎつね」のハナシをしているのかも知れない イタヅラ好きの狐と 猟師の話で てぶくろを投げ合って 決闘をする コイントスの寛永通宝を木の葉とすり替えたのが ギミックだったか? やわらかそうな 子供の手を 生々しく覚えているが アレは何かの複線だったのか 聞いたのが ずいぶん昔だったので 間違ってるかもしれない ハナシも終わったヨウなので さっきから 足でこねていた仔実装を潰して 作業を見られる位置に移動 ハコを選んで 作業をはじめる 手術中の医者みたいに てきぱきと 迷いのない動き・・・ 見たこと無いけど 虐待派っていろいろするンだなぁ そのうち 仔実装2匹を縦に裂いて テンコシャンコにくっつける おお なんか 凄い 凄いような気がする また なんか云ってるけど 終わったようだ 体育教師みたいな男は これぞ 理想的な虐待師を絵に描いたヨウな印象 だいいち バールのようなモノを振り回している そう 振り回している 隙さえあれば 振り回す 走りながら振り回す なんか呑みながら振り回す ああ あんな風でなければ 虐待派であるテンションは保てないのかあ それは 大変な道を選んだもんだ ウチでは でけん 走り疲れたのか 段ボールの前で ハコをバールのようなモノで 指さす あ 審判審判 ぶんぶんと中実装をバールで廻しはじめる なんか 大道芸人みたい 都庁の前で見たことがある あっという間に ハゲハダカになり 偽石になった そうすると 手品師のたぐいかもしてない 見直したぞ体育教師 「ヒャッッッッハハハッハハハjッハハハッハハハハハッハハハハッハハh−−−−−−−−−−−−!!!!!!」 彼もうれしいのか叫んでいた それからの動きには なにやら 一定の法則に従って 動いているらしく 無駄が多い 「えーと フェイントとかしてなかった?」 と まわりに確認してみる 理科の先生は 「彼は 目に見えない敵と 戦っているのか?」と 小学校時代の友人は 「くねくねしているな」との感想 みんなも ソウ思ってたんだ あ 礼してる終わったみたい さて 小学校時代の友人 さいきん再会したので サークルのコンパに潜り込ませたのが 今回のこの状況を招いたコトになる ウチのせい? ああ そうかもしんない そもそも 彼女は 危なっかしくて 放っておけない ウチが助け船を出してあげるコトが良くあったっけ 「でも 其れは泥舟で わたしたちはよく 溺れかけた」 おとといのコンパの最初で 彼女と交わした会話だ 二人して 笑った その彼女 ここ数年何をしていたんだか 妙な技を使う虐待派になっていたとは おかあちゃん ウレシイで(さめざめ) むかしは ジッソちゃん 好きだったはずだが それに間しては 云いコ無し ウチも一緒だ じゃなくて ウチは 虐待しない ごうりごうり プ ピ ごうりごうり デ ベ 気が付いたら 足で仔実装を丸めていた 考え事をしていると 良くあることだ あ 審判だっけ 「糸使い」と聞いているが 三味線の勇次くらいしか思い浮かばない 必殺仕事人のキャラだ 中条きよしだ 折れたタバコの吸い殻だ ごうりごうり ブ テ゜ 審判! 前に出ようと思ったが 雰囲気で制されて立ち止まる 踏ん張る足の下で仔実装が潰れる 彼女は前の方にある 段ボール箱を睨んでいる 「あれにする」 と云うと 手を振り回している パラパラ いや 応援団 あるいは 雨乞い あるときは大きく あるときは細かく 震えているようにしかみえない動きもあった 遠くで演じられる 人形劇 「あれって 糸繰りの方は 本格劇団 少ないのよね 設備の問題かしら」 許可が出たのか みんなで前に出て見物じゃなくて審判 糸は細いが 見て取れないほどの細さではない それに血や汚れが点いているのでなおさらだ 実に細かく動く 対して実装石の動きは ぎこちなく遅い 親の口に仔実装を押し込んで いや 飛び込ませているようだ わがココロの友ながら えぐいことをする 親実装と おやゆび実装を2匹を残して終わったようだ アズユーライク? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 月の映ゆる公園 宴は酣(たけなわ)を越え終局に至らんとす 「なぁ ドウする」 「ドウにか なるのか?」 「まぁ いいじゃないかおれは 意外と」満足している 梅の木の前で 思うままに陣取り マッチョでガサツで体育教師の提供したワンカップ大関で乾杯をする 「他はない あとは飲みかけのトリスのポケット瓶だけだ 間接キッスになるが へんな病気はない」 ホントは手近なコンビニでビールをしこたま仕入れて来たいが“和を以て尊しと為す”が信条のメガネで白衣の丸メガメで理科の先生 「ワンカップでいいよ ありがとう」と云う 「こんどは おれの実家でちゃんと買ってくれればいいぜ でも酒よりつまみにしてくれ 利ざやがいい」 「ああ 積極的に専売でないモノをチョイスしやるよ」地味女にして生意気女 そして友人 「ん」と云って体育教師に手を差し伸べる 派手女 背が高い審判女 そしてトモダチ チャレンジャーだ トリスのポケット瓶を要求している クイと呑み 「トリスを呑んでハワイに行こう」ともはや おじさんでも解らないギャグをかます 1ドルが360円固定の時代のコピーだ 「おまえの アレ嘘だろう」マッチョからメガネくん 「うん 親は平気で育てるよ 大雑把なんだ だから 君のケースもおやゆびは葛藤もなく喰われている」丸メガネから地味女に 「それは コレ?」派手だった女 その手には 親指実装が握られていた 「いや 踏み心地良さそうだったから」 ぽとりと地面に置いて 踏み丸めようとする 「待て 今後の人生で 絶対出来ないことを やらせてくれ」体育教師はポケット瓶の蓋にワンカップを捧ぐ 体重から換算して 妥当だな とか云いつつ 数滴を垂らす 「呑め」 「テチ?」貰えるモノは何でも貰う実装石も 未知のアルコールには躊躇した まわりに目配せをし やるぞの信号を出す「オレの酒が呑めないって云うのか!」激昂してみせる 「そりゃ 云えな台詞だね」メガネくん 酔っぱらいのパロディー「すっきりした」 「悪趣味だ」生意気女「それにもったいない」 「テチ!」意を決して呑むおやゆび実装 「やばいって」トモダチが止めようとする さっきまで潰しの対象だったのに 呑みきる「ぷはぁ」 「呑めるんだ」 「呑めないって報告は 読んだこと無い」 土台がお子さま口の実装石 酒とか呑めるとは 想定もしてしていなかった しかも 「テ」とおかわりを要求する 実装石だろうがニンゲンだろうが コウ云うときは もう呑むな とかフォロー的な行動に出る ニンゲンの観察も面白い 『ぼくが/おれが』 かぶった メガネはマッチョに譲る ありがとうの目の合図「貰って良い?アルコールで虐待するから」 「口答でいいから レポート上げてくれよ」 「中実装になったらこの公園にリリースする」 云うまでも無く おやゆび実装が中実装にまで育ったハナシは希である アア コイツハ ロマンチストナンダ・・・ お開きとなり 三々五々散っていく 女二人は 途中まで一緒だ 「結局なぁなぁだったな 勝ちは無しか」でもまんざらでない表情 「ソウでもないよ」 「?」 「なぁなぁは まぁ なぁなぁだけど あの親指のひとり勝ちでしょう」 「・・・・あは」 「あはっっはっっはっはは」 宴は終わった −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 後日譚 キャンパスをうろついていても マッチョだけは やたらと目に付く あるときは 野球同好会 合気道同好会 ムエタイ サランボ・・・ 「アレ どうした?」と聞くと 「呑み過ぎて困る」と答えた 「あン時の他の奴ら 見る?」 「背ぇ高い方とは 時々逢ってるぜ」 うぁ マッチョやるな 「ンで もうひとりの方は?」 「ソレだがな メガネくん」 や メガネ人口って 50%凸凹いるし その名前は返上したいです 「ふふふふ 偉そうに構えていても 何も解ってないンだなぁ」 ? 「メガネくんの定義は 必ずしもルックスにあらず 解説者の称号なのだ」かんらからから めまい 「そして もうひとり方だが 実は 偽ガクセイだったんだ 彼女が誘って 呑み会に混ぜたらしい 彼女も 最近は逢ってないって云ってたなぁ」 そんな気がしていた 「よう 気ィ落とすなよ」 ぼくが なんで 「いつまでも満月じゃねぇし 新月も三日月もある ヨウはコウ・・・」 頭をかく 「あれだ 月は満ち欠けするから 月なんだ」 と云った 【※ごんぎつねフェイク】 「手袋を買いに」(著:新美南吉)を混ぜました −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 了 ■過去作品 常緑樹 コチラ側通信 答えて曰く もっぱら中実装 数学者は恐い
