■月下の宴04 うしろ暗き若人集いて 宴を約すこと 上滑るロジックに 竹は黒光りすること バールは迷わないこと さくらではなく梅だったこと −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 幼少の砌(みぎり:こんな漢字だったのか!) 家庭の微妙な事情ってほどではないが 家族に「ジッソちゃん」を飼いたいとは云い出せなかった 同世代の(がさつな)男子どもとは違い 女子たちは実装石を飼いたがった お人形遊びの延長なのだろうとも考える トモダチの飼い実装の「エメラルド」ちゃんは 実はトモダチよりも年上で 一日の殆どを 縁側で「ぼー」と過ごしていた(この場合「デー」か?) 「こいつ だめやねん もう あんまし動かひんし」 わたしが「来たよ〜」とか話しかけると「デスデス・・・」と反応し 奥へと消えていき 忘れた頃に トモダチの部屋をぽふぽふとノックする 「デー」 丸い盆に 父親の靴下やら お茶缶やら センヌキやら 食卓塩やら・・・ あ おしいなぁ 「もうええ おまえ来ンでええ 来ンなよ・・・」 トモダチは 彼女を荒っぽく押し返して ふすまを閉める 向こうで茶筒が かんからかんわわわわわわわんわわんうわわわわと転がる音がする 「あれでな 昔は家事とか 立派に手伝って呉れてたンで」 もう ダメやン ウチに恥かかせんといてや ホンマに テーブルの菓子器の脇で すまなさげな表情で 彼女の孫に当たる仔実装が コチラを見上げてた ピンクの服に わたしが付けた ちり紙の羽 そのころのわたしも 例に漏れず ペットショップで見かけた 儚げな仔実装に恋をしてしまった 値段を見ると お年玉3年分を優に越している 「ンなもん 公園に掃いて捨てるほど居るじゃねーか」 がさつの代表みたいな男子が 無責任に云ってのける コドモゴコロながらに 「あれ」と「それ」は そもそもが違うモノだと漠然と(されど決定的に)認識してしていたわたしは 「なんなら おれが 良さそうなのを見つくろってやろうか」の問いに 「いらない」と答えた 数日と開けず 「コレはアタリかもしれん」 がさつ男子は 紙袋に入った仔実装をわたしに呉れた 自分で丁寧に洗ったのだろう 実装石特有な臭いよりも シャンプーの匂いが勝っていた 「オトナしいやろ きっと ええ仔や」 「“ぶりーだー”とかが“ちょーきょー”したジッソじゃないと“くそむし”になるんだよ」 「そうなん?」 じゃあ つぶす? 袋の隅で震えている ソレは とっても儚く見えた 「ありがとう」飼ってみるわ 1年も過ぎた頃 わたしは その仔を殺した −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実は 困っていた 一昨日に売った喧嘩のツケについてである トモダチが気を利かして潜り込ませてくれた 大学のサークルの呑み会で 目だ立たず されどたらふく呑み貯めよう・・・ と 心を決めていたのに 実装石とは違う世界で生きようと思っていたのに・・・ あの無駄にでっかいガサツ野郎が悪い 彼の虐待が悪い 自分の衝動をジッソに押しつけてるに過ぎないのだ 一昨日のアレは 「ジャムが足りない」 デュオだろう トリオだろう カルテットだろう 相手の声を聞け 歌いながら聞け 状況を判断して次のセンテンスを投げろ また受けろ 山下洋輔に学べ セシル・テイラーに学べ 予定調和に着地しろ 広げろ 裏切れ 受け止めろ突き放せ そして共演者感謝しろ あるいは罵れ 馬手(めて:右手)には花束を 弓手(ゆんで:左手)にはナイフを 火が点いた 腹が立った 反面 Mに斟酌しないドSっぷりは認めても良い それくらいの配慮は持ち合わせている だから 正直に 「あなたはそれで嬉しいのですか? それでお安う御座いますね」 と感想を述べた ちょっと違ったかも知れないが したたかに酔っていたので 定かではない そして本日 この公園 白衣の丸メガネの演奏は 独自の世界感に強引に巻き込み処理する作法 通りの良い言葉を撒いて 近似値を引き寄せる 誤差を丸め 結論をカオス(理論)に持ち込めば 解を「偽」に導ける 説得力勝負に相応しい ある意味 言語魔法だ はぐらかしとも云う この場合 巻き込まれたのは実装石ではない 時間を掛ければ 彼女らを巻き込むのも可能だが 20分の枷は意外と重い ふだんは 家に持ち帰って じっくりコトバ責めで胎教を妨害したりしてるのかもしれないが(いや 絶対してる) 彼の竹材への着地点は好ましい 技術としても 超絶技巧と云えないまでも 悪くはないレベルだ インドアスキルを外で使う迷いがない 単に 無分別なだけかも知れないが プラスに評価しよう 拘りの幅が人格なのだ でかいガサツ男 得物はやっぱりバール(ry だった 「まだ バール(ry使いなんで居たんだ」 皮肉ではなく 関心 云うまでもなく その破壊力は絶大だ おでんの屋台を ものの数分で粉砕する様を見たことがあるが 手榴弾くらいの威力はあるのではないかと思える (実際には コンマ数秒で破壊できなければ対等な運動量にはならないのだが まぁ 気持ちだキモチ) そんな バール(ry で微細な虐待は不向きだ 不向きだと思っていたら コレだ 屈強なスナップ捌きで 実装石をカツラ剥きに捌いてしまった これには 驚いた せいぜい ゴルフクラブさながら 飛距離でサービスすると思っていた 真上に打ち上げて 一歩も動かず 落ちてきたトコロを刺し貫く くらいに構えていたが たいしたものだ そのあとは 単純な粉砕に堕するのだが 自分なりのルールに則ってやっている感があった ストイックなモノさえ感じる ただ 〆が拙い 丸メガネに触発されたのかも知れないし 自分のキャラは マッチョなだけではなくインテリゲンチャもあるゾと云う ガサツくんのコンプレックスかも知れない コンプレックスのあるヤツは 嫌いではない うっすら がんばれ と 批評をしている場合ではなく 次は わたしのお鉢だ 糸は4束の縒りと 予備の繭が3 これで全てだ 捨てきれなかった 実装石との繋がりの数と云うワケか? さもしい 糸使いは 難易度も高く 華もあるとされているが 実は意外とソウでもない 確かに 糸を仕込んだ個体を 遠隔的に切り裂いたり 行動を制限したり と 観察者の意表は点ける 直接攻撃としても 痛みを伴わず切り落とすとか 痛点を攻めて無傷で偽石崩壊を誘えるとか 利点は確かにあるが それだけに過ぎない 謙遜しているワケではなく 事実を確認しているに過ぎない ギミック含みで放った糸も“繰り出し”が重要なスキルで 実装石が茂みを移動すれば 距離を置いて追跡し 観測しコトに備える ひたすら 障害物を回避するため 腰を下げて 実装石をトレスする様は ジミだ 地味すぎる・・・・ よっぽど 電動エアガンでBB弾をばらまく方が 目的に叶っていると云える がくし とも 云ってられない 段ボールの選別からだ 今回は 出オチは無い 「あれにする」 ずるいと云われても構わない 入り口が少し開いている筺を選んだ 常緑樹の根本に 巧妙にカムフラージュされている 「たぶん 親1 仔4だ」 視覚ではなく 聴覚による判断 自信はある 「確認に行こうか?」 「必要ない すぐに展開させる」 距離にして6m弱 充分に間合いだ 前にも触れたが(たぶん二話) 糸の先の方は太く縒ってあって 遠くへ流すための 重しとなって機能する コイル状にたわめた 一本を直接 親に飛ばし絡めとり 残りの糸はを段ボールに這わす 馬手(右手)の二本は スナップで飛ばし 孤を描いて上から掛ける 大雑把に仔実装を二匹ずつ 押さえる 指で糸を捻ることによって 上下左右 あるいは螺旋の角度を制御することが可能だ 表面の粘度を感触で計る 体表の汚れは少なくいらしくμ(ミュー:摩擦係数)は低い 触覚 聴覚を駆使して 親の占有空間を類推し ソコから探り出した 一般的な仔実装の配置を大まかに暫定し 糸を繰ったワケだが 鈍ってない手応えが 戻ってくる そう 糸使い最大の利点は このフィードバックにある シーケンスなエアガンとは違う嬉しさだ 「開く!」 親に絡ませた糸の 手前側のみを引ききり 彼女たちの住居を一気に瓦解させる 「デ?」 「テ?」 「テ?」 「テ?」 「テ?」 「レ?」 れ? しまった 親指実装か! わたしの混乱 彼女たちの混乱 親を絡めていた糸を大幅に巻き取り(段ボール瓦解の余り分)少し繰り出す 指でひねりの信号を乗せて 親指実装に絡げる アドリブなので 食い込みが深い 「あせると ろくなコトは無い」 ガサツ男 さすがに目が良い しかもブルーベリーガムまで噛んでいる 「親への緻密な制御が むつかしくなったね」 言葉尻に乗ったのか そのメガネは 伊達なのか 丸メガネにも読まれている 「なぁに ケータイストラップが 付いただけ!」 親指実装に絡めた糸は 先端と終端で閉ざして 力学(牽引力)から除外する 予定通り 親に絡めた糸を引ききる 右耳と頭巾の一部を切り落として 一気に覚醒を促す 「デチャアアアアァッッァッッァァ!!」 鳴くねぇ でも血が入って 強制妊娠に成らない配慮を感謝して! すうすうはくはくすうすうはくはくすうはくすうはく・・・ 呼吸が整ってきて 周りを観察する余裕が出てきた処を見計らい 仔実装を一匹 つり上げる 上から糸を投げたマッピングの主眼はコレだ 実は 木の枝に絡めての配置だ 引けば宙に浮く 右手2本の糸に4匹の仔実装 片手で弄ぶ分には 多すぎる ので それぞれの 手元側の個体を一気に切り裂く じょぶばぼべてち 覚醒し 頸の角度を外的要因で決められ 中空に浮かんだ我が子が2匹(1匹は逆さ吊り)爆(は)ぜるように四散する 理解するまで 数秒 くすくすくす 親実装は 笑いはじめる 糞蟲だったわけでもなく 自我が崩壊したわけでもない 判断能力の埒外に着地したに過ぎない 人間でもあることだ 笑いと悲しみは等価値に機能する 親と親指側の糸に緊張を与えつつ そっち側は足で踏んでホールド (現状は 足首に痛みを与え 座らせた状態だ) 右手の糸の1本を 空いた左で受け持つ 両手でそれぞれ1匹ずつ仔実装の操作に専念できる状態だ 神経にも介入できる そろそろ視野のサポートが必要な操作だ 糸を巻きつつ前に出る 向こうに観察力があれば 見つかるくらいの距離感 絶えずイベントを与えるコトでコレを回避 2匹の仔実装を親の方に前進 糸で前方に誘いつつ 目的ベクトル以外に動けば激痛を与える方法で行動に制限を与える(静止も同様) 座った状態の親の腰元くらいに2匹を取り付かせる ココからは 意志を大幅に裏切らせる操作なので 左手で操作している個体をホールド さらに糸を繰りだして右手で操作している個体に絡める 二本の糸で1匹を操作 腰から 這いずってゆき 口元へ 当然 意図を察知した段階で激しい抵抗を見せるのだが 基本に忠実に激痛をカウンター当ててねじ伏せる 口まで導けば 後は簡単で 足首に切り目を入れる 体重を支えきれず 仔実装は重力に従う 親の口に頭から落ちてゆく 糸の最後のシゴト 四肢の切断 閉じられない親の口の中で 分割された仔実装は 「テチ」と鳴く 親は気道を確保するため本能的に 我が仔の 血と糞を嚥下する 状況の判断 後悔 「あうあうあう・・・・」 としか聞こえない嗚咽 最後の仔実装が 親実装を昇りはじめる 莫迦でも ココまで見せれば 経緯を飲み込める 二本絡めた糸の反応が重い 糸を送り先端を脊髄に潜り込ませる 切断 あとは 単に操り人形と大差はない 親の口中に押し込む ぶじぶじぶじ 先の仔実装を潰しながら 親の顎を外しながら 二本の糸を引ききる 一旦回収 さらに送る 親に絡む 口を 閉めさせる ぐちゃり ぶしゅ ぶしゅ ぐちゃ ぐちゃ くちゃ ぐちゅ ぐちゅ 口の端から赤緑な液体を流しながら 咀嚼 コチラは 外的要因で噛ませてる訳だが 嚥下を制御する術は無い 自動的に反応する その都度の拒否反応 返値としては 震えとして認識される それも来なくなる 積極的な嚥下 「デスデスデスデスデスデスデスデスデス・・・・・」 笑ってる 全部の糸を回収する 現状は 崩壊直前の親実装 不本意ながら傷付いた親指実装 仔実装の2体分の染み 崩壊した段ボール 二者を残して この宴を終了させる 【※SMのジレンマ】 Sは虐めたい Mは虐められたい この図式に於いて Sが合法的にパートナーを選ぶとすればMを選ぶしか無い Sは厭がる人間を虐めたいのだが Mは単にいじめれて喜ぶ Sは煮詰めれば Mに対してのサービス業に成り下がる まぁ 現状はSがマメに管理して成立している(ある種美しい)均衡がソコにあったりする 【※フィードバック制御 シーケンス制御】 フィードバック (feedback) とは、ある系の出力(結果)を入力(原因)側に戻すことをいう。 増幅器の特性の改善、発振、演算回路及び自動制御回路などエレクトロニクスに広く利用されているのみならず、 システムの挙動を説明する為の基本原理として機械系や生物系、経済などにも広く適用例がある。 自己相似を作り出す過程であり、それゆえに予測不可能な結果をもたらす場合もある。 シーケンス制御(しーけんすせいぎょ、Sequential Control) とは 「あらかじめ定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御」である。 日本工業規格(JIS)の旧規格 C0401 に定義されている。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 フィードバックの方が偉そうだが 昨今 シーケンスも見直されているコトを付け加えておきます −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 続 ■過去作品 常緑樹 コチラ側通信 答えて曰く もっぱら中実装 数学者は恐い
